LOVE TAIL   作:ナツ・ドラグニル

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LOVE TAIL前回までは


エルザ「鉄の森が何かを企んでいる」


グレイ「死神エリゴール」


カゲヤマ「正規ギルドのハエ共が!!」


ルーシィ「あたしその笛知ってる!!呪いの笛ララバイ!!」


エルザ「やつらを止めるぞ!!」


第13話 死神は二度笑う

クヌギ駅。

 

 

魔道四輪車で、カゲヤマを追うエルザ達。

 

 

その途中、駅で騒動が起きている事に気づく。

 

 

「いきなり大鎌を持った男達が乗り込んで来たんです!!!」

 

「ワシは知っとるぞ!!!あいつ等はこの辺にいる闇ギルドの者だ」

 

「女房より大切な商売道具を、列車の中に置いてきちまったんだ」

 

 

ざわざわと騒ぐ乗客の話を聞いて、状況を理解したルーシィ達。

 

 

中には、見覚えのある者もいたが。

 

 

「あいつ等..列車を乗っ取ったの!!?」

 

「みたいだね」

 

「馬車や船とかならわかるけど列車って..」

 

「あい....レールの上しか走れないし奪ってもそれほどのメリットないよね」

 

「ただし、スピードはある」

 

 

ルーシィとハッピーの考察に、グレイも入る。

 

 

「何かをしでかす為に奴等は急がざるえないという事か?」

 

「なぜ脱ぐ」

 

 

話をしている間も、なぜかグレイは着ている服を脱いでいく。

 

 

「もう軍隊も動いているし、捕まるのは時間の問題なんじゃないかしら?」

 

「.........だといいんだがな.........」

 

 

マキの言葉に、エルザはそう返した。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

乗っ取った列車の中で、エリゴールはカゲヤマからナツ達の話を聞いていた。

 

 

妖精(ハエ)だぁ?」

 

「えぇ..さっきまでこの列車に乗ってましてね。まったく..ふざけた奴っスよ」

 

 

カゲヤマの話を聞いたエリゴールは、ぎりっと歯を食いしばった。

 

 

次の瞬間、スパァンと音を立てカゲヤマの左右にかまいたちが通過する。

 

 

ピッと音を立て、カゲヤマの両耳が切れた。

 

 

「あ゛っ......いぎぃぃぃぃっ!!!」

 

 

両耳を押さえ、カゲヤマは床に倒れる。

 

 

「まさか感づかれたんじゃねぇだろうな」

 

妖精(ハエ)なんかに感づかれた所で、この計画は止められやしないでしょうがっ!!!」

 

「当たり前だ、しかし邪魔はされたくねぇ。わかるな?」

 

「くっ...」

 

 

くるくると手の中でララバイを玩ぶエリゴールは、ララバイをカゲヤマに突きつける。

 

 

妖精(ハエ)か....飛び回っちゃいけねぇ森もあるんだぜぇ」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ギャギャギャと凄い音を立て、エルザは町中で魔道四輪を走らせる。

 

 

エルザが魔道四輪に繋いでいるプラグは、ドクンと大きく脈打っていた。

 

 

「エルザ!!飛ばしすぎだぞっ!!!SEプラグが膨張してんじゃねーか」

 

「ララバイが吹かれれば、大勢の人が死ぬ!音色を聴いただけで、人の命がきえてしまうんだぞ!」

 

「わかってっけど!奴等の目的もはっきりしてねぇし....一戦交える可能性もある。そんなにスピード出したらいざって時におまえの魔力が枯渇しちまうぞ!!」

 

「構わん、いざとなれば棒切れでも持って戦うさ。それにおまえたちがいるしな」

 

「む..」

 

 

エルザの言葉に、グレイは何も言えなくなってしまった。

 

 

エルザ達がそんな話をしている中、魔道四輪の中では...

 

 

「何かルーシィに言う事があった気がする」

 

「私に?何?」

 

「忘れちゃったんだ、ルーシィに関係してたのは確か何だけど」

 

「気になるじゃない、思い出しなさいよ」

 

「う~~ん....」

 

 

思い出そうと頭を捻るハッピーだったが、全然思い出せないでいた。

 

 

その時、床で突っ伏していたナツが呻いた。

 

 

「うぷ...気持ち悪い...」

 

「......キモ..チ..ワ..ル....それかも!!」

 

「それかいっ!!!」

 

 

そこで、エルザの乱暴な運転に我慢できなかったのか、ウミが窓から体を半分程出した。

 

 

「ちょっと!!ウミ落ちるわよ!!」

 

「う゛う゛う゛......落として..ください....」

 

 

落ちようとするウミを、マキが押さえながら介抱する。

 

 

「う~ん何だろ?ルーシィ気持ち悪いじゃないとしたら、ルーシィ、変、魚?おいしー、ヘルシー、変、変、変、変...」

 

「私は変ばっかりかい!!!」

 

 

耐えきれなかったルーシィは、思わずハッピーに突っ込みを入れる。

 

 

「あ!!」

 

「!!」

 

 

その時、外に出たウミを引き上げるために窓から顔を出していたマキと、運転していたエルザが何かを見つけた。

 

 

「何だあれは..」

 

 

マキ達の視線の先には、建物から黒い煙が立ち上がっていた。

 

 

 

 

 

オシバナ駅。

 

 

駅の周りには、ざわざわと騒ぐやじ馬で溢れかえっていた。

 

 

『みなさん!!お下がりください!!ここは危険です!!』

 

 

拡声器を使い、1人の駅員がやじ馬達に注意を促していた。

 

 

『ただ今、列車の脱線事故により駅には入れません!!』

 

「脱線?本当かい?」

 

「いや..やばい連中に駅が占拠されたって噂が...」

 

 

『お下がりください!!内部の安全が確保されるまで、駅は封鎖します!!』

 

 

呼びかける駅員に、エルザが質問する。

 

 

駅内(なか)の様子は?」

 

「な..何だね君は!!!」

 

 

驚く駅員だったが、エルザは即座に頭突きで駅員を黙らせる。

 

 

駅内(なか)の様子は?」

 

「は?」

 

 

ゴッ!!

 

 

駅内(なか)の様子は?」

 

「ひっ」

 

 

ゴッ!!

 

 

エルザは他にも2人の駅員を黙らせる。

 

 

「即答できる人しかいらないって事なのね」

 

「だんだんわかってきたわ..」

 

 

その様子を、見ていたルーシィとマキはエルザに恐怖する。

 

 

「てか!!ナツ(これ)ってあたしの役!⁉」

 

「流石にウミ(これ)運びながらじゃ動きにくいんですけど!⁉」

 

ナツをルーシィが、ウミをマキが運ぶ事をエルザ達に抗議する。

 

 

しかし...

 

 

「中へ行くぞ」

 

「おう」

 

『了解』

 

『あいさ』

 

『シカト..』

 

 

2人の抗議は、流されてしまう。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「軍の一個小隊が突入したが、まだ戻ってこないらしい!!恐らく、鉄の森(アイゼン・ヴァルト)と戦闘が行われているのだろう」

 

「ひぇ~」

 

 

駅内を走るルーシィ達の前に、驚くべき光景が広がっていた。

 

 

「なっ!?」

 

「全滅してるにゃ!!?」

 

 

軍の者であろう人達が、全員血を流して倒れていた。

 

 

「相手は一つのギルド、すなわち全員が魔導士。軍の小隊ではやはり話にならんか....」

 

「急いで!!!ホームはこっちだよ!!!」

 

 

コトリの先導の元、ルーシィ達はホームへと向かう。

 

 

ホームに足を踏み込んだエルザ達は、足を止めた。

 

 

「やはり来たな、妖精の尻尾」

 

 

列車の屋根に腰掛けるエリゴールと、その前には多くの魔導士達が待ち構えていた。

 

 

「な....なに....この数..」

 

 

魔道士達の数に、ナツを担ぐルーシィは驚く。

 

 

「待ってたぜぇ」

 

「貴様がエリゴールだな」

 

 

ここで、魔道士達のリーダーであるエルゴールとエルザが対面した。

 

 

「あれ....あの鎧の姉ちゃん......」

 

「なるほど....計画バレたのオマエのせいじゃん」

 

 

そこで、酒場で見た覚えのあるエルザにビアードが反応し、カラッカはなぜ計画が漏れたのか理解する。

 

 

「ナツ起きてっ!!!仕事よ!!!」

 

 

ゆっさゆっさとナツを揺らして、起こそうとするルーシィ。

 

 

「無理だよっ!!!列車→魔道四輪車→ルーシィちゃん、乗り物酔いのスリーコンボだもん」

 

「あたしは乗り物かっ!?」

 

 

ホノカの言葉に、ルーシィは突っ込みを入れる。

 

 

妖精(ハエ)がぁ~おまえ等のせいで....」

 

「おちつけよカゲちゃぁん」

 

「ん?」

 

「この..声....」

 

 

カゲヤマの声に、ナツとウミが反応する。

 

 

「貴様らの目的は何だ?返答次第ではただでは済まんぞ」

 

 

ゴォォォと威圧するエルザに対して、エリゴールは面白半分に答えた。

 

 

「遊びてぇんだよ、仕事も無ェしヒマなモンでよォ」

 

 

エリゴールの言葉に、ぎゃはははっと爆笑する。

 

 

「まだわかんねぇのか?駅には何がある」

 

 

ヒョオオオオと音を立て、エリゴールは宙に浮いた。

 

 

「飛んだ!!」

 

「風の魔法だっ!!」

 

「駅?」

 

 

ルーシィとハッピーは空を飛んだ事に驚き、エルザはエリゴールの言葉に疑問に思う。

 

 

エリゴールは放送機の上に、すとんっと着地した。

 

 

そこでようやく、エルザは言葉の意味を理解する。

 

 

「ララバイを放送するつもりか!!!?」

 

「ええ!!?」

 

「何ですって!!?」

 

 

エルザの言葉に、ホノカとコトリが驚く。

 

 

「ふははははっ!!!!この駅の周辺には何百..何千ものヤジ馬どもが集まっている。いや....音量を上げれば町中に響くかな..死のメロディが」

 

「大量無差別殺人だと⁉何の罪もない人達にララバイを聞かせるつもりか!!!」

 

「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに、権利を掲げ生活を保全している愚か者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ、よって死神が罰を与えに来た。〝死〟という名の罰をな!!!」

 

 

エリゴールに、コトリが正論をぶつかる。

 

 

「そんな事したって、権利は戻ってこないよっ!!!」

 

「てゆーか、元々自分たちが悪いってのに....あきれた人たちね」

 

 

コトリに続いて、ルーシィも呆れながら正論をぶつける。

 

 

「ここまで来たらほしいのは〝権利〟じゃない〝権力〟だ。権力があれば全ての過去を流し未来を支配する事だってできる」

 

「アンタ、バッカじゃないのっ!!!」

 

 

呆れたマキは、エリゴールを罵倒する。

 

 

「残念だな、妖精(ハエ)ども」

 

『この声!!!』

 

 

カゲヤマの声に反応し、今度こそナツ達は目を覚ます。

 

 

「闇の時代を見る事無く死んじまうとは!!!」

 

「きゃあ」

 

 

影の魔法が、ルーシィを襲う。

 

 

「しまった!!!」

 

 

油断していたエルザは、攻撃を許してしまった事に後悔する。

 

 

拳の形をした影が、ルーシィに当たると思った次の瞬間。

 

 

「やっぱりオマエかああぁぁぁっ!!!」

 

 

ボゴォ!!という大きな音を立て、カゲヤマの攻撃を無力化させるナツ。

 

 

「てめぇ...」

 

 

ナツが起き上がった事に、エルザ達は笑みを浮かべ、グレイは安堵のため息をつく。

 

 

「ナイス復活♡」

 

 

ナツが起き上がった事に、ルーシィは喜んだ。

 

 

「なんかいっぱい人がいますね」

 

「敵よ敵!!ぜーんぶ敵!!!」

 

 

そして、ナツだけでなくウミも立ち上がった。

 

 

「へっ、面白そうじゃねぇか!!」

 

「今度は地上戦ですね!!!」

 

 

鉄の森を相手に、ナツ達はやる気をみせる。

 

 

そんなナツ達の様子を見て、エリゴールは内心笑っていた。

 

 

——かかったな......妖精の尻尾。多少の修正はあったが..これで当初の予定通り、笛の音を聴かせなきゃならねぇ奴がいる。必ず殺さねばならねぇ奴がいるんだ!!!

 

 

心の中でそう決意し、エリゴールは怪しい笑みを浮かべた。

 




ウミ「それにしても、エリゴールの目的は本当にララバイを放送する事なのでしょうか?」


リン「他に目的があるって事?」


ウミ「なぜ列車を占拠したのか...本当にスピードを求めての行動なのでしょうか?何かを忘れている気が...」


リン「だったら代わりに、リンが思い出してあげるにゃ!!」


ウミ「絶対に不可能なので遠慮しておきます」


次回!!『妖精女王』


ウミ「さて、鉄の森の魔導士達全員が相手ですが、ララバイを阻止する為に負けるわけには行きません!!」


リン「リンも頑張るにゃ!!」


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