そして私は最強から親友ポジを寝とった   作:かりん2022

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恐ろしい策略で親友ポジを寝とった日(嘘です行き当たりばったりです)

私は、特殊能力を持っている。手を擦り合わせると、電流が腕に纏わりつくのだ。

なにこれしゅごい。しかも名前は雷覇ですよ、雷覇!

 

烈火の炎ならぬ、雷覇の雷ですよ!

 

能力の分類としては霊能力だと思う。

 

なんかぐちゃぐちゃした妖みたいなのをこれで倒せるのだ!

 

素手もいいけど、刀もいいよね!

忍者最高!

 

ということで、パルクールや剣道も習ってます。

 

元から興味があったのもあり、男ってめちゃくちゃ楽しい。外見も良いのが倍嬉しい。

感覚的には前世の価値観(女)まんまだから、ホモにならざるをえないけどね!

むしろ、毎日鏡に見惚れる日々である。

ママン、すまぬ……。あ、父はいない。シングルマザーで非干渉だけど虐待はない、今の状況は最高である。

 

コミュ障なので、学校ではひっそりとして一人の時に大ハッスルしてる。

死神みたいに霊絡とか見えないかな、と思ったら見えちゃった。

 

結構べったり残っててこれを消すのは無理っぽいのが唯一の不満である。忍びっぽくなーい。

 

あ、塾の費用は自分で稼いでる。前世のスキルを駆使して覆面漫画家として仕事をしているのだ。

特許や前世での漫画の知識を、と思ったが、完全な異世界ならともかく、この世界微妙にパラレルワールドっぽい現代だから、それは自重してる。面倒ごとの予感しかしないからね。盗作疑惑とか。っていうか盗作なんだけどね。これでも前世プロだったんだし、盗作はNG。ただし、前世の自分の作品は除く。

 

それに、それにさ。作家をしつつ、人知れず妖退治する私格好いい。

 

そんなこんなで、私は人生を百%満喫していた。

死ぬまで人生設計どおりの人生でいたかった。

 

 

 

 

「フハハハハハハ! どーん! どーん! どーん! どーん! どーん!」

 

 ハイになって割と強そうな妖に雷を連打で落としまくっていると、声が掛けられた。

 

「その辺にしてもらえないかな。私が取り込むから」

 

 そう言って、ボンタンの不良っぽい男が妖を黒い球にして、飲み込んでしまった。何それエロい。

 びっくりして固まってしまう。忍びを目指していたのに、全然気づけなかった私、不覚。

 

「何お前、野良の術師?」

 

 白髪の男が言う。

 

「え、あの」

 

 コミュ障である私はモゴモゴして、結局黙ってそそくさと立ち去る事を選んだ。

 

「あっ 待てよ!」

 

 やめて! 追いかけて来ないで!!

 

 パルクールを活かして死ぬ気で逃げて、しばらくおとなしくすることを誓った。

 

 次の日、学校で呼び出しがあり、恐い人が面会に来ていた。普通に恐怖である。やめて待って先生二人きりにしないで!

 

「呪霊は恐くないのに人は恐いのか?」

「呪霊?」

「私は夜峨正道という。君の担任だ」

 

 名刺に載ってる学校名を見て、まずどっきりを疑った。

 漫画の世界に転生なんてそんな馬鹿な。

 

「はっ ボンタンと白髪の怖い人!」

「君の同級生だ」

「人生について考えさせてください」

 

 人生設計を考えないと。渋谷事変まであと10年じゃん。

 

「悪いが、君は既に力に目覚めている。教育の観点から、この転校は覆らない。まずは話を聞いてくれ」

 

 義務の通学に命懸けの任務付きの寮生活は酷くないすか。

 説明を受け、転校する事になった。

 

 うう、嫌だよう。

 卒業まで生き残れば一般に行けるんだろうけど。

 そもそも生き残れるのかってのがね。

 

 そして、きてしまった。

 さしす組に異物が!!

 

「お前、無視すんなよな」

 

 ヒェッ 本物の五条先生こわっ……

 

 必死で目を逸らす。

 

「悟、怖いってさ。呪霊相手だとあんなに元気なのにね」

「お前ら見るからに不良だしな」

「わ、私は壁のシミと思っててください」

 

 先生にお願いして、任務も単独多めにして部屋も離してもらう。

 リアル不良はダメです。ダメです。不良じゃないって知ってるけどさぁ!

 

 あっ でもこの経験は作品の糧にさせてもらいます。

 それと、呪術廻戦出来るだけ再現してみる。

 一般での私には、これを見せる事しか出来ない。

 

 でも、私情報ってバレるのは死活問題である。

 そもそも、原作に介入してどんなバタフライエフェクトが起こるかわからない。

 

 私は考えに考えて、真っ向勝負をする事にした。

 2年生になる直前。私は、夏油さんを呼び止めた。

 

「夏油さん! その、お願いがあるんですけど」

「私かい? 話しかけてくるなんて珍しいね」

「私、現役の漫画家なんですけど! お二方をモデルに描いた漫画があって。公開するつもりはないんですけど、誰かに読んで欲しくて。でも、恥ずかしいから縛りで内容を秘密にしてほしくて」

「は? 現役?」

「マジカル仙界伝ってマイナーな漫画なんですけど」

「今度調べてみるよ。でも、実在の人物を無断でモデルにするのはよくないと思うよ。せめて悟にも言うのがフェアなんじゃないかな」

「わかってます。でも、一生に一度の大作なんです。どうしても夏油さんに、夏油さんだけに見てほしいんです。それで、内容も私がそれをみせたって事も絶対に誰にも言わないで欲しいんです。その代わり、一度だけ無償で五条さんの力になると縛ります」

「そこは私じゃないの? まあいいけど。もしかして、私が主役とか? なんか見るの怖いな」

「そこをなんとか!」

「良いけど、代わりに態度少し改善しなよ」

「う……! ぜ、善処します」

 

 そして、読んでもらう事に成功した。

 

「実在の人物をあんなふうに悪様に描くのは良くないと思う。私、主人公どころか悪役じゃないか」

 

 プリプリと夏油さんは怒る。でも徹夜で真面目に読んでくれたらしく、眠たそうだった。

 

「……まあ、悪くはなかったんじゃないかな。公開はするなよ」

「しません。出来ません」

「ちゃんとこれからは会話ぐらいする事。縛りだからね」

「わかりました」

 

 丸投げした今、私にやれることは全てやった。後は野となれ山となれだ。

 一年生の紹介を受けて、夏油さんは驚いた顔で私をみた。私はスーッと目を逸らした。

 

「雷覇、知り合い?」

「初対面です」

「初めましてです!」

 

 夏油さんは戸惑っていたが私が首を振ると黙った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業を受けていると、電話が掛かってきた。

 

『どういうことだ。理子ちゃんと黒井さんの事、知ってたのか』

「夏油さん、授業中なんで。忘れず、守ってくださいね」

 

 それから、おおよそ原作通りに進んだ。

 違ったのは、伏黒 甚爾が襲撃に来た時、俺が雷で甚爾を狙撃した事。

 夏油さんが五条さんを庇って怪我したこと。

 

「行ってくれ、悟!!!」

「傑!!」

 

 アラームがけたたましく鳴る。

 遠くからちまちま援護しようと思ったけど、銃弾が飛んできて、俺は撃たれて気を失った。

 そだね。銃持ってたね。頭撃たれなくてよかったぁぁぁ!

 

 目覚めた時は、全て終わっていた。

 医務室で、満身創痍だった。

 夏油さんは沈んだ様子で医務室のベッドに腰掛けていた。

 

「同化は」

「理子ちゃんは死んだ。黒井さんも。私は死ぬべきなのかな」

「今死んだらメロンパン入れだと思います」

「メロンパン入れ?」

「ラスボスの別名がメロンパンなんですよ。っぽいでしょ?」

「そっか。私は死んでもメロンパン入れにはなりたくないな。でも思ったんだけど、私が殺されるのは必然なんじゃないか? 悟の懸賞金みたいに。知ってても理子ちゃんが殺されたみたいに。それで、多分灰原が殺されるみたいに」

「正直、私は巻き込まれたくないです。死にたくない。夏油さんがなんとかして、渋谷事変を解決して欲しいです」

「そっか」

 

 私は、夏油さんの手を取った。震えてた。よしときゃいいのに、私の母性本能が火を吹いた。

 

「でも流石にそんなわけにはいかないですよね。だから、隠れながらでよければ、力になります」

「思ったんだけど、君が頑張って私を消し炭にできればいいんじゃないかな」

「絶対嫌ですが? 五条さんに消されますが?」

「悟に言うのは駄目なのかな」

「あの人多分、ガッチガチに監視されてるんで厳しいです。腹芸無理そうだし。なんで親友ポジ寝取られてください」

「私の親友は悟だけだよ」

「知ってる」

 

 それから、ぽろりと夏油さんが涙をこぼして。

 静かに泣くのを、手を差し伸べて固まって、それからキュッと抱きしめた。

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