愛する恋人を救うには   作:アッシュクフォルダー

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第十四話 偏見と押し付け

ホテル内のレストラン。

奏と詩音は、まふゆの母と会話をしていた。

 

「そうですね…受験は、全員じゃないですけど…」

 

「それに、わたしは、その…受験勉強していないので…」

 

「あら、そうなのね。

それなら、宵崎さんは、大学受験をする気はないのかしら?」

 

「今は、まだ、考えていません。

わたしは、受験や勉強より、音楽が大事なので…」

 

「そう。自分のやりたいことがあるなんて、素敵ね」

 

(思ったより、好意的に受け止めている)

 

(まふゆちゃんの母は、猫かぶりしている)

 

(うん…わかった、背中が冷たい。そう感じる)

 

「でも、この前、メッセージで伝えたけど、

まふゆには、夢があるのよ。

医者になる、素敵な夢が」

 

「それは違う!」

 

と、詩音は、反論した。

 

「どうしてなのかしら?」

 

「まふゆちゃんの夢は、看護師です」

 

「…はい、まふゆも、言っていました…」

 

奏と詩音は、まふゆのことを、思い返した。

 

(この人は、まふゆちゃんのことを、

何も考えていない)

 

(うん、見ただけでわかる)

 

「そうね、今日は、まふゆの夢の為に、

もう一度、お願いしたいことがあるの。

あの子の為にも、せめて、受験までには、

距離を置いて欲しいの」

 

「勉強は、非常に大事なことだ。

だが、今の、まふゆちゃんは、

音楽が必要だと思います」

 

「わたしも、まふゆには、

音楽が必要だと思います」

 

「えぇ、勉強には、息抜きが必要ね」

 

「それも、そうですけど…

そうじゃなくて…私は、まふゆから、

音楽をやりたいって、言っていたのを、

聞いていたんです」

 

「だから、僕からも、お願いです。

勉強の合間でもいいので、音楽をやる事を、

許してあげてほしいんです」

 

「それが、きっと、今の、まふゆちゃんにとって」

 

「えぇ、もちろんよ」

 

「?」

 

「私も、さっき言ったでしょ?

息抜きも大事だって。それに、受験が終わる間だけで、

ずっと、音楽を禁止にするつもりはないわ」

 

「そう…ですか…」

 

「でもね、音楽サークルは、辞めて欲しいと思うの。

詩音くんからも、言ってくれないかな?」

 

「えっ?」

 

「それは…

 

「私は、あんまり、音楽サークルに詳しくないけど、

締め切りとか、あるんでしょう?

歌詞を作るのも、時間がかかるし、

自分のペースで楽しむならいいけど、

活動を気にして、勉強に集中できなかったら、

って、こともあるから。

特に、まふゆは、優しいから、

それを言えなかったのかもね」

 

「それは、ダメだ」

 

「それじゃ、ダメなんです」

 

と、二人は、否定した。

 

しかし、まふゆの母親が手ごわい相手であることは、

詩音は、昔からわかっていた。

 

だからこそ、奏には、負けないで欲しいと、

思い、祈り、願っていた。

 

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