子供達は学校に馴染んでいる。
傑も学校に戻れて嬉しそう。
窓の外では、傑と悟、子供達が元気に訓練をしていた。特級二人が非番なのはとても珍しい。
ふふふ、とても微笑ましいな。
「そろそろ現実に戻れー」
「うう。誰なんですか、情操教育の一環として図書室に自作の漫画を設置するなんて企画したバカは。呪術界の歴史とか一般向けの紹介を漫画でしようなんて考えたアホも」
「お前を擁護するための苦し紛れの言葉だ。悪様にすんな。全部直哉だけど」
「直哉に情操教育うんぬん言われたくないっす。あ、真希の件、どうなりました?」
「ゴタゴタが済んだし、当主から予言漫画見せて聞いたそうだ。まだやってもないことで責めはしないけど、当主を目指すんなら真依を殺せって」
「うわぁ。で、どうするんですか」
「恵を支えるそうだ」
「そうですか。そりゃそうですね。直哉荒れたんじゃないです?」
「荒れてたんだが、お前の扱いが扱いになりそうだったんでそれを庇うのに意識がそれた感じだな。夏油を唆したのはお前って事になってるし」
「まあ事実ですが。勉強になる愛と努力と友情の呪いの物語を書けって言われてもなー。あまり現状と剥離しすぎてもなー。もういっそ呪術廻戦でいいのでは」
「あれ、もっかい書けねーの? 続きとか新連載とか」
「五条さ……悟には言いましたけど、無理っす。そう何度もズルはできないってことです」
「ふーん」
「とりあえず、プロット描きました」
硝子はタバコを吸いながら、パラパラっと見る。
「没」
「うわあああああああああ。まあ没になると思ってたけど!」
「真面目にやれ」
「んー。呪詛師をしてるときに暖めてたネタを使うかあ」
「あーあれね。「呪詛師ちゃんと呪術師くん」とかわりと面白かったし良いんじゃない?」
「あれネットにアップしてないけど?」
「予言漫画を秘匿してた奴の荷物検査がされないはずはないんだよなぁ」
「酷い! いやマジで酷くない? ホモエロ漫画書いてたってばれるじゃん!」
「悟が傑の心配スゲーしてた。良かったな、手を出してなくて」
「リアルと漫画は違うんだよなあ」
「やおいはファンタジーだろ。わかる」
「あーもう、最悪です」
「もう一個悪いニュース」
「は?」
「お前も任務受けろ」
「お、鬼!」
「足は治してやるからさ」
驚いて見上げると、硝子が笑っていた。
「メロンパンが使えて私が使えないなんてあり得ないでしよ。結構頑張ったんだよ、私。五条だけじゃなくて」
「しょうこ。呪術師って皆聖人か。聖人だったわ」
涙がポロポロと零れる。自分でもビックリするくらい。
「治療費はたかいぞー? 馬車馬のごとく働け。そしてあの二人が生徒と遊ぶ時間を作ってやれ」
ぺらりと一ヶ月後から始まる一週間の超過密スケジュールを渡された私は、そこに悟の復讐を見た。
じゅ、十年分の復讐が一週間で許して貰えたんだからありがたいと思おう。
超過密任務スケジュールの後の一週間の超過密修学旅行のスケジュールに、私は笑みを溢した。十年越しの修学旅行かよ。楽しみである。