Fate/loneliness 4 Fate Grand order -the survival plan-   作:からすまそういち

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第3話

 

 

 断章一 クルースニク

 

 

 これは「クルースニク」という何時かの時代の何処かの場所に居たかもしれない男が現界した後の話だ。

 私はカトル・コレサドルという男のサーヴァントとして召喚された。彼は聖杯戦争というスポーツに挑戦するために私を召喚したようだった。

 彼はかなり裕福な家の生まれだったがそれを鼻にかけることもなく誠実で真面目な男だった。

 私は喜んで彼に降った。必ず名声を手に入れると約束した。

 だが、一つ。

 私には抗えぬ使命があった。

 それは私がクルースニクであれば必然、科される宿命。

 クドラクを討つこと。

 それが私、クルースニクという人物に与えられた唯一の運命だ。

 私はマスターに問うた。

 私には斃さねばならぬ宿敵がいる。私と契約すればその敵と命を賭けて戦うことになる。その時はマスターも戦わねばならないかもしれない。それでもよいか、と。

 マスターは二つ返事で受け入れた。

 それから、彼との生活が始まった。

 だが彼の名声の為聖杯戦争に臨み、勝ち続けてきたが一向にクドラクと出くわす気配はない。

 夜にマスターを襲いに来るやもしれぬと警備に参加しても進展はなかった。

 それで定めはないのかと安堵し彼との日常に耽っていた時だった。

 無人島への招待状が届いた。

 それは聖杯戦争決勝戦への招待状だったが、怪しい。例年開催国が指定されてそこに集まるはずだ。今年だけ名前もない島に招待されるなど通常あり得ない。

 しかし、調べたところ運営が送ったという証拠があり偽物だと断定もできない招待状を無視することなどできない。

 私はマスターに勝利を約束したのだ。

 マスターは私にとって雇用主以上の存在であった。思い上がった表現するならば、そう、友だった。

 日中はマネージャーとして共に仕事をし、夜は夕餉を食べ酒も呑み、己の人生を語り合った。

 彼を裏切ることはできない。

 しかし、不審な招待状に無暗に応じるわけにもいかない。

 私には命を賭して戦う宿敵がいる。それは私の宿命だ。

 しかし、できれば彼は巻き込みたくない。これは私の問題なのだ。

 悩みに悩み、私はマスターを国に置いて一人で島に行くことにした。

 招待状が本物であるならば後でマスターも来ればよい。

 偽物で如何わしい物ならば私が犠牲になればいい話だ。

 そうして私はあの島にやってきた。

 そして私は巻き込まれることになったのだ。聖杯戦争を騙る命を賭けたデス・ゲームに。

 しかし、私はそこでついに出遭った。

 ――我が、宿命に。

 島で起こった殺人事件。その惨殺死体を見てこの時が来たのかもしれないと思った。

 その後現地で出会ったランサー、ロンギヌスから話を聞いて疑惑は確信に変わる。

 既に彼に何回か殺され成長したクドラクを素の私が斃すには無理があると判断し、彼にも協力を仰いで彼の宝具で私を刺してもらった。

 彼の名を冠する宝具、ロンギヌスで。

 宝具の効力で一旦死亡した私だったが、三日後に復活し、クドラクと死闘の末決着をつけた。

 相打ちだった。

 彼は凶暴な獣だった。

 ロンギヌスの加護がなければ一瞬で食い殺されていただろう。

 勝負は相討ちだったが、私は宿命から解放された。

 終わったのだ。

 勿論生きて帰り再びマスターの顔を見れなかったのは無念だったが、私は使命を果たした。

 クルースニクとして考えれば上々の出来だ。思い残すことはない。

 その、はずだった。

 聖杯戦争はループを始めた。

 勝者であるロキが聖杯を使ってこの島を世界に時間ごと繋ぎ止めたのだ。

 これでは、クドラクが蘇ってしまう。

 宿命は、終わらなかった。

 私とクドラクはお互い死ぬこともなく争い合った。

 肉を喰らい骨を断つその戦争は何日も続いた。

 終わることのない死闘かと最初は思われた。

 しかし、その途中で私は思った。

 ――この戦いに何の意味がある?

 クドラクはいくら殺しても蘇る。

 クドラクを放置して他の者が犠牲になったとしても、その者も蘇る。

 最初から、何事もなかったかのように。

 ならば、今私のしていることとはなんだ?

 一体これに何の意味があるんだ?

 私は気付いてしまった。

 虚無に。

 剣が手から零れ、獣に身を喰われる。

 体中を啄まれ食いちぎられた。

 それでも、私は為されるがままだった。

 ああ、マスター。

 貴方は何処にいるのでしょうか。

 本当に死んでしまったのですか?

 私には分からないけれど。

 宿命などもうどうでもいいから、

 今は貴方に会いたい――

 

 心を失いただ獣に食われる日々。

 無限に繰り返される地獄。

 そう思った私の前にある日、

「彼」が現れた――

 

 

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