どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい 作:壊れたファングメモリ
ifルート一つ目です。思いつきで書いたifルートなんで深く考えずにどうぞ。
本編は…もうちょっと待ってください。
脱出艇に向かって放たれるエネルギー弾は全て、ミデンが防いでいた。
いや、『防いでいた』よりも『脱出艇の代わりに受けていた』と言った方が適切だろう。決して躱してはいけず、全てを受け止めなければならない。
シールドを張り、壊されれば翼で守る。また、シールドを張り直す。それの繰り返し。
そして、そんなことをしていたら体がもたなくなるのも時間の問題だ。
徐々に散っていく翼と飛行速度の低下。それは、エーテルエネルギーの使いすぎによる疲労。
このままヒカリの暴走が続けば─
─ミデンちゃんが死ぬ……?─
そんな思いをアヤメは抱くが、ミデンは守ることしか考えていない。それは余裕がないとも言える。
「あ──」
余裕がない状況では、一瞬の判断ミスが運命を分ける…が、そこはアヤメがカバーする。
「『斬』…。」
─助かった!─
「どういたしまして…。」
─…ア、アヤメ? なんか怒ってる? …あ、ごめん。もっと気をつけないとか。─
「違うよ? ミデンちゃんは悪くないから…。絶対に許さないから…ヒカリィ…!!」
アヤメの怒りの矛先は、ヒカリ
『罪を憎んで人を憎まず』という言葉を知ってはいるが、心に生まれた感情をコントロールするのはあまり得意ではないのだ。
「ッ! グッ…!!」
怒りと焦りは強くなる一方、翼のエーテルエネルギーは弱くなっていく。服は血で汚れ、顔の傷も自然回復が追いつかなくなっている。
あと1つでも弾が当たれば最悪死ぬというのは、二人とも理解している。それでも、受け止めなければ守りきれない。
ヒュン!!
ピシッ…!!
─あ、これは終わったな…。まぁでも、元々一度は死んだ身だ。
空を飛ぶなんて前じゃ考えたこともなかったし、色んな人との出会いはいい経験になったよ。
楽しかったなぁ。……でも、本当はもっと──
ドサッ…
「生きていたい…。」
生きていたい…
「大げさだなぁミデンちゃんは。私達はコアクリスタルがあれば死なないのにー。私が同調して起こしてあげようか?」
そうと決まれば、まずはミデンちゃんのコアクリスタルの破片を拾っ…………破片…?
「あ、あれ? 私のコア…三分の二くらいになってる…。」
え、じゃあこの破片は…違う。それはない。
「おーい。……おーーい。ミデンちゃーーーーん! まだ寝てるのかな?」
起きてー!
…もうちょっと待ってみようかな。…ついでに、此処がどこかも知りたいし。とりあえず…胸ポケットで我慢してね。ごめんね。
◆
「ミーデンちゃーん。起ーきてー! …あ、これここら辺の地図かな?」
なになに? 『ビーン・ストーク』? …ああ、私が管理していた塔じゃないですか。ならここは……そうですね…旧人類のいた地、とでも呼んであげましょうか。
『ガァ……!』
元人間のモンスターね…。
…はぁ。生き延びるためとはいえ自我を捨ててしまったら、死んでいるも同然でしょうに。それとも、失敗するなんて思ってなかったんでしょうか。もしそうなら、なんと愚かな…。
ま、態々斬るほどでもないですね。…ミデンちゃんは元人間っていう理由で斬らないんだろうなー。優しいからね。…ところで、いつ起きるの…?
◆
ふむ……戦争の跡が残りまくってるじゃないですか。もっとどうにかならなかったんですかね。
ま、そんなことはどうでもいいや。とっととエレベーターに乗って世界樹の上の方へゴーだ。
…ミデンちゃん……このまま二度と目覚めないだなんて、ないよね…?
◆◆◆
とりあえず、私達の家まで帰ってきたけど……。ミデンちゃんがいないと私、何をすればいいかわかんないよ…。私にはあなたしかいないの。
このコアクリスタルの破片は、私のコアの欠けている部分と合わせればすぐに修復されるだろう。でも、それではダメ。そんなことをしてしまったら、ミデンちゃんはかつての私のようにデータ上だけの存在になってしまう。
会いたい……。こんなに会いたいのに…なんで…? ねぇ、なんで? なんでなの?
◆◆
「おはよう、ミデンちゃん♪
今日も私の歌を聞いてくれるんだよね? ふふ、ありがと。私の歌を聞いて、早く元のコアクリスタルに戻ってくれたら嬉しいな。昨日は177μmも修復したから……あと300年くらいかな。
ん? 私? 私のコアクリスタルはいいんだよー別にー。欠けてても未来視は使えるし、モナドだって…ほら。
あ、そうだ。私、新しく『モナドサウンド』が使えるようになったんだー♪ …確かに全然使ってなかったね。私見たことないもん。」
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
……ん? あれ? ここは……あ、自宅か。
…………生きてる。生きてる。
え、イーラの巨神獣で死んだのに自宅っておかしくね? どうなってんの?
まぁいいか。外に出て状況を確認…………? え、両手両足凍って壁に張り付いてるんだけど。動けないんですけど?
…え、何これやばいじゃん。
「おーい! 誰かいな「ミデンちゃん!?」うおっ! てちょ待─」
ガンッ!!
痛ってぇ!
「やったぁぁあああ!!!やっと起きたんだね!おはようおはようおはよう!!もちろん私の事覚えてるよねミデンちゃん私アヤメだよ!好き好き好き好き大好きこれからはずっと私のそばにいてくれるんだよね?…ねぇどうしたの?何も言ってくれないの?」
アヤメ……ってあのアヤメか?
「え、あ、その、久しぶり…で、いいのかな…?」
「うんうんうんうん!久しぶり!」
あってた。…じゃなくて!
「この氷どうにかならない?」
「え? なんで?」
いや、『なんで?』はこっちのセリフなんだが?
「これじゃ全く動けないんですけど?」
「…? 食べたいものがあるなら私が作るし、掃除とかも私が全部やるから心配しなくていいんだよ。あ、そっか手伝いたいっていうこと? 私はその気持ちだけでも嬉しいよ、ありがと///」
…何を……言っているんだ…?
まるで話が噛み合わないんだが? 俺今スタンド攻撃でも受けてんのかな…?
こういうときは掲示板の民に─────
「ミデンちゃん? もうあなたは掲示板、使えないよ?」
「え? マジで? 今使おうと思ったんだけ──」
「…な……ぁ……!」
「え? なぜ…? だって、ミデンちゃんと関わっていいのは私だけなんだよ? どこかの誰かなんかよりも私だけを見てよ。」
ハイライトさん…生き返ってくれ……!!
………とんでもないことになってしまった。
俺…楽園に行けるのか…?
◇◆◆◆◆◆
「おはよう、ミデンちゃん。今日も私の歌を聞いてね。」
「〜〜♬♪〜♬」
「……。」
やばい…狂いそう。
◇◆◆◆◆◆◆
「おはよう、ミデンちゃん。私、すっごいいいこと思いついたんだ♪ じゃーん。あなたが私以外を見なくて済むように、私の髪から作った目隠しだよ♪ 着けるのは私が外出してるときだけだけどね。…ん? 最近外出が多いのは…内緒♪ すごいサプライズになると思うから待っててね♪」
「...─ ─ ─ ...」
◇◆◆◆◆◆◆◆
……珍しい。…今日はアヤメの声を聞いていない。何か…あったのだろうか。
………俺が…アヤメのことを…心配…しているのか…。おかしな話…だな。
…なんだか、外が騒がしかったような…気がする。…前に言っていた、サプライズ…というやつのことか?
嬉しくは…ない。きっと…誰かが犠牲になっている…かもしれないから。
……思えば、今の俺は…三度目の人生を過ごしている最中…なわけだが…一度目と似ている……いや、一度目よりも…何倍も酷いな…。酷い世界だな…ここは。
目と耳を塞がれたまま……手足の感触も無く…空気中に存在するエーテルの流れ…それだけが…俺が生きていることを教えてくれる。
…死んでるように生きたくない…か。俺は早く死にたいよ。
…………帰ってきたか。
ガサガサ…
「ただいま♪」
「……おかえり…。」
「ミデンちゃん、この前のサプライズの話覚えてるよね。うんうん。それでね、今からお披露目だよ♪ 準備はいい?」
「…ああ。」
「じゃあ、目隠し取るよー………どう? ちゃんと見えてる?」
…見たくなかったなぁ。だって─
「じゃーん! この家と私達以外、全部ぜーんぶ消してきたの♪」
……雲海と自宅以外の全てが無い…この景色を美しいと…思ってしまった俺の心は……壊れているんだろうか。
ヤンデレってこんな感じでいいんでしょうか? 実際にヤンデレになったことはないのでよく分かりませんが。
オリジナルブレイドってあり?
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あり
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なし