どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい 作:壊れたファングメモリ
世界一サブタイトルを間違えた人を自称していいですか?(修正済み)
違うんです。目印に使っていただけなんです。
オリジナルブレイドはまだまだ先になりそうです。
「それにしても、コアクリスタルに触れるとブレイドが生まれてくるなんてやっぱすごいよなぁ。」
「私達ブレイドの本体は、コアクリスタルと呼ばれる宝石に似た素子なんです。触れた者に適性があった場合のみ自身の体細胞を増殖させて分離体を生みだす…それがブレイド。」
「つまり、ドライバーとコアクリスタルが運命的に巡り会ってこそ、ブレイドが誕生するということじゃな。」
運命…かぁ。私にはよくわかんないかな。
「不思議だなぁ。何でそんなことが起こるんだ?」
「さあ…それは誰にもわからんよ。古からそういうものなんじゃ。」
黒白、コタエシッテル。
言うとめんどくさいから言わないけど。
「生まれ出るブレイドの容姿は千差万別。人に近いものから私のようなものもおります。」
「ドライバーの個性や精神が反映されているって説もあるね。」
それほぼ正解。うーん、89点!
「ドライバーとブレイドの出会いはとっても神秘的なんですよ。」
神秘的……。私の場合は神秘的ってよりも非科学的だったよね。なんだよ『ゲート』って。
物理法則に喧嘩を売っちゃだめでしょ。
「─一同。抵抗するな。」
「わっ、びっくりしたな〜もう…ってなんか雰囲気よくない。」
一応、武器に手を掛けておこ。
「こ奴ら、帝国軍じゃな。」
「そういえばグーラはスペルビア領だったね。」
「しまった…!」
「なんなんだ、お前たち。」
「その者、帝国に仇なす反逆者『イーラ』の者であろう。」
「えっ?」
…ってニアのほうを見ながら言っとけば何も知らないフリになるかな?
「『イーラ』……! ニアは違う!」
「そうか? 白き獣のブレイドを連れたグーラ人のドライバー…。手配書の人相書きにそっくりではないか!」
そんな物……あ、なんかあった気がする。シンとアイツと…
「人相書き…?」
「これだァ!」
「……ふふっ…!」
「何笑ってんのさ!」
「いや、だってぇ…!」
混ざってるんだもん…! ニアとビャッコが…! これ笑わないのは無理でしょ…!
「…って、そんなことやってる場合じゃないよ!」
「ところでお前。見たところ、お前もドライバーの様だが…登録ナンバーは?」
「え? と、登録…?」
登録ナンバー…あー、ドライバーはみんなアーケディアに申請しないとダメなんだっけ?
「すべからくドライバーとなった者は、アーケディアへ届け出なくてはならない。登録ナンバーがないということは…さてはお前、モグリのドライバーだな。」
「違う! オレは!」
「お前達を連行する! 申し開きは、領事閣下の前でするがいい!」
うーん…─「いーち、にぃー…の! さん!」「つ、強い! たった二人なのにこうも強いとはやはりドライバー!」「騒がしいですね。」「ブレイドか? でもドライバーは?」「燐火!」「エーテル遮断ネットだ!」─…エーテル遮断ネット?
「レックス、今からアタシとビャッコで仕掛ける。その隙にアンタ達は逃げな。」
「そうはいかないよ。」
「これはアタシとビャッコの問題だよ。」
「あいつは今、お前達って言った。なら無関係じゃいられない。」
完全に巻き込まれた……なんて言うつもりはないよ? だって私から巻き込まれに来たんだもん。
「ったく…相当頑固だね、アンタ。」
「じっちゃんにもよく言われる。」
「じゃ、いちにのさん、でいくよ? アタシ達は左、アンタ達は右。」
「おっけー。」
「いつでも。」
…私はレックスの方? それとも待機かなぁ?
「じゃ、いくよ!」
「て、抵抗するのか?! くるのか?!」
さっきの怖い感じの雰囲気どこいっちゃったの?
「いーち、にぃー…の!」
「ひ、ひるむな! 相手は少数…取り囲んでひっ捕らえろ!」
「さん!」
「つ、強い! たった二人なのにこうも強いとはやはりドライバー!」
「レックス! 今だ!」
「ああっ! アヤメさんも!」
「…うん!」
「な、何だこの炎の壁は!?」
ですよねー。
「騒がしいですね。せっかく束の間の休暇を楽しんでいたのに…。」
「カ、カグツチ様…!」
「カグツチ? ブレイドか? でもドライバーは?」
「私のドライバーは現在、ある任務で遠征中です。今は私一人。」
「ドライバーがいないのか…。アヤメさんと同じ…。」
やばっ! 服燃えちゃう! 消火消火!
「カグツチ様は『スペルビアの宝珠』とも呼ばれる帝国最強のブレイド。ドライバーなくしてもこの力…観念しろ!」
説明ありがと。ですが、そんなことは知っているんですよ。馬鹿にしているんですか?
「カグツチ様、この者達はかのイーラの手の者。是非ともカグツチ様のお力をお貸しください。」
「イーラの…? ─翠玉色のコアクリスタル…まさかとは思ったけれど…いいでしょう。ですがパクス警備長、殺生は禁じます。彼らを生きたまま捕らえなさい。」
「はっ! おいっ、例のものを。」
「はっ!」
さすがに相手がカグツチっていうのは、レックスにはまだちょっと早いかなぁ。
「陽炎!」
「熱っ! このっ!」
私はあんまり戦うのは好きじゃないけど…手助けくらいならいいかな…。
「えいっ。」
「ぐっ?! お、俺だって!」
「それはもう視てる。…さっさと凍りなさい。」
「な、脚が! グワァァッ!」
…よし。死んでないね。
レックス達は…─
「ヒーリングハイロー!」
「助かるっ!」
─意外と大丈夫そう?
「はぁっ!」
「でやぁっ!」
あつっ…。あ、周りちょっと溶けちゃった。
「なっ…! オレ達の攻撃を弾いた?!」
「あの人…強い…!」
「ドライバー抜きでアレか…。」
「諦めるな! こっちは二組だよ!」
…!!
「待っ…!」
バシュン! バシュン!
「ビャッコ! あぁっ!」
…言っとけばよかったかな。
「エーテル遮断ネットだ! ふははははは! 大気からのエーテル流を遮断されては、得意のアーツも撃てまい!」
「ブレイドにも弱点はあります。その一つがこれ。」
うーん…どうしようかなぁ…。
「力の源であるエーテルの流れを遮られること。」
「ニア! ビャッコ!」
「逃げろ! レックス! アヤメ! アタシ達に構うな!」
「無理言うな! 見捨てるなんてできるわけないだろ!」
「アンタにはアンタの目的があるだろ!」
「でも!」
「それを果たせ!」
「レックス、今は退け! それしかない!」
「でも…!」
…─いける!
「いいから逃げるよ! レックス!」
「ア、アヤメさんまで…!」
「逃がしません。」
周りが燃えた…! でもいける! 私の未来なら逃げられる!
「レーックス!」
「くそぉー!」
…来たっ!
ヒュン!
ガァァン!!
水道管になんかが…よくわかんないけど、とりあえずヨシ!
「ぐわぁぁぁ!」
「水!」
「今だっ! うおぉ!!」
「「バーニングソード!!」」
「ナイス! 行こう、レックス!」
「わかってる! ホムラ!」
「はいっ!」
「逃がすな! 追え、追えー!」
逃げろ逃げろー!
◇
「おーい!」
ん?
「こっち、こっち、こっちだも! 逃がしてあげるも!」
「君は─」
「はやくはやくも!」
ノ、ノポン…!? てかその隠し扉すごいね。
◇
「ありがとう。助かったよ。でもどうしてオレ達を?」
「何となくも。」
「何となく?」
「─っていうのは嘘も。ほんと言うと、いっつもイバりちらしてる兵士に完成したばっかのロケットカムカムをお見舞いしてやろうと思ってたも。」
ロケット…カムカム? え、あのよくわかんないミサイルのこと?
「そこへちょうどにーちゃん達が追われてきたんだも。外れて水道管に当たっちゃったけど、結果オーライだもー♪」
「なるほど…あのミサイルみたいなやつは君が撃ったのね。」
「トラだも。」
「トラっていうのか。オレはレックス、こっちはホムラで─」
「私はアヤメ、よろしくね〜♪」
「よろしくお願いします。」
「よろしくも。もふふ…! …実は助けたのにはも一つ理由があるも。」
「理由?」
「ま、それはトラんちに着いてからゆっくり話すも。こっちだも。」
この通路この街の人はどれくらい知ってるんだろ…。ちなみに私は初めて知った。
◆◆
「運動した後はゴハン食べないと考えまとまらないも。」
「ワシも腹が減ったぞ。」
「ご飯は後でいいよ。今はニアとビャッコの居場所を知りたいんだ。」
ぐぅぅぅぅ……
「ほら、やっぱりアニキもお腹グーグーだもー。」
「しょ、しょうがないだろ!」
「あの…良かったら私、何か作りましょうか?」
「ホムラ、料理できるの?」
「え、まじで?」
「うふふ、煮物・焼き物・蒸し物・揚げ物─火を使った料理なら何でもござれです。」
「「おぉー!」」
……ヒカリの料理はかなりアレだったけど…大丈夫かなぁ…?
「かき氷とかはちょっと苦手かも…。」
「あ、かき氷なら私いつでも作れるよ!」
「もも? いつでも作れるも?」
「そうだよ〜、ほら♪」
手から雪が降ってま〜す♪ なんてね。
「ももっ! すっごいも! これでいつでもかき氷食べ放題だもー♪」
「あ、でもシロップないから味ないよ?」
「それならいらないも…。」
◆
待って…めっちゃ美味しい。ホムラはヒカリとは別の存在として考えた方がいいのかもなぁ。
「良かった…! 久しぶりの料理なので、腕がなまってたらどうしようって思ってたんです。」
「なまるどころか、最高だよホムラ。」
「でも、不思議だもー。ホムラちゃん、火を使うブレイドも? さっき水道管ぶっ壊した時も、火の力使えてたも。」
「そういえばそうじゃったなぁ。あのカグツチとかいう帝国のブレイド、あれもホムラと同じ火を使うブレイドじゃったが向こうはかなりパワーダウンしとった。」
「それって珍しいこと?」
「珍しいとかじゃなくて…それが普通なんだよ?」
「この世界にはエーテルっていう属性の力があるも。火とか水とか氷とか他にも色々あるも。ドライバーもブレイドも、このエーテルの力を源にするも。」
私とミデンちゃんは例外だね。妹弟もそうなんだけど。
「で、火は水に弱いも。だからあのブレイドのねーちゃんは、水ばしゃーんしてパワーダウンしたも。」
まぁ、火に水を掛けたら消えるもんね。てか『ばしゃーん』って…やけにかわいい言い方するねトラ…。
「でも、オレとホムラの力は問題なく発揮できたぞ。」
「全く衰えることなくな。」
「どうしても?」
「えーと…私の属性、火じゃないので…。」
「もももー?! 火じゃないのに何で火の力使えるも?!」
「そ、それには結構複雑な事情が…。」
「はーい、トラストップ。ホムラ困ってるから。」
「でもでもー…。」
「トラ…人には言えない事情ってもんがあんの。だよね?」
「ごめんなさい…そのうちお話できる時がくれば必ず。」
◆
このまま街で情報を集めるのは目立つよねってことで変装することになった私達なんだけど─
「トラの秘蔵コレクションから選んだ変装用の衣装だも!」
「うん、要するにこれはトラの趣味ね。」
「ち、違うも! 変装用の─」
「あーはいはい。」
─なんで私が猫耳フード付きパーカーなんだ…。せっかくオシャレしてきたのに。てか私の場合、変装なら別にブレイドとしての服装になれば済むんだけどなぁ。
あ、でもそれやるとコアがむき出しになるからダメだね。しばらくはさっきの服装を基本にしよ。できるだけ正体は隠すべきらしいよ?
「で、どうするの? 手分けして情報を集める? それとも何かあった時のためにみんなで行く?」
「うーん……──みんなで行こう。」
「わかったも。」
◆◆◆
「この雲海に伸びてる大樹の根っこから、ニアとビャッコがいる軍艦に潜入するのね。」
今何時くらい? 多分13時くらいだよね。ニアとビャッコの処刑が明日のいつになるかはわかんないけど、夜まではかなり時間あるから大丈夫かなぁ。
てか別に未来視で視ておけばどうとでもなりそうではある。未来視で調べて『翼』で飛べば余裕だよね。
でもそんなことしたらとんでもなく目立つから、やらないようにって
「もっふっふ…! 皆に見せたいものがあるも。」
…見せたいもの?
「なんでしょうか…?」
「とにかく、トラの方に行こうか。」
で、見せたいものってこれ─いや何これ。
「これは…。」
「誰にも見せたことのない、トラだけの秘密…。」
機械でできた…女の子? トラ─
「人工ブレイドなんだも!」
─やっぱりそういう趣味…。
「──作り始めたのはじいちゃんと父ちゃんだも。」
あ、親子三代!?
◆◆
り、理由はわかったけど…なんで女の子なのさ。
「後は足りないパーツをいくつか買ってくればいいも。でもトラ、お金ぜんぜん持ってないも…。」
「えーっ!? マジで!?」
「マジだも…。」
これが作れるんだから、トラも修理屋とか改造屋くらいはできるよね。
「つまりは…お金を貸してくれ…と?」
「貸すんじゃなくて…出してくれたら、もっと嬉しいも。」
さすがノポン…。
「で、結局どのくらいお金かかるの?」
「だいたい6万ゴールドだも。」
高い…って一瞬思ったけど、私の服もそんくらいのあった気がする…。てかミデンちゃんの黒革ジャン、あれ30万超えてたかも。
「ろ、6万…。ア、アヤメさん、その…─」
「…何、どしたの? …もしかしてレックス………はぁ〜。」
私にお金を借りる気なの〜? 今の手持ちは結構あるから出せるけど…。
「いいけど…私の相棒に怒られても知らないよ〜?」
「うっ、できれば黙っててもらえないかな?」
「…………………今回だけだからね?」
◇◆◆
私の今月分のお小遣いと引き換えにビヨンコネクタ3個、そして親切な植物学者からかんぺき測距センサを貰いました。これで人工ブレイドが起動するらしい。大変だった。これからニアとビャッコを助けに行くんだけど。
「さぁ、目覚めろも…! トラだけの人工ブレイド、ハナッー!」
ガチャッ!
キュイーン…!!
バチッ!!
おわっ、すっごい揺れたけど大丈夫?
「ハ、ハナ〜…。」
(○Д○ )
「ちょちょちょちょちょ、ちょっとまったもー!! い、今のはナシも! せ、設定を間違ったもー!」
「設定ぃ?」
「こ、こんどこそ大丈夫も。そ、それでは気を取り直して…スイッチオンだも!」
バチッ!!
「──おはようございますも。ご主人。」
「せ、成功だも…! これがトラの自信作! セカイ初の人工ブレイド『ハナ』だもっ!」
「おおーっ!」
「すごいっ。」
「こりゃたまげたわい。」
「へぇ〜すっごいね。」
「どうだも〜? 感心したも〜? トラ、すんごいも〜?」
「ああ、ホントすごいやトラ。」
すごいのはすごいんだけど、さっきのあれは何?
「いやぁ、さっきはびっくりしたよ。てっきりそういう趣味なのかと…。」
「ト、トラにそんな趣味あるわけないも。ア、アレは……そう! センゾーじいちゃんの趣味も。きっとそれが残ってたんだも。」
いやトラの趣味でしょ。てかそれが真実でも随分とやばいことになるんだけど…。
「ほんとーですか?」
「ほ、ほんとー、も…。ももっ!!」
センゾーじいちゃんって人がこれ考えたとしたら、トラのお父さんも相当やばいのかもね……。だってトラがこれなんだし。
「─ということだそうですので、レックス、行きましょう。ニアを助けに。」
「ああ、急ごう!」
「ふも……。」
「というわけで、ハナですも。今後ともよろしくなのですも。」
誤字報告助かります。