見た目は子供頭脳はアニオタなブラック鎮守府再建記 作:暁桃源郷
遠征から帰ってきてオレ、天龍型軽巡洋艦一番艦天龍は六駆のチビどもと夕立と補給をしてから直ぐに長門が居るであろう提督室に来ていた。
「・・・・・居ねぇみてぇだな・・・」
ソファに座って前の机に足を乗っける。
何時もなら長門に偉く注意されるが今は居ないし大丈夫だろう。
そう思った瞬間扉が勢いよく開いた。
「ハァハァ・・・・」
入ってきたのは息を切らした長門だった。
部屋の中を見渡して息を整えると長門はオレを見た。
「天龍、君一人か?」
「・・・・・・質問の意図はよく分かんねぇが来てからずっとオレ一人だぞ?」
「そうか。・・・・ところで」
長門がオレの後ろに来ると、頭に衝撃が走る。
「机に足を乗せるな、馬鹿者!」
「いってぇぇぇぇぇ!」
オレが頭を抑えていると長門が部屋を出ようとする。
オレは頭をさすりながら長門を睨む。
「報告は後で聞こう。私は少しやらなければならないことがあってな。先に食べていてくれ」
長門が出ていきしばらくしてオレはまた先足を交差させ机に乗せる。
オレはまだ腹は空いてないし、待つ時間だって幾らでもある。
オレはチラッと自分の手を見る。
「はぁ・・・・、重・・・」
「な、な・・・・」
オレがぼっとしていると提督の服装をした知らない男が荷物を持って入ってきた。
男は俺に気付くと何事もなかったかの様に執務をする席に座る。
「何だテメェは!」
「・・・・・・・・・・・・・」
「無視すんじゃねぇ!」
男が欠伸をしてオレを見ると今度は自分の腹を擦る。
「腹、減ったな・・・・」
「あぁ!?」
腹が減っただと!?
そもそもコイツ提督じゃねぇのか?
ならあれか?
長門のやつが焦ってたのもコイツを隠すためか?
「天龍・・・・」
「ッ!?な、何だよ・・・」
男は少し息を吸うとプラカードを取り出した。
・・・・・・・何故プラカードなのだろうか?
息を吸ったくせに結局喋りもしない。
そんなことを考えつつオレはプラカードを見る。
『遠征ご苦労だった。報告は書類で頼む。一々来るのも面倒だろう』
そう書いてあった。
どうやら、とことんこの男はふざけ倒すらしい。
「ざ、ざけんじゃあねぇ・・・。ふっざけんじゃねぇぞ!」
オレは艤装の砲口を男に向けた。
男は少し驚いた顔をするとすぐに元の顔に戻りオレの目を見る。
「さっきからふざけやがって・・・!テメェら提督はそうやって安全な机から偉そうに指示を出すだけだろうがッ!」
男は目を瞑り丸で寝ているような態度を取る。
「・・・・・・・今、楽にしてやる・・・」
オレが引き金を引こうとすると男は立ち上がった。
オレは驚いてまた艤装の砲口を向けると男はオレの目の前まで歩いてきて砲口に頭を付けた。
「な、なんだよ・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「何か喋れよ!」
本当にコイツはふざけている。
砲口のゼロ距離なんて撃てば確実に吹き跳ぶ。
「・・・・・・・・撃ちたいなら撃て」
「ッ!?なん、だと?」
「正直に言おう。私は今日初めて提督になった。士官学校にも行ってないしおそらく階級も将校より低いだろう。しかし、腐っても私は提督だ。君達が過去に何がありそこまで提督と言う存在に憎しみを抱いているのか知らないし興味もないが私は提督として君達を守らなくてはならない」
「・・・・・・・・・・・」
オレは男の死んだ魚のような目に呆然としながら砲口を頭から離す。
「・・・・・・・・それと、しばらく艦隊は長門に任せる」
オレは少し考えてから砲口を下げる。
「・・・・・・・・・分かった。だが、オレはテメェのこと提督って認めた訳じゃねぇからな!」
「あぁ、それでいい」
ところで、と男が窓の外に向き直り空を見上げる。
外では空母達がが飛ばしたであろう偵察部隊が飛んでいる。
「私は何処に住めば良いのだろうか?」
「・・・・・・・知るか!」
やはりコイツはふざけている。