奏、まふゆ、絵名、瑞希、詩音の五人は、
人形展に行くことになっていた。
「ちょっと、早く来すぎたかな…?
あっ…詩音くんに、まふゆ…」
「お待たせ、奏ちゃん」
「あれ…?他の二人は?」
「絵名と瑞希は、まだ来ていないみたい」
「そう」
そして、少し時間が経って…
「お待たせ!三人とも早いね!」
「ちょっと瑞希、走らないでね」
「二人で来たの?」
「ううん、偶然ばったり会ったんだ。
寝過ごすかなって思って、ビックリしちゃった!」
「人を遅刻魔みたいに言わないでくれる?」
「ま、何がともあれ、みんなで人形展にレッツゴー!」
五人は人形展にやって来た。
「小さい会場かと思っていたけど、
案外、広いんだね」
「うん、驚いた、凄く立派だね」
「人形カワイイ~!」
「可愛い人形が沢山あるね」
「このサイズでパフスリーブとか作れるなんて、
神様?奏に似合いそうな服が沢山ある!」
「わたしに?」
「瑞希ちゃん、静かにした方がいいと思うけど…?」
「アハハ…ごめん!ごめん!
つい、興奮しちゃった…」
「でも、すごいな、どの人形にも世界があるね」
「僕もそう思うよ、それぞれの世界観が
溢れていて、魅力が伝わるよ」
「世界…?」
「うん、みんな、それぞれ、生きている世界まで、
見えてくると感じるよ」
「そう…」
「?」
「どうしたの?奏ちゃん?」
「今、ちょっとだけ、まふゆの表情が
変わった気がして…」
「僕もそんな気がする」
奏と詩音はこう感じた。
どうして、まふゆが、あんな顔をしたのか、と思った。
もっと、まふゆの気持ちがわかればいいと、
二人はそう思うのであった。
「どうすればいいんだろう…」
人形をしばらく見ていると…
「まふゆちゃんは、気になった物はある?」
「別にない」
「…」
「お手洗、行ってくる」
「うん」
数分後
「遅いね…」
「わたし、様子を見に行ってくる」
すると、まふゆが詩音と奏の近くにやってきて…
「まふゆちゃん、顔色がすごく悪い!?」
「まふゆ!?」
「まふゆちゃん…顔色が真っ白…!」
まふゆは詩音に抱き着いてきた。
「詩音くん…奏…人形が…」
「マリオネットのこと?」
「気持ち悪い…」
「え?」
「あ!いた!って、まふゆ顔色悪いよ!?」
「まふゆ、大丈夫!?」
絵名と瑞希も駆けつけてきた。
「ハァ…ハァ…もう、大丈夫」
「だとしても、予断を許さない…」
「もしかして、まふゆ、
あの人形に、何か感じたの?」
「え?人形?」
「どうして、あの人形を気持ち悪いって思ったの?」
「それは…わからない…
ただ、気持ち悪くて…」
「体調が悪そうだし、その話は、
また今度にした方がいいと思うけど…」
(まふゆの心を強く揺さぶっている…
でも、何かわかりかけている…そんな気がする…)
「わかった、ごめん…」
「今日は帰った方がいいよね。
駅まで送ろうか?」
「平気、詩音くんとだったら、帰れるから」
「わかった、僕が送ってあげるね」
その後、詩音はまふゆを駅まで送り届けて、
まふゆは家でゆっくり休むのだった。