そして私は最強から親友ポジを寝とった   作:かりん2022

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拙者悪辣な罠、逃げも隠れもしない。さあ真正面から抱きすくめてくれよう!

 

 

部屋を出ると、傑が駆け寄ってきた。

 

「雷覇。大丈夫だった?」

「なんとか。報告すれば問題なし」

「良かった。でも、正直言ってちょっとがっかりだな。ずっとそれに掛かりきりだったし」

「まじごめん」

 

 ガンッと壁が蹴られる。

 

「副業って何。傑は知ってんの?」

「やべーことしてんの?」

「犯罪ではないよ? ね、雷覇」

「麗、金ねーの?」

「いや、そういうわけでは」

「最近、傑と仲良いよな。その副業、傑もしてんの?」

「ハハッ 私には無理だよ。興味もないしね」

「スパッと言った! 確かにあれが好きな夏油さんは解釈違いだけど!」

「あれが好きってなんだよ!」

「まあまあ。悟、今度硝子と3人で遊びに行かないか?」

「……麗はいいのかよ」

「雷覇は忙しいよね」

「すまぬ……すまぬ……」

 

 五条はムーッという顔をする。かわゆす。

 

「今日は誤魔化されてやるけど、次はねーからな! あとたまには麗も付き合えよな!」

「聖人か。聖人だったわ。ありがとうございます」

 

 ということで、早速皆が遊びに出た隙に、原稿を持っていった。

 

「しかし、呪術師で作家というのは珍しいな」

「そうですか?」

「知っている限りではお前が初めてだ」

「そんな余裕もないって理由だと嫌ですね。とりま、今後の展開がこれです。最終回ももうすぐ上がります」

「ああ、提出しておく。それと、その。読んだが、面白いと思うぞ」

「無理して褒めなくて大丈夫ですよ」

「別にカミングアウトしてもいいと思うが。傑と直哉には言ったんだろ?」

「いやあ。ちょっと無理。かなり無理。とても無理。知られたのも偶然ですし(嘘)」

「悟も硝子も揶揄わないと思うぞ。あれが悪影響というのはよくわからんが」

 

 私はすっと視線を逸らした。夜蛾先生は純粋である。

 皮は少年漫画だし、ちょっと熱い友情程度だが、腐った同志に大人気なのだ。表舞台にはみ出てるくらいなんだよね。ファンが。こっちも意図してそう書きやすい匂わせをしてるし、なんなら裏垢でセルフ二次創作してる。罷り間違って二次創作の方が目に触れたら悪影響というのもわからんでもない。

 それもあって、五条さんにはカミングアウトするつもりはない。

 

「こうして夢があって、努力して叶えているお前の事だ。無理にとは言わないが、呪術師は人手不足だ。兼業するか、それがなくてもせめて悟たちにもう少し歩み寄ってはくれないか」

「夏油さんにも態度を改善するように言われました。善処します」

 

 まあでも、裏切る相手に仲良くしようなんて手を差し伸べられるほど恥知らずじゃないんだよなぁ。

 

 だって、傑に呪詛師になれよって言って、いずれ殺すかも知れなくて。

 五条 悟にとって唯一無二の親友だって知ってるから。それを奪って寝とって殺しながら仲良くしようなんて、性癖歪みそう。もう歪んでたわ、ネタにしよ。

 

 とにかく原稿を提出し、夕方。

 

 上層部から呼び出しを受けた。

 

「何をしたら副業如きで上に呼ばれるんだよ。大丈夫か?」

「なんか嫌な感じだね」

「私もそう思います。まあ行ってきます」

「俺も行こうか?」

「いや、そういう意味の嫌な感じじゃないんで」

「大丈夫だよ悟、身の危険とかそういうのじゃ全然ないから」

 

 そして、上層部からのお達しが。

 

『健全な青少年育成の為にヒロインを増やすべき。男同士の恋愛よくない。(五条家)』

「そもそも悟様は読んでませんし読ませませんが。友情だし。友情だし。後、子育てはそちらでお願いします」

 

 同級生に子育てさせるな。夏油さんがお陰で大変なんだぞ!

 

『直哉が負けてるではないか(禪院家)』

「いや、友情出演をメインキャラには出来ないんで、本人に了解は取ってます」

 

 活躍させたじゃん。活躍させたじゃん。甚爾キャラとの匂わせもしたじゃん!

 

『流石にこれは破廉恥すぎる!(加茂家)』

「それ二次創作だから私は120%無関係ですね」

 

 でもエロくて萌えるから後で検索しておこう。

 

『とにかく書き直すべき』

「編集者か。秘密の規定に反しなければいいんでしょう? 全く反してないし、そもそも夏油さんと直哉さん以外には見せてないので術師への影響とか言われても困ります。二人ともフィクションはフィクションと分けて考えられる人です」

『それはともかく、わしをモデルにしたきゃらとやらを出しても良いぞ』

『似顔絵が上手いそうではないか。描いてみせよ』

『孫娘にやるからイラストを描け』

 

 カーン!!

 

 ブチ切れて上層部に暴言を吐いた私を夜蛾先生が慌てて押さえ、ゴタゴタがあって私は結局ストーリーの大幅変更を強いられた。うっそだろ?

 

「うがあああああああああああ!!!」

 

 任務と怒涛の描き直しで、私はあっという間に追い詰められていった。

 

 そんなおり、九十九さんが来た。

 

「やあやあ、特級術師にマジカル仙界伝の作者君。会いたかったよ」

「えっ 副業ってもしかして、漫画家なんですか!?」

「わああああああああ!!」

「落ち着け雷覇!! どうどうどう」

 

 傑がぎゅって抱きしめて背中をポンポンとする。

 

「すみません。最近、上層部が編集者気取りで描き直しとか口出しとか大変なんですよ」

「そんな事になってたんですか!? あ、でも僕、知って良かったんですか?」

「もう一杯一杯なんだよ! さらにゴタゴタ押し付けるつもりか? 帰れ! 帰れ!」

「どうどうどう。でも人が秘密にしてるのをバラしちゃダメだと思いますよ」

「いや、すまないね。でも同級生にはもう少し優しくすべきだと思うよ」

「それはそうですが」

「夏油さん、コミックス持ってます? 後で自分でも買うんで、お借りしてもいいですか」

「もちろんだよ。ほら、雷覇。しっかりして! せっかくお客さんが来てくれたんだから!!」

「あうあうあう」

「やれやれ……」

 

 九十九さんを見送った後、深い深いため息をついた私は、ころんとした金色の呪具を二つ渡した。

 

「なんですか、それ」

「呪具の試作品。雷神っていうの。七海にも渡しといて」

「えっいいんですか!?」

「口止め料。五条さんには悪影響だから見せんなって言われてるし。七海さんには言っていいよ」

「そんな事ないと思うんだけどね」

「名家の人は大変ですね。ありがとうございます」

「任務地教えてくれないか。雷覇がこんなだし、近場だったらヘルプ頼むかも知れない」

「良いですよ!」

 

 うーうー。だめだ、人(灰原)の命が掛かってるんだぞ。

 でもなぁ。腐ったみかんは生ごみに捨てたい。いらんこという九十九さんも一緒に。

 

 次の日の任務で、私は無事誘拐された。

 




この後、頭に傷のある主人公が現れて夏油さんがわあああああああっってなるのが凄い書きたい。
流石に自重しますが。
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