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「高雄ちゃん、無理しないで!」
「しかしっ…クッ…!」
セイレーンの重巡級、ナビゲーターの攻撃を躱して、無理な接近で反撃しようとした姉妹艦の高雄ちゃんを止めて、魚雷を打ち出す。でもその魚雷は避けられてしまった。
鏡面海域の調査のはずが、何故かそこには赤城ちゃんと加賀ちゃんが居て…そこからは、覚えている限り酷いものだった。
翔鶴ちゃんが二人に捕まり自我を奪われて…瑞鶴ちゃんがなんとか彼女を取り戻したけれど、その後一航戦の二人との戦闘で中破。
「最上ちゃんも、下がって!」
その後、その鏡面海域…実験場なんて呼ばれ方をしたそこが崩壊しそうになって、急いで艦隊の皆と離脱しようとしたけれど。それは上手くいかず、また別の鏡面海域に迷い込んでしまった。
そこでは上位個体のテスターに遭遇し、殺意を隠すことなく襲ってきた。なぜ居たのかは分からないけれど、『あの人』が助けに入ってくれなければあえなく全員沈められていた…
「っ…!ごめん、私の運がないから…」
「不測の事態よ、とにかく一旦下がって五航戦の二人をお願い!」
自分の運の悪さを責める最上ちゃんを宥めて指示し、代わって前線の殿に入る。テスターは『あの人』が引き受けてくれたけれど、それでも相当量の追撃艦隊に追われながらの、行くあてもない撤退戦。
未知の敵の本拠を逃げながら彷徨って、傷だらけで動けない旗艦の五航戦姉妹を庇いながら…なんとか、外に出たものの全く見覚えのない場所…小さな島は見えるけれど、まともに人がいるようには見えない…
(翔鶴ちゃんも瑞鶴ちゃんももう限界…弾薬と燃料も後ちょっとで無くなる…)
どうすればいいか迷っているうちに、また敵艦が現れた。今度は駆逐艦が数隻だけれど、こちらは疲弊しきった敗残艦隊だ…相手するには厳しいものがある。
頑張ったけれど、もう重桜には戻れないかもしれない…諦めが大きくなる中、それでも一縷の望みに賭けて主砲を構えたその時だった。
「大丈夫です、かっ…!?」
凛とした声、それと同時に白い影が対峙していたナビゲーターを横から強襲し、その個体は沈んでいった…乱入者を見ると、重桜の気配…この娘は…
「綾波、ちゃん…?『駒』じゃないのね!?」
駆逐艦のKAN-SENの、綾波ちゃん…KAN-SENの感覚、というものか。とにかく彼女が綾波ちゃんということはすぐに分かった。何処の所属かは分からないけれど、助かったのかもしれない…
「こっちです…!」
手に持った刀のような艤装の不意の鋭い一閃でナビゲーターを倒した綾波ちゃんは、こっちに手招きして駆け出す。
それに艦隊のみんなが着いていく、その最後尾で追手の攻撃を艤装で受け、往なして壁になる…多少の損傷は仕方がない、後でどうにかすれば良い。今は沈まない、沈ませない事だけ考えて…
「綾波ちゃん、魚雷で牽制は頼めるかしら…!?」
「………ごめんなさいです…綾波、今は演習装備なのです…!」
…なんて思っていたら。そんなことを言い出した。助太刀かと思った綾波ちゃん、しかし演習をしていた所をそのまま飛び出してきたらしい。
「わ、私達…助かるのかしら…?」
不安げに言う翔鶴ちゃんの声を聞きつつ、私は少し考え込む。この状況で魚雷を撃てるなら、まだなんとかなるはずだけど……それすら出来ない状況なのにどうしてこんな…
でも、今ここで彼女を問い詰めてもしょうがない。ともかく、彼女を信じて付いていくしかない。そう思った時だった。
「………分かったのです。皆さん、こっちに来てくださいです!」
なにやら通信を受けたのか、急加速した綾波ちゃんがいきなり進路を左に変えた。慌ててそれに着いて行き、進路を変えた瞬間だった…
「っ!?」
–––––パァンッ!!!
何かが弾けるような、破裂するような音が響く。そしてこの艦隊の真上を、渦のような空気を押しのける軌跡を描き何かが通り過ぎる。
「…はい、命中です…!」
綾波ちゃんの通信に応答する声を聞きながら、振り向くと…追ってきていたセイレーン…戦艦級のスマッシャーが、その艤装と半身を吹き飛ばされて止まっているのが見えた。
攻撃の支援…?こんな威力の攻撃を一体どこから誰が…?
《……こっちだ、来い!》
そう思った矢先に、オープン回線で通信が入る。男の声、綾波ちゃんの指揮官かと、目の前に向き直したその時。前方の島の小高い山、その頂上から何かが浮いた。
遠目では正確な大きさは分からないが、それでも存在を確認できる機械的な体…ロボット、それもIMCという名の大企業の系譜が主に製造するタイタン…ユニオンやロイヤルの言葉で巨人を意味する、二足歩行のロボット。
それがミサイルのようなものを発射し、さらに対空したまま手にした大きな武器で、後方のセイレーンへとさらに攻撃を加える。
ボロボロのスマッシャーに着弾したミサイルは、そこからさらに爆発の範囲を広げ、スマッシャーにトドメを刺した。
その後着地した後も、あのタイタンは正確な狙撃でセイレーンを牽制し、可能ならば沈めていく。
「凄いわね…!これならなんとかなるかしら…!」
まだかなりの距離があるというのに、あのタイタンの狙撃は正確にこの艦隊を追跡する人型セイレーンを撃ち抜き、足止め。さらに先行するものを優先して選んで落とすという、相当な腕前…
(スカベンジャー型を優先して沈めている、の…?)
それは、足の速い駆逐級・スカベンジャー型を主に狙って、絶対にこっちに近づけないような支援攻撃。どんな回避軌道をセイレーンが取っても、最大効率でそれを追って狙い、精密に撃ち抜く。
とんでもない技量だ、的に当たるのとは訳が違うだろうに、わたしたちを巻き込まないように攻撃を続けている。だけど、あれだけの数のセイレーンを相手にしているんだから、流石に長くは持たないはず……
《……オイゲン、撃て》
しかし慌てる様子もない指揮官らしき男の声に呼応するように、誰かにまた指示を飛ばす。その瞬間、セイレーン追跡艦隊の横っ腹から、重巡級かと思われる砲撃が撃ち込まれた。
「綾波、早く行きなさい!」
凛とした声、そちらを向けば私達と入れ違うようにセイレーン艦隊に向かって行くKAN-SENの影…あれは…鉄血陣営の?
「ありがとうです、オイゲンさん!助かるのです…!」
お礼を言った綾波ちゃんに着いていきながら、考える。綾波ちゃんとは重桜で会ったことはないため、彼女が所属するのは別の勢力の艦隊ということになる…
だとしたら、ここは鉄血の領海なのだろうか…?そんなことを思いながら、綾波ちゃんの方へと下がりつつ、壁に入ってくれたオイゲンと呼ばれた彼女に加勢するように砲撃。
弾切れ寸前の状況だけれど、出し惜しんでここで沈めば元も子もない。チラリとこちらを見たその鉄血の重巡は、すぐに獰猛な笑みを浮かべてセイレーンへと向き、威圧するように呟く。
「この程度じゃ足らないわね…もっと、もっとだッ!」
そして艤装から半透明のシールドを出現させ、それでセイレーンの砲撃を防ぎながら反撃する彼女。艤装のスキル、だろうか?かなりの防御、あの指揮官らしき男の指示で入ってくれたようで直撃する攻撃のほとんどを防いでくれる。
ありがたい采配だ、特に翔鶴ちゃんに今被弾させるのはまずい。そのまま沈められてしまうくらい、疲労と損傷が激しいのだ。
なんとか、島の近くまで。あと少しでそこまで行けるというところで、壁に入った彼女が悔しげに呟いた。
「っ!厄介ね…!」
今までまばらに、半ば包囲するような形でこっちを追っていたセイレーン。それが一挙に、鉄血の彼女へと殺到する。主砲と魚雷で牽制するが…数が多過ぎる、このままじゃすり潰される…!
「ちょっと!限界よ指揮官!?」
たまらず叫ぶ彼女に、しかし冷静に通信で男が返す。
《……後はやる、そこの艦隊の所まで下がっていろ…巻き込まれるぞ》
同時に、島の頂からあのタイタンが飛び上がる。そしてそこからさらに一段階上昇し…完全に上空、この艦隊とセイレーン艦隊の頭上をとった。
「…来るわ…早くもっと下がるわよ!」
呆然とそれを眺めていると、鉄血のKAN-SENに腕を引かれて島の方へと下がらされる。
……直後、雨のような爆撃が、空から放たれ海を焼いた。
○○○○○○○○
「……行くぞ、ノース」
《フライトコアオンライン》
ユーティリティのVTOLホバーを使い上昇、そしてさらにコアを起動してもっと上へ。そして、綾波が引っ張りオイゲンが庇った艦隊を追うセイレーンへ向けて、一方的な爆撃を加えていく。
フライトコアは上空から行う爆撃、ミサイルラックを全開放しフライトコア・サルヴォを一斉射。遮るもののない空から下を…空に上がれないノロマな敵を。不規則な弾道を描くミサイルで蹂躙し焼き尽くすノーススターのコアアビリティ。
オイゲンに火力を集中させたのが仇となり、一箇所にまとまったセイレーン共は一挙に薙ぎ払われる。直撃すれば与える損傷は大きく、それを避けても大量のサルヴォの爆風で四方から焼かれる。
重量級タイタンすら、ひとまとめの編隊を組んでいれば廃品寸前まで追い込まれる苛烈な攻撃。
「……全部か?」
《フライトコアオフライン、敵を排除》
だが、敵もただやられる訳ではない。まだ空中に浮いていて、着地した俺を、満身創痍のセイレーンの残党が狙ってくる。
相手をしてやるか、そう考えた瞬間に側面からの砲撃が飛んできた。
《なんとか、間に合ったわね…あんまり無茶しないで頂戴!》
ネルソンだ。セイレーンの駆逐級、スカベンジャーに着弾しそれを排除。それに続いて戦闘用の武装に換装した、俺の艦隊のKAN-SEN達が続々とやってくる。
《動くもの全て討ち滅ぼせ!なんてね☆行くよ、ユニコーンちゃんにジャベリン!》
レパルスが軽快に指示を出し、ユニコーンがその指示のままに艦載機を発艦。さらに攻撃機の迫撃に合わせ、飛び出したジャベリンが得意の雷撃と主砲の斉射で追い討ちをかける。
「……よし、ネルソン達はそのまま回り込め。逃すと面倒だ、殲滅する」
指示を出しつつプラズマレールガンの空になったマガジンを落とし、新たに装填してすぐ撃てるように構える。
《了解よ指揮官…ほらカッシン!動いて頂戴!》
《うぅ…はぁ〜い…》
カッシンがやる気なさげに返事をして、その後ろからはネルソン追従していく。ネルソンがいるなら大丈夫だろう、それにカッシンもああ言うが、やる時はやる娘だ。
そんなことを考えながら、残ったセイレーンが固まる場所にクラスターミサイルを撃ち込みつつ、退き気味の戦艦級に最大チャージの狙撃を見舞ってやる。
《流石ね指揮官…この様子ならもう少しで終わるわね》
感心したように海を見つめるオイゲン、自分の仕事は終えたとばかりにスカートについた砂を払っている。まぁ無理をして襲われている艦隊の壁になってくれたんだ、後は俺や他の面々で片付けておくべきだろう。
「……あぁ、とりあえず休んでいろ。すぐ片す」
それだけ言って、また俺はセイレーンに向け射撃を開始。もう数えられる程に減った、戦艦二人の砲撃と、軽空母二人の空からの攻撃。さらにそれの隙を埋める駆逐艦の挟撃、俺とノースの攻撃で次々残りも沈んでいく。
掃討が済んだら、海域の警備のローテションを組まなければ…そんなことを考えつつ、引き金を引く。あと少し、目の前のことを一つずつ片付けていこう。
「……ネルソンはダウンズ級二人とそのまま非常哨戒を頼む、ユニコーンもついていってくれ」
「分かったわ。ほら、行くわよ…ユニコーンも、お願いね?」
セイレーンを全て排除し終え、一度艦隊の皆を集めて指示を出す。オイゲンとジャベリン…それからロング・アイランドはまともな装備でないまま飛び出して行った上に、その状態でセイレーンと交戦した事について綾波に説教をかましている。
レパルスはヴェスタルの手伝い兼、マービンと饅頭に指示出しをしている。そのため、演習での艦隊編成に少し手を加えた形で臨時の哨戒に当たってもらうようにした。
先行しようとするダウンズを捕まえながら、仕事が増えたとため息をつくカッシンの手を引くネルソンの姿はいい世話役だ。面倒見の良さは身をもって理解しているし、任せていいだろう。
さて、俺もやる事、聞く事がある…踵を返してヴェスタルが作業員饅頭とマービンに頼み急遽設営した、治療用のテントの方へと行く。
入り口では見張るように、白い軍服に刀を差し、夕張とは違う少し犬を連想させる耳を持つ二人のKAN-SENが立っていた。俺の近づく足音に気づき、こちらに耳と、ついで顔が向く。
「……待たせた。怪我の具合は大丈夫か?」
一応、顔は見せられない事。そしてこちらに敵意はなく、治療と事情を聞かせてほしいとは伝えてあるがまだ本格的に話をしていない。
「問題ない、そなたのお陰だな。今一度感謝する」
「私もそこまでではないわ。助けてくれて、本当にありがとう」
二人共まだ万全とは言えないようだが、会話が出来、こうして立って会話できる程度には回復できたらしい。
「……なら良かった。俺はパラドクス、ここフロンティアでパイロットとして戦っていた。今は指揮官をしている」
とにかく、はじめは簡潔に自己紹介。戦いしか知らないつまらない男だが、名前と経歴。現在の身分を提示すれば、ファーストコンタクトに問題はない。
そう思い軽く名乗ったが、驚いたように目を丸くする二人。
「フロン、ティア…?」
「あらあら…ずいぶん遠くに飛ばされちゃったのねぇ…」
どうやら、ここがフロンティアというのはかなり想定外だったらしい。動揺したように呟き、わなわなと震えている。しかし、すぐさまその動揺を引っ込め、俺に向き直る。
「っ…失礼した。拙者は高雄型重巡洋艦の高雄、重桜の所属だ」
後ろで長い髪を一纏めにした、凛とした印象の方はそう名乗った。続けて、柔和な雰囲気のもう一人が口を開く。
「同じく、重桜所属の愛宕っていうの…改めて、助けてもらって本当に助かったわ。お礼を言わせて?」
愛宕と名乗った彼女も、重桜所属…重桜りコアシステムの東の方、諸島折り重なる独特な文化を持つ島国。長く外交を閉じていたが、セイレーンの侵攻に際して国を開いたという。
かつて率いた俺の部隊にも、重桜出身という奴はいたが…詳しくは知らない。だが、今重桜のことはどうでもいい。重要なのは、何故コアシステムの陣営所属の彼女らが、ここフロンティアにいるのかだ。
「……どうやって、ここまで?ジャンプドライブを?」
コアシステムとフロンティアは絶望的なまでの距離がある。ちょっとやそっと…例えば、重桜からユニオンまで行くのでさえ比較にならない程。KAN-SEN達が幾ら自由に海を駆ける事が出来ても、一日二日で辿り着ける場所では無い。
悪天候、全く島のない大海…それらを踏まえれば、ドロップシップや輸送船に搭載されるジャンプドライブを利用して、数度のそれでようやく到着できる。そんな辺境なのだ、重桜の正規の艦隊であろう愛宕と高雄達が、ここに何故いるのか。
「鏡面海域の調査をしていたのだが…また別の鏡面海域に迷い込んで、奴らに追われていた…」
重苦しい雰囲気の中、高雄が愛宕と一緒にゆっくりと話し始める。
当初調査する予定だった『実験場』と呼ばれる鏡面海域で、旗艦である翔鶴という空母が敵の手に落ち、その姉妹艦である瑞鶴がなんとかそれを奪い返した。だがその後、『実験場』の崩壊に巻き込まれ無いよう撤退をしたが…そこはまた別の鏡面海域だったらしい。追ってくるセイレーンの群れから逃げながら、遭遇した上位個体であるテスターと交戦。
損傷も多く、不利な撤退戦の最中での絶望的な戦闘。しかし、少し運が艦隊に向いたのか、助けが入ったという。
「私達の大先輩、セイレーン大戦で連合艦隊旗艦を務めた重桜の戦艦。三笠さんがテスターを引き付けてくれて…」
「その後は、そなたも知っての通りだ。鏡面海域から出たと思ったら、重桜から遥か離れたここにいた、という訳だ」
三笠……その名前は知っている。俺は直接会ったことはないが、相棒が会ったことがあり、随分と惹かれたのかよくその名を口にしていた…と、ログにある。その辺りは曖昧な記憶だ、消えかけているから後でログの見直しが必要だろう。
「……なるほどな…その、三笠は今中には…?」
「居ないわ。鏡面海域から無事脱出できていればいいけれど…」
俺が聞くと、悲しげに首を横に振る愛宕。どうやら、三笠は完全にこの艦隊とは別れてしまったようだ。
「……分かった。怪我人に無理を言ってすまない。事情は把握した」
つまるところ、セイレーンの及ぼした悪影響でフロンティアに迷い込んだようだ。であれば、俺の…そして、艦隊のやることは決まった。
まずは彼女らの保護、治療。重桜に帰すにしても、こんな怪我で帰すわけにもいかない。幸いヴェスタルがいる、今は応急的な処置しか出来ないだろうが拠点に戻ればもっといい治療が出来る。
そしてセイレーンの排除と、可能であればその三笠との合流。まだこの愛宕達重桜の艦隊を、セイレーンが迫撃してくる可能性も十分ある。
自分の基地の管轄する海域で、好き勝手されるわけにはいかない。利害は一致している、まずは目の前に現れたセイレーンを打倒すべきだ。
「……とにかく、そんな損傷でこのまま放り出す気はない。一度拠点に戻って、休める場所を提供させてくれ。セイレーンの始末と、可能ならその三笠との合流を目指す」
とりあえず、今はこの二人の保護と回復を優先するべきだ。俺の言葉に、二人は顔を見合わせ…
「…いいの、かしら…?」
「その、よそ者だぞ、拙者達…別に悪さをする気はさらさら無いが…」
そう訊いてくる二人。まぁ、確かに見ず知らずの奴らをいきなり保護しようと言うんだ、戸惑うのは当然か。
「……なら問題ないだろう。俺の戦う理由はセイレーンの脅威を退け、戦友の願いのためにKAN-SENの未来を守ること…必要なことを、しているまでだ」
俺の答えに、高雄と愛宕は目を丸くして驚く。所詮自己満足だとしても、拾えるものは拾い、救っておきたい。
「……ヴェスタルに応急処置の進捗状況を聞いてくる。済み次第、異常なければ帰投しよう。少し待っていてくれ」
言い残し、俺はその場を離れる。演習のつもりがまた一難、思うようにはいかないと感じながら、今後の動きを考え歩く。
セイレーン・テスタータイプ。上位個体とされるそれとの戦闘、それを想定して動く必要があると……
・フライトコア
ノーススター級タイタン固有のコアアビリティ。VTOLホバーを起動して頭上へ舞い上がり、そこからミサイルラックを全開放。複雑な軌道を描くフライトコア・サルヴォというミサイルを目標とその周辺にばら撒く。使っていて楽しいが、コア起動中はずっと滞空するため無防備。使うパイロットの技量が試される
・スキル
艤装固有のスキルは、アズールレーンゲーム内で目に見えるものはそのまま発動可能。としました。今回でいえば、オイゲンのスキル『破られぬ盾』。自身(と前衛艦隊)の周りを回る3枚のシールドを展開し、敵の攻撃を一定数無力化するというもの