愛する恋人を救うには   作:アッシュクフォルダー

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第十七話 まふゆの家出

まふゆが家出して、数日後。

 

「お父さんは、心配しているよ」

 

「まだ、帰りたくない…」

 

「…そうか、わかったよ」

 

まふゆの父が、宵崎家にやって来ていた。

 

「…ごめんなさい」

 

「体調や具合に、変わりは無いか?

必要な物があったら、持ってくるよ」

 

「…大丈夫。間に合っているから…

ありがとう」

 

「わかった。宵崎さん。

まふゆをよろしくお願いします」

 

「はい」

 

「まふゆ、また日曜日に来るからね」

 

と、まふゆの父は、宵崎家から、出ていった。

 

その後。

 

「はい。まふゆ、お茶を淹れたよ」

 

「ありがとう…いい香り」

 

「よかった」

 

「えっと…ロイヤルミルクティーと、

レモンティー、望月さんが、持って来てくれたんだ」

 

「そうなんだ。少し、落ち着いた。ごめん」

 

「ううん、大丈夫だよ。気にしないで」

 

「ありがとう。それじゃあ、部屋に戻るね」

 

「わかった」

 

「うん」

 

「わたしは、外に出るから、すぐに帰って来るから」

 

「いってらっしゃい」

 

まふゆは、部屋に戻り、寝ていた。

 

(足がもつれて…!)

 

母の顔が、急に脳裏に浮かんだ。

 

(…!進めない…!)

 

まふゆは、眠りにつこうとしたが、魘されていた。

 

(お父さん、来てくれたけど…何もなかった。

お父さんに心配かけている。ずっと…

私のせいで…きっと…私が奏の家にいる限り、

勉強しないと…!帰りたくない。

胸が冷たい…苦しい…!詩音くんに電話しようかな…?)

 

まふゆは、詩音に電話した。

 

(家出しちゃった…奏の家に)

 

(奏ちゃんの家に?)

 

(うん…)

 

(わかった。まふゆちゃん。僕も力になるよ)

 

(わかった。ありがとう。詩音くん…)

 

まふゆは、電話を切った。

 

(ミクなら、何て言うんだろう…)

 

(まふゆ)

 

(ミク…?)

 

ニーゴミクが、ホログラムとして、現れた。

 

「ミク…奏の曲に合わせて歌ってる」

 

(うん…)

 

「私、奏の家にいる。家出…しているの…」

 

(そう…これ)

 

「これは…絵本…?」

 

(何故か、出てきた…)

 

「どうして…?苦しい…怖い…お母さんが…」

 

(まふゆ…また、来て)

 

「うん」

 

(この場所には、きっと意味がある。

そんな気がするから…)

 

「うん」

 

まふゆは、再び、眠りについていた。

 

お母さんを思い出すたびに、苦しくて怖い思いをしていた。

 

(何も考えたくない…今は…眠りたい…)

 

と、まふゆはベッドで寝ていた。

 

しかし、妙な夢ばかり見ていた。

お母さんに襲われ、虐げられ、圧をかけられる、非情な悪夢。

 

(助けてよ、支えてよ、救ってよ…お願い…

詩音くん、奏…それに…ミク)

 

と、まふゆは悪夢にうなされるのだった。

 

 

 

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