私は、ずっと閉じ込められていた。
私を・・・へと変えた医者は自らも・・・へと変わった時死を願った。
私は・・・の願いを聞く事が出来た。
何も考えずただ生きる日々がまた続く。
私の血が人を・・・へと変える事に気付いてからは常に血を抜き続けられていた。
ある日、産屋敷の男が誰かを連れてきた。
「これの名は?」
「産屋敷の分家の者でございます。」
自分は宗家の者だったはずだが・・・まぁそういう事になったのだろう。
「産屋敷の呪いを全てこの者に?」
「いえ・・・これは鬼でございます。」
「鬼?」
「はい。日の本を守護する鬼にございます。」
「そうか・・・では鬼仏寺とでも名乗らせようか?」
「母親の家系から言えば神道であり仏や寺では多少・・・」
「うぅむ・・・では鬼舞辻でいいのではないか?」
「それがよろしいかと。」
鬼・・・元々の名はなんだったのだろうな・・・一度も聞いた事がない。
「では下の名はなんであろうか?」
「輝哉にございます。」
「ふぅむ?日の下を歩けぬとはなんとも無惨な。」
「無惨・・・」
「鬼舞辻無惨」
「・・・」
ドクン
心臓が跳ねたような気がした。
身体に血が回り出したような気がした。
聞き覚え等ないのにどこかで聞いたような気がした。
産屋敷の男が言い放った
「鬼は生物兵器としてとても優秀です。この日の本を他国から守るためには多少の犠牲は已むを得ないでしょう。」
「都の連中にくれてやれば遊びに耽るのは目に見えておる。」
「我等は鬼を狩るための組織を作ればよいのです。」
「鬼を作りながらか?」
「いいえ、鬼を作るのは鬼舞辻無惨であり都の連中という事に。」
私は、鬼、日の下を歩けない。日の本を守護する鬼。都に混乱を招く鬼。
「鬼は日の光で倒す事が出来るのですが・・・しかしそれではなんとも手間がかかる。」
「鬼にするための血をもっと注いでやれば勝手に崩壊するであろう?」
「鬼の再生力を考えれば投与した部分を切除されてしまえばそれまでかと。」
「うぅむ?・・・」
「現状ではせいぜい再生力が追いつかないほど斬り続ける程度しかございませぬ。」
「・・・今の我等では鬼は手に負えぬのではないか?」
「しかし・・・」
「まずは鬼への対処法を・・・」
「何匹かだけ解き放ってみましょう。さすればどこかで誰かが対処法を思いつくはず。」
「勘か?」
「はい。」
「壱匹」
「・・・」
「弐匹」
「・・・」
「参匹」
「・・・」
「肆匹」
「・・・」
「さすがに多いのではないか?・・・」
「伍匹としましょう。」
「むぅ・・・」
「対処できねば無惨を解き放てばよいでしょう。」
「正気とは思えんな・・・だが・・・」
「ええ・・・これが一番良いでしょう。」
「失敗した場合どうするのだ。」
「我等も鬼となればよいでしょう。」
「鬼となれば正気を失うも同然、さすれば」
「些細な事です。」
ゴクリ
「わかった。被害の規模が大きくなりそうな場所からは手の者は」
「いえ何もしないほうが良いかと。」
「・・・。」
男が去っていくも、産屋敷の男はただ微笑んでいる。
「鬼舞辻無惨」
私の名を呼んだのかそれともお前自身の名か?
「私が鬼舞辻無惨だ。」
あぁやはりお前は・・・お前も既に鬼であったか
「不思議か?」
なぜ日の下を歩ける?
「青い彼岸花とは不思議な物だ。お前を鬼にした分では足らないがお前の血と混ぜれば人を人のまま鬼のようにする薬となる。」
そうか・・・
「出たくはないのか?」
どうでもいい
「鬼には進化して貰わなければならない。この私のように。」
鬼とは不変だ。進化には無縁の存在だ。そう私のように。
「残念だよ。これから始まる歴史に君は最低最悪の存在として描かれる。この素晴らしさを共感してもらえないとはなんとも張り合いがない。」
最低最悪か、ならばこの世全ての悪とでも呼ばれるのか?
「不服か?ならば日の神とでも称して祀ってやろうか。」
好きにすればいいさ。
私はこのままでいい。