見た目は子供頭脳はアニオタなブラック鎮守府再建記 作:暁桃源郷
長門に食材を発注してもらってから一時間で届いた事に驚きつつ俺は今カレーを百人分作っていた。
流石に百人分となると腕が疲れる。
「・・・・・・提督、何故そんなに作る必要がある?食べるのは提督だけだろ?」
長門の言葉に少し溜息を吐く。
きっと彼女はこう言いたいのだ。
俺が作る不味いカレーなど食えないから全部一人で食え、と。
「長門よ。これは持論だが食事は料理の腕云々よりも皆で食べることが美味しさを引き立たせると思っている。いいか?料理に必要なのは腕ではない。心だッ!心が必要なんだ!」
とりあえず一口食べてもらおうとカレーを盛り付けて長門の前に置く。
何度も俺の顔とカレーを見比べている。
そんな長門を不思議に思っていると。
「食べて、良いのか・・・・?
「それ以外にそのカレーをどうするんだ?」
「・・・・・・・そうか」
ゆっくりと腕を伸ばしてスプーンを取るとカレーを口に運んだ。
「・・・・・・美味しい」
「ならいい」
・・・・・・・ほんっと良かった!!!!
不味い!こんなもの食えるか!なんて言われてたら泣いてたよ!
と、ここで俺は気になったことを聞くことにした。
「さて、本題だ。食べながらでいいから答えてくれ」
俺はエプロンを脱いで近くの椅子にかけると長門の向かいに座って話し出す。
カレーが辛かったのか長門から妙な汗が流れている。
「ここって、そんなにブラックな職場なのか?」
俺がそう聞くといきなり長門がむせ始めた。
俺は急いでうしろにまわり背中を擦る。
「・・・・・・正直に言ってあまり待遇が良いとは言えないな。だから全員で遠征に出払っている。・・・・戦艦や空母は主に哨戒だがな」
そんな場所に俺は送り込まれた。
改めて言おう。
ざっけんな!戦争も身近になかった俺にこのヘビーな現場をどうすりゃいいんだよ!
改めて冷静にあたりを見るとそうだ。
掃除なんてほとんどされてないしキッチンだって散らかっていた。
「ではまずその状況を改善することにしよう。とは言え私はおそらくそんなことをできる地位ではない。長門、君が変えるんだ」
「・・・・・・・・」
そう、俺は大本営の命で着任したとは言えおそらくは兵卒の何処かだろう。
俺がなにか言ったって赤犬に意見したコビーのようなものだ。
絶対に聞き入れられない。
しかし、長門は違う。
期間はわからないがずっとこの鎮守府の指揮をしてきたんだ。
俺なんかより絶対聞き入れられる。
「・・・・・・言っている意味が分からない。提督は一兵器である私に何を求めているんだ?」
・・・・・・逆くに言おう。
言っている意味が分からない。
今彼女は何と言った?
自分のことを一兵器と言ったのだ。
では何故そういったのか?
知らん。
知らんがこの発言をどう思う?
そんなのは決まっている。
俺は息を大きく吸って吐き目を見開いて長門の胸ぐらをつかむ。
「アホな事言っとんちゃうぞ!おまん等みたいな綺麗で可愛い娘が兵器な訳あるかい!兵器は喋るんか?兵器に感情あるんか?兵器は長門みたいに涙流す・・・・って涙ァ!?」
長門が泣いていることに気付いて驚いて手を離す。
・・・・・・やってしまった。
そう、思った。
気に入らないことがあれば怒鳴ってしまうのは俺の悪い癖だ。
「とにかく、私は荷物を提督室に置いてくる。皆が帰ってきたらカレーを出してくれ」
それだけ言って俺は食堂を出る。
緊張が解けたら腹痛くなってきた・・・・。
提督室に行く前にトイレ行くか・・・。