岸くんに憑依したので世界は救われないかもしれない   作:Iaなんとか

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忙しいから遅れた。


カレイドスコープ

覇瞳皇帝(ビーストⅣ/R)  「あの真祖(星の触覚)が自らを事象収納して逃したのね! 

       ()()星の触覚が星の内海以外に収納するだなんて予想外だわ!」

 


 

イリヤ   「お主のことで、気になる事がある。 魔術の炎を出してみよ…」

 

ホマレ   「心配してくれて、ありがとう~ えいっ♪」

 

イリヤ   「……お主、()()()でも喰らったかの?」

 


 

キーリ   「先…輩…?」

 

ネビア   「まさか…この周回では美食殿*1を結成していなかったとはね…

       このギルドハウスにぜんっぜん来ないから、かなり気を揉んだのよ~」

 

キャル   「悪かったわね…キーリ。」

 

キーリ   「…大丈夫です!」

 

ネビア   「大丈夫とは言ってるけど、キーリはシャドウ。

       世界の修正が届かない、(サンドボックスの)このギルドハウスから出られないんだからね!」

 

カスミ   「まあまあ。 彼らにも事情があったんだ。」

 

      (彼はキーリを見て驚いてはいたけど、

       『キーリの存在()知っているが、此処に居ること()()()知らない』

       という感触だった。

       ネビアによると、彼が()()()()のキーリを護るために此処に連れてきたらしい。

       証言が正しければ、彼が前の記憶を保持していても、いなくとも矛盾が生じる…

       やはり、彼にはひどく限定的な()()の知識があるみたいだね…)

 

イリヤ   (プリンセスナイトの力が原因じゃと、聞いておったが…

       そうか…()()()()()()()()()とは…このことを言っておったのじゃな…)

 


 

???   「世界各地で発見されている、この生物は『捕食による学習能力を持つ細胞』

       によって構成されています。周囲には、この細胞で製造された武器を持つ人間と

       争った形跡が確認されており、本来は人間に対し敵対的であると思われます。

       WISDOMから押収したデータベースによると、『アリストテレス』と呼ばれる

       生命体と性質が酷似しているようです。」

 

ボヤンシア 「教えてくれ… 世界は終わるのか?」

 

???   「ええ… このままでは遠からず…」

 


 

 

シズル   「怪我はない!? お姉ちゃん、とっても心配したんだからね!」

 

リノ    「お兄ちゃんは、いっつも相談なく無茶するんですから!」

 

ユウキ   「…」

 

リノ    「そっぽを向いたって、誤魔化せないですからね!」

 

シズル   「…!」

 

リノ    「お姉ちゃん…どうかしましたか…?」

 

シズル   「…いーや、なんでもないよ♪」

 


 

ムイミ   「スパイの真似事なんて…、心配したんだぞ、オクトー!」

 

オクトー  「ごめんって、ボクしかやれる人がいなかったからさー、仕方がなかったんだー。

       ムイミは教授(ラジラジ)と一緒に聞き分けのない人を連れてってよー。

       ボクは用事が済んだら、転移魔法で逃げるからさー。」

 

ネネカ   「真那はどこにいますか?」

 

オクトー  「さっき、玉座に座っているのを見かけたよ。」

 

ネネカ   「感謝します…」

 

オクトー  「慇懃無礼な似々花が感謝を口にするなんて…本物?」

 

ネネカ   「私が分身であることを分かって言ってるのなら、些か不愉快です。」

 


 

モニカ   「我々、連合の戦略目標は覇瞳皇帝を排除することである。

       このため、精鋭により覇瞳皇帝の斬首を目指す主作戦と、

       非戦闘員の戦闘予定地域(ランドソル)からの離脱を迅速に行う支作戦を決行する。」

 

      「現在、覇瞳皇帝は多数の分身を駆使し、各国の侵攻を進めているが、

       ランドソルの王城にいる個体が本体であると推定される。

       本体を特定した後、主作戦は実行されるが、

       ランドソルの個体が本体でない場合、若しくは主作戦が開始した場合、

       支作戦は終了され、非戦闘員の一切の保護は放棄される。

       撤退命令より、非戦闘員の救助を優先することは厳禁する。」

 

      「また、機密上明かすことはできないが、現地には協力者がいる。

       各員は柔軟に対応するように。」

 


 

千里真那(覇瞳皇帝)  「分身とはいえ、こんな時に一人でやってきたのね…」

 

ネネカ   「真那と話をするために来ました…」

 

千里真那  「時間稼ぎをする魂胆でしょうけど、無駄よ。

       規模が大きいだけの魔術で私を倒せるわけないじゃない…。

       だから…、似々花の話を聞いてあげる…。」

 

ネネカ   「確かめたいことがあります。 真那は冒険物語が好きでしたね?

       ですから、レジェンド・オブ・アストルムには貴方の嗜好が反映されている。

       クリスと意気投合していたのも、塔の名称をアーサー王伝説と繋がりのある、

       ケルト神話から取ったのも、アーサー王伝説が好きだったからですよね?」

 

千里真那  「何が言いたいのかしら…?」

 

ネネカ   「調べましたが、子供の頃の真那の家庭環境はあまり良くなかったみたいですね…」

 

千里真那  「それがどうしたっていうの?」

 

ネネカ   「昔…、真那が…ルナの塔に、同じケルト神話の月神でも、

       有名なケリドウェン(Cerridwen)ではなく、リヒアノン(Rhiannon)の名を付けたのは、

       『醜い子を殺した母親』に思うところがあったから、ではないのですか?」

 

      「それに、プリンセスナイトの力を、あの子(キャル)から未だに取り上げないのも、

       血縁のあの子(キャル)に未練…依存していたからでしょう?」

 

千里真那  「出鱈目な詭弁を弄して…私を馬鹿にしてるのかしら。」

 

ネネカ   「では、真那はなぜ玉座に獅噛みついているのですか?」

 

千里真那  「…利用するためよ。 当然じゃない。」

 

ネネカ   「嘘ですね。 貴方が王位についてから、

       劣悪なインフラは改善され、破綻した経済は回復しました。

       それを実現するための労力は莫大だったでしょう? 

       暴君として統治すれば、何倍も効率が良くリソースを利用できたはずです。」

 

千里真那  「…」

 

ネネカ   「何よりも…真那は王権を振り翳すのを避けていましたね…?

       彼らが目障りなら、王都にいる間に粛清すれば良いだけのことです。

       七冠でさえ、王都にいる間は手出しさえしなかったでしょう?

       襲撃を行うにしても、尤もらしい理由を捏ち上げるか、偶然を装っていました。」

 

千里真那  「っ…!」

 

ネネカ   「手段と目的の転倒なんて、貴方らしくもない。

       だとすれば、王位は手段ではなく、目的。

       態々、王女に成り代わったということは…

 

千里真那  「黙りなさいっ! 私のことを分かった気になって、大口を叩かないで!!

 

ネネカ   「確信しました… 真那は誰かに止めて欲しかったのですね…」

 

千里真那  「そんなわけないじゃない!」

 

ネネカ   「そして…真那の本当の願いは…

       物語のような、冒険がしたい。

       誰からも愛される、プリンセスになりたい。

       …そうなんですね?」

 

千里真那  「違うっ!

       私は…!」

 

ネネカ   「…夢と冒険の世界に憧れていたのは嘘ですか?

       ロマン先生の話(カルデアの物語)を一番熱心に聴いていたのは真那でしょう!

 

千里真那  「…!!

       ああ…… 私は…そんな夢想を…していたのね…」

 

ネネカ   「…私は後悔しています。 

       世界の全てのデータを集め(人の感情を理解し)、模倣する…そんな大言壮語を吐きながら、

       仲間の異変にさえ、気づかなかったのですから…」

 

千里真那  「でも…もう、何もかも手遅れなのよ… あの頃には戻れない…」

 

ネネカ   「ならば、私は真那の過ちを()()として止めましょう…!

 

千里真那  「…ズルいわね…今更、友人だなんて… 

       でもね…、私は辿り着いてしまった…

       だから、私は自身の野望(覇道)を最後まで貫き通すわ!

*1
原作で結成してたギルド 主人公、コッコロ、ペコリーヌ、キャルが所属するはずだった。扱いづらい原作と状況が違うので消滅した




みんなが自分の知識だけで好き勝手に現状を解釈してるから誰も真相に辿り着けないの図。

カスミが現実のこと思い出してたら主人公の正体に気づいてSAN値チェック入ってたかも。

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