愛する恋人を救うには   作:アッシュクフォルダー

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第五話 消えたがっているくせに

詩音と奏、絵名と瑞希は、

ある少女の声を聴くのだった…

 

「その声は…まふゆちゃん?」

 

「ミク…どうして、ここに人がいるの?」

 

「…」

 

「まふゆちゃん!どうかしたの?

何だか、顔色が悪いみたいだけど?」

 

「詩音くん、うるさい」

 

「えっ?」

 

「このセカイに来ないで、一人にさせて」

 

「…」

 

「ひとりで…それは」

 

「まふゆちゃん…」

 

「なに?詩音くん?」

 

「じゃあ、まふゆちゃんは、

奏ちゃんが言っていた、OWNっていう、

ユーザー名で、曲を作っていたの?」

 

「え?OWN?OWNって、あの?…え?」

 

「まふゆちゃんが、OWNなんだ」

 

「まふゆが、OWN?何それ、どういうこと?」

 

「根拠は?」

 

「根拠はない、でも、わかる。

ニーゴで作っている曲と傾向は、全然、違うけど、

間違いない」

 

「うん、奏ちゃんの言う通りだ」

 

「そうだよね?」

 

「そうだよ、OWNは、私」

 

「マジですか…」

 

「まふゆが、OWN…?本当に?」

 

「そう言ってる」

 

「どうして、最初から、言わなかったの?」

 

「別に、言う必要が、無かったから、言わなかっただけ」

 

「私じゃない私と、話す必要が無いから」

 

「はぁ?それどういうこと?

いつも、どういう気持ちで見ていたの?

バカにして、思っていたわけ?」

 

「ちょっと!落ち着いてよ!絵名!

まふゆも、もうちょっと、ちゃんと話そうよ!ね?」

 

「私はもう、ニーゴや詩音くんの傍にいる必要はない」

 

「そんな…」

 

「ニーゴや、詩音くんの傍にいても、足りなかったんだ」

 

「足りなかったって…」

 

「…初めて、奏の曲を聴いた時は、少しだけ救われた気がした。

だから、奏の傍で探せば、見つけられるかもしれないって、思った。

詩音くんといると、私は、ちょっぴり、安心する気がしたんだ、

でも、それじゃあ、足りなかったんだ」

 

「あ…」

 

「救えてなかった…!?」

 

「奏や詩音くんと一緒にいても、見つからないなら、

もう、自分で見つけるしかない」

 

「でも、まふゆちゃんは!」

 

「詩音くんは、黙ってて」

 

「うぅ…」

 

「ミク、これ以上、この人たちと話すことはない。

ここから、追い出して」

 

「そう、まふゆは、本当に一人で見つけられるの?」

 

「ミクが…私が…まだ、私を見つけられるっていうなら、

全部捨ててでも、探し出す。

私には、もう、それしか、残されていない。

もし、それでも、見つからないなら、

私は…もう、消えるしかない」

 

「まふゆちゃん、変だよ!

じゃあ、僕が今まで見てきた、まふゆちゃんは…!?」

 

「変?私が変なら、詩音くん達だって、そうでしょ?

だって、詩音くん以外、

誰よりも、消えたがっているくせに…」

 

「…」

 

「…」

 

「…」

 

「…っ!」

 

「どうして、私だけが変だって、言えるの?」

 

「どうしちゃったんだよ?まふゆちゃん!」

 

「ミク…このセカイに、この人達は、いらない」

 

「うん…さよなら…

でも、どうか、まふゆを…」

 

まふゆ以外の、4人は、現実世界へと、送還された。

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