エルザ「これ以上、妖精の尻尾を侮辱してみろ。貴様等の明日は約束できんぞ」
カラッカ「ま..間違いねぇっ!!!コイツぁ妖精の尻尾最強の女、妖精女王ティターニアのエルザだっ!!!」
グレイ「ララバイを放送するつもりなら、エリゴールは拡声装置のある部屋にいるハズじゃねぇかっ!!!」
レイユール「オマエ..勘がよすぎるよ。この計画には邪魔だな」
グレイ「やっぱり何か裏があるって事か?まったく....仕事もしねーでなーにしてんだか.....」
クローバーの街の地方ギルドマスター連盟、定例会会場。
「マカロフちゃん、あんたんトコの魔導士ちゃんは元気があっていいわぁ~♡」
魔導士ギルド『
「聞いたわよ、どっかの権力者コテンパンにしちゃったとかぁ」
飲みすぎて酔っぱらっているのか、うひゃひゃひゃと笑いながらマカロフは答える。
「お———!!!新入りのルーシィじゃな!!!あいつはいいぞぉっ!!!特に乳がいいっ!!!ムチムチボヨヨ~ンじゃ!!!」
「きゃ~エッチ~♡」
「笑ってる場合か、マカロフよ」
「あぁ?」
そこで、1人の男が話しかけてくる。
魔導士ギルド『
「元気があるのはいいが、てめぇんトコはちぃとやりすぎなんだよ。評議員の中じゃ、いつか妖精の尻尾が町1コ潰すんじゃねえかって、懸念してる奴もいるらしいぞ」
「うひょひょ、潰されてみたいのう!!!ルーシィのボディで~」
「もう♡ダメよ!!自分のトコの魔導士ちゃんに手ぇ出しちゃ」
その時、マカロフに手紙を持った1羽の小鳥が近づいてきた。
「マスターマカロフ、マスターマカロフ、ミラジェーン様からお手紙が届いてます」
「ほい、ご苦労」
マカロフは手紙を受け取ると、妖精の尻尾のマークが入った封蝋印を、円を描くようになぞった。
すると、手紙から魔方陣が現れ、ミラの姿が映し出される。
『マスター、定例会ごくろう様です』
「どうじゃ!!!こやつがウチの看板娘じゃ!!!め~ん~こ~い~じゃろぉ!!!」
「あらま~」
「ミラジェーンちゃんか、すっかり大人っぽくなりやがったな」
マカロフはその場にいる全員に、ミラを自慢げに見せつける。
『実は、マスターが留守の間とても素敵な事がありました』
「ほう」
『なんと!!エルザとナツとグレイ、それにウミとホノカとコトリがチームを組んだんです!!!もちろんルーシィとマキ、ハッピーとリンも』
「!!!」
さっきまで上機嫌に飲んでいたマカロフだったが、ミラの話を聞いて一気に酔いが醒め、表情が一変する。
『ね?素敵でしょ?私が思うに、これって妖精の尻尾最強チームかと思うんです』
ミラの話が進むに連れ、マカロフは小刻みに震えだし冷や汗もダラダラと流していく。
『一応報告しておこうと思って、お手紙をしました♡それでは~』
ミラの話が終わった途端、マカロフはガクッと全身の力が抜け、ぱたっと倒れた。
「マカロフ!!!」
「きゃー!!!」
「ど..どうした!?」
突然マカロフが倒れた事で、その場が騒然となった。
「あ~らら~♡」
「心配が現実になりそうだな、おい」
事の顛末を見ていたボブは笑い、ゴールドマインは呆れていた。
——な..なんて事じゃっ!!!奴等なら本当に町一つ潰しかねんっ!!!定例会は今日終わるし明日には帰れるが....それまで何事も起こらずにいてくれぇぇぇっ!!!頼むっ!!!
☆★☆★☆★
「一体中で何が起きてんだ?」
「軍隊が突入したけど、まだ戻ってきてねぇぞ」
「まさか、テロリスト達にやられちまったのか?」
オシバナ駅の前には、先程よりも多くの野次馬が集まってざわざわと騒いでいた。
「それにしても風が強いな..」
「見ろ!!誰か出てきた!!」
その時、野次馬の1人が駅の中からエルザが出てくるのに気づいた。
「き..君!!さっき強引に中に入った人だね、中の様子はどうなんだね」
駅員の1人がエルザに質問するが、エルザは質問に答える事無く、駅員から拡声機を奪った。
『命が惜しい者は、今すぐこの場を離れよ!!!!駅は邪悪なる魔導士どもに占拠されている!!!!そしてその魔導士は、ここにいる人間全てを殺すだけの魔法を放とうとしている!!!!できるだけ遠くへ避難するんだ!!!!』
シーンと静まる野次馬達だったが、数秒かかってようやく状況を理解する。
『わああああああああ』
野次馬達は一目散にと、駅から離れようと逃げ出した。
「き..君!!!なぜそんなパニックになるような事を!!!」
「人が大勢死ぬよりマシだろう」
慌てる駅員に、エルザは冷静に答えた。
「君達も早く避難した方が良い、今私が言った事は本当の事だ。もちろん私達は全力でそれを阻止するつもりだが、万が一という可能性もある君達も避難した方がいい」
「ひっ」
「うああああっ!!」
エルザの話を聞き終わった駅員達も、野次馬同様逃げ出した。
——ララバイ....その音色を聴いた者全てを死に至らす禁断の魔法....エリゴールはそれを使い大量殺人を目論んでいる。しかしこれだけ人がいなければララバイを放つ意味があるまい。さて....奴はどう動くか..
頭の中で考えを纏めるエルザだったが、振り向いた瞬間エルザは我が目を疑った。
「こ....これは!!?」
エルザが見たものは、オシバナ駅を包み込むように竜巻が発生していた。
「こ..こんな事が....駅が風に包まれている!!!!」
☆★☆★☆★
エルザが外で野次馬達を逃がしている間、グレイは放送室でレイユールと戦っていた。
「計画の邪魔をする奴は、全て殺す」
「計画もくそもねぇだろ。ララバイを放送してぇなら、この場所からしかできねぇ。そのララバイを持ったエリゴールがここにいねぇんじゃ、何の為に駅を占拠したのかわかんねぇぞ」
「はぁぁぁぁぁ!!!!はぁ!!!!」
グレイの話も聞かずに、ユリエールは問答無用で攻撃を仕掛ける。
「おっと」
グレイはレイユールの攻撃を避けながら、粉々に壊されていく放送機を見る。
——放送機器を躊躇なく破壊しやがった....!!!!やはりララバイを放送する気はねぇぞこいつ等!!!
「俺のウルミンからは、逃げられねぇ!!」
言葉通り、グレイが避けたレイユールの紐は軌道を変えてグレイに襲い掛かる。
その状況にグレイは慌てる事無く、魔法を発動させる。
グレイが左の掌の上に右の拳を置いた途端、グレイから冷気が放出する。
グレイの前に、水色の魔方陣が展開される。
「アイスメイク!!
八方に広がる花のような形状の盾を、グレイは氷で造り出した。
レイユールの紐は、氷を貫通するほど威力が無かった為に全て弾き飛ばされてしまう。
「氷の魔法かっ!!?」
攻撃が防がれた事に驚くレイユールに、グレイのとは違う冷気が襲った。
「離れて!!グレイ君!!」
突如響いたその声に反応し、グレイは上へ飛んだ。
レイユールの後ろに、氷結傀儡に乗ったコトリに気づいたからだ。
耳をつんざく不快な高音と共に、口にあたる部分から、青い光線のようなものを吐き出す。
その光線が床に当たり、レイユールの足ごと凍らせる。
「あ、足がっ!!?」
「ナイスだ!!コトリ!!」
着地したグレイは、反撃させる余裕を与えず魔法を発動する。
「アイスメイク!!
コトリが作った床の氷の形を変え、グレイは氷で作った拳でレイユールを殴り飛ばす。
「ぐわぁぁぁぁっ!!!」
殴り飛ばされたレイユールは、壁を貫通し隣の部屋まで吹っ飛ばされる。
「てめェ等の本当の目的は何だ?」
「スピーカーで、ララバイを放送するつもりじゃなかったの?」
コトリも放送室の惨状を見て、レイユールを問い詰める。
「ふっふっふ、そろそろエリゴールさんの魔風壁が発動している頃だ」
「魔風壁?」
「貴様等をここから逃がさねぇ為の風のバリアさ」
「何!!?」
☆★☆★☆★
オシバナ駅が風に包まれているのに驚いているエルザの後ろに、エリゴールが現れる。
「ん?なぜ
「エリゴール!!!貴様がこれを!?」
「てめぇとは一度戦ってみたかったんだがな....残念だ。今は相手をしてるヒマがねぇ」
そう言うとエリゴールの手が紫色に光ると、エルザに突風が襲った。
腕を交差して防ぐエルザだったが、後ろに吹っ飛ばされ風の中へと入ってしまう。
「エリゴール!!!」
エルザは風に向かって走り、脱出しようとする。
「あぐっ」
しかし、中に入れた時とは違い、風に弾かれ腕を痛めてしまう。
「やめておけ..この魔風壁は外から中への一方通行だ。中から出ようとすれば風が体を切り刻む。鳥籠ならぬ
「これは一体、何のマネだ!!?」
「てめぇ等のせいでだいぶ時間を無駄にしちまった。俺はこれで失礼させてもらうよ」
「待て!!!どこへ行くつもりだ!!?エリゴール!!!話は終わっていないぞっ!!!」
エルザは尚も叫び続けるが、もう既にエリゴールの姿は無かった。
「一体....どうなっているんだ..この駅が標的じゃないのか!?」
エルザは悔しそうに、血だらけになった拳を握った。
☆★☆★☆★
グレイはレイユールの胸倉を掴み、壁に叩きつける。
「ややこしい話は
「計画に想定外の
「何!?」
「あの町は大渓谷の向こうにあり、この路線以外の交通手段はない。エリゴールさんのように、空でも飛べれば別だがな」
「ララバイはそっちねっ!!?」
そこでようやく、コトリにもエリゴール達の目的が分かった。
「クローバーには何があるか、よーく思い出してみるんだなっ!!!」
そう言うと、レイユールは袖の下に隠していた紐でグレイを攻撃する。
「隙あり!!」
至近距離で攻撃を食らったグレイは、まともに攻撃を食らってしまった。
「グレイ君!!?」
グレイが油断して攻撃を受けた事に、コトリは動揺する。
「ま....まさか..!!そんな..!!!クローバー.........あの町は......じーさんどもが定例会をしてる町だ!!!!本当の狙いはギルドマスターかぁっ!!!!」
「ははははははっ!!!ようやく気付いたか!!!もう手遅れだけどな!!!」
グレイ達が気づいた事に、レイユールは笑い声をあげる。
「強力な魔法を持ったじーさんども相手に、思い切った事するじゃねーの」
「何も知らねぇじじい相手に、笛を聴かせるなんて造作もねぇさ。エリゴールさんならきっとやってくれる」
「ぐおっ」
レイユールはグレイを紐で拘束し、身動きを取れなくさせる。
「そして、邪魔するてめぇ等はこの駅から出られない。もう誰にも止められないって事だ!!今まで虐げられてきた報復をするのだっ!!!すべて消えてなくなるぞォ!!!!」
「グレイ君!!」
グレイを助けようとコトリが動こうとした、その時だった。
「うぅぅぅおぉぉぉぉぉっ!!!」
グレイの体から、尋常じゃない程の冷気が放出された。
「えっ!?」
その冷気はたちまち、レイユールの紐を凍てつかせる。
自身を拘束する全ての紐が凍り付かされ、破壊することで脱出するグレイ。
「止めてやるよ」
「え!?へあっ!!?」
そしてその冷気は、徐々にレイユールの身体をも凍らせる。
「そして、オレ達の〝
「うっ...」
恐怖するレイユールの顔を、グレイが鷲掴みにする。
「行くぞコトリ」
「うん」
そう言って、グレイ達は放送室を後にする。
「闇ギルドよりおっかねぇギルドがあるって事を、思い知らせてやる!!!!」
グレイ達が出ていく放送室には、完全に氷漬けにされたレイユールだけが残されていた。
ルーシィ「格好良かったな~エルザの鎧姿!!」
マキ「妖精女王と呼ばれるだけはあるわね」
ミラ「他にも、100種類以上あるらしいわよ」
ルーシィ「私も正義のヒーローみたいな格好いい鎧が欲しいな~はぁ~」
マキ「あんたには似合わなそうだけどね」
ミラ「でも...ルーシィ達にはもっと似合う服があるじゃない」
ルーシィ「え?」
マキ「何ですか?」
次回!!カゲヤマを捕まえろ!!
ミラ「皆が一度は憧れるアレよ」
マキ「制服か何かですか?」
ミラ「そうそう!!この間のメイド服とか...」
『そのネタはもういいです!!』
どうもナツ・ドラグニルです!!
20日に投稿するのを忘れてしまい、申し訳ございません!!
楽しみにしていただいた読者の皆様、申し訳ございません!!
リアルが忙しく、パソコンを起動するが出来ませんでした...
なので、本来なら1話だけ投稿していますが本日だけ2話投稿させていただきます。
まぁ、LOVE TAILを2話ではなく、他の作品と合わせての2話ですが...
これからも応援の程、宜しくお願いいたします。