LOVE TAIL   作:ナツ・ドラグニル

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LOVE TAIL前回までは!!


野次馬「なんだありゃ!!?」


野次馬「駅が風に包まれている!!」


エリゴール「貴様等はここから出る事は出来まい」


レイユール「そろそろエリゴールさんの魔風壁が発動している頃だ」


グレイ「闇ギルドよりおっかねぇギルドがあるって事を、思い知らせてやる!!!!」


第16話 カゲヤマを捕まえろ!!

「知らねぇんだよ....む..無理だって..魔風壁の解除なんて.........オレ達ができる訳ねぇだろ....」

 

 

エルザは鉄の森の魔導士達が倒れている場所まで戻り、倒れていた魔導士達を縄で括り、ビアードを問い質していた。

 

 

「エルザ——!!!」

 

「エルザちゃ——ん!!!」

 

「グレイとコトリか!?」

 

 

上の階から、エルザを呼ぶグレイとコトリの声が響く。

 

 

「ナツ達は一緒じゃないのか?」

 

「二手に分かれた!!つーかそれどころじゃねぇっ!!!」

 

「鉄の森の本当の標的はこの先の町だ!!!」

 

「何!?」

 

「マスター達の定例会の会場..奴はそこで呪歌を使う気なの!!!」

 

「そういう事か!!」

 

「ひぃぃぃぃぃっ!!!」

 

 

グレイとコトリの説明を聞いたエルザは、更に怒気を孕んでビアードを睨む。

 

 

「しかし今、この駅には魔風壁が」

 

「ああ!!さっき見てきた!!無理矢理出ようとすれば、ミンチになるぜありゃ!!」

 

 

グレイはそう言って、コトリと共に2階から飛び降り、エルザの目の前に着地する。

 

 

「経験済みだ...」

 

「っ!?」

 

「エルザちゃんその腕...」

 

 

グレイ達はそこでようやく、エルザが右腕を負傷している事に気づいた。

 

 

「何ともないさ...しかし、こうしている間にもエルゴールはマスター達の所へ近づいているというのに..」

 

 

しかしそこで、エルザはある事に気づいた。

 

 

「そういえば、鉄の森の中にカゲと呼ばれてた奴がいた筈だ!!!奴は確かたった一人で呪歌の封印を解除した!!!」

 

解除魔導士(ディスペラー)か!!?」

 

「それなら魔風壁も!!!」

 

 

その話を聞いていたビアードは、チィっと舌打ちをする。

 

 

「探すぞ!!!カゲを捕らえるんだ!!!」

 

「おう!!!」

 

「うん!!!」

 

 

エルザ達はカゲヤマを探すべく、駅の中へと捜索に向かった。

 

 

エルザ達の姿が完全に無くなったのを確認すると、ビアードは壁に向かって話しかける。

 

 

「カラッカ......いつまでそこに隠れてる?いるんだろ?」

 

 

何かの魔法か、ルーシィ達が追いかけていた筈のカラッカがぬぅぅっと壁から出てきた。

 

 

「ス....スマネ..」

 

「聞いてただろ?カゲが狙われている、行けよ」

 

「か..かんべんしてくれ!!オレには助太刀なんて無理だっ!!!」

 

 

しかし、ビアードから帰ってきた言葉はカラッカが重いもしなかった言葉だった。

 

 

「もっと簡単な仕事だよ....」

 

「え?」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

その頃...逃げたカラッカを追って、ルーシィ達は通路を歩いていた。

 

 

「あ~あ....完全に見失っちゃったよ」

 

「あの図体でどんだけ足速いのよ」

 

『あい』

 

「ねぇ....いったんエルザのトコ戻らない?」

 

「そうね...宛もなく彷徨うよりは、合流した方が良いんじゃないかしら」

 

 

そう提案するルーシィとマキだったが、それを聞いたハッピー達はがくがくぶるぶると震えだす。

 

 

『な..何よ』

 

 

様子の可笑しいハッピー達に、ルーシィ達は訝し気に見る。

 

 

「エルザは〝追え〟って言ったんだよ...そっか.....すごいなぁルーシィ達は.........エルザの頼みを無視するのかぁ」

 

「あのエルザちゃんの頼みをねぇ~、エルザちゃんにあんな事されるルーシィ達は見たくないなぁ」

 

 

ハッピー達の不穏な言葉に、ルーシィ達は恐怖する。

 

 

「あ..あたし達何されちゃう訳!!?」

 

「わ..分かったわよっ!!!探しますっ!!!見つかるまで探しますっ!!!」

 

 

怖くなったルーシィ達は、探すことを再開する。

 

 

「ルーシィ達って、コロコロ態度変わるよね」

 

「もおぉぉっ!!うるさいなぁっ!!!」

 

「てか、何でアタシになついてんの!!?このネコ共ォ!!!!」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「エリゴォォォォル!!!!」

 

 

ドゴォ!!と音を立て、壁を破壊するナツ。

 

 

「何処に隠れてんだァァっ!!!!コラァアァ———っ!!!!」

 

 

ふん!ふん!と周りを見回したナツは、部屋を出た後に扉を開けずに隣の壁を壊す。

 

 

「次ィィっ!!!」

 

「(あ..あいつ..扉ってモン知らないのかよ。まったく.....メチャクチャな奴だな.....)」

 

 

その様子を、天井の影に隠れて見ていたカゲヤマが呆れる。

 

 

「次ィっ!!!」

 

 

さっきと同じ様に、壁を破壊しようとするナツ。

 

 

しかし...

 

 

「やめてください!!!」

 

「あがっ!!?」

 

 

騒音を聞きつけてやってきたウミに、後頭部をシバかれるナツ。

 

 

「何度言ったら分かるんですか!!部屋に入るなら扉を使ってくださいと、あれ程言ったではないですか!!」

 

「さすがにそれはやりすぎだよ、ナツ君」

 

 

いつもナツに甘いウミですら、余りの行いに説教を始める。

 

 

その様子を見ていたカゲヤマは、ニヤニヤしながら見ていた。

 

 

「(しかし、エリゴールさんはもうこの駅にはいないよ....いくら探しても無駄なんだ)」

 

 

天井の影から、にゅっと出てくるカゲヤマ。

 

 

その事に、ホノカはもちろん、匂いに敏感なナツとウミですら気づかなかった。

 

 

「(もう放っておいても何の問題もないんだけど....それじゃあ僕の....)」

 

 

影から出てきた時の勢いを利用し、ナツの後頭部に蹴りを放つ。

 

 

「気がおさまらないんでねっ!!!!」

 

「ぐほぉ!!」

 

 

ズゴォン!!と大きな音を立て、荷物の中に突っ込むナツ。

 

 

「ナツ!!?」

 

「あなたは!!?」

 

 

ナツが奇襲された事に驚くウミと、突然カゲヤマが現れた事に驚くホノカ。

 

 

「さっきは世話になったな、乗り物酔いのハエ野郎!!」

 

 

脚をバタバタとさせながら、何とか這い出てくるナツ。

 

 

「またおまえか——っ!!!」

 

 

くわっと目を見開いてキレるナツだったが、ワクワクランドという看板に顔を突っ込み、ちょうどキャラクターの顔の部分がナツの顔に差し替えられていた。

 

 

『ぶふっ!!』

 

 

ナツの面白い格好に、思わずウミとホノカは噴き出してしまった。

 

 

「ふふっ、似合っているよそれ」

 

「うるせぇよハゲ」

 

「ナツ君、この人はハゲヤマじゃなくてカスヤマさんだよ!!名前を間違えたら失礼だよ」

 

 

ナツの言葉に、ホノカがズレた指摘をする。

 

 

「ハゲでもカスでもねぇ!!カゲだ!!カゲヤマ!!ていうか、お前の方が失礼なんだよ女!!!」

 

 

ボケなのか天然なのか分からないホノカに、突っ込みを入れるカゲヤマだったが直ぐに冷静さを見せる。

 

 

「まぁいいや、君の魔法はだいたい分かった。体に炎を付加する事で破壊力を上げる、めずらしい魔法だね」

 

 

人を馬鹿にする物言いに、ナツは怒りで看板を破壊する。

 

 

「ぬぉおおおっ!!!めっちゃくちゃ殴りてえけど、それどころじゃねぇっ!!!」

 

 

ナツは拳を、カゲヤマに向けて突き出した。

 

 

「おめえには用はねえ!!!」

 

「エルゴールはどこ!!!」

 

 

ナツとホノカの問いに、カゲヤマは笑いながら答える。

 

 

「さあてどこかな、僕に勝てたら教えてやってもいいけどね」

 

 

カゲヤマがそう言うと、足元に紫色の魔方陣が現れる。

 

 

「ナックルシャドウ!!」

 

 

拳の形をした影が襲うが、ナツ達は全て避ける。

 

 

「ほう?殴った後に教えてくれんのか?一石二鳥じゃねーか。燃えてきたぞ」

 

「チッ、すばしっこい!!しかし八つ影(オロチシャドウ)はかわせまいっ!!!」

 

 

8つの首の蛇の影が、ナツ達を襲う。

 

 

「逃げてもどこまでも追いかけてゆくぞ!!!」

 

 

襲い掛かる蛇に慌てる事無く、ナツは拳を撃ち合わせ赤い魔方陣を出現させる。

 

 

「砕け散れ!!火竜の翼撃!!」

 

 

ナツは炎を纏った両腕を薙ぎ払う様に攻撃する。

 

 

「オラぁ!!」

 

 

ナツの攻撃によって、八つ影(オロチシャドウ)は全て破壊される。

 

 

「バ..バカな!!!八つ影をたったの一撃で破壊しやがった!!!この破壊力...こんな魔導士ありえねぇ!!!」

 

 

ナツの真の強さを見たカゲヤマは、恐怖する。

 

 

「ハエパンチ...もう一発きついのいっとくかコラァ」

 

「ば...ば...バケモノめぇ!!!!」

 

 

ナツの強烈な一撃がカゲヤマに直撃し、駅全体がドゴォン!!!!と揺れる。

 

 

「これは...」

 

「あぁ、近いぞ!!こっちだ!!」

 

「これはナツ君に間違いないね」

 

 

近くの通路で、エルザ達はその音のする方へと急ぐ。

 

 

「え!?何!?」

 

「ナツ!!」

 

 

また、別の通路では突然の揺れにルーシィが驚き、マキが揺れの正体に気づく。

 

 

「あ~あ...また派手に壊しちゃったね」

 

「どうするんですか?」

 

 

壁を突き抜け、駅を破壊した事にホノカとウミはこの後の心配をする。

 

 

「まぁいいじゃねぇか、これですっきりしたんだからよ」

 

 

ナツはそう言って、カゲヤマの前に立つ。

 

 

「かっかっかっ!!!オレの勝ちだなデコヤマ!!!」

 

「カゲヤマだっつうの!!!」

 

 

まだ間違えるナツに、カゲヤマは再度突っ込む。

 

 

「さて、約束通りエリゴールの居場所を話してもらいますよ」

 

 

ウミのその問いに、カゲヤマはふっふっふと笑った。

 

 

「バカめ..エリゴールさんはもうこの駅にはいない.........」

 

「は?」

 

「それはどういう...」

 

 

カゲヤマの言葉に、疑問符を浮かべる3人。

 

 

「ナツー!!!ウミー!!!ホノカー!!!」

 

 

その時、3人を呼ぶ声が聞こえる。

 

 

「それ以上はいい!!!彼が必要なんだ!!!」

 

「でかした!!!クソ炎!!!」

 

「さすがだねナツ君」

 

 

「あ?」

 

 

頭にいっぱい疑問符を浮かべるナツ。

 

 

「って!!!」

 

 

しかし、エルザが物凄い形相で自身に向けて剣を振るう姿を見て、ナツは恐怖する。

 

 

「何か知んねぇけどすんません!!!」

 

 

ヒィ!!!と怖がるナツだったが、エルザの剣はナツではなく、カゲヤマの顔をすれすれで切りつけた。

 

 

「ヒィィィィィ!!?」

 

 

いきなりの出来事に、カゲヤマは悲鳴を上げる。

 

 

「四の五の言わず魔風壁を解いてもらおう。一回NOと言う度に切創が1つ増えるぞ」

 

「いぃぃぃ...」

 

 

カゲヤマはあまりの恐怖に涙を浮かべ、鼻水も垂れている。

 

 

「ひぃぃぃぃ!!!洒落になってね!!!やっぱりエルザは危ねぇ!!!」

 

「黙ってろ!!!」

 

 

何の事情も分からないナツを、グレイが黙らせる。

 

 

「いいな?」

 

「わ..分かった......うっ...」

 

 

しかし、突如カゲヤマが急に呻きだし、口から血を吐き出した。

 

 

「な...なぜだ...」

 

 

倒れるカゲヤマの背中には、剣が刺さっていた。

 

 

そしてその背後に、壁から這い出てくるように姿を現すカラッカの姿があった。

 

 

『簡単な仕事だよ....カゲを殺せ!!!』

 

 

カラッカは、ビアードが支持してきた言葉が頭をよぎった。

 

 

「カゲ!!!」

 

「くそっ!!!唯一の突破口が..」

 

 

倒れるカゲヤマに、駆け寄るエルザ。

 

 

ナツ達もいきなりの展開で、目を見開き驚愕する。

 

 

「ちくしょオォ!!!」

 

 

グレイも慌てて、カゲヤマに駆け寄った。

 




グレイ「まさかマスター達が狙いだったとはな...」


コトリ「唯一の頼みだったカゲヤマもやられちゃったし、これからどうしよう」


グレイ「他に脱出方法を探すしかねぇ、エリゴールの好きにさせる訳にはいかねぇからな」


次回!!『乙女の魔法』


グレイ「さっさと魔風壁を脱出して、じいさん達を助けに行くぞ!!」
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