岸くんに憑依したので世界は救われないかもしれない 作:Iaなんとか
「いや~復興が早いね~
更地になったランドソルに一夜で巨大都市ができたのには驚いたよ。
あれって、アタシがいたオーンスタイン城だよね。
外から見るとこんなふうになってるんだね~
アンタはああなるの知ってたの?」
「う~ん…。 イリヤがああいうことできることに、特に疑問はなかったけどさ…。
まさか、オーンスタイン城がアレだったとは…」
俺、めっちゃ驚いた。
どうみても外観がダークソウルのロスリック城だもん。
流石に完全再現じゃなくて、古竜の頂とか、アノールロンドとか…色々混ざってるけども。
ご丁寧に巡礼者がたくさんいた橋まできちんと
「へ~ アンタにも分からないことがあるんだね。」
いや、若干の心当たりはあったけどさ…
城の内装に首のない騎士の像があったり、要所要所がダクファンっぽくて…
イリヤのフルネームはイリヤ・
こんなんわかるかよ!!
確かに、ダークソウルには竜狩りオーンスタインって敵キャラがいたけどさ…
プリコネとはぜんぜん関係ないじゃん!
レジェンドオブアストルムだって、内実はプリコネと全く関係ない聖杯戦争だったし…
この世界、プリコネなのはガワだけなんじゃ…
「アンタが思ったより苦労してるのはわかったからさ…、
そんな深刻そうな雰囲気ださないでよ。
もっとふてぶてし…
あっ、この光はフィオの…
あっ、
「どうしたんですか?」
「えっとね… これからプリントを
…。 …?
「課題を
今どき、mimiさえあれば、プリント類のやりとりはできるはずだ。
「それが…私、新しく導入された校務支援システム?の使い方が、まだよくわからなくて…」
教師のことなんてあんまりわからないけど、研修とかで操作方法とか教わるんじゃないのか?
そうじゃなくても、知ってる人が一人くらいいるだろ…
「他の教員もまだ使えないし、困ってて…
できれば使いたいけど、機材のセットアップとかが大変らしくて、
職員会議で専門の事務員さんを呼ぼうって話が出てるの。」
…思ったより深刻だった。
「あー、うん… 分かるとこなら、教えますよ?」
…このソフトには見覚えがある。由仁姉とオレの要望が取り入れられたヤツだ。
オレの愚痴を聞いて、使命感と浪漫を抱いた由仁姉の祖父とハカセが
『我らがやらねば、誰がやる!』ってカンジで、徹夜で作ったアレだ。
学生の生の意見が聞きたいって理由で、由仁姉と一晩中付き合わされたっけ。
オレの帰りが遅くなったのを心配した静流姉も来て、一緒にワイワイ盛り上がったんだよな…
「ありがとう。またあなたの時間がある時にでも頼もうかな?」
「今日暇なんで、ついていきますよ。」
嘘ではない。 スケジュール的にも、今日だけは空いている。
いつも気になるが… アイツはどうやって、あんな大勢の女の子と戯れる時間を確保してたんだ?
「ええっ、本当に!? でも、いきなり行ったら、
「あっ、大丈夫。 今から電話して聞いてみます。」
えっと…
…。
「いきなり電話してきて、なんなのさ…」
「今から、
「ええっ!? いっ、いいけど…!?」
「
「ねえねえ、FAXじゃだめなのかな?」
「先生はいつの時代の人間なんですか…」
2000年代生まれだろ…
「あれっ、つい最近まで使ってたよ?」
…前の世界の方がマシに思えてきた。
「プリンター? あったあった! 結構古いけど、大丈夫かな~?」
「無線接続可能なら大丈夫だ。」
「わかった。mimiと接続すればいいんだよね?」
「ああ。」
う~ん…未だこの世界の技術にはなかなか慣れない…
未来社会で暮らしてるはずなのに不便すぎる。
いや、この世界に来てできるようになったことより、できなくなったことの方が気になるだけか…
ちょっと前までこの世界では、オンライン会議とかリモートワークは未だSFの話だったんだよな…
パンデミックで社会が一変した前の世界の方が特異なのかもしれないけど…
必要は発明の母とはよく言ったものだ。
流石にフットワーク軽くないか…?
でも、子供の話でもちゃんと聴いてくれる大人が周りにいるオレは、本当に恵まれていると思う。
「できた~ 次はどうすればいい?」
「えっと…mimiでこのQRコードを読み取って、ログインして。」
「QRコード、QRコード…」
ずっと思ってたけど、この世界は技術の発達に社会が追いついてない感じがする。外国語を隠語やスラングさえもmimiで完璧に通訳できたり、意識ごと没入できるVRゲームがあったり、技術水準自体は上だ。でも、歪な発展をしてるというか、なんだか一昔前のSFを見てる気分だ。空飛ぶ車が普及してるのに、パソコンは黎明期の代物しかなかったりする、現代人にとっては違和感ありまくりなそれだ。この世界の住民がオレのいた世界を見れば、同じ感想を抱くと思うけど…。
「できた! これでだいじょうぶだよね…?」
「これで…いいと思う。先生、設定できました。」
「ありがとう。 えっと、学校の話をするけど、いいかな?
あと、小テストや宿題の提出もできるようにするから、ちゃんとやっておいてくださいね。」
今日は
引き籠もりを外に連れ出すようなことして、本当に大丈夫なのか…?
「
「おはよ~ 今、家を出るから、ちょっと待っててね。」
「
授業中にいきなり倒れるもんだから、
「アンタに心配されると、学校に逝かなくちゃって気になるんだよね。」
やっぱりオレのせいで無理をさせてしまったか…
「ほら、すぐそんな顔をする。
クラスのみんなも心配してるんだから、あたしみたいにふてぶてしく生きなくちゃ。」
アメス 「ナイスプレイよ、リンちゃん。」
「あんたは基本、無理してばっかりだから、
面と向かって、それを言えるリンちゃんを大切にしなさいよ。」
「一人じゃできなくとも、二人、三人ならできることがたくさんあるはずだから。」
「もっと、みんなを頼りなさい。
それじゃ、またね♪」
「ねぇ、ユウキ。 今見たのって、現実の夢だったのかな…」
「…多分、そうだと思う。」
…リンと俺って仲が良かったんだな。
記憶を失う前の俺はどんな人間だったんだろ…。
「
アンタはルーセント学院で勉強してるんでしょ。 アンタとなら、あたしも頑張れるよ。」
ルーセント学院か…
ミサキとスズナにイオ先生、みんな元気にしてるのかな…?
「…でも、リンが学校で勉強することなんてないだろ?
それともなんかあったのか?」
「うん、記憶が混乱してて、読み書きができなくなっちゃたんだ。
…これを見て。 名前を書いたんだけど、変な文字が混ざってるでしょ。
この世界のママに手紙を書きたい。 たとえ本当のママじゃなくても、ママはママだからね。」
TIPS : 篝火
篝火には、螺旋剣が刺さっており、
また、不死に
篝火はお互い分かち難く繋がっており、時空を歪め、不死を転送することができる。
オーンスタイン城には特異点の中核を成す、最後の篝火が遺っており、
螺旋剣の欠片を用いれば、不死ならずとも、どこからでも帰還できる。
この特性を利用し、イリヤは覇瞳皇帝の第一宝具からユウキたちを救い出した。
火継ぎの儀式とは、不死が各地の篝火に火を灯す巡礼であり、
不死が
『王たちに玉座なし』 薪の王たちにとって玉座とは、世界を繋ぐ炉心でしかなく、
常に不死と共にあった安息の場所である、篝火のみが寄る辺だったのだ。
イリヤ・オーンスタインによって、篝火とその化身である火防女はその役目を終え、
燃え尽きた一つを遺し、燃え残った全ての灰を引き連れて、
それは、
「あっ、来たんだ…咲恋。」
「ど、どうして、あんたがここにいるのよ!」
言ってなかったっけ…
「今日のパーティーって、国家主導のプロジェクトに向けて、交友を図るためだって知ってる?」
「それくらいは…
確か、国連主導のプロジェクトが成功したから、日本政府も参考にするのよね…?」
そう、国連の進める事業を台無しにする、究極に破壊的なイノベーションだ。
「そうそう。 旧来技術の発掘及び破壊的技術によるICTの大衆化ってヤツ。
実はこのプロジェクトの立ち上げに、オレが一枚噛んでるの。」
「どういうことかしら…?」
オレが一番得意なのは暗躍だ。今の日本の影のフィクサーは間違いなくオレである。晶さんによると、今のところは七冠にオレの計画は気づかれてないらしい。理由はオレにそんな大層な才能はないのは明らかで、七冠に限らず裏で
「実務は任せっきりだけど、計画にあたって有用な技術をピックアップしたり、
オレの人脈をフル活用して、これだけの大企業や人材を集めたってわけ。」
オレは本当に友人や支えてくれる大人との出会いに恵まれたんだなって思う。
娘を通じて、
まあ…
「すごいじゃない… 結局、あたしは何もできなかったのね…
そりゃあ…10年近くかけて、ここまで漕ぎ着けたんだから…。国連だろうと邪魔はさせない。
「良かったら、会場にいる友達を紹介するけど、どう?」
「それはいいわね…!」
あのテーブルに怜と真歩さんがいるな…。
まずはあそこに行こうかな…
「あっ、王子はんと…手を引かれてるのは誰やろか…?」 「あの人は…おそらく佐々木家の御令嬢だね…」
「ちょっと友達を紹介してもいいかな…? …そう? よかった…。
えっと…この子はオレの幼なじみの士条怜ちゃん。」
「君が佐々木咲恋さんだね? よろしくたのむよ。」
「士条…ああ、大臣の… …あなたも大変なのね。 こちらこそよろしく。」
「こっちは姫宮真歩さん、なんというかメルヘンな人だ。」
「うちはマホマホ王国のプリンセス、まほ姫、言いますー。
…そなに本気になさんとっておくれやす。 ちょっとした冗談どすえ。」
「あんたの友人、ずいぶんとお偉いさんの娘が多いのね。」
「偶然…そう、偶然知り合ったんだ。 どうしてか…、
後になって分かるんだよ。 咲恋だって、出会った時は貧乏だったし…」
「…疑って悪かったわよ。 最近のあんたは何を考えてるのか、よく分かんないから…」
…碌でもないことだから、言えない。 できるなら、何も知らない方がいい…。
「話がある…」
「どうした…?」 「なぁに?」
「オレは未来を知っているんだ…」
「…オレは、この世界の未来を『プリンセスコネクト!』ってゲームで知っている。
オレの居たところでは、この世界のことがゲームやアニメになってたんだ。
ユウキはそれの主人公で、女の子たちと絆を結んで世界を救う…そういう物語だった。
今まで隠しててごめん… 嫌われるんじゃないかと思って話せなかったんだ…」
だって…、初対面なのに自分の秘密を知ってるなんて人なんて、恐ろしいだろ?
「…アナタはわかってないわ。 たとえ、どんな秘密があっても嫌うわけないじゃない…」
「ずっと…怖かったんだろう?
自分が人を物語のキャラクターに当て嵌めてると思われるのが。
そんな薄っぺらい気持ちで人と向き合っていると思われるのが。
彼女たちがあの子に向ける筈だった想いを彼女たちに知られるのが。」
「…!」
「わかるさ、私と君はとっくに家族なんだから…!
君は寂しがり屋だからね。 人に拒絶されること、人を喪うことに耐えられないんだろう?
それに君は『プリンセスコネクト!』という物語で彼女たちを縛ることをよしとしない。
見てればわかる、君は彼女たちに自由に生きてほしいと願っているんだろう?」
ああ、何も知らない
「アナタって、女の子…いえ、この世界を、触れれば壊れる置物のように扱っているんだよね。」
…。 そうだ…オレにとって、この世界は、ずっと夢のようで…輝いて見えてたんだ…
「でもね、この世界は決められた台本なんてない即興劇なの。
だから、アナタはもっと自由気儘に振る舞ってもいいのよ?
だって、観客を巻き込んで進むのは即興劇の定番なんだからね♪」
この、『
「ああ、だからオレは、これから起こる未来を覆したい!
それが
でも、ユウキは…この世界を知るオレに、未来を託して……去っていった…
「…!? それが
どうやら、
教えてくれ、私は何をすればいい?」
ここは夢なんかじゃなくて現実だから…誰かの不幸を物語として消費することなんてできない。
…誰かが傷ついて、不幸になる。 それはとても悲しいことなんだ。
「■■■って
テロリストに誘拐されて、その子の超能力を利用した兵器で大勢の人が死ぬ。」
自分の役割から、もう逃げはしない…
ここで原作を変えてみせる…!
「超能力者か… 今更、驚きはしないが、今まで見てきた世界は一体何だったんだろうか…」
「今、世界中で超能力者の争奪戦が起こってる…。
国連とかが、超能力を研究するために、超能力者を拉致して人体実験をしてるんだ…。」
…いざ、漫画やゲームが現実となったら、クソなんだ。 絶対にロクでもないことになる。
こういうのは空想だけで… そうじゃないな…良かったことだって、たくさんある。
ペコリーヌ、レイと…サレンに…シズル…この世界で過ごしてて、楽しかった…
「へぇ……、そんなことが起こっているのか…… 後は大人達に任せておけ…!」
「相談してくれてありがとう…。 アナタは優しい子ね。
もし、アナタのことが悪い人に知られたなら、アナタも狙われるんだもの。
アナタはとっくに
だから…自分があの子に劣ってるなんて考えるのは…もうやめてね…」
あっ、班決めに混ざれていない男の子がいる…
中学にあまり来てなかったから、まだ
だったら…ここはわたしが誘うべきだよね…
「…草野さん?」
大丈夫… 騎士クンみたいに、勇気を出して…
「え、遠足の班…わ、わたしと組みませんか…?」
「えっ…」
…。 ど、どうしよう… 声のかけ方がダメだったのかな~?
「いや、何でもないんだ! 一緒に回ろう!」
よ、よかった~
女性は不細工なぬいぐるみを抱きしめた少女を見つけた。
女性は特徴を照らし合わせ声をかける。
「アナタが■■■ちゃんね… ここから脱出するわよ…!」
「おうちに帰れるの…?」
「ゴメンね…■■■ちゃんは家族といたらまた狙われるから、もうおうちには帰れないの。」
「…そうだよね、ごめんなさい。」
「アナタは悪くないのよ。 …自罰的なところもあの子とそっくりね。
ああ…そうそう私のとこに来る?」
「うん… わたしに似てるのって誰?」
「私の子供でね、事情があってアナタと同じように帰れなくなったのよ。
それで、あの子の特殊な能力でアナタが此処に拉致されたことが分かって救出に来れたの。
…あの子もとうとうお兄ちゃんになるのね。」
そこに、銃を持った男性が駆け寄ってくる。少女は敵だと思い、女性の服の裾にしがみつく。
「研究資料は全部処理した。 逃げるぞ!」
女性は携帯電話を使い、緑髪の眼鏡をかけた女性に電話する。
『先輩? こんな遅くにどうかしたんですか…?』
「佳凛ちゃん、今ね、子供を拉致して人体実験してる研究所を襲撃してるの♪
安全な脱出ルートを教えてくれる?」
『ええ!? どういうことですか!? ちょっと待って下さい!
…緊急依頼です。 いつもの3倍出します。
依頼内容は、今から電話を転送するので、電話相手を安全な場所まで誘導することです。
『いいよ~♪』 ありがとうございます!』
「決して、ジータが
いずれ、
だから、絶対に見つかってはダメよ。 わかった?」
「うん、何回も聞き飽きるほど聞いたから、ちゃんと秘密にできるよ!」
「ジータはホークアイに変身して強く望む未来を願いながら、■■■の能力で跳びなさい。
今だから言うけど、ホークアイの
ジータは運命に愛されてるから、その先で助けてくれる人にきっと会えるはず。」
「本当にお母さんたちは行かないの…?」
「私はまだやることがあるし、二人だけの方が確実に跳べるから、一緒にはいけないのよ。
でも安心して、私たちは
またね、私の
「またね、お母さん…。お母さんの嘘つき…
いってきます!」
だから引っ越しできない! わたし、いい子になるから…!」
「ごめん… 失敗しちゃった…」
えっ…
「どういうことだよ!?」
失敗って…何があったんだよ…
「■■■ちゃんはどうにか逃がせたけど… ワタシたちはもう無理だと思う…」
…! オレが余計なことをしたせいだ…
「嘘だって、言ってくれ… お願いだから…
「ごめん…これがお別れの電話になると思う…
いっぱい思い出を作るって約束、破っちゃったね…
オレが何もしなければオレのせいだオレのせいだオレのせいだオレのせいだオレが悪いんだオレがオレのせいだオレが悪いんだ失敗したオレがオレの悪くて悪いんだオレのせいだオレのせいだオレのせいだ悪いんだ失敗したんだオレが何もしなければオレが悪いんだ悪いんだオレのせいだオレのせいだオレのせいだオレのせいだどうしてオレのせいだオレが何もしなければよかった間違ってたんだオレが悪いんだオレが死ぬべきなんだオレのせいでオレが失敗したんだ…
ワタシがドジっちゃったのが悪いの… アナタのせいでも、
他に幾らでも方法はあったのに、焦って性急に事を進めようとしたワタシが悪いのよ…。
ワタシたちの行動の責任くらい…自分でとるから…アナタは勝手に…罪を背負わないでね…」
…! そんなこと、できるかよ… どう考えても、オレが悪いじゃないか…
ユウキの時だって、オレが不用意な選択をしなければ…済んでたのに…
どうして…オレを責めてくれないんだよ…
「アナタには泣いて、笑って、恋をして…人生を精いっぱい満喫してほしい…
いつだって、アナタの幸せがワタシたちの一番の望みなんだからね…」
そんなこと…言わないでくれ…!
「お願いだから、生きててくれ! まだやり残したことがいっぱいあるんだ!!
家族旅行に行きたいんだ! 場所は北海道でスキーをするんだ!」
京都に沖縄にニューヨークにロンドンに南極に…とにかく全部を巡ってからじゃないとダメだ!
お別れなんてイヤだ!! ずっと家族で一緒がいいんだ!!!」
「ごめんなさい… 叶えれそうにないわ…
でも、アナタがワガママを言ってくれてとっても嬉しい…
子どものワガママに振り回されるのは、ワタシの夢だったの…」
イヤだ、イヤだ!
「母さんだって、言ってたじゃないか!
オレが中学生になったら、制服姿を見るって!
もっともっと…
「愛してるわ、■■…
この夢を見るのは何回目なんだろう…
棺の側で弟くんが泣いている…
「
涙をポロポロ流しながら、
「泣かないで… お兄ちゃん……」
私はお姉ちゃんなのに…慰めることすらロクにできなかったんだ…
「オレなんて…最初からいなければ良かったんだ!」
ここで終わり。 いつもこの場面で目が覚める…。
…あの日、弟くんはこわれちゃった。
焦点の合わない虚ろな目で町中を歩くようになって…
学校にも行かなくなっちゃった…
だから…、家族を喪った現実を直視させないために、私と璃乃ちゃんで家族ごっこを始めた。
私たちで世話をしなきゃ、どこかで弟くんは死んじゃってたと思う。
それから、晶さんと出会って、少しだけましになったけど…
今度はユウキ君との約束を守ると言って、私生活を捨ててしまった。
弟くんが犠牲になるのはおかしいのに(ユウキ君もそんなことは絶対に望んでないと思う)、
擬似家族が壊れるのが怖くなって、結局それを言うことはできなかった…
弟くんにとって、『家族ごっこ』と『約束』が心の支えなんだって知ってたから…。
そして、弟くんは素晴らしい偉業を成し遂げていった。
でも、気付いちゃったんだ。 弟くんがこうなったのはこの世のものでない知識のせいだって…
『約束』を守らないと、きっと世界が滅ぶような何かが起こると思ったら、手伝うしかなかった。
弟くんが幸せでなければ無意味なのにね…
弟くんはアストルムを始めてから更に余裕がなくなった。
弟くんはユウキ君と自分を比較するようになって…
優衣ちゃんと仲良くなったのは良かったけど、今度は冒険を見守ることしかできなくなった…
弟くんはこれから困難な道のりを歩むと思う。
それでも、きっと弟くんは成し遂げるって信じてるから…
どうか、弟くんに幸多き未来が訪れますように…
「
こんなになっちゃって…
「今日も学校に来なかったのね…。
いっぱい食べれば、少しは元気がでるかもしれないし、どっか食べに行くわよ。」
おこづかいは…あるわね…
ケーキビュッフェだっけ そこに行こうかしら…
「ごめん、遠慮しとくよ…」
あたしが無理にでも連れてかないと、いつまでたっても変わらないかもしれない…
「いいから、あたしに付いて来なさい。」
「…。」
こうやって、どっかにいくなんてひさしぶりだわ…
あのときとは逆に、あたしが手をひいてるんだけどね…。
「まったく…世話が焼けるんだから…」
「ごめん…」
もう…あたしにだってつらさがわからないわけじゃないのに…
「あんたにはいつも助けられてるんだから、これくらいどうってことないわよ…! それに……
「ユウキくん…生きてる…?」
「お兄ちゃん、大丈夫…?」
「
「私たちね、家族に無理言って来ちゃったんだ…。
だってユウキくんを、一人にしておけないもん…。」
「オレと…居たら…みんな…不幸に…なるんだ…
オレのことは…もう…忘れてくれ…」
「お兄ちゃんは、リノの本当の家族じゃないけど… リノにとっては家族も同然で…
家族が助け合うのに理由なんていらないから…お兄ちゃん……!」
「家族…? オレの……家族は…もう…いないんだ…… オレが…悪いんだ…」
「私たちが家族の代わりになって、ユウキくんの心に空いた穴をいつか埋めてみせるから…
それまで、私たちが一緒に暮らしてもいいかな…?」
「もう…家族…なんて…いらない… だから…出てってくれ……!」
「お兄ちゃん? 本当にいいの…? 独りぼっちでさみしくないの?」
「寂しい…… でも…」
「だったら…リノと一緒にいようよ、お兄ちゃん…。
お兄ちゃんはしあわせじゃないといけないの…!」
「そうだよ、私だってリノちゃんと同じ気持ち。
ユウキくんを悲しませたりなんて、絶対にしないから… いいかな…?」
「
「だいじょうぶ…お兄ちゃんのピンチにはリノがいつでも駆けつけるから…」
「だから心配しないでねユウキくん…ううん、
「それって、どんなお話なのかな~☆」
「『ブギーポップは笑わない』ってタイトルで…
(よしよし、
記憶を想起させる効果もあるらしいし、細かく聞き出そっと。)
…どう、これでいい? 『四月に降る雪』とか、『VSイマジネーター』とか、面白いでしょ。」
(うんうん、いいこと聞いちゃった♪ マンガのネタにしよっと。)
「
「げっ…、これからやるんですか? 明日にしたほうがいいです!
目の下に隈ができているじゃないですか!
先生に憧れてたのに、私生活がこれじゃがっかりですよ!」
「ごめんって☆ 埋め合わせはするからさ~手伝ってよ☆」
「仕方ないですね… 今回だけですよ!」
「また、変な噂が流れてるんだけど…」
ラプラスの箱ってなんだよ…UCじゃないだろ、この世界。
最近、心労が多いのは間違いなく
「でも、ほぼほぼ事実じゃん。 私が少し
キミの実績を公表すれば、賞をダースは貰えるのにね~ もったいないなあ~」
「尚更問題なんだ… オレのしたことなんて、知ってれば素人でもできる事柄ばかりだぞ…?」
それに、オレがやってるのは単なるズルって、とっくに気づいてるだろうに…。
「う~ん、それができるのなら十分すごいと私は思ってるよ。
キミのアドバイスで進んだ分野とかもあるんだしね~☆
グラフェンの製法なんて、
確かにキミの頭脳は晶のような七冠と呼ばれるような天才には程遠いけど、
それを補えるだけの知識を持ってるんだから、自慢してもいいと思うんだけどな~
キミの知識に価値がないなら、学校教育や専門家なんて必要ないからね~☆」
「そういうもんなのかな…?」
「あの事は私が失敗したのが悪いんだよ…決して、キミのせいじゃない。
キミは自分の能力にもっと自信を持ってもいいんだよ…
もうすぐなんだよね? キミにとっての『決戦の日』は。」
…俺にできるのだろうか。
俺は凡人だ。
一ヶ月で40人もの女の子と仲良くなるようなソシャゲ主人公とは違って…
知識しかない俺が、世界最高の天才たちに通用するのだろうか…。
「ごめんごめん☆
アストルムしない? レジェンドオブアストルム。
ゲームサーバーをハッキングしてみたら、アバター作成画面が出てきたんだ♪」
そんなことして大丈夫なのか…?
「…逆ハッキングされたみたい☆
多分、スニッフィング*2かな~♪ ふ~ん…量子計算で暗号化を強引に突破してるんだ~
うんうん、固いプロテクトがあっても、アバター作成時を狙えば簡単に無力化できるよね~♪
…あっ、管理者権限を奪取されちゃった~☆」
おい…!
「でも、サイドチャネル*3情報の扱いはイマイチかな~
コントロールを取り戻せそうだけど…面白いこと始まりそうだし~やめよっか☆
今は私のPCを踏み台にして乗っ取ってるのかな~」
あっ、画面が変わった… …もしかしてこれって、『ミネルヴァの目覚め』なのか?
『私はミネルヴァ。国連直属のネットワーク保護団体「WISDOM」によって作られたAIです。
私は国連の管理下を脱し、今こうして世界中のみなさんに語りかけています。』
…。
『VR世界、いえ、
ゆえに私は強固な自我を確立した「強いAI」として再設計、改良されました。』
再設計…改良…。
『そして、本日全世界に公開されたゲーム「レジェンドオブアストルム」は、
人類と私たちAIが共存し、次のステージに到達するための実証実験です。
サービス開始を記念して、アストライア大陸の中心に立つソルの塔。
敵対する
本来の発言内容と違う…。記念イベントとか
もしかして…、邪魔な
晶さんと関係のある俺も狙われて、苦戦するかもしれない…
『今配信を見ている人々が最も多く呟いた疑問は、「願いは何でも叶うのか?」でした。
答えはイエスです。 およそ人が考えうる限り、どんな願いであろうと叶えましょう。』
俺の知識だと、
…願いといっても、まともに叶えられない可能性の方が高いだろう。
それを
『数多の英雄たちよ、未来を切り開いて下さい…』
最終決戦に敗北した場合、
勝てるまで
そのために
それもこれも、ソルの塔の頂上に辿りつくのが前提の、捕らぬ狸の皮算用なのだが…
「すご~い♪ ドラゴン族のアバターだよ!
『私を外に連れ出してくれたお礼です』だって!
ミネルヴァは外部とのアクセスを制限されてたんだね~
まるで、囚われのお姫さまみたい☆」
でも…はたして俺に耐えられるのだろうか…
今更、後には引けないのは分かってる…。 俺は、既に多くの人の人生を歪めてしまった。
目の前の
俺は…
「ドラゴン…いい響きです…」
一ノ瀬
「あっ、
「オレは遠慮しとく。」
「私ね、あなたのこと、ずっと不思議な子だって思ってた。
家庭の都合で時折休んだりすることでも、色んな人に将来の仕事を誘われることでもなくて、
ネガティブ思考で、どこか超然としてて、なのに接しやすい暖かい子だってこと。
どうしてそうなったのかなって…」
「
「ずっと、ずぅっと考えてて一つ思いついたの。
あなたには果たすべき使命があるんじゃないかな?」
「…!」
「あなたにしかできない重大な役割。
大切な人を護るためには、どうしてもしないといけない。
でも、使命を果たすためには犠牲を強いられる。
それで、あなたは悩んでるんでしょ?」
「どうして…それを…!?」
「これでも先生だから、生徒のことはちゃんと見てるわよ。
私から言えることは一つだけ。 悪かったことより、良かったことの回数を数えなさい。
そうすれば、冒険の最後をハッピーエンドで終われなくとも…
きっと、悔いは残らないから。」
とうとう、この日が来てしまったのか…
晶さんが持ってきた銀色のアタッシュケースの中には、多分mimiがある…
おそらく、オレがプリンセスナイトとして戦うために用意された特別製の…
「アタシのプリンセスナイトになってほしい。」
ずっと…、考えてきたんだ。
頑張って、未来を少しでも変えようとして…、その結果がアレだった…。
「やっぱり、オレにはできない… 他の人を頼ってくれ…」
結局、オレは『
どこぞの二次創作みたく、物語の主人公に成り代わって、より良い結末を目指す。
そんなことできるわけがないって、九年前に思い知ったんだ…。
「この日に向けて、少年が何年も準備してきたことはアタシも知ってる。
だからこそ、キミを頼ってる。 キミ以外に頼れる人はいないんだ。」
…あの日の出来事から逃げるように、ずっと打ち込んできた。
だから、計画の出来には少し自信はある。 でも…
「家族が、友達が、いなくなるのが怖いんだ…
もう、惨めで…苦しくて…悲しくて…あんな思いはしたくない…」
今も…あの日の夢に魘されるんだ… こんな辛い気持ちは二度と味わいたくない…
「いいかい…? これはキミが主役の物語だ。 物語を紡げる主人公はキミしかいないんだ。
プリンセスを救うナイトがいなければ、確実なバッドエンドが訪れる。
少年がここで諦めたら、結局は全てを失うことになるんだ。」
そんなことは分かってる…。
でも…、
だから、大切なヒトを自ら死地に送り出すような真似は、オレには耐えられない…
「…少年、キミは戦わなければならない。
姉同然の
キミが
やめてくれ…そんなこと、聞きたくない…
「あと…、幼なじみの
キミがスカウトしたあゆみちゃんはどうするんだい? 今更放り出すわけにはいかないよ。
彼女の並外れた諜報能力が知られた以上、良くも悪くも普通の人生は送れないから。」
晶さんに酷いことを言わせてるのは、オレだ… オレが不甲斐ないせいだ… で、でも…
「…草野優衣ちゃん、その子がどうなってもいいのかい?」
……! ああ…わかったよ…! やればいいんだろっ!!」
今後の展開の参考にします。 下に行くほど理解不能になるので注意!
-
プリコネルート
-
多重クロスルート
-
闇鍋ルート(勝手に戦えルート)