どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい   作:壊れたファングメモリ

20 / 58
黄金の国イーラ

 

(少しだけ)時を戻そう。

 


 

 

「ヒカリィィーーーァァア!!!!」

 

 

メツは…沈んだか。

 

…イーラも沈むよなぁ。

 

……あれ、これこのままだとセイレーンの流れ弾で俺も沈まないか…?

 

─ヒカリ…!!─

 

「モナドは…問題なく使えるな。よし、『(ウィング)』。」

 

早いとこ俺も脱出艇に………?

 

─…脱出艇も撃ち落とされる…?─

 

「それは防がないと…!」

 

ヒュン!!

 

 

 

 

 

 

脱出艇に向かって放たれるエネルギー弾は全て、ミデンが防いでいた。

 

いや、『防いでいた』よりも『脱出艇の代わりに受けていた』と言った方が適切だろう。決して躱してはいけず、全てを受け止めなければならない。

 

シールドを張り、壊されれば翼で守る。また、シールドを張り直す。それの繰り返し。

 

そして、そんなことをしていたら体がもたなくなるのも時間の問題だ。

 

徐々に散っていく翼と飛行速度の低下。それは、エーテルエネルギーの使いすぎによる疲労。

 

このままヒカリの暴走が続けば─

 

─ミデンちゃんが死ぬ……?─

 

そんな思いをアヤメは抱くが、ミデンは守ることしか考えていない。それは余裕がないとも言える。

 

「あ──」

 

余裕がない状況では、一瞬の判断ミスが運命を分ける…が、そこはアヤメがカバーする。

 

「『(バスター)』…。」

 

ブォン!

 

─助かった!─

 

「どういたしまして…。」

 

─…ア、アヤメ? なんか怒ってる? …あ、ごめん。もっと気をつけないとか。─

 

「違うよ? ミデンちゃんは悪くないから…。」

 

アヤメの怒りの矛先は、この状況を作り出した(メツ)(ヒカリ)へ向けられているのだ。

 

『罪を憎んで人を憎まず』という言葉を知ってはいるが、心に生まれた感情をコントロールするのはあまり得意ではないのだ。

 

「ッ! グッ…!!」

 

怒りと焦りは強くなる一方、翼のエーテルエネルギーは弱くなっていく。服は血で汚れ、顔の傷も自然回復が追いつかなくなっている。

 

あと1つでも弾が当たれば最悪死ぬというのは、二人とも理解している。それでも、受け止めなければ守りきれない。

 

ヒュン!!

 

パリィィィン……!!

 

─独りじゃないから、怖くない。─

 

それはどちらの想いだったのだろう。

 

ミデンはエネルギー弾を全身で受け止めた。

 

翼は散り、モナドは砕け、コアクリスタルの状態へと戻った。

 

だが、それでも()()()()()()()()()事はなかった。

 

 

 

 

◇◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

さて……。ひとつ、言わせてくれ。

 

 

 

 

 

生きてる!!

 

 

 

 

 

…いや、コアの状態に戻されてるから1回死んだようなものか? まぁいいか。

 

キィィン…!

 

「はい、俺復活。」

「私も復活。」

 

…ん?

 

「なに? どうしたの?」

「…あ、いや、え? アヤメ…でいいんだよな?」

 

アヤメ…銀髪だったんだ。てか、可愛いな。

 

「ずっと一緒にいたのに忘れたの?! まさか記憶喪失?!」

「違うが? ちゃんとアヤメのことは覚えてる。」

「よかった…。」

「………え、これどういう状態?」

 

普通に話してたけど、冷静に考えたらいろいろおかしいな。

 

「まず、此処は…イーラなのか?」

「わかんない。」

 

…。

 

「じゃあ、あれからどのくらい時間が経った?」

「具体的にはわかんない。」

 

…。

 

「け、けど、半年以上は経ったんじゃないかな?」

「そうなの?」

「こうやって二人に別れるには、半年は掛かるって前に言ったじゃん?」

 

言ってた。で、今は二人だから半年は経ってるって事か。

 

「…いや、なんで二人分の体が1つのコアからできるんだよ。」

「わかんない。」

 

…はぁ。わかんない事だらけだな。とりあえず、周囲の探索から始めるか。

 


 

・『黒姫』は巨神獣イーラと共に雲海へ沈んだ new!

 


 

これでイーラ編は終わりです。

 

 

 

…ラウラ達のその後が見たい?

 

ミルトとユーゴ生存以外は何も変わらないし、それが本編に直接繋がることもないので。

 

あと、黄金の国イーラのエンディングは実際に映像で見た方がいいと思います。

 

決して私がエンディングを見るのが辛いからではないです。はい。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。