「おい、そこの馬の尻尾。」
すれ違う瞬間に掛けられた声を無視した。
自分の全身を白銀が覆っている。
「暴れ馬、てめぇだ。返事くらいしろ。」
無視して離れようとしたら、腕を掴まれた。
「俺を無視するなんざ、100年早ぇえよ。」
全身を黒い鎧が覆い、顔を黒い兜が覆っていた。
血なまぐさい眼が不気味に光る。
「なによ、金平糖。」
血なまぐさいを通り越して殺気を帯びた。
「いい度胸してんじゃねぇか。あぁ?」
変な夢。金平糖?確かにそうかも。
「鈍いクセに生意気な口ききやがる。」
散々フィレスや兄に言われた事を、今!何故!!言われなければならないのよ!!!
・・・少なくても戦場では鈍くはない。
「金平糖に言われる筋合いはないわ。」
腕を払いながら斬鉄姫は言う。
「てめぇは鈍いから鈍鉄姫だな。お似合いだ。」
全身真っ黒の男は馬鹿にした口調で言う。
何度も言わなくてもいいでしょ!
「棘棘しいわね。金平糖を通り越してウニだわ。」
「言いやがったな、鈍鉄姫。容赦しねぇぞ。」
ぽんっ 何の音?あら、ウニが一つ宙に浮いてる。
「え???」
「てめぇ、いい加減にしろよ。」
ウニがしゃべるの??っ痛!
痛い!痛いわよ!
「痛い!!!」涙が出るじゃないのよ!
「無様だなぁ、鈍鉄姫。」
ウニは白い鼻先をちくちく突付きながら傲慢に言い放つ。
・・・ウニに無様といわれる筋合いは無いわ!
うごうごするウニを睨みつける。
「俺がウニなら、てめぇはザルだぜ。ザル鉄姫。」
どすん え??鉄のザル??
ぽんっ ・・・ウニって、分裂したかしら・・・
どどどどど 雪崩のようにウニはザルに落ちる。
「痛い!痛いわよ!!」
「ザル鉄姫のくせに、生意気に痛覚はあんのかよ。」
早くこの場から逃れないと。でも、身体が重い。
「容赦しねぇと言ったぜ?俺は。」
ウニはザルでうごうごしている。
すごく痛いのよ!ウニなんかじゃない、この・・・
「サドニス!!」
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「・・・ここ・・・どこ・・?」
夢・・・何の夢・・・だった・・?
起きな・・きゃ・・・護・・衛・・・
声・・した・・・
黒い・・ボサボサの・・頭・・・誰・・?
「寝とけ。」
あぁ・・・眠っていい・・の・・・ね
もう・・少・・し・・・眠り・・たかっ・・・・私・・・・
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文字数が足りないよと言われたので、「千紫万紅」の裏話をすこし。
当初の予定では、「焦茶」でアドニスはあれこれを自覚する予定でした。
でも話を書いていてアドニスに全然そんな素振がなく、「あれ?」と思ったのをよく覚えています。
当時は物語ってものを書くのも千紫万紅が二作目という。しかも書いた端から投稿という初心者マーク。
ずっと自覚しなかったらどうなるんだろうとは思ったものの、深く考えずに「ま、いっか。いつか気づくだろう」のノリでそのまま書き進めました。
アドニスが自覚しなかったらどうなっていたんだろうか。
しかも同時進行でアーリィとアリューゼの話も書いていたよ、この初心者マークは。
滾るって恐ろしい(笑)
「赤錆色」を書きながらアドニスが自覚したと判明し「ここでかよ!」とツッコんだのはいい思い出です。