LOVE TAIL   作:ナツ・ドラグニル

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LOVE TAIL前回までは


エルザ「5人の力を貸してほしい、着いてきてくれるな」


ナツ「こいつと」


グレイ「チームだと⁉」


マカロフ「え...えらいこっちゃ———!!!!」






第19話 無理、ナツ達じゃ勝てないよ

大昔の黒魔導士、ゼレフによって生み出された禁断の魔法『呪歌(ララバイ)』。

 

 

その笛の音色は、人々の魂を奪うと言う。

 

 

今......呪歌(ララバイ)を巡る戦いに決着がつこうとしている。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

暴風衣(ストームメイル)を纏ったエリゴールを中心に、ゴオオオオオオっと強風が吹き荒れる。

 

 

「すげぇ風だ」

 

「まるで台風みたい」

 

 

顔を覆いながら、飛ばされない様に踏ん張るナツ達。

 

 

「これではさすがに炎は届くまい!!!!」

 

 

エリゴールのその言葉の後、さらに風圧が強くなる。

 

 

「喰らえ!!暴風斬(ストームシュレッド)!!」

 

 

無数の鎌鼬がナツ達を襲うが、2人は荒れ狂う暴風の中全て避ける。

 

 

ホノカとナツは、炎を吹かせることでエリゴールに急接近する。

 

 

「おらあああっ!!!!」

 

「届けぇぇぇっ!!!!」

 

 

エリゴールに攻撃しようとする2人だったが、風が強すぎて後ろに吹っ飛ばされてしまう。

 

 

「炎どころか、私達が近づけない!!!」

 

「くそっ!!!」

 

 

近づけない事に、苛立ちを見せるナツ達。

 

 

「どうした?小僧共。そんなものか?もうすこし骨のある奴等だと思ったが...まぁいい、これで終わらせる!!」

 

 

すると、エリゴールの前に紫色の魔方陣が幾つも出現する。

 

 

「全てを切り刻む風翔魔法(ほうしょうまほう)翠緑迅(エメラ・バラム)

 

翠緑迅(エメラ・バラム)だって!!?そんなのくらったらバラバラになっちゃうよ!!!」

 

 

その魔法を知っているハッピーは、驚きの声を上げた。

 

 

「死ぬがいい!!!!燃えカス小僧と小娘!!!!」

 

 

ナツ達に向かって、強力な風の刃が放たれた。

 

 

ズギャギャギャギャと音を立て、鉄橋を崩落する。

 

 

「うっ!!!」

 

 

暴風に耐えるハッピーの後ろに、ボロボロのナツとホノカが落ちてくる。

 

 

「ナツ———!!!ホノカ———!!!」

 

 

必死に呼びかけるハッピーだが、2人はピクリとも動かなかった。

 

 

「ほう?その肉体が残っただけでもたいしたモノだ。若ェ魔導士にしてはなかなかだったぞ」

 

「起きて———!!!ナツ——!!!ホノカ——!!」

 

「安心しろ、じじい共もすぐにそっちに送ってやる。呪歌(ララバイ)の音色でな」

 

 

そう言い残してその場を立ち去ろうとするエリゴールだったが、ガンっと地面を叩きつける音を聴いてエリゴールは驚く。

 

 

「何が....呪歌(ララバイ)だ」

 

 

拳を地面に叩きつけてふらふらと立ち上がり、ボロボロになった上の服を脱ぎ捨てるナツ。

 

 

「おじいちゃんの首が欲しいなら、正々堂々戦え!!!」

 

 

ナツに続いて、ホノカも立ち上がる。

 

 

「流石!!ナツとホノカ!!」

 

「バカな!!!まだ生きてるのか!!?」

 

 

翠緑迅(エメラ・バラム)を喰らっても尚立ち上がる2人に、驚愕するエリゴール。

 

 

そして、二人が立ち上がった事に喜ぶハッピー。

 

 

「戦う勇気がねぇなら、手ェ出すんじゃねぇ!!!!」

 

 

ナツは拳に炎を灯し、ホノカは灼爛殲鬼を構え、エリゴールに向かった。

 

 

「なんてしぶてぇガキ共だ」

 

 

エリゴールがそう叫ぶと、暴風衣(ストーム・メイル)の風を更に強くする。

 

 

「うっ!!」

 

「くっ!!」

 

 

ナツ達はまたも近づけず、後ろに吹っ飛ばされてしまう。

 

 

「ちくしょオォオォっ!!!!」

 

「ふん」

 

 

ナツの怒りに同調するように、炎もその大きさを増していく。

 

 

その時、ハッピーはエリゴールの暴風衣(ストームメイル)の風が不自然な動きをしている事に気づいた。

 

 

「なんで近づけねェんだ!!!!くそったれが———!!!!」

 

 

ナツは怒りで物に当たり、線路を壊そうとしている。

 

 

メキメキと線路が壊れ、ナツの炎で線路が溶け始めていた。

 

 

「納得いかな———い!!!!」

 

 

ナツに影響するように、ホノカも怒りで炎を噴出させる。

 

 

2人の炎が合わさった影響で、近くの岩にまで炎が燃え移った。

 

 

「それにしても、不気味な魔法だな。感情がそのまま炎へと具現化されてるようだ」

 

 

ナツ達を観察していたエリゴールだったが、暴風衣(ストームメイル)の風がどんどん流されていた。

 

 

「な..なんだ!?エリゴールの纏ってる風が、変な方向に流れてる」

 

 

そしてその事に、いち早くハッピーが気づいた。

 

 

「んが———っ!!!」

 

 

そして等々、ナツは線路を引きちぎった。

 

 

「感情の炎..!!?た..確か古代の魔法にそんな魔法が..いや....こんな若造が古代の魔法など....」

 

 

そこでようやく、エリゴールも風が流されている事に気づいた。

 

 

「何っ!!?風が....奴等の方に......」

 

「そうか!!!」

 

 

そこでハッピーは、ある事に気づいた。

 

 

「くそぉおぉおっ!!!」

 

「はぁあぁあっ!!!」

 

 

怒りで雄叫びを上げる、ナツとホノカ。

 

 

「ナツ———!!!ホノカ———!!!」

 

『ん!』

 

 

そこでハッピーに呼ばれ、物凄い形相で睨む2人。

 

 

「無理、ナツ達じゃ勝てないよ。グレイとコトリにまかせよ」

 

 

まるで2人を馬鹿にするような仕草で、ナツ達を挑発するハッピー。

 

 

しばらくぽかーんと口を開けて黙る2人。

 

 

「何だとぉおおおおおっこらぁああああああっ!!!!!」

 

「何ですってぇええええええ!!!!!」

 

 

2人は更に怒り、炎が空に向かって柱の様に伸びていく。

 

渦を巻く様に伸びていく炎のそれは、炎の竜巻『火災旋風』と酷似していた。

 

 

「バ..バカな!!!暴風衣(ストームメイル)が....流されて..」

 

「よし!!!風の鎧がはがれたっ!!!」

 

 

ハッピーはエリゴールの暴風衣(ストームメイル)が完全に剝がされた事に握りこぶしを作る。

 

 

——ナツ達の超高温であたためられた周りの空気が、急激な上昇気流になって低気圧が発生したんだ。風は気圧の低い方へと流される!!!

 

 

「俺達が倒してやるよォオォ!!!!」

 

「これほどの超熱魔法..!!!!こいつまさか!!!?」

 

「ホノカ!!!俺達のありったけをぶつけるぞ!!!」

 

「うん!!!」

 

 

ナツとホノカは並び立つと、2人の炎を1つに合わせる。

 

 

『はぁぁぁぁぁ!!!』

 

 

2人の炎が合わさり、炎が一方向に収束されて炎が圧縮する。

 

 

炎が凝縮されて、温度がさらに上昇する。

 

 

最初は赤色だった炎の温度が上昇する事により、色が変わる。

 

 

オレンジ、黄色、へとどんどん変化していき、最終的には最高温度を意味する青色へと変化する。

 

 

「いたのか!!!?滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)の使い手が!!!?それにあの女の魔法は一体!!!?」

 

 

ナツの魔法の正体に気づいたエリゴールは、驚愕の声を上げる。

 

 

紅蓮業火焔(ぐれんごうかえん)!!!!!』

 

 

ホノカの技の1つ、『(メギド)』よりも凄まじい炎の奔流がナツ達から放たれた。

 

 

辺りが一瞬、青白い閃光で包まれた。

 

 

「ぐわぁあああああああっ!!!!」

 

 

ゴオアアア!!と音を立て放たれた融合魔法(ユニゾンレイド)が、エリゴールを包む。

 

 

「うわっ!!」

 

 

その時の衝撃で、顔を覆うハッピー。

 

 

煙が晴れると、血まみれになり所々火傷を負い、ボロボロになったエリゴールが倒れていた。

 

 

その近くに、エリゴールの懐から落ちた呪歌(ララバイ)が転がっていた。

 

 

「どうだ!!!ハッピー!!!」

 

「私達が倒したよっ!!!」

 

「あい!!さすが火竜(サラマンダー)のナツとイフリートのホノカだね!!」

 

「おまえさっき何て言った」

 

「猫の記憶力はしょぼいモノなので...」

 

 

ナツの言葉に、誤魔化すハッピー。

 

 

「俺達じゃこいつに勝てねぇからエルザ(・・・)がどうとか言ってただろ!!!」

 

「そうだよ!!ウミ(・・)ちゃんがどうとか!!!」

 

「うわー猫よりしょぼい記憶力」

 

 

ナツ達の記憶力に、ハッピーはドン引きする。

 

 

「エルザとウミじゃなくて、グレイとコトリ。でもナツ達は勝ったよ」

 

 

しばらくハッピーを睨むナツ達だったが、すぐに笑顔になった。

 

 

「ま...いっか」

 

「それより、何で最後攻撃が当たったんだろう」

 

「ナツ達が凄いからだよ!!」

 

 

ホノカの疑問を、ハッピーが誤魔化した。

 

 

「そっか!!?かかかかかかかっ!!!」

 

 

エリゴールを倒し上機嫌に笑うナツ達の近くで、呪歌(ララバイ)の口の部分から怪しい煙が発生していた。

 




ナツ「よっしゃぁ!!!ようやくエリゴールを倒したぜ!!!」


ホノカ「私とナツ君が揃えば、勝てない敵なんていないからね」


ナツ「そう通りだ!!!かっかっかっか!!!」


ハッピー「そんなこと言って...結構苦戦していたくせに」


次回!!!『強く生きる為に』


ナツ「そう言えば、この後どうするか考えてなかったな」


ホノカ「取り敢えず、ウミちゃん達合流すれば良いんじゃない?」


ナツ「そうだな、考えるのはあいつ等に任せるか!!」
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