都に鬼が解き放たれるまでは、後七日
「私の計画に不足はない。ならばなぜ実行できぬ?」
「・・・。」
「それはお前たちが無能だからだ。お前たちにはこの私の手となり私を理解し私を助けねばならない。」
「・・・。」
「だがしかしどうだ?私の事が理解できているか?私の助けとなっているのか?」
「・・・。」
「私は寛大だが状況が許さない。今すぐ鬼となりうる対象を見つけねばならない。」
「・・・。」
「候補は──────────────────────。」
「・・・。」
「出来ねばお前たちを無惨の餌にせねばならない。」
「・・・。」
血の色を見るのは初めてだった。
やんごとない方々の血は青いのだと聞いていた。
真っ赤な花が咲いていた。
あぁ・・・なんて美味しそうなんだ。
卑しいこの身に流れる血は全て青い血に変えなければいけない。
青い血さえあれば・・・。
母が死んでいた。父が死んでいた。
誰かが死んでいた。
隣の誰かが死んでいた。
見知らぬ誰かが死んでいた。
誰かの死なんて見た事もないのにそれらが死んでいるとなぜ錯覚しているのだろう。
誰もがきっと死んでいた。
それはきっと自分でさえも。
「無事かい?君。」
ぼんやりとしたあたまにこえがふってきた
「悲しむ事はないよ。君は生まれ変わったんだ。そう鬼にね。」
かなしいってなんだっけ おれは あおいちで
「──────────────────────」
たべればいいんだあおいちを こ の ひ と を
本来有り得ない角度に口を開いて男を襲う・・・はずだった。
「素晴らしい。生まれてすぐに食事を欲するのは良い事だ。だが わ た し を 食べようとしたな?」
冷や汗が出ていた。本能的にこの男はどうにもならないと思えた。
「そうだ。この私は鬼如きでは触れる事すら許されん。」
「・・・。」
「構わん。壱匹目はこいつが良い。都でたらふく食事をさせてやれ。青い血が欲しいらしい調度良いだろう。」
なぜ・・・
「私はお前の境遇等気にもしない、ただお前の状況が私の役に立つ。お前はただ生きているだけでこの私の役に立つのだ。」
「・・・。」
「私は役に立つ物が好きだ。この私の役に立つ者が大好きだ。お前たちはこの状況でなぜ何もしない?お前たちはいつ私の役に立つ?」
「・・・。」
命だった物が赤い彼岸花のように飾られていた。
「さて・・・折角だ。こいつらは私の糧としてやろう。」
私の子が一人増えた・・・
あぁっ・・・
なんて犯しいんだ。
どうせ最後は滅ぶだけの種族、そんな者になってどうしようというのか。
鬼を滅ぼす手段・・・それがあるとするのならこの私も。
目覚めさせてはいけない。私の中の私を。