どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい 作:壊れたファングメモリ
/ ̄ ̄\_ ˙꒳˙)_<特殊召喚!
さすがに一日中アーケディアの巨神獣船にいる訳にはいかないので、近くにあった宿に泊まることにした。レックス達とは違うところだ。
あんまり目立ちたくないので服装は変えた。グレーのパーカーにジーンズの組み合わせである。スカーフは外さない。
「さて……と。」
カスミが正常にコアクリスタルの状態に戻り、円環に組み込まれるようにすること。
これが俺の考えた答え、なんて言うつもりはない。
最初はそのつもりだったが、少し…いや、かなり考えが変わった。
そもそも人間とブレイドでは死の概念が違うのだから、俺の考えを押し付けるのではなくカスミにとっての救済でなくてはならない。
ラウラのブレイドとしてのカスミは、マルベーニのブレイドでなくて良かったと言っていた。
俺もシンもあの場にいたからよく覚えている。シンはカスミをマルベーニという軛から解き放つことを救いと考えている…のかもしれない。殺して解放という方法はシンにしかできないが。
彼なりの優しさ、もしくは過去との決別なのだろう。
だからこそ、俺がやるべきはただコアクリスタルに戻すことではない。
シンが殺すのは『ファン・レ・ノルン』で、俺が救うのは『カスミ』だ。
つまり、やることはウワバの時とほとんど変わらない。
死んだ後、コアクリスタルが全部ある状態の情報で別のコアクリスタルに移す。その上で同調はせずに保管する。
これが俺達が出した答えだ。
ラウラと同調していた頃のカスミの情報があるのは確認済み。ついでに…というと失礼だが、昔のシンの情報も確認した。今のところ特に何もしないが。
……だけどやっぱり、誰かが死ぬってわかってるのに何もできないのは辛いなぁ。
「っと、もうこんな時間。……明日か。」
巨神獣兵器をシンが乗っ取って、スペルビアとインヴィディア間で戦争を起こそうとするだったね。
よし、寝るか。早く寝ないとウワバがアヤメのケータイで俺に嫌がらせレベルのメール連投しそうだし。
「………ここからテンペランティアって見えたっけ?」
アーケディアが両軍の間に入って止められるくらいだから、そこまで遠くではないと思うんだけど。
◆
「じゃあ、みんな気をつけてね。」
「ミデンは来ぃひんのか?」
「ほら、あれだよ。おr…私がついて行っても邪魔になるだけだろうし。」
「…あなたがいた方が─」
「いや、駄目なんだよヒカリ。」
「駄目って……。」
シンの過去をほぼ全て知っている俺が行ってしまえば、きっと剣が鈍る。というかシンに会うこと自体が危険だ。
「それに……いや。とにかく、気をつけてね。」
「ああ、行ってくるよ。」
怪我だけはしないでほしいんだけど、シン相手じゃそうもいかないよねぇ。
…ウワバ呼ぼうかな?
◇◆
647:名無しの転生者
なるほどなぁ。
648:名無しの転生者
でも分からなくは無い。
649:プロトTS(天の聖杯)
……いやマジでねぇ、悩みに悩んで出した答えだからさ。
650:名無しの転生者
まぁでもシンからしたらカスミのドライバーがマルベーニなのは許せないよなぁ…。
651:博識ゾロアーク
それが一番いいと思ったのならそれでいいんじゃないか?
652:名無しの転生者
そうそう。
653:名無しの転生者
コアクリスタルさえ残るなら問題なーし!
654:名無しの転生者
誰もが幸せになるのは難しいから。
655:プロトTS(天の聖杯)
大勢の他人より、同じドライバーを持ったブレイドの気持ち…優先してもいいよね!
656:名無しの転生者
せやで。
657:名無しの転生者
優先しちゃおう!
658:名無しの転生者
覚悟決めたか。
659:名無しの転生者
悪くない。上出来だ。
660:名無しの転生者
>>659めっちゃ上から目線やんけ。
661:博識ゾロアーク
決めたなら最後まで突っ走るしかないな。
662:名無しの転生者
いけるか?
663:プロトTS(天の聖杯)
>>662誰にものを言っている。俺は『天の聖杯』だからな! 最後までやってやるよ!
664:名無しの転生者
覚悟と同時にテンションもキマっちゃってる…。
665:名無しの転生者
ま、何にせようまくいきそうでよかったよかった。
666:名無しの転生者
で、結局今から何すんの?
667:プロトTS(天の聖杯)
>>666カスミの死亡・シンの撤退を確認しにテンペランティアへ行く。その後はアーケディアに戻る。
668:博識ゾロアーク
…そういえば、アーケディアでインヴィディア・スペルビアで首脳会議をするんだったな。
669:名無しの転生者
あれ?
670:名無しの転生者
>>669どした。
671:名無しの転生者
首脳会議でバーンがなんか仕掛けてくるんじゃなかったっけ?
672:プロトTS(天の聖杯)
>>671そう。それなんだけど、何か原作より被害がやばい事になりそうなんだよね。
673:名無しの転生者
マジで?
674:博識ゾロアーク
未来視か。具体的にはどんな感じなんだ?
675:名無しの転生者
視たいときに視られるっていいな。
676:プロトTS(天の聖杯)
なんかめっちゃ燃えてるんですよね。多分、スペルビアの巨神獣船の燃料に引火してるんだと思います。
677:名無しの転生者
引火?
678:博識ゾロアーク
アヴァリティア商会の前会長『バーン』が巨大人工ブレイドに搭乗して襲撃するんだが、レックス達に負けた後自爆する。
679:名無しの転生者
なるほど、自爆で燃えるのか。
680:名無しの転生者
その爆発ってスペルビアのショタ皇帝巻き込むやつじゃなかったっけ?
681:プロトTS(天の聖杯)
>>680それは防がせてもらう。というか自爆とかさせないから。あとショタ皇帝言うな。
682:名無しの転生者
自爆してもバーン死んでなかったけど。
683:名無しの転生者
燃えてるのは?
684:プロトTS(天の聖杯)
>>683分からん。だけど、自爆させなければ大丈夫…な気がする。
685:名無しの転生者
おっと…?
686:名無しの転生者
心配すぎる…。
687:名無しの転生者
レックス達って水属性のブレイドと同調してんのかな。
688:博識ゾロアーク
いていなくてもワダツミがいるから大丈夫だとは思うが。
689:プロトTS(天の聖杯)
万が一燃え始めた場合に消火できるブレイドがいた方がいいか。レックス達に言って集めてもらおうかな。
◆◆
……。
「死亡…確認…。」
「…よかったのかァ? 止めなくて。」
「…ああ。これがカスミにとっての救いなんだよ。」
「なァ…。」
「なんだ?」
「あいつが言ってた
「………軛…か。」
マルベーニによるブレイドを管理するという行為は間違っている。それは覆ることのない事実で、許すつもりは無い。
「…俺は人間そのものが軛や枷だとは思ってない。だけど、シンが言った『ブレイドが世界そのもの』っていうのは理解出来る。出来てしまう。」
「…どういうことだ?」
「案外簡単な事だ。」
この先、それこそ死んでもマルベーニが考えを変えることはないだろう。それほどに根が深く、人間らしい人間ほど面倒臭いものはない。マルベーニがそれを自覚しているかはともかく、あんな人が神に会った日には…ね。
既にマルベーニの拡大解釈でアルストが死にかけているのだから勘弁してもらいたい。
「全ての生命はコアクリスタルから始まっている。それだけの事なんだよ。」
「………つまりなんだ? あれか? 人間もモンスターもフォネクスとかも、全てブレイドもしくは巨神獣が先祖っていうことか?」
「今のでわかるのか…。ウワバお前…頭良いんだな…。」
「オレのことなんだと思ってんだよ。にしても…それで世界そのもの、かァ。オレにはよく
「解らなくたっていいさ。」
「(……なんつゥか、ミデンの口調おかしくねェか?)」
「……どうした? 俺の顔になんか付いてるか?」
「…いや、いつもと違って口調がなんか真面目っぽいって思っただけだ。」
「あー…気分的になんかそうなった。」
「気分で変わるか?普通。」
難しい事を考えると結構こうなってる気がする。肩の力が入るのとはまた違うが、真剣に思考しているわけだからな。
「…此処は妙に懐かしく感じるなァ。」
◆
さて…カスミのデータ移行は問題なく終わった。
「本当はイーラで採れたコアクリスタルがあれば良かったんだけど…。エルピス霊洞のコアを使わせてもらうね。」
「だからわざわざあそこでコア探しさせられたのかよ…。」
もちろん返事はない。だけど伝わりは…しないか。コアの状態で意識があるのは俺とアヤメだけだろうし。
ていうか…巨神獣が死ぬ時にコアクリスタルを生むはずなんだけど、イーラの巨神獣のそれはどこにあるんだろう。本来の姿で暴れた時にエーテルエネルギー使いすぎて残らなかったのかな。
まぁ、色々な理由はあるだろうけど無いものを作ることはできないからしょうがない。
「よし、特に大怪我はしてないみたいだし戻ろっか。」
「リベラリタスか?」
「そう…いや、先にアーケディアだね。」
「…なんかあるみてェな言い方だなァ? ホウレンソウ、だったか? オレにも知る権利はあるはずだが?」
「それもそうだね。ウワバにはこれから何が起こるか伝えておくかな。まず──」
◆◇
「そういう事かァ。でもビャッコがいるなら回復は足りるんじゃねェか?」
「そのビャッコに対する厚い信頼は何?」
「仲間意識みてェなやつだな。」
「ええ……。」
「で、その後行くルクスリアってのはどんな場所なんだ?」
「一言で言うなら雪国…かな。」
「なるほど、じゃあオレはリベラリタスで待ってた方がいいな。」
「いやお前もルクスリアに行くんだよ!」
「ぜってェに嫌だ!」
「でも行くんだよ!」
「行かねェ!」
「逆に聞くけどなんで行きたくないのさ。」
「雪が冷たいからだ。」
「雪が冷たいって……あ。蛇って変温動物…。」
「そうなんだよ。オレはお前らと違って、地面を這う移動しかできねェんだよなァ。だから体温が低くなってまともに動けるかわかんねェ。」
「そっかー。それでもルクスリアに行くよ?」
「救いは! 救いはねェのかァ!」
「そこになければ無いですね。」
「ふざけやがって。」
「…………話変わるんだけど、ウワバってスペルビアとインヴィディアどっちが好き?」
「急だなおい。なんでそんなこと聞くんだ?」
「いい機会だからね。」
「いい機会って…。つゥか、そもそも二国間で戦争が始まった理由をオレは知りてェな。」
「人種とか思想とかそういう些細な事から始まったんじゃない? いつから始まったかはしらないけど。…で、インヴィディアとスペルビアどっちが好き?」
「この流れで聞くか? てかグーラも含めて考えた方がいいか?」
「グーラはなしで。」
「そうかい。なら─」
ウワバ
どっちかっつゥと…
「スペルビアだな。」
「そうなの? てっきり植物が多いインヴィディアかと思ったんだけど。」
「それはそうなんだが、インヴィディアじゃものすごく目立つんだよなァオレ。」
「ふふ、たしかに。」
「スペルビアの方がまだそこまで目立たなくて済むからな。目立つのはもう懲り懲りだ。」
「目立ちたがりじゃないもんねぇ。」
「それに奇襲も難しいからな。」
「結局そういうのなのね。」
□
「インヴィディアだな。」
「あ、やっぱり気候的に?」
「そうだな。暑すぎず寒くもない気温は快適なんだよなァ。しかも飲水がちゃんとあるし、食料だって取り放題だからな。」
「スペルビアじゃほとんど水ないもんね。」
「水がある国は好きだな。オレは。」
「へぇー。」
「…あと魚が美味い。」
「それが一番の理由なのね。」
特殊タグ難しいですね…。