それから、数日が経って、
詩音は、まふゆと出会うことになった。
「まふゆちゃん」
「詩音くん!」
「どうかしたの? 元気がないみたいだけど?」
「ううん、大丈夫だよ、
そういう、詩音くんは、どうなの?
大学受験、進んでいるの?」
「うん、進んでいるよ、数学以外は」
「詩音くん、数学だけは、苦手だもんね」
「数学だけ、唯一B判定取る事が多くてね…」
「ふふっ、頑張ってね」
「まふゆちゃんは、どう?
こっちも、大学受験、進んでいる?」
「うん、特に、これと言って
変わっているところは、ないよ?」
「そっか…まぁ、まふゆちゃんは、
イイコだから、問題ないか…」
「イイコなんかじゃないよ…」
「あっ…ごめん…」
「ううん、気にしないで」
「う、うん…」
と、吉川詩音は思わず言ってしまった一言に、
言葉の重さを感じていた。
「じゃあ、詩音くん、私
塾に行かないといけないから、じゃあね」
「わかった、じゃあね」
詩音は、まふゆと別れた。
(まふゆちゃん…どうしよう…彼女が昔から、
こうなのは知っていたが…
なかなか、現状が打破できない…どうすれば…)
と、詩音が思い悩んでいた。
後日、ある日の25時の事だった。
吉川詩音には、気になっていた事があった。
それは、謎の音楽サークルの事だった。
詩音自体、それほど、音楽を聴く訳では無いのだが、
どういう訳は、気になっていたのだった。
パソコンをしばらく見ていた、詩音。
パソコンが、急に白くて眩い光を放ち、
詩音の目を眩ませた。
そして、気絶して、気が付いたら、
見知らぬ場所へと、辿り着いた…
「こ、ここは…」
「いらっしゃい…」
「こ、ここは?キミは一体誰だ?」
「ここは、誰もいないセカイ、
そして、私は…ミク…」
「ミク…?ミクって、初音ミクちゃんの事?」
「うん…」
「!!??」
「まふゆちゃん!どうして、ここに!?」
「詩音くん、いたんだね」
「それにしても、ここは、どこなんだろう?」
「ここは、誰もいないセカイ」
「う、うん、そうだけど…」
慣れない雰囲気に、詩音は、戸惑っていた。
「まふゆの想いが、詩音を呼び出した」
「えっ?」
「まふゆにとって、詩音は、大切な人…」
と、ニーゴミクは、詩音に語りかけた。
「う、うん…」
すると、見知らぬ女の子が、
吉川詩音に近づいてきた。
「君が、吉川詩音くん?」
「そ、そうだけど…?君は?」
「私は宵崎奏、よろしく…」
「よろしくね、奏ちゃん」
「うん、よろしく…」
「あっ、聞きたい事がる、
どうして、僕が、その…誰もいないセカイに?」
「まふゆが、詩音くんを、必要としているからかな?
少ししか聞いたことがないけど、
詩音くんは、まふゆの恋人なんだね」
「うん…君は、まふゆちゃんの友達なんだね」
「うん」
「えっと…まふゆちゃんのこと、よろしくね」
ここは、誰もいないセカイ、
突如、謎の場所へとやって来た、彼にとっては、
戸惑うこと以外、何も出来なかった。