エルザ「鉄の森が何かを企んでいる」
グレイ「死神エリゴール」
カゲヤマ「正規ギルドのハエ共が!!」
ルーシィ「あたしその笛知ってる!!呪いの笛ララバイ!!」
エルザ「やつらを止めるぞ!!」
クヌギ駅。
魔道四輪車で、カゲヤマを追うエルザ達。
その途中、駅で騒動が起きている事に気づく。
「いきなり大鎌を持った男達が乗り込んで来たんです!!!」
「ワシは知っとるぞ!!!あいつ等はこの辺にいる闇ギルドの者だ」
「女房より大切な商売道具を、列車の中に置いてきちまったんだ」
ざわざわと騒ぐ乗客の話を聞いて、状況を理解したルーシィ達。
中には、見覚えのある者もいたが。
「あいつ等..列車を乗っ取ったの!!?」
「みたいだね」
「馬車や船とかならわかるけど列車って..」
「あい....レールの上しか走れないし奪ってもそれほどのメリットないよね」
「ただし、スピードはある」
ルーシィとハッピーの考察に、グレイも入る。
「何かをしでかす為に奴等は急がざるえないという事か?」
「なぜ脱ぐ」
話をしている間も、なぜかグレイは着ている服を脱いでいく。
「もう軍隊も動いているし、捕まるのは時間の問題なんじゃないかしら?」
「.........だといいんだがな.........」
マキの言葉に、エルザはそう返した。
☆★☆★☆★
乗っ取った列車の中で、エリゴールはカゲヤマからナツ達の話を聞いていた。
「
「えぇ..さっきまでこの列車に乗ってましてね。まったく..ふざけた奴っスよ」
カゲヤマの話を聞いたエリゴールは、ぎりっと歯を食いしばった。
次の瞬間、スパァンと音を立てカゲヤマの左右にかまいたちが通過する。
ピッと音を立て、カゲヤマの両耳が切れた。
「あ゛っ......いぎぃぃぃぃっ!!!」
両耳を押さえ、カゲヤマは床に倒れる。
「まさか感づかれたんじゃねぇだろうな」
「
「当たり前だ、しかし邪魔はされたくねぇ。わかるな?」
「くっ...」
くるくると手の中でララバイを玩ぶエリゴールは、ララバイをカゲヤマに突きつける。
「
☆★☆★☆★
ギャギャギャと凄い音を立て、エルザは町中で魔道四輪を走らせる。
エルザが魔道四輪に繋いでいるプラグは、ドクンと大きく脈打っていた。
「エルザ!!飛ばしすぎだぞっ!!!SEプラグが膨張してんじゃねーか」
「ララバイが吹かれれば、大勢の人が死ぬ!音色を聴いただけで、人の命がきえてしまうんだぞ!」
「わかってっけど!奴等の目的もはっきりしてねぇし....一戦交える可能性もある。そんなにスピード出したらいざって時におまえの魔力が枯渇しちまうぞ!!」
「構わん、いざとなれば棒切れでも持って戦うさ。それにおまえたちがいるしな」
「む..」
エルザの言葉に、グレイは何も言えなくなってしまった。
エルザ達がそんな話をしている中、魔道四輪の中では...
「何かルーシィに言う事があった気がする」
「私に?何?」
「忘れちゃったんだ、ルーシィに関係してたのは確か何だけど」
「気になるじゃない、思い出しなさいよ」
「う~~ん....」
思い出そうと頭を捻るハッピーだったが、全然思い出せないでいた。
その時、床で突っ伏していたナツが呻いた。
「うぷ...気持ち悪い...」
「......キモ..チ..ワ..ル....それかも!!」
「それかいっ!!!」
そこで、エルザの乱暴な運転に我慢できなかったのか、ウミが窓から体を半分程出した。
「ちょっと!!ウミ落ちるわよ!!」
「う゛う゛う゛......落として..ください....」
落ちようとするウミを、マキが押さえながら介抱する。
「う~ん何だろ?ルーシィ気持ち悪いじゃないとしたら、ルーシィ、変、魚?おいしー、ヘルシー、変、変、変、変...」
「私は変ばっかりかい!!!」
耐えきれなかったルーシィは、思わずハッピーに突っ込みを入れる。
「あ!!」
「!!」
その時、外に出たウミを引き上げるために窓から顔を出していたマキと、運転していたエルザが何かを見つけた。
「何だあれは..」
マキ達の視線の先には、建物から黒い煙が立ち上がっていた。
オシバナ駅。
駅の周りには、ざわざわと騒ぐやじ馬で溢れかえっていた。
『みなさん!!お下がりください!!ここは危険です!!』
拡声器を使い、1人の駅員がやじ馬達に注意を促していた。
『ただ今、列車の脱線事故により駅には入れません!!』
「脱線?本当かい?」
「いや..やばい連中に駅が占拠されたって噂が...」
『お下がりください!!内部の安全が確保されるまで、駅は封鎖します!!』
呼びかける駅員に、エルザが質問する。
「
「な..何だね君は!!!」
驚く駅員だったが、エルザは即座に頭突きで駅員を黙らせる。
「
「は?」
ゴッ!!
「
「ひっ」
ゴッ!!
エルザは他にも2人の駅員を黙らせる。
「即答できる人しかいらないって事なのね」
「だんだんわかってきたわ..」
その様子を、見ていたルーシィとマキはエルザに恐怖する。
「てか!!
「流石に
ナツをルーシィが、ウミをマキが運ぶ事をエルザ達に抗議する。
しかし...
「中へ行くぞ」
「おう」
『了解』
『あいさ』
『シカト..』
2人の抗議は、流されてしまう。
☆★☆★☆★
「軍の一個小隊が突入したが、まだ戻ってこないらしい!!恐らく、
「ひぇ~」
駅内を走るルーシィ達の前に、驚くべき光景が広がっていた。
「なっ!?」
「全滅してるにゃ!!?」
軍の者であろう人達が、全員血を流して倒れていた。
「相手は一つのギルド、すなわち全員が魔導士。軍の小隊ではやはり話にならんか....」
「急いで!!!ホームはこっちだよ!!!」
コトリの先導の元、ルーシィ達はホームへと向かう。
ホームに足を踏み込んだエルザ達は、足を止めた。
「やはり来たな、妖精の尻尾」
列車の屋根に腰掛けるエリゴールと、その前には多くの魔導士達が待ち構えていた。
「な....なに....この数..」
魔道士達の数に、ナツを担ぐルーシィは驚く。
「待ってたぜぇ」
「貴様がエリゴールだな」
ここで、魔道士達のリーダーであるエルゴールとエルザが対面した。
「あれ....あの鎧の姉ちゃん......」
「なるほど....計画バレたのオマエのせいじゃん」
そこで、酒場で見た覚えのあるエルザにビアードが反応し、カラッカはなぜ計画が漏れたのか理解する。
「ナツ起きてっ!!!仕事よ!!!」
ゆっさゆっさとナツを揺らして、起こそうとするルーシィ。
「無理だよっ!!!列車→魔道四輪車→ルーシィちゃん、乗り物酔いのスリーコンボだもん」
「あたしは乗り物かっ!?」
ホノカの言葉に、ルーシィは突っ込みを入れる。
「
「おちつけよカゲちゃぁん」
「ん?」
「この..声....」
カゲヤマの声に、ナツとウミが反応する。
「貴様らの目的は何だ?返答次第ではただでは済まんぞ」
ゴォォォと威圧するエルザに対して、エリゴールは面白半分に答えた。
「遊びてぇんだよ、仕事も無ェしヒマなモンでよォ」
エリゴールの言葉に、ぎゃはははっと爆笑する。
「まだわかんねぇのか?駅には何がある」
ヒョオオオオと音を立て、エリゴールは宙に浮いた。
「飛んだ!!」
「風の魔法だっ!!」
「駅?」
ルーシィとハッピーは空を飛んだ事に驚き、エルザはエリゴールの言葉に疑問に思う。
エリゴールは放送機の上に、すとんっと着地した。
そこでようやく、エルザは言葉の意味を理解する。
「ララバイを放送するつもりか!!!?」
「ええ!!?」
「何ですって!!?」
エルザの言葉に、ホノカとコトリが驚く。
「ふははははっ!!!!この駅の周辺には何百..何千ものヤジ馬どもが集まっている。いや....音量を上げれば町中に響くかな..死のメロディが」
「大量無差別殺人だと⁉何の罪もない人達にララバイを聞かせるつもりか!!!」
「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに、権利を掲げ生活を保全している愚か者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ、よって死神が罰を与えに来た。〝死〟という名の罰をな!!!」
エリゴールに、コトリが正論をぶつかる。
「そんな事したって、権利は戻ってこないよっ!!!」
「てゆーか、元々自分たちが悪いってのに....あきれた人たちね」
コトリに続いて、ルーシィも呆れながら正論をぶつける。
「ここまで来たらほしいのは〝権利〟じゃない〝権力〟だ。権力があれば全ての過去を流し未来を支配する事だってできる」
「アンタ、バッカじゃないのっ!!!」
呆れたマキは、エリゴールを罵倒する。
「残念だな、
『この声!!!』
カゲヤマの声に反応し、今度こそナツ達は目を覚ます。
「闇の時代を見る事無く死んじまうとは!!!」
「きゃあ」
影の魔法が、ルーシィを襲う。
「しまった!!!」
油断していたエルザは、攻撃を許してしまった事に後悔する。
拳の形をした影が、ルーシィに当たると思った次の瞬間。
「やっぱりオマエかああぁぁぁっ!!!」
ボゴォ!!という大きな音を立て、カゲヤマの攻撃を無力化させるナツ。
「てめぇ...」
ナツが起き上がった事に、エルザ達は笑みを浮かべ、グレイは安堵のため息をつく。
「ナイス復活♡」
ナツが起き上がった事に、ルーシィは喜んだ。
「なんかいっぱい人がいますね」
「敵よ敵!!ぜーんぶ敵!!!」
そして、ナツだけでなくウミも立ち上がった。
「へっ、面白そうじゃねぇか!!」
「今度は地上戦ですね!!!」
鉄の森を相手に、ナツ達はやる気をみせる。
そんなナツ達の様子を見て、エリゴールは内心笑っていた。
——かかったな......妖精の尻尾。多少の修正はあったが..これで当初の予定通り、笛の音を聴かせなきゃならねぇ奴がいる。必ず殺さねばならねぇ奴がいるんだ!!!
心の中でそう決意し、エリゴールは怪しい笑みを浮かべた。
ウミ「それにしても、エリゴールの目的は本当にララバイを放送する事なのでしょうか?」
リン「他に目的があるって事?」
ウミ「なぜ列車を占拠したのか...本当にスピードを求めての行動なのでしょうか?何かを忘れている気が...」
リン「だったら代わりに、リンが思い出してあげるにゃ!!」
ウミ「絶対に不可能なので遠慮しておきます」
次回!!『妖精女王』
ウミ「さて、鉄の森の魔導士達全員が相手ですが、ララバイを阻止する為に負けるわけには行きません!!」
リン「リンも頑張るにゃ!!」