第31S部隊   作:セントレイズム

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何だこの作品はぁ...スコダァという感じで書き始めました。他のも書かないとなのになぁ...(遠い目


day0
day0 始まり


「_____っ! __________!」

 

誰かの声が聞こえる。

白い部屋中で、聞き覚えのある優しい声が叫んでいる。

 

「...ぁ」

 

声が出ない。あと少しなのに、喉まで来ているはずなのに、出てくる声は息が抜けているかのように音を発してくれない。

 

「____!? ___!」

 

声は叫ぶ。

なんて言っているかもわからないまま、自分に叫び続ける。

反応なんて出来やしない、声は出ないし身体も動かない。意識だって朦朧としているし視界だってぼやけてよく見えない。

 

(ごめん)

 

動かない身体で、ただ()は謝ることしかできない。

 

 

 

_______________

 

「___んぅ...?」

 

 窓の先から挨拶をしてくる太陽。

それを反射して眩しい木の床。そして多くの人々に見られながら話し続ける紫っぽい髪色をした女性。

 

(寝てたのか)

 

 少し、記憶がない。

なんで自分はこんな場所にいるのだろうか?

思い出そうとして考える。

 

(そう、あれは確か36万___いや違うな。間違いなく違う)

 

首を振って謎の思考を変える。

 

(確か昨日の晩御飯はカレーだったな)

 

「このように本基地は学校としての体政が整っています。

詳細は後ほどあなたたちの担当教官から説明があるので確認しておくように」

 

(え、なに? 教官? 基地?)

 

何のことか分からない。

壇上で話す女性の言葉に疑問符が量産される。

教官というのは、おそらく目の前の壇上で話している女性のことだろうと予想できる。

そして基地というのもこの今いる建物のことだろう...しかし、なぜ自分がこんな場所にいるのだろうかと思い出そうとして見れば、記憶の戸棚に鍵をかけられたかのように思い出すことが出来ない。

 

「ここって、なんかすごい才能を持った___」

「...?」

 

思考に耽っていれば壇上とは別の方向から声が聞こえた。

 

 周囲を見渡してみる。

 

声の主が気になって周囲を見てみることにした。

 

(うわっ、顔面偏差値高っ!)

 

上下左右前後どこを見ても美少女ばかりじゃないか。なんだここはたまげたなぁ。

 

(...いや、そこじゃないな)

 

少し目を凝らせば二人、声の主と思わしき人が話していたのが見えた。

 

(メガネの知的そうな少女とクール系だと思わしき少女...やっぱ顔面偏差値高いな)

 

普通の学校ならクラス関係なく注目の的になるであろう二人。

だが彼女らはどうやら何か話が盛り上がっているらしい。

【ギャイアグレイーイボドドドゥドオー】なんていう呪文みたいなものを発しているほどだ。間違いなく話に熱中してる。

 

『そこ、ぎゃーぎゃーうるさいぞ』

(あ、怒られた)

「ぎゃーぎゃーなんてひとことも言ってねぇよ」

(逆切れした!?)

 

注意した教官に興奮したのか、またあの呪文のようなものを言って反論しているクール系みたいな見た目だった少女。

 

(...曰く、魂の叫びらしい)

 

逆切れした少女に周りの人の視線が刺さる。だが少女はそんなこと気にせず熱い表情で立っている。

 

(メンタルオリハルコンか?)

 

自分だったら倒れそうだ、なんて思う。

そもそもそんな経験したことないから実際はどうなるかわからないが。

 

落ち着いたらしい、ボドドドゥー系少女は椅子に座る。

 

(そういえば説明、全然聞けてなかったな)

 

話し声の主を探すために周囲を見ていたため教官の話が全くと言っていいほど記憶にない。

自分のせいと言えば間違いなく自分のせいなのだが、なんか解せぬ。

 

しかしまだ話はある。

この入隊式の時間もまだ続くのだろうからその心配はいらないはずだ。

しっかり話を聞こうと思いながら気合を入れて集中して_____

 

 

 

 ___視界が赤くなった。

 

 決して血とかその手のものではない。

何処からともなく聞こえる警報音。それはまるで緊急事態だと言わんばかりに鳴り響いている。

 

「全員、防衛態勢へ移行してください」

 

自分より少し背の低い、幼いイメージを持たせる少女が指示を出している。

...おそらくその少女も上司にあたるのだろうが、これが噂の合法ロリ?

 

(いや今はそれどころじゃないな)

 

正直、いきなり防衛態勢とか言われてもピンとこないし現状の理解も全くできていない。

だが、それでも外へ出ることにした。

 

 

__________

 

 

 自分のほかにも入隊式に参加していた人は全員外に動いているのが分かった。

だから、そんな状況下で自分一人だけ動かないというわけにもいかず、流れに乗る様に気が付けばヘリの中にいて

 

「...泣きたい」

 

少し後ろ向きな言葉を吐く。

それくらいは許してほしい。だって今自分のいる場所___

 

「なんで前線にいるんだよぉぉぉーーーっ!!」

「おっ、元気になった」

「安心しなさい、ここは激戦区じゃないわ」

 

先ほどまで壇上で話してた教官が気休めにもならない言葉を言う。

 

「激戦区じゃないけど前線ですよね!?

ここ明らかに前線にいますよね自分たち!?」

「えぇ、でもあなたたちの役割はあくまでも後方支援。

集中して戦えば、命を落とすことはないわ」

「そんなの、何の気休めにも____って、あれはもしかして!?

 

横にいたメガネの...メガネの?

若干の嫌な予感をバリバリ感じさせながら、もう片方の人を見る。

 

「よっ」

「ボ、ボドドドゥー系少女だっ!」

 

驚いている自分にフレンドリーな感じで挨拶をしてくる少女。

片方隠れた赤い瞳、一見クール系に見えるその見た目は間違いなく先ほど教官に対して逆切れをしていた本人だ、間違いない。

 

(まさかさっきの罰で前線送りにされたのに巻き込まれたのか?)

 

嫌な考えがよぎる。

流石にそんなことはないと思いたいが否定できるほどの情報がないのが悲しいところ。

 

そんな、ものすっごく帰りたい本音を抑えて歩き出した。

 

 

 

 ...ボロボロになったビル、割れた窓ガラス。

久々に見る街並みは過去を思い出せる程度は原型を残しているが、それでも実際に見ると言葉には表せない感情が湧いてくる。

 

「あれがあなたたちの敵、キャンサーよ」

 

走りだしたメガネの少女に追いつけばソレはいた。

黒い、多脚の異形。

この街並みを作った原因。

虫を連想させるフォルムをしたソレが意味もなく徘徊していた。

 

「...データでしか見たことなかったけど、目の当たりにするとでけーな」

 

いや、意味がないというのは間違いかもしれない。

あの巨体、人の三倍以上だろうか? 間違いなく歩いているだけでも普通の人は近づかないだろう。存在するだけ価値があるってやつだ。

 

「あんなのに対して何で戦えって言うのさ」

「確かに」

 

自分の言いたかったことだけにボドドドゥー系少女の言葉に同意の声が出てしまった。

 

「こちらへ来なさい。立ち向かう術を教えるわ」

 

気が付けばメガネの少女と共に岩陰にいた教官がこちらに手招きをしていた。

 

「立ち向かう術...?」

 

キャンサーと呼ばれるあの巨体と戦う方法などあるのだろうか。

そんなことを考えつつ、教官のいる場所まで音をたてないように歩く。

 

「あなたたち、電子軍人手帳は持っているわよね」

「でんし...え、なに?」

「いやそれくらいは聞き取れよ」

 

「聞き取れなかったのではなくその存在を知らなかっただけです」

と胸を張って言えば、またメガネの少女はこちらにツッコミを入れる。

 

「これだよ、この青い板のこと。腰につけてるだろ?」

「「あ、ほんとだ」」

「お前もかよ!」

 

大丈夫なのだろうか?

そんな視線を教官から感じながら、その【電子軍人手帳】を手に取る。

 

「あなたたちはセラフと呼ばれる武器を扱えるようにすでにこちらで手配済みなの」

 

(セラフ?)

 

口に出して聞きたいが、そんな時間もないので口は開けない。

...だがあの巨大なキャンサーと戦える武器、と言われるとなかなか想像できないもので少し不安になるのも事実。

 

「あとは電子軍人手帳を天にかざし、セラフィムコードを口にすればいいだけ」

 

そうすればセラフと呼ばれる武器が所有者の下に舞い降りる、らしい。

武器召喚とはなかなかロマンあふれるものなのは分かるが...実戦で急に出せと言われてもタイムラグが生じるのではなかろうか。

 

「いきなり中二病ワードが飛び出してきたな...」

「___【約束はここに、私はここに】」

「はえーよっ!」

 

 ただ、脳裏に浮かんだ言葉を発する。

自分からすれば意味のない言葉だったソレを、遠い過去の何処かに置いてきてしまった記憶を掘り起こすために大切になってしまった言葉の筈だったソレを。

 

 空に、穴が開いた。

ブラックホールのような穴。

突然開いた非現実的な状況の中で、その中から武器が舞い降りる。

 

「それがあなたたちの武器...最終決戦兵器セラフよ」

「これが?」

 

高圧的な返しをしてしまうが仕方ないことだと思う。

手に握られた、小さなダガーは少なくとも最終決戦兵器という大それた名前を使えるほど強そうには見えない。

誰だってこの、きれいな装飾が付いただけの武器であの巨大なキャンサーに対応できる武器だと説明されて納得できないだろう。 間違いなく自分は納得できないし、これに命を懸けようとも思えない。

 

「__【Hello world】」

「___【あたしの伝説はこれから始まる】」

 

自分に続くように二人もセラフを召喚するした。

メガネ少女の方は楽器のようなイメージを持たせる大砲、ボドドドゥー系少女は二刀の剣。

 

「...すっごく不平等な感じだ」

 

それと比べて自分の武器はこの小さなダガー二本。比べるのもおこがましいほどに差がありすぎる。

 

 武器はどういう選ばれ方をするのか。

選んだ人に小一時間問い詰めたい気分になるが、やはり今はそういう状況でもないので後にする。

 

「行くぞっ!」

「おう!」

 

それでもボドドドゥー系少女の声は、自分の不安に思う心を後押ししてくれた。

 

「...行きます」

 

自分より先に出た二人を追いかけるために、巨大なキャンサーに向けて走り出した。

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