どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい 作:壊れたファングメモリ
(少しだけ)時を戻そう。
「ヒカリィィーーーァァア!!!!」
メツは…沈んだか。
…イーラも沈むよなぁ。
……あれ、これこのままだとセイレーンの流れ弾で俺も沈まないか…?
─ヒカリ…!!─
「モナドは…問題なく使えるな。よし、『
早いとこ俺も脱出艇に………?
─…脱出艇も撃ち落とされる…?─
「それは防がないと…!」
ヒュン!!
◇
脱出艇に向かって放たれるエネルギー弾は全て、ミデンが防いでいた。
いや、『防いでいた』よりも『脱出艇の代わりに受けていた』と言った方が適切だろう。決して躱してはいけず、全てを受け止めなければならない。
シールドを張り、壊されれば翼で守る。また、シールドを張り直す。それの繰り返し。
そして、そんなことをしていたら体がもたなくなるのも時間の問題だ。
徐々に散っていく翼と飛行速度の低下。それは、エーテルエネルギーの使いすぎによる疲労。
このままヒカリの暴走が続けば─
─ミデンちゃんが死ぬ……?─
そんな思いをアヤメは抱くが、ミデンは守ることしか考えていない。それは余裕がないとも言える。
「あ──」
余裕がない状況では、一瞬の判断ミスが運命を分ける…が、そこはアヤメがカバーする。
「『
ブォン!
─助かった!─
「どういたしまして…。」
─…ア、アヤメ? なんか怒ってる? …あ、ごめん。もっと気をつけないとか。─
「違うよ? ミデンちゃんは悪くないから…。」
アヤメの怒りの矛先は、この状況を作り出した
『罪を憎んで人を憎まず』という言葉を知ってはいるが、心に生まれた感情をコントロールするのはあまり得意ではないのだ。
「ッ! グッ…!!」
怒りと焦りは強くなる一方、翼のエーテルエネルギーは弱くなっていく。服は血で汚れ、顔の傷も自然回復が追いつかなくなっている。
あと1つでも弾が当たれば最悪死ぬというのは、二人とも理解している。それでも、受け止めなければ守りきれない。
ヒュン!!
パリィィィン……!!
─独りじゃないから、怖くない。─
それはどちらの想いだったのだろう。
ミデンはエネルギー弾を全身で受け止めた。
翼は散り、モナドは砕け、コアクリスタルの状態へと戻った。
だが、それでも
◇◆◆◆◆◆◆
さて……。ひとつ、言わせてくれ。
…いや、コアの状態に戻されてるから1回死んだようなものか? まぁいいか。
キィィン…!
「はい、俺復活。」
「私も復活。」
…ん?
「なに? どうしたの?」
「…あ、いや、え? アヤメ…でいいんだよな?」
アヤメ…銀髪だったんだ。てか、可愛いな。
「ずっと一緒にいたのに忘れたの?! まさか記憶喪失?!」
「違うが? ちゃんとアヤメのことは覚えてる。」
「よかった…。」
「………え、これどういう状態?」
普通に話してたけど、冷静に考えたらいろいろおかしいな。
「まず、此処は…イーラなのか?」
「わかんない。」
…。
「じゃあ、あれからどのくらい時間が経った?」
「具体的にはわかんない。」
…。
「け、けど、半年以上は経ったんじゃないかな?」
「そうなの?」
「こうやって二人に別れるには、半年は掛かるって前に言ったじゃん?」
言ってた。で、今は二人だから半年は経ってるって事か。
「…いや、なんで二人分の体が1つのコアからできるんだよ。」
「わかんない。」
…はぁ。わかんない事だらけだな。とりあえず、周囲の探索から始めるか。
・『黒姫』は巨神獣イーラと共に雲海へ沈んだ new!
これでイーラ編は終わりです。
…ラウラ達のその後が見たい?
ミルトとユーゴ生存以外は何も変わらないし、それが本編に直接繋がることもないので。
あと、黄金の国イーラのエンディングは実際に映像で見た方がいいと思います。
決して私がエンディングを見るのが辛いからではないです。はい。