((((;゜Д゜))) Pocket Monster Golden memorise 作:皆笠
……でも、何で金銀の親って子供の貯金で変なもん買ってくるんだろう?
ゴールドが降り立った場所はワカバタウン。
ゴールドの原点とも言える場所。
12歳になった時、ゴールドは初めてポケモンを手に入れた。
貰った場所はこのワカバタウン自慢のポケモン研究所。
その研究所の長、ウツギ博士はゴールドが子供の頃から色々と遊んでいたから、その縁で珍しいポケモンを貰った。
その時、ウツギ博士はゴールドに三匹のポケモンを用意してくれた。
草タイプのチコリータ、炎タイプのヒノアラシ、水タイプのワニノコ。
この三匹。
いずれも、野生では滅多に遭遇することの出来ないとても珍しいポケモンだった。
ウツギ博士はその三匹をゴールドによく見せてから、
「この中から一匹ポケモンをあげよう」
と言った。
「ううん……」
ゴールドはその時、とても悩んだ。
どれかを選ぶ、と言うことはどれかを選ばない、と言うことだから。
「よしっ、決めたっ」
そんな中でもゴールドは一匹を決めた。
そのポケモンはもちろん、ゴールドが殿堂入りを果たし、チャンピオンになってからも、相棒として、いつもゴールドと一緒にいる。
ゴールドがそんな思い出たっぷりの町に来たのは随分と久しぶりのことであった。
殿堂入り後、一度帰っては来たものの、ゴールドはそれっきりカントー地方へと繰り出していたからだ。
そして……そのまま風の噂で聞いた情報を頼りにシロガネ山へと行った、と言うことだった。
カチャ、と自宅の玄関を久しぶりにゴールドは開けた。
「あら、ゴールドじゃない、おかえりなさい」
ゴールドの母親は長い間家を留守にしていたゴールドを、まるで時間の経過を感じさせないように迎えた。
「ただいま。えっと、久しぶり、母さん」
「うんうん、久しぶり。元気そうで良かったわ」
ゴールドは母の懐かしい笑顔に安心した。
「ちょっと待っててね、今お茶を容れるから」
「ああ、うん。ありがと」
ゴールドは変に緊張しているのが馬鹿みたいだ、と思った。
「たっぷりお話を聞かせてね」
「うん、分かった」
それから、ゴールドは殿堂入り後、どうしていたのかを坦々と話していった。
時にバッジを見せたり、写真を見せたりして。
その度にゴールドの母親は、「うん」、「ああ」、「そうなの」等といった相槌を打っていた。
「それで、最後に俺はシロガネ山って山に登ったんだよ。ほら、母さんも知ってるでしょ、チャンピオンリーグの横にそびえる山」
「ああ、うん」
「そこでさ、伝説のポケモントレーナーと会ったんだよ。そして……戦った」
ゴールドは少しそこで間を置いた。
「結果は惨敗、一匹ですら倒せなかったよ」
「えっ、本当に?」
ゴールドの母親はその話を聞くと口に手を当てて、信じられない、と言った。
今までずっと勝ったと言う話が続いてるなか、急に負けた、ともなれば当然の反応だろう。
「うん、本当。でも、全然悔しくなかったんだ。これが本物なんだ、って思った。俺が今までやってたのは違うんだ、って気づいたんだ。気づかせて貰ったんだ」
ゴールドがそう言うと、ゴールドの母親は微笑み、
「そうなの」
と、答えた。
「これでおしまい、母さんの方は何かあった?」
「ううん、特に何も。ただ、少し寂しかったかな」
ゴールドの母親は椅子からすっ、と立ち上がった。
「母さんはこれから夕飯の準備をします、ゴールドは夕飯食べるわよね?」
「ああ、うん」
「それじゃ、ゴールド、その間にウツギ博士にでも会ってきなさい」
そう言いながらゴールドの母親はキッチンへと向かった。
「‥‥‥うん、分かった。」
ゴールドも立ち上がり、玄関へと向かった。
「それじゃ、行ってきます」
そう言いつつ、玄関を開ける。
「はいはい、行ってらっしゃい」
ゴールドはそんなゴールドの母親の声を聞きつつウツギ博士の研究所へと向かった。
自転車ではなく、徒歩で。