LOVE TAIL   作:ナツ・ドラグニル

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LOVE TAIL前回までは


エリゴール「妖精ハエか....飛び回っちゃいけねぇ森もあるんだぜぇ」


ハッピー「何かルーシィに言う事があった気がする」


エルザ「軍の一個小隊が突入したが、まだ戻ってこないらしい!!」


リン「全滅してるにゃ!!?」


エルザ「ララバイを放送するつもりか!!!?」





第14話 妖精女王

 

 

「こっちは妖精の尻尾最強チームよ、覚悟しなさい!!」

 

 

睨みあう両者だったが、そんな中でエリゴールが動いた。

 

 

「後は任せたぞ、俺は笛を吹きに行く」

 

 

そう言うと、エリゴールは駅の大きな窓ガラスへと近づいた。

 

 

「身の程知らずの妖精(ハエ)どもに......鉄の森(アイゼンヴァルト)の..闇の力を思い知らせてやれぃ」

 

 

ガシャァァァァァン!!という大きな音を立て、ガラスを割って隣に移った。

 

 

「逃げるのか!!エリゴール!!!」

 

「しまった!!!向こうのブロックに!?」

 

 

逃げるエリゴールにエルザが静止の声を掛けるが届かず、逃げるエリゴールに驚くコトリ。

 

 

「ナツ!!グレイ!!二人で奴を追うんだ」

 

『む』

 

 

直ぐにエルザがナツ達に指示するが、2人は不服そうにする。

 

 

「おまえたち2人が力を合わせれば、エリゴールにだって負けるハズがない」

 

『むむ..』

 

「ここは私達で何とかする」

 

「なんとか..ってあの数を女子だけで?」

 

 

エルザの言葉に、ルーシィは驚いた。

 

 

「エリゴールはララバイをこの駅で使うつもりだ。それだけはなんとしても阻止せねばならない」

 

 

エルザが説明するが、2人はメンチを切りあって全然聞いていなかった。

 

 

「聞いているのかっ!!」

 

『あいさー!!!』

 

 

ナツ達は肩を組みあって、エリゴールを追いかけていた。

 

 

「うわっ!!逃げた!!」

 

「エリゴールさんを追う気だ!!」

 

 

その時、レイユールが動いた。

 

 

「任せろ!!」

 

 

レイユールは指の根元に付けた紐のようなものを操り、2階の手すりに巻き付けた。

 

 

紐を使い、2階に飛んだレイユールは仲間に対して高々と宣言する。

 

 

「このレイユール様が仕留めてくれる!!」

 

 

レイユールに続いて、カゲヤマも足元に魔方陣を発動した。

 

 

「俺も行く!!あの野郎だけは許せねぇ!!」

 

 

そう叫ぶと、カゲヤマは影の中へと消えていった。

 

 

「あらあら、レイユールとカゲは好戦的だのう。あんなの放っておいてお姉ちゃんと遊んだほうが楽しいだろうに」

 

「作戦の為だよ、オマエよりずぅーっとエライ」

 

 

ビアードの発言に、カラッカが指摘する。

 

 

「こいつら片付けたら、私達もすぐに追うぞ」

 

「うん」

 

「早く倒して、ナツの援護に向かいましょう!!」

 

「早くグレイ君を追いかけないと」

 

 

残ったエルザ達を見て、ビアード達は鼻の下を伸ばす。

 

 

「女だけで何ができるやら....それにしても、全員いい女だなぁ」

 

「殺すにはおしいぜ」

 

「とっつかまえて売っちまおう」

 

「待て待て妖精の脱衣ショー見てからだっ」

 

 

男達の言葉を聞いて、ルーシィは頬に手を当てる。

 

 

「可愛すぎるのも困りものね」

 

「ルーシィ...帰ってきなさいよ...」

 

 

自分の可愛さにトリップするルーシィに、マキが突っ込みを入れる。

 

 

「下劣な」

 

 

エルザが手を前に突き出すと、1本の剣が出現した。

 

 

「剣が出てきた!!」

 

「魔法剣!!!」

 

 

エルザが剣を出現させた事に、ルーシィとマキは驚く。

 

 

「これ以上、妖精の尻尾を侮辱してみろ。貴様等の明日は約束できんぞ」

 

 

ふざけた事をいう鉄の森の魔導士達に、脅しを言うエルザ。

 

 

「めずらしくもねぇ!!」

 

「こっちにも魔法剣士はぞろぞろいるぜぇ」

 

「その鎧ひん剥いてやるわぁ!!!」

 

 

エルザの脅しも居に返さず、エルザに向かう魔導士達。

 

 

向かってくる魔導士に対して、エルザの剣が一閃した。

 

 

『うわぁァァァァァッ!!?』

 

 

一瞬にして魔導士達が吹っ飛ばされ、相手の魔法剣も粉々に砕かれた。

 

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

気合の掛け声と共に、エルザは魔導士達の群れの中に突っ込む。

 

 

エルザが横薙ぎにすると、またしても多くの魔導士達が吹っ飛ぶ。

 

 

「これでもくらえ!!」

 

 

近距離じゃ不利だと思った魔導士達は、遠距離攻撃へとシフトした。

 

 

飛んでくる魔法をジャンプする事で避けたエルザは、魔法剣から槍へと変えた。

 

 

「槍になった!!」

 

 

エルザが槍を横薙ぎすると、遠距離の攻撃をしてきた魔導士を吹っ飛ばす。

 

 

「おごっ」

 

 

すると今度は、槍から双剣へと変わりまたも一掃する。

 

 

『うわぁぁぁぁっ!!』

 

「今度は双剣!!?」

 

「こ...この女....なんて速さで〝換装〟するんだ!!?」

 

 

エルザの強さに、驚くカラッカとビアード。

 

 

「換装?」

 

 

換装をしらないルーシィに、リンが解説する。

 

 

「魔法剣はルーシィちゃんの星霊魔法に似てて、別空間にストックされてる武器を呼び出すっていう原理なんだにゃ」

 

「なるほど、その武器を持ち換える事を換装っていうんだ」

 

「へぇ~....すごいなぁ」

 

 

リンの説明に、マキとルーシィはエルザの凄さを実感した。

 

 

「でも、エルザのすごいトコはここからですよ」

 

「え?」

 

「エルザ?」

 

 

ウミの言葉に疑問に思うルーシィと、エルザという名に疑問に思うカラッカ。

 

 

「まだこんなにいるのか..面倒だ一掃する」

 

 

そう言うと、エルザの鎧が剝がれる。

 

 

「おおっ!!!なんか鎧がはがれていく」

 

「うひょー」

 

 

エルザの鎧が、ドレスのような銀の鎧に背中から2対の翼が生えている『天輪の鎧』へと変わる。

 

 

「魔法剣士は通常〝武器〟を換装しながら戦う。だけどエルザは自分の能力を高める〝魔法の鎧〟にも換装しながら戦う事ができるんだ。それがエルザの魔法、その名は『騎士(ザ・ナイト)』!!!!」

 

「うわぁ」

 

「おおおっ!!!」

 

 

ハッピーの説明に、ルーシィは喜びの声を上げ、男達も目を♡に変える。

 

 

「エルザ..!?こいつまさか....」

 

 

そこで、カラッカがエルザの正体に気づいた。

 

 

「舞え、剣たちよ」

 

 

数本の剣を、円状に召喚する。

 

 

循環の剣(サークル・ソード)

 

 

回転する剣が、カラッカとビアード以外の魔導士達を一掃する。

 

 

『うわぁぁぁっ!!』

 

「凄っ!!」

 

「一撃で殆ど全滅...」

 

『あい!!』

 

「私達の出番ありませんでしたね」

 

「さすがエルザちゃん」

 

 

エルザの強さを知っているウミ達は改めて感心するが、初めてみたルーシィとマキは若干引いていた。

 

 

「くそっ!!こんのヤロォ!!!俺様が相手じゃあ!!!」

 

 

ビアードは頭に血が上り、腕に魔法を発動させエルザに突っ込む。

 

 

「ま..間違いねぇっ!!!コイツぁ妖精の尻尾最強の女、妖精女王(ティターニア)のエルザだっ!!!」

 

 

エルザの正体に気づくカラッカだったが、気づくのが遅くビアードは一撃で沈められた。

 

 

「ビアードが一撃かよっ!!!ウソだろ!!?」

 

「すごぉぉ——い!!!ちょっとホレそ♡」

 

 

エルザの強さにカラッカは恐怖し、ルーシィは惚ける。

 

 

「相手が悪すぎる!!」

 

 

そう言って、カラッカはその場から逃げ出した。

 

 

逃げた事に気づいたエルザは、直ぐにルーシィ達に指示する。

 

 

「エリゴールの所に向かうかもしれん、追うんだ!!」

 

「え——っ!!?あたし達がっ!!?」

 

「頼む!!」

 

 

断ろうとするルーシィだったが、ギロッと睨む。

 

 

「はいいっ!!!行ってまいりまーす!!!」

 

 

ルーシィはマキとハッピーを連れて、カラッカの後を追った。

 

 

「それでは、エルザ私達は」

 

「あぁ、早くナツ達の援護に向かってやってくれ」

 

 

エルザの許可を得た事で、ウミ達はナツ達の後を追った。

 

 

一人残されたエルザは、鎧を元の簡易的な物に戻すとふらついて膝をついた。

 

 

「やはり魔道四輪を飛ばしすぎたのがこたえたな....みんな、後は頼んだぞ」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

一方、エリゴールを追いかけているナツ達は、口論しながら通路を走っていた。

 

 

「二人で力を合わせればだぁ?冗談じゃねぇ」

 

「火と氷じゃ力は一つになんねーしな、無理」

 

「だいたいエルザは勝手すぎんだよっ!!!」

 

「なんでもかんでも自分一人で決めやがって!!!」

 

 

『エリゴールなんかオレ一人で十分だっての!!!ってマネすんなっ!!!』

 

 

取っ組み合いを始めそうになったナツ達だったが、前が左右に分かれている事に気づいた。

 

 

「どっちだ?」

 

「二手に分かれりゃいいだろーが」

 

 

ナツは左に、グレイは右の通路の前に立つ。

 

 

「良いかナツ、相手は危ねぇ魔法ぶっ放そうとしてるバカヤロウだ。見つけたら叩き潰せ」

 

「それだけじゃねえだろ?妖精の尻尾にケンカ売ってきた大バカヤロウだ、黒コゲにしてやるよ」

 

 

二人はにぃと笑いあうが、直ぐに正気に戻りふん!!!とそっぽを向いた。

 

 

死ぬんじゃねーぞ

 

 

「ん?」

 

 

ボソッと言ったグレイの言葉に、ナツは反応する。

 

 

「なんでもねぇよ!!!さっさと行きやがれっ!!!」

 

 

柄にもない事を言ったせいか、グレイは顔を赤くし走り出す。

 

 

 

 

 

しばらく走ったグレイは、拡声器を見つけて悪態をつく。

 

 

「チィ、呪殺の音色をあんなモンで流されたら、たまったモンじゃねぇぞ」

 

 

しかし、ある事に気づいてピタッと止まる。

 

 

「流す!!?そうかっ!!!ララバイを放送するつもりなら、エリゴールは拡声装置のある部屋にいるハズじゃねぇかっ!!!」

 

 

体を反転させ、来た道を戻ったグレイは放送室へと向かった。

 

 

「ふっ!!!」

 

 

放送室の扉を蹴破ったグレイは、中を見回すが誰もいなかった。

 

 

「いない...なぜいねぇ?放送するならココからしかできねぇだろ?」

 

 

熟考するグレイに、近づく影があった。

 

 

「ま....待てよ..ココにいねぇのはおかしい..放送が目的じゃねぇってのか?」

 

 

天井裏からレイユールが紐で逆さまになってぶら下がり、グレイに向けて紐で攻撃する。

 

 

攻撃があたる直前、グレイは横に飛ぶことで避ける。

 

 

「オマエ..勘がよすぎるよ。この計画には邪魔だな」

 

「やっぱり何か裏があるって事か?まったく....仕事もしねーでなーにしてんだか.....」

 

 

狭い放送室で、グレイとレイユールの戦いが始まった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ナツ達を追うウミ達は、先程ナツ達が分かれた通路まで来ていた。

 

 

「二手に分かれてる」

 

「グレイ君達、どっちにいったんだろ?」

 

「二人が一緒に行動することはあり得ません、おそらくここで別れたのでしょう」

 

 

コトリの疑問に、ウミが答える。

 

 

そこで、ウミはスンスンと鼻を動かした。

 

 

「こっちからナツの匂いがします」

 

 

そう言って、ウミは左側の通路を指差した。

 

 

「ってことは、グレイ君はこっちだね」

 

 

そう言って、コトリは右の通路を見る。

 

 

「じゃあ、そっちは任せましたよ。コトリ」

 

「多分、グレイ君の方に紐使いの魔導士が向かったから気を付けてね」

 

「そっちも影使いが行ったから、気を付けてね」

 

 

そう言って、ホノカとウミが左に向かい、コトリが1人で右に向かった。

 




ナツ「あの影野郎!!次会ったら容赦しねぇ!!」

ホノカ「私も許さないよ!!だってナツ君を足蹴にしたんだもん!!」

ハッピー「ナツ~ホノカ~、オイラ達の目的はエリゴールを止める事で、影の魔導士を倒す事じゃないよ」

ナツ「そんなの関係ねぇ!!やられっぱなしは気に食わねぇからな!!」

ホノカ「燃えてきた~!!」

ハッピー「そんなこと言ってると、エルザにぶっ飛ばされちゃうよ」


次回!!『妖精たちは風の中』


ホノカ「さ、さぁ、エリゴールを止めるよナツ君!!」

ナツ「あ、あいさ~」
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