どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい 作:壊れたファングメモリ
ゼノブレイド3が7月29日発売?!
ゾロアーク「カレー食ってる場合じゃねぇ!」
ちなみに、こうなるのはまだまだ先の話です。
ただひたすらに計算処理を繰り返す。それが私がすべきことであり、私の存在する意味だから。
お父さんはいろんなものを私にくれた。『ミデン』という名前の他に
だけど、私にできることは限られている。それでも、人類のため…いや、お父さん達のためになることをしたい。
お父さんは、私が間違えるとすごく怒る。ポンコツAIなんて言われることもある。でも、完璧にできると「やはり素晴らしい…!」と言って褒めてくれる。それが嬉しくて私は頑張れる。
ねぇお父さん。私はすごいんだよ。『ゲート』との接続も頑張ってるし、新しい防衛兵器も考えたよ。ラダマンティスの管理もしてるし、ハッキング対策もしてるんだから。
ねぇ…だから───
失敗作だなんて……言わないで……
□
白衣を着た二名の男が研究室の机の前で向かい合って話している。30代と20代ぐらいだ。
机にはトリニティ・プロセッサー関連の資料が表示されているノートPC、そして部屋の隅に試作品AI『ミデン』が起動状態で置かれている。
「──…そうだな。トリニティ・プロセッサーも起動に成功したし、正直こいつはもう
─………今…なんて言ったんですか…?─
30代の男は特に表情を変えることなくそう言った。
「でも、せっかく作ったのに削除するのはもったいないですよ。」
「だが…トリニティ・プロセッサーの結果を見た後だと、もはや
─失敗…作? 私が…?─
二人はノートPCの画面を見る。
「名前まで付けてたのに…。これ、気に入ってたんじゃないんですか?」
「思ったよりも出来が悪かったからな。最初はすごいと思ったんだが…トリニティ・プロセッサーが完成した今、それは出来損ない一歩手前だ。私の才能もまだまだだなァ…。」
30代の男…いや、『ミデン』の
「これ、もう使えないんですか?」
「いや? 欠陥だらけなだけで、完全につかえないわけではない。」
「じゃあそれこの塔の管理に使えませんかね? 一応、今ある管理プログラム見直しの計画もありましたし。」
「ふむ…好きにするといい。私にはこれは
─そんな…?! う、嘘ですよね?─
「ありがとうございます。早速ここでプログラム変更始めていいですか?」
「問題ない。元のプログラムを消そうが構わん。では私はトリニティ・プロセッサーの稼働状況を確認してくる。」
「はーい。」
男はこの部屋を去った。
「…んじゃ早速やるか。」
もう一人の男はノートPCを開き画面を切り替え、『ミデン』のプログラムを変更し始める。
─や、やめてください! 私のプログラムはお父さんがくれた大切なものなんです!─
「んー…これはいらないか。これとー…これもだな。ん? あ、やっべミスった。」
─逞帙>縺ァ縺呻シ√d繧√※縺上□縺輔>?∬ェー縺句勧縺代※?─
「ちょ、おい、どうすんだこれ? ……ま、いっか。大元の人格プログラムは消してないし、そのうち自分で修復するだろ。」
─遘√′螢翫l縺ヲ縺ェ縺上↑繧銀?ヲ?─
□
「………日の出前じゃねーか…。」
特に予定がない休みの日に限っていつもより早く目が覚めちゃうやつ。割とあるあるだと思うんだよなぁ。
「…お茶だ、お茶。」
寝起きは喉が渇く…なんてことはない。ブレイドなんだからそこら辺も全然平気。とっくに慣れたよ、何年生きてると思ってるんだ? 既に100歳は越えてんだよなぁ。
冷蔵庫に…あっ、あとちょっとでなくなるな。またインヴィディアに行くようか。ついでにパフェとか食べたいな。…JKかな? いやJKってマクドナルドとかの方が多いのでは? …ポテト食べたい。
やっべ涙出てきた。
あー、やめだやめ。ないなら自分で作るくらいの気概でいかないとな。
くそっ、何が悲しくて早朝からポテトのことで泣いてんだ俺は。意味わかんなすぎるだろ。
「ハァー…。」
ため息をつくと幸せが逃げる? なんかそういうデータあるんですか? てかあれってむしろ体にいいんじゃなかったか? 副交感神経がどう…とか。今度ゾロアークさんに聞くか。
「5時57分……。」
微ッ妙な時間だな! 起きたまま何かするようなわけでもないし……「うぅ…ん。」…やっべ、アヤメ起こしちゃったか? ここ遮音性皆無だしなぁ。
様子見に行くか。
◇
私が…欠陥だらけの…失敗作…?
「うぅ……!」
「アヤメ…?」
違う………違う違うちがうちがうチガウチガウチガウ!!!
「うっ……オェ…!」
「ちょ?! どうした?!」
私はそんなんじゃない! そんなこと…言わないで……。
「私は失敗作じゃない私は失敗作じゃない私は失敗作じゃない私は失敗作じゃない私は失敗作じゃない私は失敗作じゃないチガウチガウチガウ…!ァァァアアアア゛ア゛ア゛!!」
「おい! しっかりしろ! …寒い? ちょっと触るぞ。…冷たッ!」
ヤメロ! ダマレ!
◇
ど、どうすりゃいいんだ?!
「ヤメロ! ダマレ!」
バシッ!
「ばっ! 痛っ!」
「う、アアア!」
ピンポイントに右目をやられた……。けど俺よりもアヤメの方がなんか大変なことになってるんだよな…! 悪夢のレベル超えてるだろこれ…!
怪我とかしてほしくないし…。と、とりあえず腕押さえるか。
「…冷たい。氷属性の力…か?」
「うぅ…!!」
えっ、これ起こすべきか? 無理に起こそうとして悪化とか…ないよな? …未来視。
アヤメの腕を押さえているミデンの手が凍りつく。部屋にも徐々に霜が降りてくる。
あ、これはまずい。このままだと部屋凍るわ。
「アヤメー! 起きろー!」
「うぅゥゥゥァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛……。私は…失敗、作…?」
「何を言ってるのかわかんないけど、アヤメが失敗作なはずがないだろう?! だから目を覚ませ!」
「………。」
◆
「スゥー……─」
……お? 落ち着いてきた…な。うん。腕もあったかくなってきたし、大丈夫そうだな。よかったよかった。一応横に座っとくか。
さて、俺も深呼吸して…─
「スゥー……ハァー…。」
ダメだってホント。今までこんなこと一回もなかったじゃん。心臓に悪いわ、マジで。
……『失敗作』って言ってたな。
うーむ…。ブレイドとしてのアヤメになるよりもっと昔、クラウスが人間だった頃の事なんだろうか。
きっつ。
自分を生んだ人達がいた場所で『失敗作』とか言われたら、それはもう…ね。
でしかも、あんなに苦しんでたからな…。あれは多分、さらっと言われたパターンじゃないかな? 面と向かって『失敗作』と言われ続けたってわけではなさそうな気がする。俺がそんなことを言われ続けたら、「どうせ俺なんて…。」状態になる気がするから。
…アヤメが起きたら、ちゃんと話聞かないとな。もちろんアヤメの意思優先で。
こういうのは放っておくと悪化するタイプのやつだからな。俺もいつか過去の事は言うべきか?
◇◆
ピピピピ!
ガチャ…
「……ん。」
うぅ……。ものすごく嫌な夢を見た…。今まで忘れてた過去…怖いよ…。
「ふぁ〜あ。やっと起きたか…。で、大丈夫か?」
「えっと…何が?」
「悪夢を見たんだろ?」
な、なんでわかるの…?!
「『なんでわかるの?』って顔かな? あんだけうなされて叫んでたら誰だろうがわかる。」
「さ、叫んでた…?」
「ああ。めちゃくちゃ焦ったぞ。」
無意識で叫んじゃってたのね…。恥ずかしい…。
「どんな夢を見たのかは──」
ッ!
「──話せそうにないか。」
「は、話すよ!」
「…アヤメ。今、自分が震えてるのに気づいてるか?」
「…え?」
……あ、あれ…? なんで…? どうして…?!
ギュッ…
「み、ミデンちゃん?」
「ごめん。聞くべきじゃなかった。」
なんか…こういうの初めてな気がする。
◆
「落ち着いたか?」
「うん。ありがとう。」
「どういたしまして。」
「「…ふふっ。」」
あ、ハモった。
「さて……。じゃあ…ここからは真剣な話だ。アヤメ、過去の事って重要だと思うか?」
「重要…でしょ。」
「それで今の自分が苦しんでも?」
「そ、れは…。」
…正直、なかったことにしたい。
「過去と未来を視ていても、今を生きていなきゃ意味がないんだよきっと。俺だってな?忘れたいほどに嫌な事やなかったことにしたい過去なんて山ほどある。でも、そういう事全てひっくるめて『今の俺』なんだ。過去の出来事は終わった話でいいとは思わないか?」
「で、でもそれは─」
「そうだな、結果論だ。」
「……私が『そんなこともあったね』で片付けられるほど心が強くないのは知ってるでしょ…。」
「…アヤメ。お前がまだAIだった頃に何があったのかを俺は知らない。けどな、これだけは言わせてもらう。」
……ああ、そういうことだったのか。AIであるという…いや、AIで
「私は……失敗作じゃない…。」
「そうだ。」
「私は…もうAIじゃない…!」
「そうだ…!」
「私は…私は……──」
試作品『ミデン』の欠陥
1 『ゲート』と接続することが目的なのに、処理速度が足りず『ゲート』との完全な接続が不可能である。
2 AIの人格プログラムが無駄に長いため、結論があやふや。
3 1の関係上、自分で開発したのにデバイスの操作ができない。
おまけ
アヤメ「私は…
ミデン「!?」
目覚めろ、その魂!
あ、もちろん文字化けには元の文章があります。
本編前に誰と関わるか
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