愛する恋人を救うには   作:アッシュクフォルダー

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第七話 呪いと希望

「呪いだとしても、私を救いたい…?

ふふ、認めるなんて、潔いね」

 

「…」

 

「…」

 

「でも、もしその曲を聴いても、

きっと変わらない。

少し救われて、また消えたいっていう、

想いが強くなるだけ…

だから、もういいの、放っておいて」

 

「まふゆちゃん…ふざけないでよ!」

 

「…」

 

「…!」

 

「ハッキリ言うけど、消えた方がいいとか、

自分を探せないとか、

グチャグチャいっている、まふゆちゃんは…

心底腹が立つ!

僕自身、何をしているんだって…思ってしまうくらい!」

 

「…」

 

「消えたいとか、平気で言えるわけ?

僕や奏ちゃんの気持ちを踏みにじって…

確かに僕も、まふゆちゃんを責め過ぎたと思っている」

 

「何、言っているの?私は何もっていない、ずっと」

 

「何もない?僕にとっては、

まふゆちゃんと僕は違うって、感じている!

まふゆちゃんは、こんなに、すごい作品が出来る。

僕には、出来ないことが、出来るんだ。

 

期待してくれている人だって、沢山いる!

まふゆちゃんには、僕には無い才能がある」

 

「じゃあ、詩音くんは、何がしたいの?

自分は正義の味方のつもりなの?」

 

「僕は正義の味方じゃない。決して。

ただ、みんなと一緒に、

まふゆちゃんを救いたい、

消えるのは、絶対に許さないから」

 

「私の曲が、すごいだなんて、

そんなの、どうだっていい。

私が欲しいのは、すごい曲でも、誰かの賞賛でもない、

私は、ただ、見つけたいだけ、

でも、そんなのは、無理だってわかっていたら、

もう、どうでもいいの、

二人には、わからないかもしれないけど」

 

詩音は泣いた。

自分の頭の中が、全く整理が付かない状態だった。

 

「僕は…僕や奏ちゃん達じゃ、ダメなのか…」

 

「勝手なこと、言わないで」

 

「…!」

 

「勝手に共感して、救おうとして、嫉妬して…

やめてよ、もう、十分でしょう…

私は…消えたい…それが、私の本当の想いなの」

 

「まふゆ…それでも、わたしは、

まふゆを救いたい」

 

「…っ!もう疲れたの!

希望があるからって!まだ、見つかるって!

だったら、最初から見つからないって、

思っていた方が、楽だった、

だから…もう、もう…もう!

救われるなんて、思いたくない!」

 

「…!!」

 

「もう疲れたの!探しても、探しても、

探しても、探しても!違うって、絶望して…

もう、これ以上、どうしようもないじゃない!」

 

「わたしが作り続ける」

 

「え?」

 

「この曲で、まふゆが救えなかったとしても、

救えるまで、曲を作り続ける。

まふゆが自分を見つけられるまで、

曲を作り続ける」

 

「何言っているの?」

 

「わたしは、もう、目の前で誰かが、

消えるのは、嫌だから」

 

「でも…でも!奏も本当は消えたいんでしょ!」

 

「うん、そうだよ、

だから、もし、わたしが絶望して、消えそうになったら、

その時、まふゆは、まだ見つかっていないって、

言ってくれればいい。

そう言ってくれれば、わたしは曲を作れられる」

 

「何それ…自分が何を言ってるか、わかっているの?」

 

「わかっている」

 

「どうして、そこまで…」

 

「それは…わたしの、ただのエゴだよ、

だから、まふゆの分まで、増えたって、

なんてことはないよ」

 

「見つからないまま、終わるかもしれない・

それでも…本当に…やるの?」

 

「うん」

 

「はは、二人とも、そんなに必死になって、バカみたい。

はははは…もう少しだけ、探してみるよ」

 

「まふゆ…」

 

「まふゆちゃん…」

 

「本当に、二人とも、傍にいてくれる?

救ってくれるの?」

 

「もちろん」

 

「うん」

 

まふゆは救われたかもしれないと、

二人は、そう思うのだった。

 

 

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