どうやら天の聖杯の試作品的なものとして転生したらしい 作:壊れたファングメモリ
猫って本当にコタツで丸くなるんですね。だからなんだよって話なんですけど。
ゴゴゴゴ………!
「…揺れてるなァ。」
「揺れてるねぇ。」
「…原因は?」
「巨神獣がかなりの速度で雲海を沈んでるからかな。」
「…それオレ達大丈夫なのか?」
「──問題ない、大丈夫。」
「…寝てても平気か?」
「いや大丈夫だとは思うけど…。」
「…寝る。お前も寝たらどうだ?」
「俺は起きとくわ。」
「…そうかい。」
いやこの揺れの中で寝ようとするってすごいな。
さて、メツも来てるんだった。ま、特にこれといって関わることはないんだけどね。
◆◆◆
「というわけで、二人ともよろしく頼むよ?」
「任せとけ。こんな事滅多にないからなァ、完璧にこなしてやるよ。」
「私たちならよゆーだよ♪」
「よし、じゃあちょっと行ってくる。」
「おう。」
「気をつけてね!」
「……寒っ!」
そう言ってオレのドライバーさんはこの宿から出て、なんとか支柱…なんだったかなァ? 『アムレト支柱』…だったような気がする。とにかく、そこに飛んで行きましたとさ。
よく自分から寒い場所に行けるな。未来視で待つ時間が短いのがわかってても、オレはここから一歩も出たくねェなァ。
本当に未来を視られるってのは本当に便利だな。いや、便利っつゥかもはや反則だろ。
それを悪用せず…かどうかはオレは知らないが、自分のためだけじゃなく他者の為にも使えるのは凄いことだと俺は思う。
自分が大怪我をする未来を視ても、俺ならそこに突っ込んでいける勇気はないなァ。素直に尊敬するぜ。ドライバーとしても、同じブレイドとしても。
さてさて…戻ってきたあいつらの傷は治したが、精神状態はオレの範囲外だ。そこはミデンが上手くやってくれるらしい。少し心配だがなァ。
「…ああそうだ、アヤメ。」
「?」
「ちょっと気になる事があってな、未来を知りてェんだが…。」
「いいけど、気になる事って?」
「レックス以外の反応だな。」
「ふーん…? とりあえず視てみるけど…──」
◆
「帰るんだ。アヴァリティアかな。じっちゃんは小さくなっちゃったし…。」
なるほど、未来視はただの予測なんかじゃないのが実感できた。やっぱ反則だろ。
レックスはシンに負けてすっかり消沈しきってんなァ。ま、気持ちはわからなくはねェけど。
たかが一回、されど一回。だがその負けがあまりにも酷過ぎたことが悪かったなァ。この前のカスミってブレイドのこともあるんだろうが。
「こんのばっかやろ「ストップだ、ニア。」ちょ、なんで止めんのさ! こいつは─」
「まァ落ち着けよ。おいレックス、帰る前にちょっと寄り道してほしいとこがある。『アムレト支柱』ってとこなんだが。方向は…あっちだなァ。」
「ウワバ、あんたさっきから何言って─」
「途中までは私が案内するよ♪ ほら、行こ!」
…アヤメ、さすがに強引が過ぎるぜ。ま、今のレックスにはそれくらいが丁度いいのかもしれねェけどな。
「ウワバ、どういうつもりだ?」
「オイオイ、そんな怖い
「どういうつもりだと聞いている。」
「あァ、ちゃんと説明するから武器に手をかけるのはやめてくれ。オレから言えることは一つだけ。それは、レックスが自分から想いを周りに伝える必要があるってことだな。」
…イマイチピンときてねェみてェだな。
「ま、心配すんな。確か…あと一時間くらいで戻ってくるらしい。そんときはいい表情してるだろうなァ。」
さて、自室に戻るかァ。
◇
ルクスリア王都から少し離れた場所、つまりウワバから伝えられた『アムレト支柱』にレックスはいた。
途中まで案内していたアヤメは既に宿に戻っているため、この場には二人しかいない。レックスとミデンだ。
「聞いたよ、レックス。」
「姉さん…。」
シンに負けホムラ・ヒカリを連れ去られた事もあり、レックスの前向きな雰囲気はなくなっていた。
「ホムラとヒカリ、イーラの連中に連れ去られたんだってぇ?」
そう事実を確認しながらも、どこか嘲笑うように言った。
「何がおかしいんだよ…!」
「まだ分かってないみたいだな。」
ミデンはさらに現実を教えるように淡々と話し出した。
「いいか? ホムラもお前も、同調した時点でもう普通のブレイドとドライバーの関係じゃないんだよ。
だから、お前は同じように
それに
それとも、本気で誰も傷つかないと思ってたのか? だとしたら能天気にも程がある。
お前が助けに行くことを諦めるのは勝手だ。
けど、そうなった場合…誰が代わりに行くと思う?」
一呼吸おき、レックスに少し考えさせる時間を与えてから言う。
「ニアだ。」
「ニアは今回の件でお前に負い目を感じているはずだ。…いや、ニア以外の全員がそうだな。」
ミデンはそのメンバーがいる宿の方向を見た。が、すぐに視線をレックスに戻した。
「とにかく、お前がやらなきゃ自分達だけで行こうとするだろう。だが、今のアイツらじゃあシンには勝てない。」
レックスはシンに攻撃された時のことを思い出した。そのため、自分以外で一斉に攻撃しても勝てないことは理解できた。
「そうなればこのアルスト全体が、寄ってたかってあいつらを責める。」
それも容易に想像できてしまい、表情を曇らせた。
それを見た『天の聖杯』は、『天の聖杯のドライバー』に力強く言い切る。
「お前が戦うしかないんだよ。」
「お前にも分かってるはずだ! だから何かを期待してここに来たんだろう!?」
「だったら! どうすりゃいい…! どうすりゃいいんだよ!!?」
自らの考えを当てられ、抑えていた感情が溢れ出す。
「お前がシンに勝てばいい。」
「無理だ…! 今のオレじゃ…!!」
「また仲間が傷つくのは怖いか。」
レックスは小さく頷いた。
「安心しろ! 勝つ方法ならある。天の聖杯のドライバー…その最大の特徴は、物理法則に縛られない第三の剣の力にある。」
「第三の剣…? でも…。」
「何を躊躇ってる!?」
「っ!」
「お前には守る
「オレはっ! 諦めたくない! 教えてくれ姉さん、その第三の剣ってやつのこと!」
姉は嬉しそうに微笑み、弟の頭を撫でた。
「立ち直れたみたいだね。さて、第三の剣を教える前に…皆のところに戻ろっか?」
「うん、みんなに謝らないと。」
◇
713:プロトTS(天の聖杯)
はい。
714:名無しの転生者
はいじゃないが。
715:名無しの転生者
万丈構文の汎用性が高すぎる…。
716:名無しの転生者
マッチポンプじゃなきゃ普通に励ましてるだけなんだけどなぁ…。
717:名無しの転生者
まぁでも15の少年があんだけ色々あってよく立ち直れるよ。
718:博識ゾロアーク
なんだかんだで最初からずっと諦めていないわけだからな。
719:名無しの転生者
妥協しまくってきたワイらとは大違いや。
720:名無しの転生者
>>719一緒にしないでもろて。
721:プロトTS(天の聖杯)
というわけで…
『これは英雄アデルに近しい者が書いたものだ。』
722:名無しの転生者
お、ジークの親父じゃん。
723:名無しの転生者
>>722ルクスリア国王な? 間違ってないけど。
724:博識ゾロアーク
確かミノチではなく、家臣の一人が記録した物だったな。
725:プロトTS(天の聖杯)
『じゃあそれに第三の剣の事が書かれてる?』
『残念ながら、詳しくは書かれていない。』
ちょっとガッカリしたレックスに助け舟。
『…リベラリタスだ。』
726:名無しの転生者
…なんかちょっとカッコつけてね?
727:名無しの転生者
いつものことのような…。
728:名無しの転生者
>>727辛辣ゥ!
729:プロトTS(天の聖杯)
はいそこうるさいよ。
『え? リベラリタスに第三の剣があるの?』
『ていうか、ミデンはなんでそんな事知ってんの?』
『今はまだ秘密。さて、レックス。ホムラ・ヒカリの本当の力を使い、『天の聖杯のドライバー』として戦う覚悟はあるか?』
730:名無しの転生者
凄みを出すのやめないか。
731:博識ゾロアーク
さすが『天の聖杯』といったところか。
732:名無しの転生者
さすが500歳超え。
733:プロトTS(天の聖杯)
>>732うるせぇ! 精神は永遠の18だから!
734:博識ゾロアーク
>>733いやそれはそれでどうなんだ…?
735:プロトTS(天の聖杯)
『あるよ! 当たり前だろ!』
『ほらなァ、メレフ? オレの言った通りだっただろォ?』
『そう、だな。今回は素直に認めよう。』
『いやそれ私が視たやつなんだけど? ナチュラルに自分の手柄にしないでよ…。』
736:名無しの転生者
イッチと愉快な仲間たち。
737:名無しの転生者
王の前でやるやり取りじゃないよなぁ…。
738:プロトTS(天の聖杯)
仕方ない。平均年齢低いもんこのパーティ。
◆
というわけでリベラリタスに帰ってきた。
にしても、エルピス霊洞ねぇ。まぁ確かに、
ただ…─
「このままじゃちょっとキツいよねぇ。」
「だねぇー。」
「じゃな。」
「オレはそこのこと知らねェけど、そんなになのか?」
そりゃあね。
「エルピス霊洞はモンスターが強いとか色々あるんだけど、最大の特徴は周囲のエーテルを吸収する場所ってことなんだよね。」
「…なァ、そこオレもついて行かなきゃだめか?」
「ダメに決まってるだろ。」
「…で、結局どこにあるんや? さっきから入口とか見てへんけど…。」
「あー…その前にやることがあるんだけど、いいかな?」
◇
792:プロトTS(天の聖杯)
『やること?』
『なにするも?』
『さっきエルピス霊洞のモンスターは強いって言っただろ? つまりはこっちも強くないといけない。だから……─』
『『…!』』
793:名無しの転生者
なるほど。
794:名無しの転生者
まぁ分かる。
795:名無しの転生者
それはそうなんだけど…
796:名無しの転生者
なんでクナイ構えてるんですかねぇ…。
797:プロトTS(天の聖杯)
ふ、実力を調べるにはこれが一番手っ取り早いでしょ?
『ホムラとヒカリを助けたいんだろ!? 俺に勝てないようじゃシンには勝てないぞ! さぁどうする!?』
『決まってる! オレたちの力を姉さんに見せるよ!』
798:名無しの転生者
まーじでよくできた15歳だよ。
799:名無しの転生者
これイッチ不利では?
800:名無しの転生者
>>799いや、案外なんとかなる気がする。
801:名無しの転生者
これ三人称視点で見たいなぁ…。
802:名無しの転生者
>>801そんなあなたに…【三人称カメラ】
803:プロトTS(天の聖杯)
>>802最近はそんなのがあるのか。
っと。
『ウワバ!』
『ちょっと痺れるぜ?』
『うぐっ…!』
『アタシ達もやるよ、ビャッコ!』
『承知!』
『トラたちもやるも!』
『ラジャーですも!』
『ちょっとー! 私のこと忘れてるでしょ! えいっ!』
『ももっ?!』
アヤメもやってんねぇ。
804:名無しの転生者
おお! 全然わからんけどなんか凄いことはわかる!
805:名無しの転生者
レックスのはこれナックルクロー?
806:名無しの転生者
クナイで弾いて蛇ニキの電撃、アヤメネキはニア・ビャッコとトラ・ハナに双剣ブンブンか。
807:プロトTS(天の聖杯)
『メレフ! ワイらもやるで!』
『ああ!』
なるほど左右から同時にね。
808:名無しの転生者
あぁ、今の良い。凄く良いよ。
809:名無しの転生者
>>808わかるマン。
810:プロトTS(天の聖杯)
じゃあこうするか。
『アヤメ! 受け取れっ!』
『! じゃあまずは一本!』
パシッ!
一本ずつとはな…。
『武器を投げただと?!』
『はぁぁ…ハァッ!』
811:名無しの転生者
おおー!
812:博識ゾロアーク
剣を地面に刺して氷の壁を作り防御か。慣れているな。
813:名無しの転生者
ロマンや。
814:プロトTS(天の聖杯)
『自分、無茶苦茶な戦い方しよるなぁ…。』
それはそう。
『なんでアヤメはブレイドなのにウワバのクナイを…?!』
『なんでだと思う? 答えを知ったら驚くと思うなぁ〜。』
815:名無しの転生者
『天の聖杯』だからですねわかります。
816:名無しの転生者
ていうか他のブレイドの武器使いながら自分も武器にエネルギー送るって相当やばいのでは?(語彙力)
817:名無しの転生者
>>816しかも見た感じ一本ずつ別々に調整出来てるみたいだし…。
818:博識ゾロアーク
人間には不可能に近いだろうな。
819:プロトTS(天の聖杯)
『アンカーショット!』
『なるほど、武器だけを狙うか。』
甘いな。
820:名無しの転生者
上に投げた?!
821:プロトTS(天の聖杯)
『今や!』
『モナドウィング。』
『なんやそれ!? ぐぉ!』
822:名無しの転生者
翼で振り下ろした大剣を受け流して蹴りを入れたぁ!
823:プロトTS(天の聖杯)
…あ、モナド出さなくても『翼』使えるわ。と、とにかく…
『この程度かぁ! まだ行けるよなぁ?!』
『もちろん! なぁみんな!?』
…おお、やる気十分だ。
824:名無しの転生者
自分から煽っといてなにを言ってんのさ。