友人からのお題   作:紅霧竜

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テーマを聞いてなんとなくで作りましたので読んでいただけたら幸いです


輝く世界

私はあなたを忘れはしない

私はあの時を忘れはしない

 

あれはまだ幼いあなたが庭で遊んでいたとき、初めて出会いました

 

「はじめまして、本日よりあなたの世話役になりました」

「ふーん…用事はそれだけ?なら早くどこかへいってちょうだい」

「かしこまりました…ですが目の届く場所にはいます」

 

その後はこちらを見ずに遊んでいましたね…

 

次の日もまた次の日も同じように遊び

白銀の世界がなくなると私に無茶を言われました

 

「もう一度あの状態にしてよ!!」

「いくら私でもそのようなことはできません…しかし代わりなら用意できます」

 

そうして見せた物を大層気に入っていただけましたなぁ

それもすぐに忘れるほどの色とりどりの世界を見たあなたは、今度はそれに夢中になりましたね

 

「ねえ!これはなんていうの?」

「申し訳ありません、今答えが出せるほどの知識を持ち合わせておらず…」

「ふーんあなたでも知らない事があるのね」

「私もあなたも知らないことはたくさんありますが、それは興味を持たなければ知らないままです」

「なるほどね…今度本を見てみようかしら?」

「あまり熱中して怪我をなさいませぬようにお気をつけ…」

「そんな子供みたいなことしないわよ」

 

あなたはそういった次の日に怪我をなさいました

しかしそれもまた楽しんでおられました

 

時は進み暑くなると

 

「そろそろ学校の時期ね…めんどくさいわ…」

「あなた様なら不自由無く過ごせますよ…一つだけ申し上げるならば、我が家系の威光はかざさぬように」

「名前を変えておこうかしら?せめてわからないように」

「それも良いかもしれません」

 

まさかトンボ帰りしてくるとは思いませんでしたよ

 

「ただいま!退学届け出してきたわ!!」

「…?今なんと??」

「退学届けを出してきたわ!!」

「なぜ?そのようなことを…」

「だって面白くないんですもの…どれをとっても習った事ばかりだし教師も教師でクズばかり…あなたに教えてもらった方がとても有意義だわ」

 

その後は大変でしたよ?旦那様に呼び出され、従者達に心配をかけ、それ以上に私の身の回りを整えさせられて、ここに居を構えたんですから

 

それから葉も色づいた頃

あなたはまたはしゃぎ始めましたね

 

「この景色を見ているともうすぐって思えるのよね」

「それは銀世界ですか?」

「そう!あの中にいると私を私だと感じられるのよ?」

「それはなぜでしょうか?私はあなた様に使えている時からあなた様も他と変わらないと思いますが…」

「皆はね?私が怖いの…だから私に近づこうとしないし、皆私を闇に葬ろうとしていたの…だからあの白い世界にいると私が色付くの!白い世界に私という不純物があるからこそ私はここにいるんだって思うの!!」

 

あれほど暗い笑顔を見たのは後にも先にもあの時だけでしたね

 

「あなた様はお忘れですか?今は私がおります、例え世界中があなたを『居ない』と言おうと少なくとも私はあなた様を見つけ支えます」

「え?…こんな私でいいの?出来損ないのわたしで…」

「出来損ない等とは他人が見た評価に過ぎません、あなた様は自分をよく見つめてその過ごし方を見極めているだけです、それを誰が咎めましょう」

 

この後あなたは無意識に泣いていました

たしなめるのに時間こそかかりましたが、次の日に笑顔で遊ぶ姿はほっとしました

 

それからお互い歳を取りました

あなた様は老いぼれの私を連れていろいろなところへ連れてくださいました

ふと気になった質問を投げ掛けたときあなたは

 

「今は一人がいいの!誰にも縛られたくないし~あなたが動けるうちに思い出を作りたいの!!」

「あなた様がそれで良ければ従いましょう、こうして見られるのもいつまでかはわかりませんから」

 

まさかこの数年後に私が去るとは思いませんでしたよ?

そのまま家系を離れ独り身で商売を立ち上げ、成功させ、年老いていきましたね…

 

ベッドに横になるあなたは外を見て

 

「あの頃が懐かしいねぇ…この銀世界で私という存在を有名な家系の娘…ではなくたった一人の少女として見てくれたあの付き人が…」

 

彼女はそう言い残しその生涯を終えましたが…これは幻でしょうか?

 

 

「やっと見つけたわよ!?ほらいくわよ!今度は今まで見たこと無い場所を探検するわよ!!」

「そんなにはしゃがれましても動けませんよ?落ち着いていきましょう」

 

私と彼女はまた銀世界で…今度は何にも縛られず世界に舞い降りましょう

 

何者にも簡単に染められる、小さな白い姿を持って

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