吉川詩音は、名門の男子校、城南学園高等部の二年生。
「はぁ…つ、疲れたな…」
「よぉ!詩音!彼女と上手くいっているか?」
と、クラスメイトが話しかけてきた。
「それなりに…かな?」
「またまた~お前とその彼女は、
昔っからの優等生カップルだから、
お似合いだけどな~」
「俺もお前とその彼女が羨ましいぜ~」
「アハハ…」
そんな僕には、朝比奈まふゆという恋人がいた。
ある日、学校の友達と会話をしていた。
「なぁ、この子が、詩音の恋人?」
「うん、そうだよ」
「へぇ~羨ましいな…恋人がいるって」
「う、うん…」
「それじゃあ、カワイイ恋人と遊んで来い!」
「あ、ありがとう…」
僕は待っている、まふゆに話しかけた。
「まふゆちゃん!」
「詩音くん!」
「今日も、学習塾に行くの?」
「うん、勉強のためにね」
「ふーん、熱心だね」
「詩音くんは、勉強しないの?」
「自宅で、ちゃんとやっているよ」
「詩音くんの方こそ、勉強熱心じゃないの?」
「うーん、どうだろ?
自分でも、あんまり、そう思わないな…」
「じゃあ、私 こっちから、行くから、
じゃあね、詩音くん」
「うん、またね、まふゆちゃん」
二人が恋人であることは、
周囲に秘密にしている、
優等生同士の恋は、非常に複雑で、繊細である。
僕と、まふゆが、出会ったのは、
幼稚園の時だった、
同じ小学校だったが、
中学の時から、違う学校に通い始めていたが、
それでも、時々出会ってからは、
高校一年生の時に、付き合うようになったのだ。
そんな、日曜日の事だった。
僕とまふゆは、公園のベンチに座っていた。
「このクッキー美味しいね、
自分で作ったの?」
「うん、そうだよ、美味しい?」
「うん、美味しいよ!」
「詩音くんのためにクッキー焼いたけど、
詩音くん、私の作る、クッキー好きだもんね」
「そうだね」
詩音はアクアリウムに気づく。
「アクアリウム…キレイ…」
「何も入っていないけどね。
、水と砂と草を入れただけで、
満足しているから」
「まぁ、インテリア的には、ありだね」
「フフ…ありがとう、詩音くん」
「あっ、そろそろ、時間だ!」
「もう、行くの?」
「友達と会う約束しているんだ」
「もしかして…私以外に、好きな人が出来たとか?」
「そんな訳ないだろ!
僕は、まふゆちゃんが好きだ!」
「ウフフ…ありがとう、詩音くん」
この時、朝比奈まふゆは、どこかで暗い影を落としていた。
吉川詩音はそれを感じていた。
何とかしないといけない。吉川詩音はその気持ちでいっぱいだった。