あけおめ、ことよロン!w(にじさんじ麻雀杯よかったね)
「……ほら、さく姐早く言わないと今日ずっとこの画面のままだよ。たまゆらじお放送事故だよ」
「なにその変な脅し、みゃのチャンネルでしょ!?」
「私は一向にかまわんよ」
「さく姐、とびっきりかわいいのいっちゃお!」
「くそう、たまちゃんまで他人事みたいに……」
ミュートしてないぞ
Vtuberなんだから立ち絵ぐらい出せw
きちゃ?
かまわなくないが?
配信待機画面の一枚絵のまま、ミュートを解除して配信に音を乗せる。
配信開始の茶番で私とたまに責められたさく姐は渋々といった様子で口を開いた。
「あ、あー……こほん。たまゆらじおかっこかり、は、はじめる、にゃー……はぁ~」
さく姐、かわいい
かわいい
さく姐のにゃーたすかる
「かわい~!」
「うんうん、やっぱり恥じらいが大事だよね」
「なんで同期の前でこんなかわいこぶらなきゃいけないの……もうおうちかえる」
「おかえり」
「今のさく姐のおうちはゆらちゃんのおうちだもんね」
「同棲してないんですけど!」
「というわけで、たまゆらじお第3回兼はるゆららウィーク最終日、記念すべき初ゲストは同期のさく姐をお呼びしましたー」
「わー、パチパチー」
「おい、2人ともちゃんと訂正しろぉ!?」
はるゆららウィーク(既に2週目突入)
これ、ゲストが毎回タイトルコールやらされるってこと?
次はおこたのにゃーたのんます
「ほら、リスナーもこう言ってる事だし、さく姐、もううちの子になる? 毎日たまのごはん付きだよ?」
「頑張りますのだ」
「美味しかったし実際住み心地はすごく良かったけどもっ……! みゃと同棲してるとリスナーに思われるのが気に食わないの!」
「フラれちゃった。かなしみ」
「おー、よちよち。ゆらちゃんにはわたしがいるからねえ」
「そうやってなんでもかんでも百合に繋げるのはやめませんかねえ!?」
3期生で集まる時はさく姐にツッコミを全部任せられるから楽だなあ。
そんな事を思いつつ、ふつおたのコーナーに移る。
最初に読むのはさく姐が選んできたマロだ。
こんたまゆら~ あきみゃとさく姐は1週間を超えるはるゆららウィーク(?)お疲れ様です。 これだけ長い共同生活を送ると、友情を超える感情も芽生えてきたと思われます。
「芽生えてないが?」
「まだ途中だぞ」
はるゆららウィーク中は2人で先輩の企画に参加することはありましたが、 同期のたまちゃん、おこたとの絡みはありませんでしたね 裏ではなにかやり取りなどしていたのでしょうか? たまちゃんはともかく、おこたがハブられてないか心配です。
「──との事です。さく姐、いきなり杞憂マロやめろよー」
「触れてあげないと、ことちゃんがかわいそうでしょ。元はと言えばみゃのせいだからね」
呆れた目でさく姐が私を見る。
「わたしは裏ではよく一緒に晩御飯食べてたよー。今日の配信もあったし、配信にお邪魔するのはやめときましたのだ」
「そのせいで直近の私の配信アーカイブ欄がさく姐とのらぶらぶカップルチャンネル状態なんだよなあ……4日目ぐらいで交ざってほしかったよ」
「らぶらぶでもないしカップルでもないですけどねー」
はるゆららカップルチャンネルつくれ
さく姐はチョロい女じゃないもんね…
はるゆららに挟まらないたまちゃん
らぶらぶしろ(過激派)
「冬城は……別にハブってるって程じゃなくない? 私、先月2回コラボしたよ? それに、たまがちょうどはるゆららウィーク始まる前にサシでコラボしてたでしょ?」
「うん、スプラやったよー。……そう言えば、その時の配信後に通話で『さく姐が秋宮のうちに住むってホントなの!?』とか『いいなー、いいなー……』って言ってたよーぅ。羨ましいのに自分からは誘えない小動物みたいな所はことちゃんのたま的チャームポイントですな」
「最近気づいたけど、たまちゃんも大概いい性格してるよねえ!?」
「さく姐、たまのこれは本当に素直にかわいいって思ってるだけだから……」
たまの畜生ムーブはいつもの事だから……隙を見せた冬城が悪い。
とはいえ、あんまりたまの印象を悪くしたくないので、話の流れを変えるために事後報告しようと思っていた情報を前出しする。
「まあ、最近ほったらかしにしすぎたなーとは思ってたから、今度埋め合わせに冬城とデートする事になったよ。もう約束済み」
「え!?」
「おー、ことちゃん嬉しいだろうねぇ」
マ!?
コメ欄ではるゆららアンチ化してない理由はそれか…
放置プレイしてる自覚はあったのか…(呆れ)
さく姐、ビックリしてて草
「どこ行くかって決めてるのー?」
「いや特には。というか配信で言ったら絶対お前らリスナーは数人ぐらい張り込むだろ。言わないぞ」
野良ともふゆキッズのオフ会になるな
バーチャル東京だから、現地行っても会えないぞ(建前)
身バレ対策できてえらい
「ねえ、やっぱり私がエスコートした方がいいのかな? ラブホ2人女子会とかでいっかなって思ってたんだけど」
「いや、ことちゃんと2人でラブホは、その、ダメでしょ! センシティブやめなー!」
「えー、エッチな事なんてしないよー? さく姐のムッツリ~」
「それ以外ラブホでなにするのよう!? わたし絶対悪くない!」
まあ確かに、冬城に色々なコスプレさせる以外は全部私の家でできるもんな。
よし、ここはたまと、ラブホをエッチする場所としか考えていないさく姐に相談してデートプランを決めてもらおう。あ、リスナーに行ってほしい場所とか聞くのもアリか。
「なんかラブホ女子会はダメみたいだし、おすすめのデート場所とか教えてよ? 私、そういうのは全然ダメだからさあ……リスナーも意見求む~」
「ええ、わたしたちに聞くぅ? ……うーん、無難に映画とか見に行ったら?」
「ことちゃんもゆらちゃんも普段はインドア派だから、ここはあえて体を動かす施設とかどうかな! ボウリングとか楽しいよーぅ?」
水族館
ナイトプール
ガンダムカフェ
公園で散歩、首輪はおこたに付けよう(名案)
今ちょうどアニメ映画やってるから2人にはピッタリかも
草
本人いて草
おるやんけ!
「特殊性癖と冬城が湧いてきたので、デートプラン今考えるのは中止でお願いしまーす」
「そこ同列にするのは草なんよ」
いや、私はともかく、冬城に首輪付けるのはいかんでしょ(真顔)
◇
「「ファッションモンスター ファッションモンスター」」
「鉄の首飾りを外してただ自由に生きたいだけ」
2人でのハモりの後に陽気な曲調にほんの少しの寂しさを混ぜて私が歌い上げる。
「「ファッションモンスター ファッションモンスター この狭い心の檻も壊して自由になりたいの」」
ラスサビをたまと合わせて歌いきった所で、ふぅと息を吐く。
相手がたまとはいえ、やはりデュエットで完璧に合わせるのは大変だ。
歌のメロディが終わった所で、いつものBGMに切り替えてから喋り始める。
「はーい、というわけで今日のエンディングはリスナーリクエストで『ファッションモンスター*1』を歌わせていただきましたー。さく姐どうだった?」
「……いや、ほんと凄い。というか、マジでその場で歌ってこのクオリティなんだ……」
「いやー、照れますなあ」
相変わらず高クオリティだなあ…
2人ともとってもかわいいモンスターでした!感謝!
「なーにをそんな他人事みたいに。私たちは一応、アイドルなんだからさく姐もその内誰かと一緒にやらなきゃいけないんだからね」
「うっ……精進します」
「よし。それじゃあ配信切る前に2つ告知ー。まずはこちら」
配信画面を切り替えて、サムネ用の一枚絵を出す。
「まずはこれ、あらやしき組でクリスマスオフタコパやりまーす」
あらやしき組オフコラボだあああああ
クリスマスうおおおおおおお
ありがとう…ありがとう…
ハブられるおこたはいなかったんや!
「えへへ、みんなで集まれるの楽しみだね」
「ことちゃんがみゃのおうちに行きたがってたからねえ。念願が叶って良かったのやら……」
「おかげで私のおうちはすっかり3期生のたまり場なんだよねー。リスナーはクリスマス予定空けとけよなー。続いて2つ目の告知ー」
続いて画面上の絵を切り替える。
「たまゆら初の歌ってみた動画、『ロキ*2』をこの配信後の22:00に公開ー」
「いえー! やっと出せたねえ!」
「おおー、ついにたまゆらで歌ってみた出すのね」
「初めて動画作ったけれど、色々大変だったよねえ。今日は折角だしさく姐の反応も見たいので、サビ前まで今ここで公開しまーす。えーと、ここをこうしてー……それではどうぞー」
画面いっぱいに事前に編集したサビまでの部分の動画を映し、再生する。
アップテンポなメロディと共に私達の歌声が流れだす。
動画をみながら改めて、やっぱりプロの仕事は違うなあと感心する。
MIXありの方がリスナーもやっぱりカッコいいって思うよな、多分。
「はーい、おしまーい。続きはこの後投稿される動画をご覧くださーい」
サビ前のハモりで動画が終わる。
「……いやー、ほんとすごいなあ」
大盛況のコメント欄を確認していると、さく姐が拍手をしながらそう呟いた。
「なになに、そんな素直に褒めちゃって? 珍しい」
「別に、たまちゃんと……口に出して言うのが癪だけどみゃの事はずっとすごいって思ってるし。……うん。こういうすごいの見せられると、わたしも頑張ろうって気合が入るよね。たまちゃん、今度色々教えてー」
「お任せあれ!」
「同期なんだから私に相談してくれてもいいのにー」
なぜかハブられたので口をとがらせてそう言うと、さく姐が悪戯っぽく笑う。
「ふふっ、やだ。みゃにこういうの頼ったらなんか負けた気になるもん」
「あっ、わかる気がする~。ゆらちゃんには頼るより頼られたいよねぇ」
「なにそれ、変なの。それじゃあ今日の配信は終わりー。お前らちゃんと歌ってみた動画見ろよなー、おつたまゆらー」
「あっ、おつたまゆら~!」
2人してよくわからない意気投合してるのを眺めつつ、私は配信終了を告げた。