岸くんに憑依したので世界は救われないかもしれない   作:Iaなんとか

16 / 25
要望があったので日常編を書きました。 
RTAしてたメインストーリーに入れる余地がなかったので過去のループのお話。

現実の話を一話やって1.5部か2部に入る予定。
次の部に入る前に、これまで投稿した範囲を改稿します。
内容や伏線とかが増えたり、設定を少しだけ変えたりするかもしれないので注意。
色々と増えます。


幕間1 Docti Diabolum Demonstrant

この()()、色々あった。

原作と違って、ペコリーヌ(メインヒロイン)と出逢わなかったり、

街で出会ったコッコロちゃんが別作品(FGO)のキャラと兄妹だったり…

原作から早々に外れたこと(原作の岸くんが元から居ない)を理解した俺は、ユイの誘いに乗ったんだ…

フィオ(アメス)によると、()()記憶の欠片(メモリーピース)を回収してくれれば、あとは自由に冒険していいらしいし…

つまり、俺はこれから何度も死に続けるのだろう…

俺たち夜明けの星(トゥインクルウィッシュ)の目標は、()()()()()()のように、みんなでソルの塔を踏破することだ。

だから、俺は『オレ』の足跡をたどることに決めた。 覇瞳皇帝を倒す手がかりを得る(みんなと冒険したいという夢を叶える)ために。

そして、■■■との『約束』を果たすために…

 

そうして、トゥインクルウィッシュに加入した俺は、一緒にルナの塔に登って記憶を探したり、

バカンスも兼ねたビーチゲーム大会に参加して、何故か魔物と戦ったり…、冒険を楽しんでいた。

 

空に浮かぶソルの塔には様々な場所にある転移魔法陣を使って行くことができる。

より高階層へ行ける転移魔法陣を発見した時、みんなで喜びを分かち合ったのはいい思い出だ。

塔の最下層から見下ろす景色も良かったし、大切にしたい思い出ばかりだ。

大切な思い出をずっと記憶できたらいいのに…

 

 

そして、今日はハロウィン。 ギルドのみんなも今日は個人で行動するらしい。

 

 

「トリック・オア・トリート!

 お菓子くれてもイタズラしちゃうぞ!」

 

イタズラがライフワークなミソギちゃんに声をかけられた。

取り敢えず手元に残った()()のお菓子をプレゼントする。

 

「ミソギからもにいちゃんにお菓子をあげる!」

 

黒い飴玉を二つ貰った。 どこかで見たことのあるそれを一つ、口に入れる。

 

……マズっっ!

 

「あー! 引っかかった~♪

 それはね~サルミアッキって言って、とっっても、まずい飴なんだよ~!」

 

…サルミアッキって、不味いことで有名な北欧のリコリス菓子のことか!

 

「ところで、にいちゃん! ユニとお化け屋敷をプロデュース?してみたんだ~

 にいちゃんにも遊んでってほしいな~♪」

 

呼び捨てされるとは…さては、()()のサレンさん(17)やキョウカちゃん(8)にオギャってたな……

リトルリリカル不名誉団員(ミソギ(9)&ミミ(10)&キョウカ(8))だもんな…ユニ(18)は…

 

残った飴玉をスーツの()()()()()()()()()俺はお化け屋敷で遊ぶ?ことにした。

 


 

「にいちゃん、お化け屋敷どうだった?」

 

ナニアレ…ガチで怖かったんだけど…

今日の夢に出るかもしれない…

 

「怖かった…」

 

貞子レイさんに追いかけられるのは怖かった…

立体映像で怖さが倍増だったし…。

 

純真無垢なミソギちゃんが思いつくわけがない!

絶対、邪な大人がミソギちゃんに入れ知恵しただろ…!

 

「にいちゃんは『やんでれ』がこわいって、ロマンにいちゃんが言ってたから、

 レイねえちゃんたちにも手伝ってもらったんだ~♪」

 

またお前か…

 

レイさんはヤンデレなんて言葉、分からなかっただろうによく演じれたな…

あっ、ユニが教えたのか… ユニなら喜々として教えそうだし。

 

…レイさんのオバケの衣装はゲーム(プリコネR)のハロウィンイベントのヤツだっけ。

思い返してみると、同じイベントに出てたかわいいオバケ(幻想種)も居たような気がするし。

だとしたら、同じイベントに出てたツムギさんも協力したのかな?

 

でも、あれほど怖いオバケ屋敷になったのは、ミソギちゃんのセンスの賜物だよな…

 


 

夜空がサーチライトに照らされている…。 街の反対側で、カルミナのライブが始まったようだ。

 

俺もライブを見たかったが、パーティーへの招待を受けたので見に行けなかった。レイさんも招待を受けたが、カルミナのツムギさんとの先約があるから断ったらしい。

カルミナは3人組のアイドルユニットだ。メンバーは、リーダーのノゾミさん、歌で精霊?を使役するチカさんに仕立て屋のツムギさんだっけ…

 

そういえば、ロマンとコッコロちゃんの兄妹は今日のライブを楽しみにしているそうだ。特にドルオタのロマンはカルミナのグッズを大量に買いこむ予定らしい。アジトのスペースも考えてほしいと姉ちゃん(シズル)がボヤいていた。まあでも、ロマンとしてはラビリスタさんが拡張するから問題ないという魂胆なのだろう。

 

…ライブに行きたかったなあ

 


 

パーティーに行くと…サレンさんがいた。

 

「あら、あんたも呼ばれてたのね。 あんたもパーティーに呼ばれるなんて、結構儲けてるのね。

 …あんたの場合、儲けているってよりは、ギルドへの貢献が評価されてるのかしら。」

 

そう言って、コスプレ(仮装)したサレンさんが好物のチョココロネverハロウィンを頬張る。 かわいい…

 

随所にデフォルメされたジャック・オー・ランタンやオバケがあしらわれたドレス。 かわいい…

 

「な、何よ…じっと見つめて… あんたも食べないの? お腹空いてるでしょう?」

 

確かにそうだと思ったので、俺もクロワッサンを食べる。カボチャの風味がおいしい。

 

「おーほっほっほ!

 サレンさんではありませんこと!

 そのドレス、お似合いでしてよ!」

 

「アキノさんも。

 とっても似合ってるわよ。」

 

…ヤバい『勝負』が始まる。

アキノさんとサレンさんのライバル意識が強すぎて、いつも何かしらの『勝負』を始めるんだ…。

前の『勝負』の時は、売上を競った結果、過度な価格競争で経営が悪化した商店が多く出たから、

ギルド管理協会と俺で事態を収拾するはめになったんだっけ…

 

「『勝負』するなよ…?」

 

「ええ、ちゃんと反省しているわ…。

 たとえ、商人として正しいことをしていても、

 周りに迷惑をかける可能性があることに気づかなかった…。」

 

「わたくしもです…。

 わたくしたちのような大商人が自由勝手に動けば、小商人は大きく影響を受けてしまう…。

 大商人であることの責任を忘れていましたわ…。」

 

反省会を始めるつもりではなかったんだが…

 

「『勝負』しなければいいだけだからね!?

 パーティーだからもっと楽しもう…?」

 

「ええ、そうよね…。 たまにはゆっくり楽しみましょう、アキノさん。」

 

「もちろんですわ、サレンさん。」

 


 

「まあ、まあ、まあ。 ユウキさんにサレンさん、奇遇ですわね。」

 

あっ、凄腕投資家のクレジッタさんだ。

 

「いつもお世話になっています、クレジッタさん。」「こんにちわ、クレジッタさん。」

 

「あら、気にしなくとも良いですわよ。 商人は助け合いですもの。

 わたくし、サレンさんには仲間意識を抱いておりますし、

 孤児院の経営と商売の二足の草鞋は大変でしょう。 

 わたくしも微力ながらお手伝いさせていただければ…、と。」

 

怪しいけど普通に善意なんだろう…。 偽悪的な面があるし。

それに仲間と認めた(苦労した過去のある)人にはメチャクチャ甘いし。

 

「ユウキさんも、是非リッチモンド商工会へ加入してほしいですわ。」

 

それは、流石に無理だ… 

 

「いえ、それは結構です。 でも、依頼をしてくれれば、いつでも。

 クレジッタさんは来ないと思っていましたけど、どうしたんですか…?」

 

こういうパーティーの場は苦手じゃなかったっけ。

 

「見ての通り、仮装して出席している人が多いでしょう?

 このようなパーティーには、わたくしを下賤と呼ぶような人種は、招待されても来ませんわ。

 なので、わたくしも出席することに決めましたの。」

 

社会の闇を垣間見てしまった…

 


 

パーティーが終わり、俺はギルドハウス(トゥインクルウィッシュ)への帰り道を歩いている。

 

「おい、お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞ!」

 

お菓子を求めて徘徊しているマフ…カボチャ頭が声をかけて(反省を促し…)きた。

ジャック・オー・ランタンの頭に黒い翼、そして鎌を持っている。

本物みたいに見える、見事な仮装だ。

 

「ハッピーハロウィン!」

 

懐にあった飴玉を渡す。

 

「いただきま~す。 …うげぇ!?」

 

あっ、サルミアッキだった!」

 

ミソギちゃんに貰ったサルミアッキをポッケに入れっぱなしにしてたのを忘れてた…!

 

「ジャック~! 観念しろなの~!」

 

「うげぇ… オロロ…」

 

ミヤコちゃんとシノブさんが走ってきた。

どうやらカボチャ頭(ジャック)を追いかけているようだ。

 

「随分と大変なことになっていますね…

 ユウキさん、この子になにかしたんですか?」

 

「間違えて、リコリス菓子(サルミアッキ)をあげてしまって…」

 

「おい、小僧! シノブに近づくんじゃねぇ!」

 

宙に浮くドクロ(シノブの父親)が威圧してくる…。

幽霊になっても子供を守ろうとするなんて素直にすごいと思う。

 

「お父さん、せっかく会えたんだし、手伝ってもらおうよ。」

 

「シノブがそういうのなら仕方ないが… 小僧には気をつけろよ…!」

 

ドクロ親父(シノブの父親)にやけに警戒されてるよな?

原作のように、男が近寄るとかそういうの関係なく…

 

「…あの、ちょうど良いところで会えました。

 実は、あの幽霊…ジャックは復讐として、ハロウィンを壊すと言っています。

 ジャックを止めるのを手伝ってくれますか?」

 

幽霊だったのか!? 気づかなかった…!

仮装の造形にリアリティがあったのは仮装じゃないからか!

 

「オマエに拒否権はないの! 一緒に手伝え、なの!」

 

「分かった!」

 

もちろん俺は同意を示す。

決して、サルミアッキを渡したことを誤魔化すためではない。

 

「よくもやってくれたな! 今ここで、お前たちを倒してやる!」

 

ようやく、立ち直れたようだがもう遅い。 ここにお前の墓標を立ててやろう!

 

「ユウキがいるならオマエはもう勝てないの! 降参してみんなと一緒にプリンを食べるの!」

 

「それはどうかな!」

 

カボチャ頭(ジャック)がシノブさんに向かって突進していく。

この速さだと、シノブさんを強化しても避けれない!

 

「避けろ! シノブ!」

 

ドクロ親父(シノブの父親)の声が響き、カボチャ頭(ジャック)がシノブさんにぶつかり、めり込んでゆく…。

何が起こってるんだ!?

 

「スゲェ! 力がみなぎる! これで、オイラは無敵だ!」

 

油断した! コイツ(カボチャ頭)そんな能力(憑依能力)があったとは…!

シノブさんの力を振るえるなら、俺でも苦戦は必至だ!

仕方がない… 敵が油断している今のうちに対処するしかない…

 

カボチャ頭(ジャック)INシノブさんに悟られないようにゆっくり近づいてゆく…

 

「小僧! シノブに何をしやがる!」

 

ドクロ親父(シノブの父親)なんぞ無視だ…!

カボチャ頭(ジャック)INシノブさんに近づいた俺は無言の腹パンを決める。

本来はやってはいけないことだが、回復魔法とかもあるし、何かあってもなんとかなるだろう。

 

ぐわ~~~!

 

シノブさんの体からカボチャ頭(ジャック)が勢いよく弾き返とばされた。

やばい…やりすぎたかも…

 

「大「やりやがったな、小僧! 大丈夫かシノブ!?」

 

「シノブ! 無事なの?」

 

「大丈夫です…お父さん…ミヤコさん…

 それよりも…ユウキさん…ジャックを…」

 

大丈夫だったようだ。 でも後でユイに診てもらったほうがいいな…

 

「くそ~! こうなったら、お前に取り憑いてやる!」

 

「ユウキさん…危ない…!」「無理をするな、シノブ…」

 

やめるの!

 

ミヤコちゃんたちの()()も虚しく、俺にカボチャ頭(ジャック)が飛び掛っ…

 

●☆▲※◎★!!! オ、オイラは…

 

カボチャの穴から大量の泡を吹き出してぶっ倒れた……

 

オイラは…まだ…

 

カボチャ頭(ジャック)が必死の形相で俺の足に縋り付く。

今なら、踏みつけれるかもしれないが、足が地面に縫い付けられてるように動かない…

そう…俺は得体のしれないことを無自覚に行ったことに恐怖している…

 

ユウキは特別なの! オマエとは天と地ほどの差があるの! 分かったなら早く降参するの!

 

ミヤコちゃんが()()()()()()()()()()で、半ば泣き声で敵のカボチャ頭(ジャック)を説得している…

 

俺もこんなことになるとは思わなかった…

どうも俺には、何かとんでもない秘密があるようだ。

ミヤコちゃんは何か知っているのだろうか…?

 


 

アンナは七冠のネネカにランドソル郊外の喫茶店に呼び出されていた。

 

「アンナさんの小説を拝読させていただきました。」

 

「おお! 私の書いた小説を読んでくれたのか♪

 どうだった?」

 

「ええ…ファンになりました。」

 

「うむ、それは良かった。 早速だが、本題に入ろう。 何か聞きたいことがあるんだろう?」

 

「単刀直入に言います。 あなたがシグルドと呼ぶ彼は『()()』だと思いますか?」

 

直後、アンナが硬直し、手に取られたコーヒーカップが静止する。

 

「…ネネカさんはどうしてそう思った?」

 

「私に生命、非生命問わず、解析し、模倣する能力があるのはご存知ですね。

 七冠ですら、不完全ながらも解析することができる強力な権能です。

 ですが、私に彼を解析することは叶いませんでした。」

 

「考えられる可能性は二つ、『誰とでも絆を結べる、最も人間らしい存在』、

 若しくは、『人知無能な、人間には理解できない存在』のどちらかです。」

 

原作『プリンセスコネクト!』においても、究極の個である七冠には、

『主人公』のような対極に位置する人をコピーできないと言及されている。

 

「ただ、私には彼が後者の方であることに確証が持てませんでした。

 なので、あなたに聞いているのです。」

 

啜ったコーヒーの苦さに顔をゆがめると、アンナは不確かな『夢』の話を切り出した。

 

「『誰とでも絆を結べる、最も人間らしい存在』には心当たりがある。

 確か…『藤丸立香』という名だったような…?」

 

「…!」

 

そして、自身の『夢』が妄想でなかったことに歓喜していることを、臆面にも出さず続ける。

 

「ネネカさんも人類最後のマスターのことを知ってるのか?」

 

「いえ…その話はまた後ほど、ロマン先生も呼んで聴きたいので、続けて下さい。」

 

ロマン先生…ドクターロマンの正体に今更気づいたアンナは顔を青ざめさせる。

 

「もっ、もしかして、ロマン先生ってカルデアの人!?

 私、彼を元ネタにしたキャラ(貫井)を小説に登場させちゃったんだけど!」

 

「私たち七冠はあなたの所業が霞むほど非道いことをしたので問題ないと思いますよ。」

 

具体的には、七冠はロマンに人体実験を行なっている。

基本的に七冠の倫理観は研究においては蒸発するのだ。

当人(ロマン)カルデアでの一件(マシュ・キリエライト)もあって気にしてないようだが…。

 

「う…うむ。 もし、シグルドが『誰とでも絆を結べる、最も人間らしい存在』なら、

 今頃、無自覚かつ無差別に女性をたらしこんで、ハーレムを築き上げているはずだ。

 だがそうでない場合、シグルドがごく短期間で多くの友人を作れた理由に、疑問符が残る。」

 

原作(ギャルゲー)主人公を言い表すとこうなるだろう。

もっとも、原作(Re:Dive)では、鈍感キャラに記憶喪失(幼児退行)も相まって、ハーレムとまではなっていない。

それでも、数十人に矢印を向けられる異常性は存在し続けるが…。

 

(ユイとミネルヴァ、それにガイド妖精のフィオ。

 私の知る、彼に対して好意を抱いてる人物といえば、この3人ぐらいでしょうか…)

 

(私の記憶、知識には欠損が多いですし、実際にはもっと…少なくとも倍はいそうですね…。

 それでも、好感度をひたすら積み重ねた結果にしては、若干少ないかもしれませんし、

 アンナさんの言わんとする人物性には当て嵌らないでしょうね…。)

 

「ループのことはご存知ですか?」

 

「うむ、記憶にはないが、一応知っている。 どう関係があるんだ?」

 

「私も少ししか覚えていませんが、最初のループの頃の彼は人間関係に苦労していました。

 友人が多いのは単に経験の一部を次のループに持ち越しているからでしょう。」

 

ネネカは若干目から光を失いながらそう語った。

因みにトゥインクルウィッシュのレイは『本性を隠して近づいて来る人』が嫌いである。

 

「強くてニューゲームってやつだな。

 だったら、もう片方になるが…。」

 

「どうかしましたか?」

 

「私は()()に『偽物』も『本物』も出番はないと思っていた。

 だって、『原罪』はとっくに救世主が持ち去ったはずだからな…」

 

「でも、ミヤコ(悪霊)がいた。 ()()()()()()()()なんて第三(魔法)でもない限りあり得ない。

 シャドウだってそうだ。私たちの魂の欠片を取り込んで動いてるんだろ、アレは…。

 どちらも想念を被った(プリンにしてやるの!)『偽物』だったが、『本物』が存在すると確信するには十分だ。」

 

(シャドウは盲点でした。 あれも、元々はアンリマユ…『偽物』の産物でしたね…。)

 

「それに、『本物は魂と引き換えに顕れる』って言うだろ?」

 

「……あなたを頼って正解でした。」

 

 

   TIPS : 第三魔法 魂の物質化

 

   第三魔法。 普遍的に実現した世界では第三法と呼ばれる奇跡。

 

   魔法とは、その時代において、決して実現不可能な神秘(奇跡)である。

   魔法を実現することは、全ての始まり(この世全ての原因)である『根源(太極)』に辿り着くことと同義であり、

   魔術を用いて、『根源』への到達を目指す者を魔術師(メイガス)と呼ぶ。

 

   Fate世界(型月世界)の現代以降においては、知られていないのまで含めると、六つ数えられる。

   そのうち、第三魔法は『魂の物質化』。 形而上の存在を汲み上げ、物質化する奇跡。

   則ち、肉体の軛を脱し、不老不死を得ること(生きたままでのサーヴァント化)を可能にする。

   また、サーヴァントや電脳体も第三法の産物の一つである。

 

   この世界では、一応は普遍的に実現されており、()()()()()()

   ただし、そのことに気づいている者は少数である。

 

 

「…黒い銃身(ブラックバレル)がアトラス院の七大兵器に数えられている所以は、おおよそ見当が付く。

 それは、おそらく黒い銃身(ブラックバレル)が『■を殺す』ための兵器だからだ。

 黒い銃身(ブラックバレル)は『天寿』の概念礼装。相手の寿命に比例した毒素を打ち込む。

 そして、毒素はおそらく、真エーテル(第五架空要素)を自壊させる第五真説要素(エーテライト)だろう。

 死んだ■から真エーテルが漏れ出た世界においては、アリストテレス(■の意思の代弁者)を一撃で倒している。

 そして、■■には真エーテルを大量に含んだ、寿命が途方もなく長い存在が一つだけある。

 黒い銃身(Longinus)が世界を滅ぼす七大兵器に数えられるのは当然だ。

 ■■に打ち込めばいい。 ただそれだけで世界は終わるのだから。」

 

「マスター、カッコつけても威厳はそなわりませんよ。

 それにマスターの推測でしょう。 ホントかどうかも怪しいです。」

 

「ええ…酷くない?」

 

「私に黒い銃身(ブラックバレル)を運用させたいのは知っています!

 でも、私は外部から取り込んだ真エーテル(第五真説要素)で駆動してるんです。

 そんなものを所持したら自壊しかねないじゃないですか!

 いくら固有結界で躯体が外界と隔絶されてるっていっても、完全ではないんですからね。

 だいたい、アリストテレスは侵食固有結界なるものを持ってるんでしょう。

 そんなものを倒せるなら、毒素が固有結界を侵食するかもしれないじゃないですか!」

 

ハベトロット(異聞帯の妖精)は最期まで耐えたから、大丈夫だと思う…多分

 

「それって絶対、衰弱死したパターンですよね!?」

 

「でも、他に使えるヤツいないし、代わりにロゼッタを自爆させるわけにもいかないだろ。

 第一、黒い銃身(ブラックバレル)を使っても、覇瞳皇帝に効くかどうかは賭けなんだし、

 保険として、設計途中のデータを残すだけだ。」

 

「ねえ今、自爆って言いましたか!?

 何サラッと非道いこと思いついてるんですか!」

 

だ、大丈夫。 パンツは履かせてあげるから…!」

 

なっ、何言ってるんですか! マ、マスターの変態!!

 


 

俺はマコトさんに、

「一生のお願いだ! 頼むよ、あたしの代わりに参加してくれ!」

って言われたので、クリスマスパーティーに参加している。

 

あっ、ユイがいる。

うん、何かとユイと俺を引き合わせようとしてたから分かってた。

マコトさんが『一生のお願い』を使う時なんて、幼馴染であるユイのためだもんなぁ…

 

「やっぱり、ユイも来ていたんだ。」

 

もしかして、ユイが着てるのって、プリンセスフォーム(強化フォームで変形する)のドレス?

第一部のシナリオすら消化してない(新たな力を手に入れてない)のに、第二部の装いになるとは驚きだ。

 

「ユウキくん!? 

 わっ、わたしはマコトちゃんに参加してほしいって言われたから来たんだけど…」

 

予想通り、話してなかったか…

教えても恥ずかしがって逃げるもんな…

 

「みなさま、準備はよろしいでしょうか。

 若き128人の男女が運命の相手を探すお見合いイベント、

 『デビュタント・シャングリ・ラ』を開催いたします!」

 

「ユウキくん!? ど、どうしよう!?」

 

うん、流石にお見合いパーティーだとは思わなかった…

 

「…特別なクリスマスプレゼントを用意しております。

 こちらは魔法のバラの蕾をつけた、特別なクリスマスツリー。

 その名も、『トゥ・ラヴ・メーカー』!

 イベントの終盤、私が選んだ理想のカップルに、

 人の愛に反応して開花する…この愛の花を一本、お贈り致します。」

 

ふむ…確か、象牙の塔(ユニの家)で読んだ本に載っていた…

 

「それではみなさま、まずは会場にいる人と話してみましょう。

 コミュニケーションが苦手な方も、スタッフがお手伝いいたしますので、ご安心を。」

 

赤い一本のバラ、その花言葉は…」 「『私にはあなたしかいない』と『愛している』ね。」

 

うわっ…!? お、驚いた…

 

「サレンさん…?」

 

「久しぶりね♪ ユウキくんに…ユイさん。」

 

「わたくしもおりましてよ!」

 

「い、いつもお世話になっています…! サレンさんにアキノさん!」

 

二人とも、赤と黒の地に緑と金が映えるクリスマスドレスを着ている。

このデザインが流行ってるのかな…?

 

「二人はどうしてこんなところに? お見合いなんて興味ないだろ?」

 

二人をからかってみる…。

 

「わ、わたくしは、ギルドのメンバーのミフユさんに勧められて来たのですわ。

 も、もちろん、お見合いイベントだなんて、し、知りませんでしたわ…」

 

…。

 

「あ、あたしもそうよ… ユウキも出るってマホに聞いたからなんて…、言えるわけないじゃない…!

 それに、あんたたちも人のことい、言えないじゃない!」

 

……。 好感度高くね…? 反応に困る…。

 

わ、わたしも…マコトちゃんに… …です… 

 

あっ… ユイの顔が赤くなっている… かわいい…

 

「みなさま、特別な運命の出会いに胸も踊りだす頃でしょうか?

 それでは最初のプログラム、愛のダンス。

 どうぞときめく方をお誘いいただき、特別な挨拶をお楽しみください。」

 

ダンスの心得なんてないぞ…

 

「じゃあ、あたしたちと踊りましょう!」

 

「ああ…」

 

今日のサレンさんは押しが強いな…

 

「それにしても、困りましたわね。

 私たちは三人ですけど、彼は一人、

 どの順番で踊るべきでしょうか…」

 

「なら、あたしが一番最初でいいかな?

 次は…アキノさんでどうかしら…?

 ユイさんもそれでいいわよね?」

 

「わかりましたわ!」

 

「ふぇぇ…!? い、いいですよ!」

 

ユイの頭から蒸気が出る幻覚が見える…

 

「それじゃあ、踊りましょう?」

 

サレンさんに手を引かれる…。

 

…。

 

……。

 

………。

 

「…あんたがそこまで下手だとは、思わなかったわ。

 あんたにも苦手なことってあるのね、なんだか安心した…

 あたしに合わせて…は無理だから…最低限の動きだけ教えるわ…」

 

…。

 

……。

 

………。

 

「一曲目はいかがでしたか…?

 それでは次の曲に参りましょう。」

 

「はあ…どうにか上手くいったわね…。 次はアキノさんの番よ。」

 

はあ… なんとか乗り切れた…

 

「あなたさま~、わたくしに合わせてくださいね♪」

 

…。

 

……。

 

………さっきよりも踊りやすい。 アキノさんって上手なんだな~

 

「最高でしたわ! できればわたくしの騎士になってほしいですわ…

 

…。

 

「二曲目はいかかでしたでしょうか?

 ()()()ですが…もう一曲、どうぞ。」

 

ユイが恥ずかしがって動かない…。

だから、俺はユイの手を引いて…

 

「ユイ、二人で踊ろう…」

 

「本当に…いいの?」

 

「もちろん。」

 

…。

 

……難しい。 今にも足がもつれそうだ… でもそれは、ユイも同じみたいだが。

 

………あっ!?

 

時よ止まれ(Verweile doch) 君は誰よりも美しいから(du bist so schön――――――――)』 そんな透き通る願い(想い)が聞こえたような気がする――

 

足がもつれて倒れてしまった。 今はユイに覆いかぶさるような姿勢になっている…

 

……お互いの体温が直接伝わり、鼓動が高鳴るのを感じる。

それに…ユイの顔が近い…。 唇が触れ合いそうな距離とはこのことだろうか…

 

()()()()()()()()()()静けさの中、お互いの顔が真っ赤になっていくのがわかる…

 

口もとのルージュにあまい香水の匂い…

…精いっぱいのおめかしをしたのだろう。 綺麗という言葉が、よく似合う…

()()()()()()()()()()()()()()()とさえ思う。

 

だが、再び鳴り出した曲と共に、()()()は現実に引き戻された。

 

「ご、ごめん…」

 

「わ、わたしこそ…」

 

俺はユイに見惚れていた… ()()()()()()()()()錯覚を覚えたのはそのせいだろうか…

 


 

「次のプログラムですが、重大な不正行為が発覚いたしましたので中止とさせていただきます。

 中止とする代わりに、昼食にはオーエド町の職人が腕によりをかけて作ったトーゴク料理、

 最上級コース『松』を用意させていただいております。 是非、ご堪能ください。」

 

和食だ…やったぜ…!

 


 

「次のプログラムは『謎解きスタンプラリー』です。

 気に入った相手と謎を解き、6つのスタンプを集め、ゴールにたどり着いてください。

 探索範囲はランドソル市内です。 今回、謎解きのために王宮などの施設を開放しています。

 制限時間は日が完全に沈むまで。 それまでにクリアできない場合はここに戻ってください。

 最も早くクリアしたパートナーに、魔法のバラで告白する機会が与えられます。」

 

「なお、こちらが最後のプログラムです。 

 一度もお誘いできなかったあなたもこれがラストチャンス……

 三角関係でも六角関係でも、どうぞ、悔いの無いようお楽しみください。

 ただし…、最後にはどの御方と結ばれたいのか、意志を伺うことになるでしょうが…

 それでは、スタッフからカードを受け取り、謎解きを始めてください。」

 

…謎解きはそれなりに得意だ。 しかも、こういう周遊型はメタを張ることができる。

このプログラムは謎解きに託けたデートだ。 つまり、観光名所を巡るのだろう。

今は昼過ぎだ。 そして、参加人数の多さからかなりの難度が予想される。

何人も誘っていいって言う時点で、人数は関係ないって言ってるようなもんだしな…

俺一人では多分無理だが、ユイたちは頭がいいから素直に頼ればいい…。

 

「私たち、4人ですわね…。」

 

「…ええ、そうね。 あいつに選ばれるのはこのうちの一人だけ…

 

「はい、カードを取ってきたよ。」

 

考え込んでる間にユイが取ってきてくれたようだ。

 

横からカードを覗く…

 

…5つ目の謎が分かった。

 

場所はスタート地点の此処だ。 街を一周したら辿り着くように作っているのだろう。 

 

「ユウキくん、どうしたの?」

 

「5番目が分かった。 多分、少し待ってれば、この会場でスタンプが押せるはずだ。」

 

「どういうことかしら?」

 

「この謎解きは街の名所を歩かせるような構成になっていると思う。

 だから、盲点になりやすく、街を一周して戻ってくるであろう、

 スタート地点にスタンプがあると思ったんだ。」

 

「それにだ。 この街は全ての地区を合わせるとかなり広い。

 今日は貴族の居住区も一部が開放されてるから、建物の中を含めた街中全てを巡るのは難しい。

 だから、制限時間になっても、このスタンプは此処で押せるようになってるのだと思う。」

 

「そういう考え方もあるのね…」

 


 

「これで、最後の一つだな…」

 

「『見晴らしのいい奈落』って何処かしら…」

 

「……わかりましたわ! 空がよく見える場所ですわ!」

 

「ねえ、それってどういうことなのかな?」

 

ああ…そういうことか…

 

「天地を逆さまにすれば、底のない空が延々と広がってるように見えますの。

 つまり、空がよく見える高い場所だと思ったのですわ!」

 


 

王城の主塔から外を覗くと、白くなった街と群青色の空、真上には大きなソルの塔が見える…

 

スタンプ台が見当たらない。 他にも数組が探しているが見つからないようだ…。

つまりここではない…と。

 

「見つかりませんわね…」

 

「ここじゃないのかな?」

 

「別のところを探しましょう。」

 


 

イノリ   「へえ~ ボスは依頼で謎を考えているんですか…。」

 

ホマレ   「強い愛があれば、高い壁も超えられるから、とびっきり難しいのがいいんだって☆

       簡単に言ってくれるよね~♪ イノリちゃん、手伝ってよ~☆」

 

      (確か、スタッフの収賄が発覚してプログラムの大半が中止になったんだっけ☆

       イベントを取りやめても良かったのに強行するなんて、

       このイベントに思い入れでもあったのかな~♪)

 

イノリ   「そういうことなら、あたしにいい考えがあります♪

       こういうのは固定観念を利用すればいいって、アイツも言ってたのですよ!

       この前の宴会でボスが披露したミスディレクション、とやらで思考を誘導すれば、

       いくら時間を掛けても答えには辿りつけないのですよ!」

 

ホマレ   「ふ~ん。 そういう趣向もありなのかな~♪」

 


 

空が茜色に染まってきた… もうそろそろ日が暮れそうだ…

空が見える場所とかを探したけど全然見つからない…

 

「ちょっといいかな?」

 

ユイが何か思いついたようだ…

 

「ユイさんはわかったので?」 

 

「もしかしたら、『見晴らしのいい奈落』ってそのままの意味かもしれないと思ったの…。

 舞台下の空間のことを『奈落』って言うよね?」

 『見晴らしのいい奈落』は景色が見渡せる施設の最下層のことじゃないかな。」

 

「そんな場所、ランドソルにあるか?」

 

「あたしもそんな場所知らないわよ…?」

 

「ソルの塔の最下層なら景色が見渡せるよ。 そこに行ける転移魔法陣も王宮にあるしね。

 それにソルの塔は『冒険の舞台』でしょう?」

 


 

日が稜線に差し掛かった頃、俺たちはソルの塔に辿り着いた。

6つ目の場所(ソルの塔)が直接ゴールになってたとは…

それにしても謎を解かせる気ないだろ…

 

「ゴールおめでとうございます。 日没までにゴールできたのはあなたたち一組だけです。

 この難題を終え、ゴールできたということは、この中に運命の相手がいるのでしょう。

 約束通り、魔法のバラはあなたたちに与えられます。

 次の指示があるまでご自由にお過ごしください。」

 

難題を解決できた人が運命の相手だなんて、竹取物語かなんかですかね…

 


 

一人で雪積もる夜の街を見下ろしていると、タキシード仮面主催者のお爺さんがやって来た。

 

「えっと…、貴方は…」

 

「今日のところは"ローズメン"とお呼びください。

 あのお三方との逢瀬はいかがでしたか?」

 

「はい、とても楽しかったです。」

 

「それは…今迄準備してきた甲斐があります。

 …あなたがお三方からの好意を自覚しているのは承知しております。

 もうそろそろ、覚悟を決めた方がいいですよ。

 先延ばしにし続けるのは、きっと…酷なことでしょうから…。」

 


 

『それにあなたには既に心に決めた人がいるのでしょう?』

 

ああ、魔法のバラを贈るのは…

 

「ユイ…君のことが…」

 

腹から剣が生えている… …背後から刺された!?

 

「ユウキくん…!?」

 

「あら、告白できなくて残念だったわね。」

その声は…

覇瞳…皇帝…

 

 

 

 

 

 

「ねえ、起きてよ! これからもわたしと冒険しよう…! お願い…目を覚まして!」

 

「ふふ…アナタ(プリンセス)の泣き顔はいつ見ても最高だわ…」

 

 

――― YOU REBOOTED ―――

 

 




Q.どうしてオリ主は別ループでも美食殿に入らないの?

A.コッコロがいないとコッコロが炊いた米の匂いにペコリーヌが釣られないから、ペコリーヌとそれを追っかけてたキャル、二人との出会いがなくなってギルド美食殿は結成されない。


基本的にはこんな感じでルートが分岐する(例外もある)

○はこの話で起こったこと

→コッコロがオリ主の元へ送り込まれる
 →コッコロが米を炊いた(ペコリーヌとキャルに出会う)
  →キャルが記憶を持ち越した
   →本編
  →キャルが記憶を持ち越さない
   →美食殿結成
 →コッコロが米を炊かない
  →コッコロと二人で冒険
→アメス様がコッコロたんの精神が不安定になるからとオリ主に送り込まない
 →美食殿メンバーとの出会いキャンセル
  →オリ主のレイからの好感度が高い場合
   →トゥインクルウィッシュ加入○
  →オリ主のレイからの好感度が足りない場合
   → 偶々仲良くなれた人のいるギルドに加入
    or放浪(中程度の確率でユイが追ってくる)

→ロゼッタ開発時
 →ユニたちと研究漬け(美食殿より世界平和が優先される)○

今後の展開の参考にします。 下に行くほど理解不能になるので注意!

  • プリコネルート
  • 多重クロスルート
  • 闇鍋ルート(勝手に戦えルート)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。