どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい   作:壊れたファングメモリ

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イーラ編Part10

 

981:名無しの転生者

やば! 後ちょっとでスレ終わるやん!

 

982:名無しの転生者

イッチー!

 

983:名無しの転生者

いや、これ、もうどうなってんだよ…。

 

984:名無しの転生者

イッチの視点だと酔う……。

 

985:名無しの転生者

( ´ཫ` )…

 

986:名無しの転生者

>>985ダメみたいですね。

 

987:博識ゾロアーク

このままだとスレが終わるからお前らもう喋るな。

 

988:名無しの転生者

 

 

989:名無しの転生者

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

なんでこうなったんだろう。やっぱ、世界樹に登られる前にマルベーニを殺しておけばよかったか?

 

…いや、俺に殺しはできなかっただろうな。

 

ゲームでは、ジークがマルベーニに「人を殺したことあるか?」という問に対し「ないな。」と答え、その理由を『心が強いから』と言っていた。

 

俺の心が強いかはわからないが、少なくともマルベーニよりは強いと思っている。

 

…だからなんだって?

 

つまり、俺はこの先も誰かを殺すことはないだろうってことが言いたい。ブレイドも含めてな。

 

ってか、邪魔だからって理由で人を殺すとかそれマルベーニとやってる事同じじゃん。

 

ガンッ!!

 

「あぶねッ!」

 

死角からの攻撃とかホントに面倒くさい。

 

はぁ…今はタイタン・デバイスとの戦闘に集中しないとな。ラウラ達はメツの相手をしてくれてるし。

 

「そこだっ! モナドバスター!」

 

よし、一体目!

 

「ほらほら! 早く勝たないと時間が無くなるぜ?」

「くっ…!」

「モナドアーマー!」

 

(アーマー)』ずるい! 

 

─それ安価でモナドアーツ決めちゃったからじゃん? ……?─

 

そうだ、なっ!

 

「よしっ! タイタン・デバイスは止まった!」

「やるじゃねぇか姉貴!」

「褒められても嬉しくないんだが。」

 

沈んでいくイーラ。脱出艇を守るミデン。徐々に散っていく翼。砕ける胸の黒いコア。

 

っ! アヤメ?! 今のは?!

 

─なんか嫌な予感がするから、我慢できなくなって…。─

 

嫌な予感?

 

「ハァ!」

「っ!」

「チィッ!」

 

…『翼』が間に合って良かった。少し飛んでやり過ごすか。

 

「氷乱ッ!」

 

シン、ナイス!

 

「ウグッ……! お前ら…! そんなにこの世界が大切か?!」

「当たり前だっ!」

「アデル! ガーゴイルが!」

「わかっている。だが……」

 

まずい…! てか10分経ったか?!

 

「はぁっ!」

「どうした! その程度か相棒?!」

 

またガーゴイル潰しに…いや、サーペントが……でもサーペントって出オチしてなかったっけ…?

 

アヤメ、視られるか?

 

─わかった!─

 

大量のガーゴイル達がサーペント・デバイスに対して自爆特攻をする。サーペント・デバイスは雲海に沈んだ。

 

…あー、これ変えられないよな?

 

「要するに…ガーゴイルを潰せばいいのよね?」

「ああ?」

「サーペント!」

 

─……無理そうだね。─

 

ゴオオオオオオ!!

 

「な…!」

「用意は周到にしないとね、メツ。」

 

 

 

 

 

 

雲海から現れたサーペント・デバイスは、大きく開いた口─のような機関─から極太のレーザービームとミサイルを放つ。レーザーはウロボロスドライブ、ミサイルはヘルファイアというアーツだろうか。

 

それらのアーツは飛行しているガーゴイル・デバイスを焼き払った。だが、それでもガーゴイル・デバイスはまだ大量にいる。

 

サーペント・デバイスは残りのガーゴイルを破壊するため、群れに突っ込んでいった。

 

「いいねぇ、流石は相棒。けど残念だったな、一匹だけじゃあな。

 

メツは雲海の中に潜ませていたガーゴイル・デバイスを、サーペント・デバイスへ突撃させた。

 

「雲海の中に?」

「『用意は周到に』、だろ? 相棒。」

 

─俺この事ヒカリに言うの忘れてた…。でも言ったところでこうなってたと私は思うよ? …否定はできない。─

 

ガーゴイル・デバイスの自爆を何度も受けたサーペント・デバイスは雲海の底へ沈んでいった。

 

「ああっ…! サーペントが…!」

「うろたえるな。次がくるぞ!」

 

動きをとめたヒカリに代わり、シンがメツへ斬り掛かる。

 

「うぅぉぉぉ!」

「ハァァアッッ!」

 

二人は鍔迫り合いの状態になる。

 

「お前………いい目をしてるな。」

 

一度離れ、シンは刀を振るうがメツも引いたため躱された。

 

「なぜ世界を破壊する。」

 

空中に氷を発生させ、メツへと撃ち込む。

 

「前に言ったろうがよ。背中を押してやってるだけだと。破壊したがっているのは人間だと。」

 

だが、メツはシールドを張り全ての氷を防ぐ。さらに、その一瞬で背後を取ったシンの攻撃をしゃがんで回避する。

 

「それは詭弁だ。」

 

メツもモナドを振るうが、シンは跳んで避ける。

 

「そうかい? ブレイドだろ? 気付いてるんじゃないか? 人間の本当の姿に。」

「…!」

 

何かに気付き、ラウラを見るシン。だがその隙をメツは見逃すはずがない。

 

「全てがお前のドライバーじゃないんだぜ!」

 

メツは力強くモナドを振るい、シンを吹き飛ばした。

 

「ぐぁッ……!!」

「メツッ!」

 

ヒカリは白いセイレーン・デバイスを呼び出した。

 

「ほう。セイレーンを呼んだか。なら俺も付き合うぜ!」

 

メツも同様に、黒いセイレーン・デバイスを呼んだ。

 

セイレーン・デバイス同士の激突が起こる。

 

 

 

 

 

 

「蹴散らせ! セイレーン!」

 

くそっ。これじゃあ王都に向かってる間で、セイレーン同士の戦闘に巻き込まれて撃ち落とされるな…。

 

まだ余裕は───あるのか?

 

 

 

 

 

 

セイレーンが落ちた今ならいけるか?

 

てかそろそろ戻らないとだよな?!

 

─落ち着いて、ミデンちゃん。未来視使うから。─

 

メツのセイレーン・デバイスが王都に攻撃をする。ミルトはサタヒコを庇う。

 

っ! アヤメ、あとどのくらいの時間がある?!

 

─…1分しかない。─

 

1分?! ギリ間に合う…か?

 

─もう行った方がいいよ!─

 

わかってる!

 

「まだまだこんなもんじゃないよなぁ!! ヒカリィィ!!

 

戻る前に…。

 

「ワダツミさん、私が言った事忘れてないよね?」

「勿論。」

 

メツにバレないように…今ッ!

 

……あれ? テンペランティア君…死んだ?

 

 

 

 

 

 

「やるじゃねぇか? だがそれで全てか? 全てでもって挑んでこいよ! 手を抜いてるんじゃねぇ!」

 

再び、上空でセイレーン・デバイス同士の戦闘が起こる。

 

黒いセイレーンは闇のエネルギー、白いセイレーンは光のエネルギーを撃つ。

 

メツのセイレーンが荷電粒子レーザーをヒカリのセイレーンへと撃つ。ヒカリのセイレーンはシールドで防ぎきれずに墜落する。

 

「できねぇか? なら俺ができるようにしてやるぜ!」

 

メツはセイレーンを操作し、荷電粒子レーザーの照準を王都アウルリウムに向ける。

 

 

そして、撃つ。

 

 

その攻撃により、王都の中心は爆発した。

 

その爆発から逃げる民衆の中に、ミルトとサタヒコがいる。このままでは爆発に巻き込まれて大怪我は必至だろう。

 

─このままでは。

 

「間に合ええぇぇぇッッ!!!!」

 

ゴオオオォォォ!

 

「街が!」

 

絶句するラウラ達。だが、すぐにメツへと意識を向け直す。

 

そんな中で一人、その事実を受け入れられない者がいた。

 

「そ…そんな──────ミルト─」

 

ヒカリだ。

 

「ああああぁぁぁ……!!!!」

 

ヒカリの体から翠玉色の光が溢れ出す。…オーラと言ってもいいかもしれない。

 

同時に、ドライバーであるアデルの体にも異変が生じる。

 

「ヒ、ヒカリ……。な、何を…?」

 

アデルの体をエネルギーが駆け巡り、聖杯の剣が変化する。

 

「くっ……。うぅ…!」

 

耐えきれずに膝をついたアデルから、ヒカリは何も言わずに剣を取る。

 

ヒカリの目から光はなくなっていた。

 

「やりゃあできるじゃねぇか。ええ!! 天の聖杯(あいぼう)!!」

 

天の聖杯の力を使い、二人は光速で剣を交え始めた。

 

 

 

 

 

 

「ウグッ…! な、何だこれは…?!」

 

体が…痺れる……!!

 

だが、雷の、痺れとは…違う…!

 

─あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!─

 

アヤメ?! どうした?!

 

くそっ…! 間一髪でミルトとサタヒコは守れたってのに…。

 

「ミデン様ぁ! 大丈夫ですか!」

「─!」

「大丈夫、だ…。早く、ここ、か、ら…逃げろ…!」

 

─『ゲート』のエネルギーが……ぁぁぁあ!!─

 

…そうかっ! アヤメ!! 早く『ゲート』との接続を切れ!!

 

─でも、そんな、ことしたらっ! 未来視がっ…! 私は、大…丈夫、だからっ!─

 

駄目だ! いいから切れっ!!!!

 

「で、でも…!」

「いいから、逃げろっ! ここにいたら…はぁ…死ぬぞ! ……わかってくれ。」

「──わかった。ミルト。」

「おい、サタヒコ?!」

「それでいい…! 絶対に追いつく。心配するなっ…!」

 

アヤメ!! まだ、か…?!

 

─…わ、かってる…! 接続を切ったよ…! うぅぅ…!─

 

…少し、楽になった?

 

歩くぐらいなら…。

 

「…飛んだほうが早いが…無理だな、これ。いっ…!」

 

─残留エネルギー、とでも言うのかな…? まだ、残ってるから、無理は、しないでね?─

 

わかってる。

 

 

 

 

 

 

お互いがセイレーンに乗り込み、空中でエネルギーをぶつけ合う。

 

その余波からドライバーを守るために、ブレイド達はシールドを張っていた。

 

「ま、待つんだヒカリ! このままじゃ…!」

「いったい何が起きてるの?!」

「これが──天の聖杯同士の激突…!」

 

ヒカリのセイレーンが、メツのセイレーンのレーザーを避けるために動けば、そのレーザーが通った軌道は破壊されていく。

 

 

そうして巨神獣イーラは少しずつ滅びへと近づいていく。

 

 

「あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ヒカリィー!」

 

ヒカリも叫びながら荷電粒子砲を撃つ。そのレーザーは、メツのセイレーンを撃ち落とそうとするが当たらない。

 

 

巨神獣イーラの滅亡は近い。

 

 

「消え失せろ!」

 

メツは残りのガーゴイル全てをぶつける勢いでヒカリのセイレーンへと突撃させる。

 

しかし、ヒカリのセイレーンへと向かって行ったガーゴイルは、ヒカリのセイレーンから発せられている謎の波動のようなものによって─

 

 

─消滅した。

 

 

「何だと?!」

「ヒ、ヒカリ…。」

 

アデルは両手も地面についている。

 

「フ…ハハハハハ! アァァハッハッハッハ!! それだよ! それ! それこそが親父が俺達に与えた力だ! この世界が望んだ力だ!」

 

「俺も! お前も! そのためにここにいる!」

 

「ち、ちが…。私……は…。」

「そうかよ。ならこの俺が代わりに全てをもらっていくぜ!」

 

メツはヒカリへ突撃する。

 

 

「私は……! 助…けて………!」

 

 

メツのセイレーンは吹き飛ばされ、直後ヒカリのセイレーンから大量かつ無差別に放たれたエネルギー弾が直撃した。

 

「ぬおおおぉぉぉおおああああああ!!!」

 

「ヒカリィィーーーァァア!!!!!!」

 

メツはセイレーンごと雲海へと落ちていった。

 

…メツは沈んだが、セイレーンから放たれるエネルギー弾の攻撃は止まらない。森も、砂漠も、まだ残っていた王都も、エネルギー弾が何発も撃ち込まれた。

 

 

巨神獣イーラの崩壊は始まった。

 

 

ガーゴイル・デバイスによってイーラのコアに蓄えられていたエネルギーは、崩壊と同時に一気に溢れ出した。

 

コアがあるのは、ラウラ達が先程まで戦っていた場所だ。

 

 

 

 

 

 

「我が民と我が国土が─。」

「兄上。早く避難いたしませんと! ここも危険です! …聞いておられますか?! 兄上!」

 

王が見つめるのは崩れゆく王都。

 

「兄上!!」

 

イーラ王はゼッタを見る。

 

「兄上…?!」

 

そして…首を横に振る。

 

「……。」

 

ゼッタはその場から離れる。

 

「アデルよ…。我が民を──頼んだぞ──」

 

 

 

 

 

 

「シン…カスミ…。どこ…! アデル! 皆!」

「ラウラ!」

「シン!」

「皆…無事か?」

「一人を除いて…な。」

 

その場にミデンはいなかった。

 

「え…?」

 

 

 

 

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