吉川詩音は、朝比奈まふゆの父親に出会っていた。
「急に呼び出して、本当にごめんなさい。
許して欲しい」
「いえいえ、僕は大丈夫です」
「まふゆが、宵崎さんのところで生活して、
一か月程経つけど、詩音さんの方も、
助けてくれるから、私としては助かっています」
「あ、ありがとうございます…」
「どうか、まふゆを助けてください。
多くの人の協力が必要です」
「わかりました」
「まふゆに、嫌なことがって、医者になりたくない。
看護師になりたいという気持ちを踏みにじられた事を知らずに、
本当に申し訳ないと思っている。
私も、まふゆとずっといて、一切気づかずにいた、
私の落ち度も問題の一つです」
と、まふゆの父は娘の本当の気持ちに気が付かず、後悔をしていた。
「そんなことは無いです。
お父さんも、娘さんの気持ちを改めて理解してくれたら、
僕としても、まふゆちゃんとしても、嬉しいと思います」
「ありがとうございます」
後日。詩音は瑞希に出会った。
「まふゆ。奏とちゃんとしているかな?」
「うん。奏ちゃんなら、大丈夫だよ」
「まふゆは看護師になりたかったみたいだけど、
詩音くんは、何か知ってる?」
「そうだな…」
と、瑞希に対して、まふゆの過去を、
詩音が少し言及した。
「そんなことがあったんだ…
医学の勉強をしていくうちに、看護師になりたいと…」
「まふゆちゃん。僕に対して、そういう風に、
言っていたからね」
「まふゆも、幸せになってくれたらいいな」
「僕も、まふゆちゃんの幸せを願って、祈る。それだけだ」
「そっか」
「うん」
その後、絵名にも会った。
「まふゆって、どうして看護師になりたいんだろう…?」
「医学の勉強をしていくうちに、そうなったって、
よく聞いてはいるけど…」
「そっかーでも、アイツはアイツで、
勉強が出来て、ムカつく。
でも、消えるなんて許さないんだから。
後、詩音くんって、何になりたいの?」
「僕のなりたいのか…」
吉川詩音自体、これといって、なりたい自分と言うのも、
何も見つかっていないのが現状。
ただただ、ひたすら、勉強する毎日を送っており、
暇さえあれば、勉強するような青年だった。
親から、(勉強しなさい)言われたことは一度も無いのだ。
逆に(勉強しすぎ)とは言わたことが何度もあったが。
「僕のなりたい僕か…まふゆちゃんを支える事?」
「何か、ポカンとしている」
「ごめん。今、思い浮かべれなくて…」
吉川詩音は、自分の家に帰った。
(まふゆちゃんが救われる未来が訪れますように…)
そんなことが脳裏に思い浮かべることが、
多々あるようになった。
朝比奈まふゆが救われる未来は、きっと訪れる。そう信じて。
今できる事をやるしかないと考え込んでいた。