前回の投稿から、1か月以上掛かってしまい、本来ならハピネスチャージを投稿してから投稿しようと思っていたのですが、まだ時間が掛かると思い先にフェアリーテイルを投稿しました。
リアルが忙しく、投稿が遅くなってしまいました。
申し訳ございません。
それでは、作品をどうぞ
「わぁ...大っきいね」
「えぇ、流石フィオーレ最強のギルド」
妖精の尻尾のギルドを外から眺めているルーシィ達は、その大きさに圧倒される。
『ようこそ!妖精の尻尾へ!!』
ハッピーとリンがルーシィ達に歓迎の言葉を送り、ナツとウミもその様子を笑みを浮かべながら見守る。
「さて、中に入る前に...」
ウミはナツに視線を向け、話を続ける。
「ナツ、くれぐれも物は壊さないでくださいよ」
「おう、分かってるよ」
2人のやり取りに、首を傾げるルーシィ達。
「ただいまー!!!!」
『ただー』
「ただいま戻りました」
ナツが足で扉を蹴り開け、中に入って行く。
「ナツ、ウミ、ハッピーとリン、おかえりなさい」
ナツ達が帰ってきた事に、全員がおかえりと声を掛ける。
その中の1人が、笑いながらナツに話しかける。
「また派手にやらかしたなぁ、ハルジオンの港の件...新聞に載...って...」
話を言い切る前に、ギルドメンバーの顔にナツの蹴りが炸裂する。
「なんでー!!!」
入るなり暴力を振るうナツに、ルーシィは驚愕する。
ルーシィの隣で、マキも顔を引きつかせていた。
「てめぇ!!!
「んなこと知るかよっ!!俺は小耳に挟んだ話を教えただけだろうがっ!!!」
「なんだとー!!!」
「やんのかコラァ!!!」
その言葉を合図に、乱闘開始のゴングが鳴った。
乱闘はナツ達だけで留まらず、被害にあった者達の間でも行われていた。
「凄い..あたし達本当に..妖精の尻尾に来たんだぁ」
目の前で行われている乱闘を見て、ルーシィは妖精の尻尾に来た事を実感する。
「ルーシィ、マキ、ここにいると巻き添えを喰らいますよ」
ルーシィ達を非難させようと動こうとしたウミの近くで、1人の男が大声を上げながら立ち上った。
「ナツが帰ってきたってぇ!!?てめぇ...この間の
この男『グレイ・フルバスター』、仕事は出来るが少々...いや、名一杯の脱ぎ癖あり。
しかし、喧嘩を売りに行こうとするグレイに別の女が指摘する。
「グレイ君、ちゃんと服を着ないと駄目だよ」
この女『コトリ・ミナミ』、グレイと同じ師を持った魔導士であり、グレイの姉弟子だ。
コトリが指摘したグレイの格好は、殆ど服を着ておらずパンツ一枚のみの状態だった。
「はっ!!!しまった!!!」
グレイも無意識で脱いでいたらしく、自分の服装に今気づいた。
そこで、近くのテーブルの上に座って居た女が、悪態をつく。
「まったく、これだから品のないここの男共は...イヤだわ」
この女『カナ・アルベローナ』、妖精の尻尾最強の大酒飲みだ。
そこそこ大きい酒樽を両手で持ち、一気に飲み干す勢いで酒を飲んでいく。
「酒樽に直接口を着けて飲むあなたに、言われたくないと思いますよ」
そんなカナをウミが注意するが、本人はまったく気にしていなかった。
「オオゥ!!!ナツゥ!!!勝負せェや!!!」
「服着てから来いよ」
ウミ達がそんなやり取りをしてる間に、グレイがナツに喧嘩を売る。
しかし、もっともな事をナツに突っ込まれる。
「だったら私が、相手する!!」
この女『ホノカ・コウサカ』、ナツと色々な意味で意気が合うこともあり、よくナツに勝負を挑んでいる。
「今日は負けないよ!!」
「おう!!掛かってこいホノカ!!」
女であるにも関わらずナツに勝負を挑むホノカに、ウミは頭を抱え、コトリは苦笑する。
「くだらん」
いつの間にか、ルーシィ達の後ろに屈強な男が立っていた。
「昼間っからピーピーギャーギャー、ガキじゃあるまいし...」
この男『エルフマン』、どんな仕事も拳で解決する超肉体派の魔導士だ。
「漢なら拳で語れ!!!」
「結局ケンカなのね...」
「意味分かんない」
矛盾な事を言ってるエルフマンに、ルーシィは突っ込みを入れる。
『邪魔!!!』
しかし、エルフマンはナツとホノカによって、吹っ飛ばされてしまう。
「しかも玉砕!!!」
その時、ルーシィの近くに座っているホストのような恰好をした男が立ち上った。
「やだやだ、騒々しいな」
この男『ロキ』、彼氏にしたい魔導士上位ランカーだ。
「痛っ!!」
遠目で見ていたロキだったが、顔に向かって酒ビンが飛んで来た。
かっちーん
今、ロキの中で何かが切れた。
「混ざって来るね~!君達の為に」
『頑張って~♡』
キラキラを出しながら、一緒にいた女の子達に向かってサムズアップする。
「上位ランカー、抹消」
ルーシィは持っていたランキングが載った雑誌を片手に、ロキの写真にペケマークを付ける。
「ねぇ...ウミ、このギルドに真面な人はいないの?」
不安に思ったマキは、ウミに質問する。
「安心してください、ギルドの中にもちゃんとした常識人もいますよ......少し抜けてますが」
「最後何て言ったのよ!!?小さすぎて聞こえなかったんですけど!!?」
ボソっと呟いた言葉に食いついたマキが、突っ込みを入れる。
「あらぁ?新人さん?」
この女『ミラジェーン』、週刊ソーサラーでグラビアを飾る魔導士。
現在はここ、妖精の尻尾の従業員だ。
「ミ...ミラジューン!!!!キャー!!!本物~♡」
「うふ♡」
有名な魔導士であるミラに会えて興奮するルーシィだったが、正気を取り戻して乱闘しているナツ達を指差した。
「ア...アレ止めなくていいんですか!!?」
「いつもの事だからぁ、放っておけばいいのよ」
「あららら...」
「それに...」
喋っている途中のミラに、エルフマンが飛んできて下敷きになった。
「楽しいでしょ?」
エルフマンの下敷きになりながらも、ミラはルーシィに問いかけた。
しかし、ミラはそのまま意識を失った。
「きゃ―――!!!ミラジェーンさん!!!」
「ミラ!しっかりしてください!!」
「ちょっと!大丈夫なのその人!!?」
叫ぶルーシィ達の近くに、今度はグレイが飛んで来た。
『きゃ――――っ!!!』
しかし、格好が格好だけにルーシィとマキだけでなく、ウミやコトリまでもが悲鳴を上げる。
「へっへ~ん」
見せ付ける様に、ナツがグレイのパンツを手に持ち、振り回している。
ナツがパンツを持っているという事は、つまり......
「あ―――っ!!!オレのパンツ!!!」
グレイは今、全裸になっているという事だ。
『こっち向くなー!!!』
ルーシィとマキが目を隠しながら、全力で突っ込みを入れる。
「ナツ!!?あなたは何を捕ってるんですか!!?」
ウミも、パンツを捕ったナツに向かって怒鳴り声を上げる。
その時、グレイがルーシィ達の存在に気づき、ある頼み事をする。
「お嬢さん方、良かったらどちらかパンツ貸してくれ」
『貸すか―――っ!!!』
突っ込みと共に、ルーシィとマキの拳がグレイの顔に減り込んだ。
「あ――、うるさい。落ち着いて酒も呑めないじゃないの」
あまりのうるささに、カナの堪忍袋の緒が切れる。
「あんたらいい加減に.........しなさいよ....」
カナは一枚のカードを取り出し、緑色の魔法陣を展開させる。
「アッタマきた!!!!」
グレイは掌の上に拳を置くと、水色の魔法陣を展開する。
「ぬおおおおおおっ!!!!」
紫色の魔法陣を展開させたエルフマンの右腕が、石で出来た腕に形状を変化させる。
「困った奴らだ..」
ロキが右手に嵌めている指輪をいじると、緑色の魔法陣が展開する。
「行っくよ――!!!」
ホノカが手を前に翳すと、赤い魔法陣が展開される。
「これ以上やるなら、お仕置きが必要みたいだね」
コトリは足元に、青色の魔法陣を展開する
「かかって来いっ!!!!」
ナツも拳に炎を灯し、気合を入れる。
「魔法でケンカ!!!?」
先程とは違い、魔法を使用した乱闘に変化した事態に、流石に驚愕する。
「これはちょっとマズいわね」
「ちょっとじゃないですよ!!!」
ミラの能天気な発言に、突っ込みを入れるウミ。
「ちょっとウミ!あれは流石に止めないとまずいんじゃないの!!?」
「慌てなくても大丈夫ですよマキ、たぶんそろそろ...」
「そこまでじゃ、やめんかバカタレ!!!!」
ウミが言い終わる前に、ギルド内に制止する声が響く。
「でか―――――っ!!!!」
ギルドの天井に頭が届く程の巨人が、何の前触れもなく突如現れた。
先程まで乱闘していたギルドのメンバーが、ピタッと動きを止めた。
「あら...いたんですか?
『マスター!!?』
巨人の正体がギルドマスターである事を知ったルーシィ達は、驚きの声を上げる。
殆どの者がマスターの一言によって動きを止めたが、この2人だけは止まらなかった。
「だーっはっはっはっ!!!みんなしてビビりやがって!!!」
「そうだよ!私達を止められると思ったら大間違いだよ!」
『この勝負、
勝利宣言する2人だったが、言い終わる前にマスターに踏み潰されてしまう。
「む?新入りかね?」
『は..はい..』
マスターはルーシィ達の存在に気づき話しかけるが、本人達は恐怖でそれ所ではなく返事を絞り出すのでやっとだった。
「ふんぬぅぅぅ...」
マスターが気合をいれるのと同時に、見る見るうちにマスターの体が縮んでいく。
「ええ――――っ!!?」
先程まで巨人だったマスターが、腰辺りまでの身長に変わった事に驚愕の声を上げるルーシィ達。
「よろしくネ」
「ちっさ!!」
「ていうかマスターって...」
「そうです、この方が妖精の尻尾のマスター、マカロフさんです」
マキの疑問に、ウミが答える。
「とう!!」
くるくると回転しながら、2階へと跳躍する。
しかし――
ゴチーン!!!
「ぐぱぁっ!!!」
マカロフは着地をミスり、頭を手摺に思い切りぶつける。
痛みに悶絶し震えていたマカロフだったが、起き上がり何も無かったかのようにそのまま話を始める。
「ゴホン!ま~たやってくれたのう貴様等、見よ!評議会から送られてきたこの文章の量を、ぜ~んぶ苦情ばかりじゃ」
バサッと、マカロフは大量の紙の束を取り出した。
「評議会...って」
「魔導士ギルドを束ねてる機関じゃない」
マカロフの話を聞いていたルーシィとマキは、評議会について思い出していた。
「まずは...グレイ」
「あ?」
マカロフは、届いたグレイの苦情を読み上げる。
「密輸組織を検挙したまではいいが...その後、街を素っ裸でふらつき、挙句の果てに干してある下着を盗んで逃走」
「いや......だって裸じゃマズいだろ」
「まずは裸になるなよ」
謎の言い訳をしているグレイに、エルフマンが突っ込む。
「はぁー...エルフマン!!貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行」
「『男は学歴よ』なんて言うからつい...」
マカロフはエルフマンの言い訳を聞きながら、首を横に振り続きを読み上げる。
「カナ・アルベローナ!!経費と偽って某酒場で呑む事大樽15個、しかも請求先が評議会」
「バレたか...」
「ロキ...評議員レイジ老子の孫娘に手を出す。某タレント事務所からも損害賠償の請求がきておる」
流石のロキも、苦情の内容に顔を顰める。
「ホノカ・コウサカ!度重なる遅刻のせいで、依頼人に迷惑を掛ける。それだけでなく余りある元気のせいで、幾つもの建物を破壊」
「うっ...」
ホノカは苦情の内容に、苦悶の表情を浮かべる。
「そしてナツとウミ...」
マカロフはがっくんと肩を落とすと、2人の苦情を読み上げる。
「デボン盗賊一家壊滅するも、民家7軒も洪水によって壊滅。チューリィ村の歴史ある時計台破壊。フリージアの協会全焼。ルビナス城1部損壊。ナズナ渓谷観測所、崩壊により機能停止。ハルジオンの港半壊」
――本で読んだ記事は、殆どナツ達だったのね...
読み上げられた内容の殆どが、週刊ソーサラーで呼んだ事のあるルーシィは顔を引きつかせる。
当事者であるナツ達も、冷や汗が止まらなかった。
「アルザック、レビィ、クロフ、リーダス、ウォーレン、ビスカ..」
マカロフは読み上げるのも疲れたのか、淡々と名前を上げていく。
「貴様等ァ...ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞぉ...」
ぷるぷると、怒りを抑えるマカロフ。
その様子を見たルーシィ達は、この後落ちてくるであろう雷に体を震わせる。
「だが..」
しかし、実際に雷が落ちる事は無かった。
「評議員などクソくらえじゃ」
マカロフは手に持っていた紙を燃やし、そう呟いた。
『え?』
ルーシィ達が驚く中、マカロフが燃えた紙を投げ捨てるとナツが口でキャッチする。
「よいか、
マカロフの話を、ナツを含めたギルドメンバー全員が静かに聞いていた。
「それは精神力と集中力を使う、いや己が魂すべてを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上から覗いてる目ン玉気にしてたら魔道は進めん、評議員のバカ共を恐れるな」
ニヤッと笑った後、高らかに宣言する。
「自分の信じた道を進めぇい!!!!それが妖精の尻尾の魔導士じゃ!!!!」
『オオオオオオオオッ!!!!』
ギルドにいる、魔導士達の雄叫びが上がる。
☆★☆★☆★
「じゃあナツが
「確かに、オメー達の魔法はそんな言葉がピッタリだな」
ナツはその話を、ミラが作ったナツ専用のメニュー、ファイアパスタ、ファイアチキン、ファイアドリンクを食べながら聞いていた。
「ナツが
「じゃあ私は、ネコイアサンだにゃ!!」
「マンダーとイアサンって、何だよ」
その話を聞いていたウミは、ある事について怒っていた。
「それよりも!私の偽物が何で男なんですか!!納得いきません!!!」
「落ち着けって、ウミ」
怒るウミを、ナツが落ち着かせる。
「女に見えないから、男と間違われたんじゃねぇの?はははっ」
ズガアァァァン!!!
「次ふざけたこと言ったら、殴りますよグレイ」
「もう殴ってんじゃねぇか...」
グレイの何気ない一言に切れたウミが、グレイを地面に沈める。
「デリカシーのねぇ奴だな」
「あい!ナツ君以下だね」
今のナツとリンの言葉で普段ならケンカに勃発するが、ウミによって沈められたせいでそんな余裕は無かった。
「ふん」
臍を曲げたウミは、ナツの隣に座りそのまま肩に寄りかかった。
「ナツ―!!!見て―!!!妖精の尻尾のマーク入れてもらちゃったぁ」
そんな中、手の甲にマークを入れて貰ったルーシィとマキが、ナツに近づく。
「良かったな、マリオ、ルイージ」
「マキよ!!!!」
「ルーシィよ!!!!」
ナツの言い間違いに、マキとルーシィは全力で突っ込みを入れる。
ナツは自分に寄りかかるウミをどかして、席を立ち上る。
「ナツ、何処行くんですか?」
「仕事だよ、金ねーし」
ナツはギルドの端に置いてある、色々な紙が貼ってあるボードの前に立つ。
リクエストボード。
魔導士達はここに貼られた依頼の中から、自由に仕事を選ぶことが出来るのだ。
「ナツ君、仕事行くの?なら私も行く!!」
「おう、良いぜ!!一緒に行くぞ、ホノカ!!」
一緒に行きたいと誘うホノカに、ナツは直ぐ了承する。
「報酬が良い奴にしましょう」
そしていつの間にか、ナツの隣に並んでいるウミが一緒に仕事を探す。
「お!コレなんかどうかな、盗賊退治で16万Jだ!!」
「決まりだね」
依頼書を剥がし、早速仕事に行こうとするナツ達の耳に、小さな男の子の声が聞こえた。
「父ちゃん、まだ帰って来ないの?」
「む?」
酒を飲んでいたマカロフの前に、1人の少年『ロメオ』が立っていた。
「くどいぞロメオ。貴様も魔導士の息子なら、
「だって......三日で戻るって言ったのに......、もう一週間も帰って来ないんだよ...」
涙を浮かべるロメオに、マカロフは親父が何の仕事に行ったのか思い出す。
「マカオの奴は確か、ハコベ山の仕事じゃったな」
「そんなに遠くないじゃないかっ!!!!探しに行ってくれよ!!!心配なんだ!!!」
その話をナツ達はリクエストボードの前で、ルーシィ達はカウンターに座り聞いていた。
「冗談じゃない!!!貴様の親父は魔導士じゃろ!!!自分のケツもふけねぇ魔導士なんぞ、このギルドにはおらんのじゃあ!!!帰ってミルクでも飲んでおれい!!!」
「......バカ―!!!」
「おふ」
ゴスっとロメオの拳が、マカロフの顔面に命中する。
たったったったっと、ロメオはギルドから出ていった。
「厳しいのね」
「ああは言っても、本当はマスターも心配してるのよ」
ズシ!!!
リクエストボードから凄い音が鳴ったと思い、そちらに全員が視線を移す。
するとそこには、ナツがさっき剥がした依頼書をボードに減り込ませていた。
「オイイ!!ナツ!!リクエストボード壊すなよ」
リクエストボードの前に立っていた魔導士の1人、『ナブ』がナツに文句を言う。
「行くぞ、ウミ」
「えぇ、分かってます」
しかし、ナツは何の反応も示ずそのままロメオの後を追い、ウミを連れギルドから出ていった。
その後ろをホノカ、ハッピー、リンが着いていく。
「マスター..ナツとウミの奴、ちょっとヤベェんじゃねぇの?」
「アイツ等....マカオを助けに行く気だぜ」
「これだからガキはよぉ......」
「んな事したって、マカオの自尊心が傷つくだけなのに」
キセルをふかしていたマカロフは、ナツ達を止めようとしなかった。
「進むべき道は、誰が決める事でもねぇ。放っておけぃ」
ナツ達の様子が可笑しい事に気付いたルーシィ達は、不思議に思った。
「ど...どうしちゃったの?アイツ...急に...」
「それもウミも一緒になって...」
「ナツとウミも、ロメオ君と同じだからね」
2人の疑問に答えたのは、カウンターで作業をしていたミラだった。
『え?』
「自分とだぶっちゃったのかな。私達、妖精の尻尾の魔導士達はみんな何かを抱えている。傷や痛みや苦しみを」
翌日
ハコベ山に向かう馬車の中、その中にナツ達は乗車していた。
「何でお前らがいるんだ?」
「別にいいじゃない」
「何か文句あるの?」
乗り物酔いでグロッキーになってるナツの問いに、ルーシィとマキは答える。
ナツが座席にぐでら~と横になり、その上に覆いかぶさるようにウミが横になっている。
その対面には、ルーシィ、マキ、ホノカの順番で席に座っている。
「それにしても、アンタ等本当に乗り物ダメなのね。なんか..色々とかわいそう..」
「は?」
「ど...どういう意味ですか...?」
「ううん、何でもないわよ」
マキはそう言うと、昨日のミラの話を思い出す。
「ナツのお父さんも、ウミのお母さんも出ていったきりまだ帰って来ないのよ」
その話を聞いたルーシィとマキは、言葉を失った。
「お父さん....お母さん....って言っても、育ての親なんだけどね。しかもドラゴン」
ガタン、と音を立て椅子からルーシィとマキは滑り落ちた。
「ドラゴン!!?」
「ナツとウミってドラゴンに育てられたの!!?」
動揺するルーシィとマキの言葉に、ミラは静かに頷いた。
「2人共小さい時、そのドラゴンに森で拾われて、言葉や文化や..魔法なんかを教えてもらったんだって。でもある日、ナツ達の前からそのドラゴン達は姿を消した」
「そっか..それがイグニールとティアマット......」
ミラの話を聞いたルーシィ達は、なぜ2人がドラゴンを探しているのか理解する。
「ナツ達はね...いつかイグニールとティアマットに会える日を楽しみにしてるの。そーゆートコが、ナツはかわいいのよねぇ」
☆★☆★☆★
ミラの話を思い出したルーシィ達は、優しい笑みでナツの事を見つめる。
その時、馬車が停止する。
「着いたの?」
「止まった!!!」
「きゃあ!!」
馬車が止まった事で、ナツが復活する。
がばっっと勢いよくナツが起き上がった事で、上に被さっていたウミはそのまま床に落ちてしまう。
「大丈夫?ウミちゃん」
「な..なんとか...」
乗り物酔いと顔を打った激痛に悶えるウミだったが、そこに馬車を引いてた御者の男が声を掛ける。
「す..すみません...これ以上は馬車じゃ進めませんわ」
「え?」
御者の言ってる事が理解できなかったルーシィだったが、扉を開けた瞬間入ってきた冷気と共にその言葉の意味を理解する。
「ちょっ...はぁっ!?何これ!!?」
馬車の外に広がっていたのは、猛吹雪によって辺り一面真っ白な白銀の世界に変えられた光景だった。
「寒い!!いくら山の方とはいえ、今は夏でしょ!!?こんな吹雪可笑しいわ」
「ルーシィ、知らないんですか?山の天気は変わりやすいんですよ」
悪態をつくルーシィに、回復したウミが説明する。
「そうだよ、いきなり猛吹雪に見舞われる事もあるんだよ」
「だからってこれは異常よ!!」
ホノカの言葉に、今度はマキが突っ込みを入れる。
「そんな薄着してっからだよ」
「そうですよ、ルーシィ。山を舐めすぎです」
「アンタ等も、似たようなモンじゃないっ!!!!その毛布貸してよ!!!」
突っ込みを入れながら、ルーシィはナツが背負っているリュックから毛布を取り出した。
「うるせい奴だな」
「あい」
さっきから文句が絶えないルーシィに、ナツも文句を言う。
「そうだ!」
ルーシィは何かを思いついたのか、銀色の鍵を1つ手に取る。
「開け!!時計座の扉!!ホロロギウム!!!」
パッポ――!!!という鳩時計の音と共に、アンティークな古時計の形をした星霊が現れた。
「おお!!時計だ」
「かっこいい!!」
ルーシィはホロロギウムの振り子部分を開け、中に入る。
そしてナツ達に向けて何かを喋るが、口をパクパク動かすだけで外まで声が聞こえなかった。
「あぁ?聞こえねぇよ」
「『あたしここにいる』と申しております」
「何しに来たんですか、ルーシィ」
中にいるルーシィの言葉を代弁するホロロギウムに、ウミが突っ込みを入れる。
「『何しに来たと言えば、マカオさんはこんな場所に何の仕事をしに来たのよ!?』と申しております」
「知らないで着いて来ちゃったの?ルーシィちゃん」
「一緒に行くならそれぐらい調べて来なさいよ、凶悪モンスター〝バルカン〟の討伐よ」
ルーシィの質問に、ホノカが驚き、マキが呆れながら答える。
「!!!!」
ホロロギウムの中で、ルーシィが目を見開き驚く。
「『あたし帰りたい』と申しております」
「はい、どうぞと申しております」
「あい」
ルーシィの代弁に、ナツはホロロギウムの真似をして返した。
「マカオ―!!!いるかー!!!」
「マカオ―!!」
猛吹雪の中、ナツとハッピーが大声を上げて探す。
「マカオ―!!何処ですか!!」
「マカオさーん!!返事してー!!」
ウミとホノカも大声を上げ、辺りに呼びかける。
その時だった。
「オラァ!!!」
ドゴォォン!!
ナツ目掛けて、何かが勢いよく振ってきた。
それは、白い毛色を持ったゴリラのようなモンスターだった。
「ウホ」
「バルカンだ――!!!!」
その正体に気付いたハッピーが、大声を上げ叫んだ。
ナツは持ち前の身体能力で、難なくバルカンの攻撃を回避した。
「ナツ、大丈夫ですか!?」
「あぁ、問題ねぇ」
ウミがナツの安否を確認し、4人は横並びで並んだ。
「こいつがバルカン!!?」
初めてバルカンを見たマキは、その大きさに驚いていた。
ナツ達が攻撃を開始しようとしたその時、ホノカがバルカンの様子が可笑しい事に気付いた。
「あのバルカン、何してるの?」
バルカンは匂いを嗅ぎ、辺りを見渡していた。
「ウホ!!!」
何かを見つけたのか、目の前のナツ達には目もくれずナツ達の横を通り過ぎた。
「オイコラ!!」
「待ちなさい!!」
バルカンが向かった先には、ホロロギウムに入ったルーシィがいた。
「人間の女だ♡」
バルカンは中を覗き込み、ルーシィが入っている事に喜んだ。
「おお、喋れんのか」
「珍しいね」
ナツとホノカは、バルカンが喋った事に驚いた。
「『てか、助けなさいよォオオオ』...と申しております」
「ウホホッ」
バルカンはホロロギウムを担ぎ、その場からいなくなった。
ウミ「ルーシィがバルカンに連れ去られてしまいました...不覚です...」
リン「でも...なんでバルカンはウミちゃん達を無視してルーシィだけを狙ったんだろう...」
ウミ「大体の予想は尽きますけどね」
リン「どういう事にゃ?」
ウミ「ルーシィの方が胸がデカいからですよ!!破廉恥です!!」
リン「ルーシィちゃん大きいからね...あれに比べたら確かに...」
ウミ「ルーシィが異常なだけで、私は標準サイズです!!」
リン「猫のリンには、判断が出来ません」
次回!!『双竜と女神と猿と牛』
ウミ「大体!!ナツは胸の大きい小さいは気にしません!!」
リン「そこでナツ君が出てくるウミちゃんもどうかと思うにゃ」
はい!如何だったでしょうか?
今回は、ようやく他のラブライブのメンバー、穂乃果とことりが登場しました!!
ことりはまだですが、次回ようやく穂乃果と真姫の戦闘シーンを出します。
ご期待ください。
ちなみになんですが、小説を書く際に漫画とアニメを同時に見て書いているのですが、初期のレビィがルーシィと同じくらい胸がある事に気付きました。
あれ?と思い、もしかしたらレビィに似てる別キャラなのかなと思いましたが、マカロフがレビィと呼んでいたので間違いないかと。
もしかしたら、漫画のあとがきの所で説明していて私が忘れてるだけかもしれませんが...
さて、それでは次回第3話もしくは、異世界より帰還せし、激獣拳使いの幼馴染第36話でお会いしましょう!!
それじゃあ、またな!!