((((;゜Д゜))) Pocket Monster Golden memorise 作:皆笠
「ゴールドさん?どこかで聞いたことがあるような」
ジョーイさんは首を傾げる。
そこをゴールドは頭を掻きながら、少し照れつつ言った。
「一応、カントーとジョウトのチャンピオンやってます」
ゴールドがそう言うと、ジョーイさんは口に手を当てて、ああっ、と言った。
「でも、どうしてそのゴールドさんがあんな所に倒れていたんですか?」
ジョーイさんは続けて、それに、と前置きをして、
「ゴールドさんのポケモン、ボロボロでしたし」
と聞いた。
それは、チャンピオンなのに、と言う前置きが付いているようにゴールドは思った。
「チャンピオンなのに、俺は負けたんですよ、無様にね」
ポケモンを扱う力には多少の自負はあった。
でも、彼の前では俺は無力だった。
「たった一匹ですら倒せませんでしたよ」
完敗、あの戦いの結果はまさにそれだった。
「‥‥‥そうですか」
ジョーイさんはただ静かに頷くだけだった。
「ところで怪我は大丈夫ですか?」
ジョーイさんは上手く話の切り替えをした。
事情は聞くが深くまでは訊ねない、加減をしっかりと心得た良いジョーイさんだった。
「ああ、はい」
ゴールドの体は節々が筋肉痛やらで多少痛むけれど、動けない程ではなかった。
よく見ると包帯とか巻いてあった。
「あの……それで俺のポケモンは?」
ゴールドがそれを訊ねると、ジョーイさんは少し俯き思案顔をした。
「酷い傷の様に見えますが、致命傷は一ヶ所もないんです、どんな手練れと戦ったんですか」
「えっ!?」
ありえない。
そんなことありえる訳がない。
致命傷が一ヶ所もない?
嘘だろ、そんなこと不可能だ。
あれだけ激しい攻撃をしていて、そんな中で俺のポケモンのことを考慮していた?
そんなことを思いつつゴールドはただただ呆然とした。
「ははっ」
ゴールドはまたもレベルの違いを感じていた。
いつになったら追い付けるんだろうな。
そんな……若干の諦めも入りつつの感想をゴールドは思った。
「どうしたんですか?ゴールドさん」
ジョーイさんは思案顔を戻して、ゴールドへと訊ねた。
「いや、流石だなぁ、って思ってたんですよ」
本当、いつになったら追い付けるんだろうな。
ゴールドはその後、一度溜め息を吐いた。
「あの、もう一回寝ても良いですか?疲れちゃって」
ゴールドは瞼を擦りながら言った。
「ああ、はい、どうぞごゆっくり」
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「んっ、んん」
ゴールドは右手を上げ、左手で瞼を擦りつつ、目覚めた。
「よく寝た」
ゴールドは思う。
野宿には慣れたものだが、やっぱり、ベッドや布団で眠る方が断然良い、と。
追加で思う。
ま、今寝てるのはポケモンセンターに在る長椅子なんだけどな、とも。
ポケモンセンターにはしっかりと宿泊施設が用意されている。
だと言うのに、ゴールドがそれを利用しないのには理由があった。
それは理由にもならないようなくだらない理由だったが。
その理由は二つある。
その内の一つ目は、ゴールドがポケモンセンターの前で倒れていたのをジョーイさんが急ぎで運んだためだ。
このシロガネ山には滅多に人が近づかないため、ジョーイさんが一人で運んだことになった。
そのジョーイさんが一人で運べる範囲が精々長椅子だった、ということが一つ。
もう一つは、ゴールドが目覚めた後、すぐに睡魔に襲われたため、移動をしなかったからだ。
「お目覚めですか?」
ジョーイさんが挨拶をした。
「ああ、はい」
「ゴールドさんのポケモンの回復は済んでますよ、もう行きますか?」
「ん?ああ、そうですね」
ゴールドは頷いた。
そして、長居するのも悪いですし、と付け足した。
「いや、長居は構いませんがね、それはそうと、ご飯位は食べていって下さい」
「それじゃ、遠慮して」
ゴールドはシロガネ山麓ポケモンセンターでのご飯を堪能していったのである。
「うん、美味しい」
「良かったです」
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「それじゃ、お世話になりました」
「はい、ではまた来てくださいね」
ジョーイさんはゴールドに笑顔で手を振った。
「ああ、はい。それじゃ、また」
ゴールドはピジョットをモンスターボールから出し、その上に乗った。
「待ってますね~」
ゴールドはジョーイさんのその言葉を聞きつつ、空を飛んだ