愛する恋人を救うには   作:アッシュクフォルダー

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第十八話 まふゆと奏

宵崎家のキッチンにて。

 

ある日、まふゆの父が、宵崎奏の家に、やって来た。

 

「どうぞ、お茶です」

 

「あぁ、どうも。

いつも、お気遣い、ありがとうございます」

 

「…」

 

まふゆは、暗い表情をしていた。

 

「それで、最近はどう?

体調を崩していないか?」

 

と、まふゆの父は娘を心配していた。

 

「大丈夫だから…」

 

「そうか、よかった。

あぁ、そうだ。宵崎さんとまふゆの為に、

ショートケーキを買ってきたから、

食べないか?」

 

と、まふゆの父は、ショートケーキを入れた袋を、

机に置いた。

 

「ありがとう」

 

「まふゆ、思っていることがあったら、言って欲しい」

 

「え?」

 

「もちろん、無理にとは言わない。

だが、お父さんが、宵崎さんの家に行くのは、

まふゆの気持ちが知りたいからだ。

だから、何でも言って欲しい」

 

「本当は…」

 

「うん、なんだ?」

 

「ケーキ、食べたくないの」

 

「そうだったのか…すまない、勘違いしていた。

じゃあ、好きな食べ物は?

買ってきてあげるよ?」

 

「わからない」

 

「え?」

 

「前から、あんまり、味覚が無いんだ…

何を食べても、同じ味だと思うんだ」

 

「あ、味が…!?」

 

と、まふゆの父は困惑する。

 

「そうだったのか、いつからか?

もし、良かったら、教えて欲しい」

 

「それは…生まれた時から、ずっと」

 

「えっ?」

 

「まふゆ…」

 

「物心がついた時から、全然、味覚が無くて」

 

「そうだったのか…わかった。

今日は時間だから、お父さん、帰るね」

 

「うん」

 

「それでは、宵崎さん、まふゆをお願いします」

 

と、まふゆの父は帰っていった。

 

「まふゆ、大丈夫?」

 

「大丈夫。でも、少し疲れたから」

 

「わかった」

 

「うん」

 

まふゆが、部屋を出た後、奏は考え込んでいた。

 

「詩音くんなら、何を考えているんだろう…?」

 

と、奏が詩音のメールに、連絡した。

 

(詩音君、突然だけど、今後、どうしたいの?)

 

(そうだな…僕は、まふゆちゃんと、

奏ちゃんの支えになりたい)

 

(そうなんだね)

 

(何かあったの?良かったら、聞きたい)

 

(ううん、何でもない)

 

(そうなんだ…でも、無理はしないでね?)

 

チャットを終えて、奏は考え込む。

 

「わたしとまふゆを支えたいか…

うん、助けてくれる人もいるんだね」

 

と、奏は感じていた。

 

宵崎奏は、やっぱり、吉川詩音に会いに行く事になった。

 

「まふゆちゃんに会いに行けれないことが多くて、

ここ数日は、テストに追われていて…」

 

「詩音くん。また、日曜日に、まふゆに会いに行って欲しい。

きっと、まふゆが喜ぶから」

 

「わかった。ありがとう。奏ちゃん」

 

吉川詩音はテストに追われていたが、

どうにか、朝比奈まふゆに会うように、努力をした。

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