愛する恋人を救うには   作:アッシュクフォルダー

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第十話 カーネーション

まふゆの体調が戻り、少し経った時の話だった。

 

雨が降っている中、歩いていたら、

偶然、奏が通りかかった。

 

「奏ちゃん?」

 

「詩音くん」

 

「僕が傘を貸そうか?」

 

「いいの?」

 

「うん、もちろん」

 

詩音は奏に傘をあげた。

 

「ごめんね…傘を家に忘れちゃって…

早く曲を作らなくちゃ」

 

「うん」

 

「このままじゃ、まふゆに響かない。

もっと、作らないと」

 

「まふゆちゃん…少しずつだけど、

前を向いている気がする」

 

「わたしも、そう思う。

ごめん、もう帰らなくちゃ」

 

「ちょっと、待って!

カフェで、ゆっくりしたらどうかな?

リフレッシュしたら、曲作りがはかどると、

思うけど…?」

 

「それは、そうかもしれないけど…わかった」

 

詩音と奏は、カフェへやって来た。

 

詩音は奏のために、チョコレートパフェを、

詩音は自分のために、カプチーノを注文した。

 

「どうかな?」

 

「温まるね。

傘を忘れて出かけたから、大変だった。

でも、ありがとう、詩音くん」

 

「どういたしまして。

他のメニューはどう?無理やり連れてきちゃったから、

何かおごるよ?」

 

「大丈夫、そんなにおなかが減っていないから」

 

「わかった、食べたくなったら、いつでも言ってね」

 

「わかった…あっ、

この前の曲、聴いてもらったと思うけど、

まふゆに全然、響かなかった。

だから、新しいのを完成させたけど、

響かない気がして…」

 

「響かないって…そんなのわからないよ!

一回、聴いてもらったらどうかな?」

 

「ううん、自分でも、これじゃ、ダメなの。

迷路から抜け出せれない、そんな感じ」

 

「なんとなく、わかりそう…」

 

「このままじゃ、いつまで経っても…」

 

奏は、だいぶ困っていた。

 

「うーん、じゃあ、どこかに遊びに行かない?

家に閉じこもるよりも、外で行動していた方が、

いいと思う、ヒントがあるかもしれない!」

 

「そっか、わかった」

 

「じゃあ、ここにする?」

 

 

やって来たのは、ドールショップだった。

 

「ドールショップ?」

 

「まふゆちゃん、人形に反応していたから、

ヒントがあるかもしれない」

 

「なるほど…」

 

すると、オルゴールの音がした。

 

「オルゴールの音?キレイな音色」

 

「うん、本当だね、いい音」

 

「そういえば、奏ちゃんは、

オルゴールっぽい音、入れているね。

この前の曲も、奏ちゃんらしい、そう感じた」

 

「オルゴールの音は、好き。

わたし、お父さん作った、オルゴールの音を、

よく聴いていたから、その影響かもしれない」

 

「素敵な曲だね、どんな曲?」

 

「とても、優しくて、聴いているだけど…」

 

「奏ちゃん?」

 

(もしかして、答えたくないことを、

聞いちゃったのかな…?なんてことをしたんだ…)

 

「…」

 

「あっ、えっと…ごめんね…」

 

「ううん、大丈夫…」

 

ドールショップから出て、

しばらく、歩いていたら、フラワーショップを見つけた。

 

「あ、カーネーション」

 

「奏ちゃん、カーネーションが好きなの?」

 

「お母さんが、好きな花だから、

白いカーネーション」

 

「赤のイメージが強いけど、

白もキレイで美しい」

 

「そうだね、お母さんのお墓参りに行くとき、

白いカーネーションを持っていくんだ」

 

「そうなんだ、花がいい、癒されるから」

 

「うん、花畑に行きたい」

 

「花畑…確か、ここら辺にあったな…」

 

「うん、小さいときに、お父さんと一緒に行った覚えがある、

だから、行きたい」

 

「うん、僕も行きくなった」

 

こうして、二人は花畑を探すのだった。

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