愛する恋人を救うには   作:アッシュクフォルダー

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第十五話 本当にやりたいこと

吉川詩音は思わず激昂していた。

 

「今まで、まふゆちゃんの母親として、見てきたが、

娘を思う気持ちが、一切、伝わってこない」

 

(詩音くん…なんか、言い過ぎだと思うけど…

でも、わからなくもない…!)

 

「わたしたちと曲を作る事が、

まふゆにとって、必要だと思うから…!」

 

「あら、二人とも、どうして、そこまで、必要なのかしら?」

 

「まふゆちゃんを救うためです」

 

「えっ?」

 

「僕には、感じるんです。

ずっと、一緒にいたからこそ、わかるんです。

まふゆちゃんには、音楽が必要だと、

彼女のやりたいことが、ここにあるって、

僕は思うんです」

 

「でも、この際だから、言っておくね。

音楽もサークル活動も、

あの子の人生に必要ないと思うのよ」

 

「…!」

 

「だから、二人とも、

あの子のことを、思うなら、サークルを辞めるように、

勧めて貰えるかしら?

二人の口から、聞いたら、

きっと、あの子も、納得いくはずよ」

 

「少し待ってください」

 

「何かしら?」

 

「まふゆは、以前、私と詩音くんの前で、

消えたいって、言っていたんです」

 

「まふゆが…消えたい…?」

 

「はい、それに、自分が何をやりたいのか、

わからない、状態なんです」

 

「みんなと曲を作りたいと、そう言っていた」

 

「そんな、まふゆが、わたし達と、

音楽活動がやりたいと、言ってくれたんです」

 

「だから、サークル活動を、許してやってください。

僕からも、お願いです」

 

「…」

 

「お願いします!今の、まふゆから、

音楽をとったら、まふゆは…!」

 

「あの子…そんな風に思っていたの」

 

「そうなんです、だから!」

 

「そうだったのね、きっと、まふゆは、

いい子だから、まふゆからも、聞いてみるわ」

 

「本当に…本当に、そう思うなら、

今の、まふゆの、本当の気持ち、

本当に、やりたいことを、聞いてあげてください」

 

「そうすれば、きっと、サークル活動が、

必要だなんて、わかってもらえると思います」

 

「それに、どうして、まふゆが苦しんでいるのかを…」

 

「そうね、本当にありがとう。二人とも、

ちゃんと、まふゆの気持ちも、聞かないとダメよね。

ちゃんと話し合って…

サークル活動や音楽をするよりも、

看護師を目指すよりも、医者になる方が良いって、

改めて、わかってもらえないと」

 

「すみません、それは、違うと思います」

 

「何が違うの?」

 

「あなたは、まふゆのことを、何も考えていません。

まふゆの気持ちを、抑え込んでいるように、

見えたから」

 

「あら…心外ね。どうして、そう思われるのかしら?」

 

「…」

 

すると、詩音が、激昂する。

 

「お前は、母親失格だ。考え込んでいるだけだ!

まふゆちゃんの気持ち、何も考えていない、

まふゆちゃんのこと、何もわかっていない。

お前は、ただの毒親だ!」

 

「詩音くん!?」

 

「僕は、アンタを許さない。

僕からも、一つ言っておく、

お前の思い通りには、させない!」

 

「…わたしは、あなたに、どう言われようと、

まふゆの傍から、一切離れません」

 

「そう、詩音くんもだけど、残念ね」

 

まふゆの母に、怒った詩音は、

奏を連れて、その場を後にした。

 

 

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