Azur Fall   作:Isaac/アイザック

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Q.世界観ガバガバやない?IMCおったらKAN-SEN達の戦いショボくならん?

A作者(ワイト)も、そう思ってました。ただ諸々のシーンやらなんやらを見返した結果、まぁ問題ないやろ。ってなりました。活動報告にでもその理由は書きますね

ご意見、ご感想はお気軽に


2-6

《190回。後もう少しです、綾波さん。191…192…》

 

離れた場所で、数えるのに合わせて一緒に剣を振るローニン。その声を聞きながら、艤装を振る。とにかく集中して、刀のような艤装を振り下ろす。

 

《198…199…200。規定の回数に到達しました。お疲れ様です、綾波さん》

「ローニンもお疲れ様、です…」

 

日課になっている素振り、200回。最初は50回振るのにも疲れてしまったけれど、段々と慣れてきて今なら200回は振れる。

 

《始めた当初の回数の4倍…いい成長度合いです、パイロットも感心するでしょう》

 

もう少し慣れてきたら、また少しずつ増やそうかと思っている。指揮官も、無理のない範囲でならいいって言ってくれているから、その内に。

 

《高雄さんも、お疲れ様です。お二人とも水分補給を忘れないようにしてください》

 

「かたじけない…しかし、本当に機械とは思えないな…会話も成り立つ、気も利くし剣も振るえる…つくづく感心する」

 

綾波と、ローニン。それから、高雄さんも一緒になって朝の鍛錬。高雄さんは刀を振りながら、ローニンの様子が気になって仕方が無かったらしい。

 

素振りの最中もチラチラと、離れたところで剣を振るローニンを見てはハッとしてまた刀を素振りして…と、繰り返してました。

 

《ありがとうございます。私はかなり長い期間、多くの事象を学習してきました。それなりの知識と、経験の積み重ねの先に今の私、RN-0001という一個体があります》

 

持っていた大きな刀を地面に立てて、綾波達に視線を合わせるように屈むローニン。持ってきていた水筒から水を飲みながら、高雄さんとローニンのやり取りを見つめる。

 

「なるほど…いわば歴戦の機体、という訳か。その塗装も、その刀の僅かな綻びや傷も、そなたの積み上げてきた研鑽と実戦の勲章というわけだ」

 

屈んだローニンの、その手で機体を支える剣に触りながら高雄さんは感心したように頷きます。

 

《はい。様々な状況への適応、突発的な事態への対処…パイロット達は言いました、「適者こそが生存する」と…私のメモリの行動原則にも採用させてもらっている言葉です》

 

なにやら難しい話をしているみたいですが…ローニンも指揮官も、よく綾波のわからない、難しい言葉を使うのです…

 

「殊勝なものだ…重桜の軍部の者にも見習わせたいくらいだ」

 

どこか楽しそうに苦笑して、刀を収める高雄さん。綾波も艤装を解除して、貰った携帯端末でジャベリンとユニコーンのグループチャットを確認する。

 

この後朝ご飯を一緒にって、約束しているからだ。綾波も楽しみにしているし、時間には遅れて行きたく無いのです。

 

《では、私はこれで警備に…パイロットがこちらに来ているようです》

 

時間はまだあると確認をしたその時、警備に戻ろうとしていたローニンがそんなことを言った。立ち上がって施設の方へ向くローニン、釣られて見れば、確かにそっちの方から指揮官と愛宕さんが来るのが見えた。

 

「む、指揮官殿だな。鍛錬が出来るくらいに回復できたんだ、拙者も今一度礼を言わねばな…」

 

高雄さんも同じタイミングで気づいたらしく、鞘に収めた刀を手に持ち直しながら呟いた。

 

指揮官と愛宕さんはそのままこっちに向かってくる。綾波達も、ゆっくりとそっちに向かって歩いて行き、指揮官に挨拶をする。

 

「指揮官。おはようございます、です」

「……あぁ、おはよう綾波。高雄もだ、動けるようになってなによりだ」

 

指揮官が軽く手を上げて、挨拶に応えてくれる。愛宕さんと高雄さんがいる前だから、ヘルメットは外してくれないですけれど…

 

「かたじけない。そなたのお陰で、ゆっくりと休息を取ることができた…今一度礼を言いたい」

 

「……気にしなくてもいい、動けるようになったなら幸いだ。だが、しばらくはあまり無理をしないようにしてくれ」

 

頭を下げた高雄さんに対して、それほど気にしていないと手で示す指揮官。そのままローニンに向き直った指揮官は、ローニンと話し始める。

 

「……ローニン。綾波の鍛錬に付き合うのは良いが、安全は確保した上で行うように」

《承知しています。安全確保はこの基地内で武装を使用するときの大原則、プロトコル2と、それに伴う指令入力により徹底しています》

 

…また難しい話をしているのです…ぷろとこるとか、綾波、難しい話は分からないのです。

 

「……理解しているとは思うが念のためだ。何かあってからでは遅いし、取り返しがつかない」

《勿論です。私の剣の質量を考えれば当然の心配です、安全確保できない状態では刀は振るいませんのでご安心を》

 

ならいい、と頷く指揮官。ローニンが手に持った刀を、背中に背負い直して代わりに腰の銃を手に取った。

 

《では、警備に戻ります。何かあれば連絡を入れますので、対処を》

「……分かった…最初から通信にすれば、席をわざわざ外す必要は無かったな…」

 

歩いていくローニンを見送りながら、そんなことを呟いた指揮官。一生懸命なのは分かるのですが、たまにこうやって空回りしてたりするのが、ちょっと意外で結構面白いと思うのです。

 

「……笑うな、綾波。戦闘以外はからっきしなんだ」

「ふふ…すみません、なのです…」

 

困ったような声で言う指揮官に、思わず笑いがこぼれてしまう。そんな様子を見て、指揮官の隣にいる愛宕さんもクスクスと笑っている。

 

「ふぅ〜ん…やる事なす事完璧かと思ってたけれど、案外抜けてるのねぇ」

 

「……そもそも、指揮官になる前はただの傭兵だったんだ。指揮も、組織管理もかなり慣れないことばかりの毎日だ」

 

肩を竦める指揮官、そのまま体の前にかけた変わった形の銃を手に取り、それを撫でる。

 

「……他は何も考えず、ただ戦うしかしてこなかったからな…綾波達から、教わることも多い」

「ん…えへへ…」

 

そして、そのまま綾波の頭をナデナデしてくる指揮官。怖い印象と真逆の、優しくあったかい手の感触に思わず目を閉じてしまう。

 

出撃でMVPをとった時、委託が大成功だった時…褒めてもらう時に、指揮官は決まって頭をナデナデしてくれるのです。

 

「意外だな、そなた程の者がまだ駆け出しなど…」

 

そう言って意外そうに呟く高雄さん、それに指揮官は静かに返しました。

 

「……あくまで、俺は白兵戦とタイタン搭乗時の戦闘が得意なだけだ。海上での艦隊運動の指揮は、本当に素人だ」

 

綾波の頭をナデナデするのをやめて、また銃を触る指揮官。手羽先みたいなそれが気になって、綾波は指揮官に聞きます。

 

「…その手羽先みたいなのも、指揮官は使えるのです?」

「……手羽…まぁ、確かにそう呼ぶ奴も居たが…」

 

少しだけ複雑そうな反応の指揮官。どうやら、綾波と同じ感想を抱いた人がいたみたいです。だって、少し大きいとはいえ、形は手羽先そのもの。それが武器です、と言われてもちょっと信じられないのです。

 

「……コイツは、オルタネーター。クセのある武器でな、強いは強いんだが…」

 

そう言って、弾の入った箱を抜いて、綾波に見せてくれる。手羽先、とは言ったけれども、近くで細かいところを見れば紛れもない銃だということが分かる。

 

「…あれ、指揮官。これ、弾が出るところが二つあるです」

 

普通なら、指揮官のよく持ってる『ヘムロック』とか、『ボルト』というやつは弾が出る所が一つなのに、このオルタネーター、という武器にはそれが二つ付いていた。

 

こんな形のものもあるのか、なんて思っていると指揮官が話し出す。

 

「……何をトチ狂ったのか、10mmというアホみたいな口径の弾を並列で交互に撃てるような設計だ…かつての仲間曰く、『銃身が二つあるなら二倍強い』…との事らしい…」

 

苦笑混じりの指揮官。それを聞いた高雄さんも苦笑いを浮かべて、愛宕さんは困ったように笑っている。きっと、高雄さんと愛宕さんも同じ意見なのでしょう。

 

「それは…なんというか、余りにも短慮というか…」

「おバカ、ねぇ…」

 

ストレートにそんな感想を言う愛宕さん、指揮官もそれに同意したみたいに頷きます。

 

「……まぁ、バカらしい考えだろう。だが、それがまかり通ってしまうのがフロンティア。そしてその狂った兵装を扱えるのがパイロットの恐ろしいところだ。実際、かなり強力な事に違いはない」

 

そう言って、綾波からオルタネーターを回収して、また元の位置に掛ける指揮官。ふぅ、と一息つくと、綾波に言います。

 

「……さて、ローニンへの通達も済ませたから、俺は戻る。午後にミーティングをするから、またその時に」

「分かったのです。では、また後で、です」

 

振り向いて軽く手を振り、そのまま愛宕さんと一緒に戻って行ってしまう指揮官。その後ろ姿を見送ってから、綾波は朝ごはんに行くことにしました。

 

「綾波も、これから朝ごはんに行ってくるのです」

 

「うむ、拙者はもう少し鍛錬してからだな…ローニンの素振りを見て気が散っていた、まだまだだな…」

 

いなくなると高雄さんに伝えると、高雄さんはそう返しました。綾波から見ても、確かに気が散っていたと思うのです。

 

「分かったのです、頑張ってください、です」

 

そう言って、高雄さんと別れて食堂に向かう。午後からミーティングだけれど、そのためにもまずはごはんを食べて、備えるのです……!

 

 

 

○○○○○○○○

 

 

「もうすぐ時間です閣下、ご用意を」

「……あぁ、助かる」

 

今日の秘書艦であるロンドンの声を聞いて、残った紅茶を飲み干してヘルメットを手に取り立ち上がる。

 

元はウチの艦隊のみで「三笠」の捜索とセイレーン殲滅の航行と出撃を行うつもりでのミーティングだったが、高雄級姉妹の二人、そして最上級の二人。そして艤装が直り次第ではあるが、暁と野分も出撃すると言ってくれた。

 

正直、駆逐艦の二人はともかくとして、回復してきてはいるがまだ完治に当たっていない姉妹二組は出撃させたくは無い。

 

だが、厄介事をこちらに持ち込んでしまったという気持ちもあるようで、かなりの熱意で参加を訴えられてしまった。無碍にするのも悪いため、ミーティングには参加してもらい、万全になったら作戦にも出てもらう、という話で落ち着いた。

 

「資料はこれで…閣下の分と、私の分に…」

 

そのため、用意していた資料をコピーして、俺と秘書艦のロンドンは手持ちのタブレットで直接確認して…ということなのだが、どうも混乱しているようだ。

 

ロイヤルでは、書面での作業が多かったようで、タブレットやスクリーンを応用した作業は、ネルソンもロンドンも…ベルファストでさえも、少し苦手な傾向にある。

 

カッスルも始めは混乱していたが、最近では慣れたもので使いこなしている。慣れるまでは、少し気にかけてやるのがいいのかもしれない。

 

「……どこで止まっている?見せてみろ」

「っあ、閣下…」

 

少し慌てている様子のロンドンに近寄り、後ろから画面を確認。どうやら資料書式のコピーは出来たようだが、それの保存と秘書艦の端末への共有が上手くいっていないようだ。

 

「……困ったら、こっちのタブから機能を呼び出せば良い」

「な、なるほど…あ、ありました。後はこうして…」

 

指を滑らせながら、保存と共有のボタンを押し込むと、無事に完了。安堵の表情を浮かべるロンドン。

 

今のようにやり方を示せば、ある程度自力で出来るくらいにはなっている。彼女が完璧に覚えるのも、そう遠くはないだろう。

 

「ふぅ…便利ですけれど、慣れるまでが大変です…」

「……焦る必要はない。一歩ずつ、慣らしていければそれでいい」

 

そんな会話をしながら俺はヘルメットを被る。ロンドンは眼鏡を直しながら、俺の方にタブレットを差し出して苦笑する。

 

「そう言って頂けるとありがたいですけれど…やっぱり、他の方がいる前では外せませんか?」

 

やはりというか、戦場にいるわけでも無いのにヘルメットで顔を隠すのにも慣れていないようだ。まぁ真っ当な意見ではあるが、一応自艦隊所属でないKAN-SEN達に自身の顔は晒せない。

 

「……無理だな。癖というのと、外して潜入任務をする際の妨げになる可能性がある以上はこうだ」

 

そう言ってタブレットを受け取る。納得したのか、していないのか、微妙なところだが、あまり追求されても仕方ないものは仕方ない。

 

「むぅ…ちゃんと母港のみんなの前では外してくださいね?」

「……分かっている。カッスルにも、オイゲンにも散々言われている」

 

俺を揶揄うような言動のオイゲンも、普段はあまり一つの物事に頓着しないカッスルにも口を酸っぱくして言われている。

 

ミリシア時代、そしてその前のARESの時もそれほどに気にされた事はないため、中々に不思議な感覚だが…まぁ指揮官という彼女らにとってのトップが、臨戦態勢を取ったまま、というのが不安だというのは理解した。

 

この母港に属さない者がいる場所では無理だが、一応俺も気をつけて、執務室では外すようには心がけている。言われる時は最近正座をさせられる…重桜人ではないから、あの座り方は苦手なんだ。

 

「……行くぞ、待たせてしまっては悪い」

「はい、では参りましょう」

 

とはいえ、別に今すぐさせられるわけじゃない。要するに部外者のいないところで、顔を隠し武装しなければそれでいい。今重要なのは、今後の方針立てを全員で行うことだ。

 

ロンドンと廊下へ出て、ミーティングルームへ。これ以上は無駄話をしている時間は取れない、気持ちは早足で、並び立って部屋へと向かう。

 

 

 

 

「……資料はロンドンに配らせる、1人一部受け取ってくれ」

 

ミーティングルームに入れば、既に全員集まって各々席についていた。俺の言葉を聞いたロンドンが、手に持った資料を一部ずつみんなに配っていく。

 

チラリとその様子を確認しながら、俺は壇上へ上がり、手に持つタブレットを接続する。スクリーンに映して説明をする方が、分かりやすいし具体的な動きも理解が深まる。

 

「愛宕さん達も、こちらをご確認ください」

 

「あら、助かるわ〜」

 

愛宕達重桜艦隊の娘達も、うちの艦隊に混ざってしっかりと資料を受け取った。陣営間でのいざこざが発生していないようで安心した…ウチは陣営にこだわりなく、使える戦力を適切な場面で…というのをを目標にしている。

 

人種だ出身だで対応を分け、要らぬ対立を発生させるなど馬鹿らしいにも程がある、俺はそんなところがあるIMCが嫌でミリシアについた。そんな俺が指揮する以上、間違いは起こさせない。

 

そういった方針が実現出来ているというのが確認できてよかった、という風に思いながら、全員に資料が行き届いたのを確認。

 

「それでは、これから今後しばらくの出撃方針についてのミーティングを行います。閣下、お願いします」

「……あぁ、では今後しばらくの方針について話させてもらう」

 

ロンドンの促しを受け、タブレットを操作して海図を開き表示させる。しばらくの出撃は、三笠の捜索とセイレーン艦隊の殲滅を目的に行うものだ。

 

特に、近隣の貿易港や街に連中の被害が及ぶと面倒なため、一帯のセイレーンを殲滅することは急務。

 

かつ、重桜艦隊とはぐれた戦艦、三笠を捜索し、可能であればこの母港に保護して事情を聞きたい。

 

「……重桜艦隊の愛宕、高雄…そして駆逐艦二人から聞いた彼女らの放り出された場所がここだ」

 

海域の一部に丸を付け、次いで現在までに確認されているセイレーン量産艦隊の場所を示す。こう見てみると、やはり彼女らがフロンティアに放り出された場所を中心に、連中が蔓延っている。

 

「……セイレーンの艦隊も、ここの座標を中心にここらの海域に広がってやってきている…当面は、これらの艦隊の殲滅が目標の一つだ」

 

そこまで言って、一度言葉を区切る。ここまではいいが、今回はセイレーンに新しい艦種がいることが判明している。

 

「これからしばらく注意していただきたいのが、敵潜水艦による雷撃です。資料の次のページをご覧ください」

 

潜水艦…ヨナとココナが味方にいて、彼女達の支援攻撃の威力を身をもって知っているからこそ警戒しなくてはならない艦種。

 

「この後ですが、駆逐、及び軽巡の皆様の艤装を調整を行い対潜攻撃を出来るようにします」

 

よってこの脅威の排除も、しばらくの出撃では意識しなくてはならない。行く行くは爆雷の配置などもしたいが…今は出現している奴らとの戦闘が優先だ。

 

「……ソナーについては、俺のアビリティ。そしてしばらくはトーン級での出撃でサポートする、爆雷は明石が用意したものを駆逐艦の艤装に載せるつもりだ」

 

艤装のソナー検知数値の算出作業自体はさっき明石たちに手伝ってもらい、終わっている。後はそのソナーを検知できるよう、各員の艤装を調整すればことが済む。

 

「……一つ目の方針については以上だ。潜水艦との戦闘は初だ、無理せず慎重に行くつもりで当たってくれ」

 

問題はもう一つの目的…重桜の戦艦、三笠の捜索だ。現時点で居場所も、安否さえも分かっていない。 

 

手がかり一つ無いが、セイレーンどもが彷徨いているということは、もしかすると三笠を探しているのかも知れない。

 

「……同時に、もう一つ。重桜の戦艦、三笠の捜索をする…こちらはほとんど手がかりがない、セイレーンを相手にしながらそれを探ることになる」

 

セイレーンを殲滅しながら、重桜の戦艦を捜索するというのはなかなかに骨が折れることだが…重桜艦隊を救い、そしてかつて相棒の思考を変えたKAN-SEN。

 

KAN-SENのために戦う、という大元の目的と、そんな偉大な彼女に会ってみたいという俺個人としての目的。

 

「探すったって…海は移動中や戦利品回収の時に私達が並行するとして、島とか陸はどうするのよ?」

 

オイゲンが至極真っ当な問いかけをしてくる。彼女らは海の上を行くことに関しては自在だが、陸を探すとなると人並みくらいだろう。

 

「セイレーン殲滅の最中で、指揮官はトーン級タイタンで上陸する状況があるため、陸での捜索は指揮官が担当します」

 

その問いかけには、前もって陸は俺がそうすると話していたロンドンが答える。

 

「……もちろん、確保した海域の島を手分けして探す…ということは考えているが、基本は俺がやるつもりだ」

「ふぅん…ま、考えてるならいいわ。話の腰折って悪いわね」

 

こちらの言葉に、納得したのかしていないのかよく分からない表情を浮かべながら、彼女は椅子に深く座り直した。

 

とはいえ、実際のところは俺が一人でというのは厳しいところも無いわけではない。ブーストのマップハックを使えば、エリア一帯のソナーを短時間ではあるが使用可能だ。

 

だがブーストデバイスは一度使ったら、基本的に連発は出来ない。いささか手間だが、それでも彼女らが歩いて探すよりは俺がウォールラン込みのパルクールで、パルスブレードとトーンのパルスエコーで探す方が早い。

 

「……構わない、あくまで仮の決定だ。状況に応じてお前達にも頼むかもしれないということは覚えておいてくれ」

 

無論、余裕ができれば彼女達にも手伝ってもらうことは視野に入れている。というか、一人でやろうとするとカッスルとオイゲンが怒るからな…

 

なんにせよ、全部を全部俺がやるわけではない。むしろ、彼女らKAN-SENがいなければ出来ないことの方が多い。

 

「……大まかには以上だ。今日は周辺海域の哨戒航行のみ、資料最後のページのタイムテーブルに従って、この後各員艤装を調整してくれ」

 

タブレットを閉じ、立ち上がる。ミーティングはこれにて終了、これからは艤装の調整だ。

 

出撃は明日から…また忙しくなる。今日は全員にしっかり休んでもらい、明日からの戦闘に備えてもらわねば…




・オルタネーター
手羽先みたいな形したSMG。手羽先と呼ぶパイロットも一定数いる。10mm弾の2列並行銃身という、ロマンというか頭が悪いというか…なサブマシンガン。反動強めの連射力低め、代わりに一発ごとの威力が高いという仕様。正直タイタンフォール2最強武器の一つ

・マップハック
ブーストの一つ。発動すると、マップ全体に広がるソナーを発し、短時間ではあるが敵勢力の位置を味方全員に共有する。強いっちゃ強いが、効果時間が短く妨害系ブースト、レーダージャマーで妨害されてしまうため意外と使われても大丈夫だったりする
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