((((;゜Д゜))) Pocket Monster Golden memorise 作:皆笠
「そろそろ行ってきますよ」
ゴールドは次の日の朝、朝食の後にそう言った。
「ゴールドくん、案内するね」
まだ食事を取り終わっていないエメラルドが言った。
「あらあら、仲が良いわね」
それをエメラルドの母親は囃し立てる。
昨日から何度目かの同じ流れ。
「頼むよ。ただ、朝飯はしっかり食べ終わってからな」
一応注釈を付けておくと、エメラルドは食事のペースが遅いわけではない。
むしろ、速い。
だが、若干異常な程によく食べるのだった。
「おかわりっ」
これで、三回目のお代わりだろうか。
「うん、分かってる。もう少し待ってね」
「はいはい」
ゴールドはミルクの入った珈琲を一口飲んだ。
「あらあら、仲が良いわね」
ゴールドは呆れながら思う。
これで何度目だっけ?、と。
そうこうしている内にエメラルドは三杯目のお代わりを消化し終えた。
「ごちそうさまでした」
エメラルドは両手をそろえて、母親に礼を言った。
「はいはい、お粗末様でした」
エメラルドが食べ終えた食器を片付けようとすると、それをエメラルドの母親は制した。
「早く行ってきなさい」
エメラルドの母親はそう言い残し、食器と共にキッチンに行った。
「それじゃ、行こっか」
エメラルドはゴールドに向かい、そう言った。
「よし、行くか」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
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「へ?いない?」
オダマキ博士を尋ねて、研究所に行った二人だったが、生憎と伝えられたのは『いない』と言う結果だけだった。
「ええ、博士ならフィールドワークに出掛けていていませんよ。‥‥あ、フィールドワークって言うのは、実際に、野山へ出掛けていって研究をすることです!」
説明まで付け加え、オダマキ博士の助手は答えた。
二人は仕方ない、と言った様子で研究所を後にした。
「なるべく用事は早く済ませたかったんだが、いないなら仕方ないか」
「そうだね」
ゴールドは「よしっ」と言った。
「先にエメラルドとの約束を果たすか」
ゴールドがそう言うと、エメラルドはポカン、と口を開けた。
「ポケモンの扱い方を教えてやるよ」
ゴールドが補足をつけると、エメラルドはようやく理解して、
「お願いします」
と言った。
そう言うわけで、二人はやや広い場所へと行った。
「ほら、コイツをやるよ」
そう言いながら、ゴールドは一つのモンスターボールをエメラルドに渡した。
「なんとなく連れてきたのが正解だったな」
ゴールドが渡したのはLv.5のピチュー♀。
「良いの?」
エメラルドは戸惑いを見せる。
「もちろん、俺からのプレゼントってことで」
ゴールドは笑って答えた。
「とりあえず、外に出してあげな、。真ん中のボタンを押すんだ」
ゴールドは優しく教える。
「うん」
エメラルドはボールの真ん中にあるボタンを押した。
それと同時にボールが開き、光と共にピチューが現れる。
「うわぁ」
エメラルドは興奮しているのか、目をパチクリとしていた。
「よし。とりあえず一つ大事な事を教えるよ。それは‥‥」
「ピッチュー」
ゴールドが言おうとした時、ピチューはエメラルドに抱きついた。
それをエメラルドは受け止める。
「‥‥大丈夫そうだな。でだ、エメラルド、その大事な事って何かわかるか?」
ゴールドはその光景を見ながら聞く。
エメラルドはピチューをもふもふしながら答えた。
「信頼かな?」
「そう、信頼。その点に置いて、ピチューにすぐになつかれてるし、エメラルドには素質があると思うよ」
ゴールドが誉めると、エメラルドは素直に喜んだ。
「本当?」
「うん、でも、それだけじゃダメなんだ」
ゴールドは腰にあるボールを一つ握って、デンリュウを出した。
「ポケモンのことを把握しておかないといけない」
「はあ」
「そのポケモンの覚えている技、タイプ、相手との相性、それ以外にも色々」
「大変なんだね」
エメラルドは全てに驚いている。
その様子を見てゴールドはプッ、と笑いながらも説明を続けた。
「直に慣れるさ。それじゃ、これから実演するよ」
ゴールドは言いながら、もう一匹モンスターボールからポケモンを出した。
今度のポケモンはカイリュー。
「まず、このデンリュウが覚えている技は10万ボルト、シグナルビーム、パワージェム、まもるの四つ」
そして、とカイリューを見る。
「カイリューはアイアンテール、つばさでうつ、げきりん、はかいこうせんの四つ」
「そうなんですか」
ピチューを抱き締めながらも、真剣に見るエメラルド。
「たとえば……デンリュウ、シグナルビーム」
デンリュウは言われた通りにカイリューにシグナルビームをした。
妖しく光る光線がカイリューを襲う。
デンリュウのシグナルビームによって、カイリューの近くに土埃が出来た。
それは即ち、デンリュウのシグナルビームの威力の高さを示していた。
仲間討ちの様なことをさせたにも関わらず、ゴールドは冷静に見る。
「シグナルビームは虫タイプ、だけどカイリューはドラゴン・飛行タイプ。だから……」
土埃が晴れていく。
そこにはエメラルドが目を疑う光景があった。
「効果はいまひとつのようだ、ってね、でも……」
ゴールドはもう一度デンリュウに言った。
「デンリュウ、パワージェムだ」
そう命じた。
デンリュウは言われた通りに行動する。
宝石の様に煌めく美しい光線がカイリューを襲う。
それと同時で、先ほどと同じように土埃が舞った。
「カイィ」
しかし、土埃が晴れていく頃に見える光景はさっきと違っていた。
カイリューは右の前足の膝を地面につけている。
そして、何よりも辛そうであった。
「パワージェムは岩タイプ、岩タイプは飛行タイプにとって弱点なんだ」
ゴールドは言いながらモンスターボールを一つ取り出した。
「デンリュウ、もう良いよ」
ゴールドはデンリュウをモンスターボールにしまう。
「だから、効果は抜群だ、となって、カイリューに効いたわけ」
そして、ゴールドは説明を続ける。
「これがポケモン‥‥」
エメラルドが感想を述べた。
「そう。ちなみにそのピチューが覚えている技は、あまえる、でんきショック、スピードスター、ボルテッカーの四つだよ」
ゴールドは説明しながら、もう一個のモンスターボールを取り出した。
「カイリュー、お疲れさま」
労いの言葉と共にゴールドはカイリューをモンスターボールにしまった。
「さ、少しピチューで練習してみようか」
「うんっ」
「ピッチュ」
それから二時間程度、ゴールドはエメラルドにポケモンを教えていた。
最初にゴールドの育成記録……だかなんだか言ってたな……ありゃ嘘だ
まあ、実際にそうなりそうです
この作品はホウエン編では主にエメラルドの成長を描く予定です
その中でゴールドも何かしらの得るものを見つけ、密かに成長をする話
その理由と言うのも、単にエメラルドが好き、なのではなく、伸び代の問題もあるんです
開始時点でチャンピオンクラスのゴールドとド素人のエメラルド、成長の幅はどう考えてもエメラルドの方が多いです
既に旅を一度終えているゴールドでは幾ら知らない土地とは言え、旅自体の辛さは楽しさは理解しきっている
しかし、エメラルドはそれを何も知らない
初めて続きで多くのものを吸収していくことでしょう
では、今回は二話投稿の予定だったので、時間に余裕がございましたら、是非とも次話も読んで頂けると幸いです