岸くんに憑依したので世界は救われないかもしれない 作:Iaなんとか
クリスも連れて、アストルムにログインしましょう。」
子どもは泣き喚き、多くの人は現状に絶望している。
混乱の中、ユウキは何を優先すべきか迷っていた。
「話は聞かせてもらったぜ!
ここは俺たちに任せて、お前たちは頂上に行け!」
そうユウキに声を掛けた男は会社員だった。会社ではうだつの上がらない万年平社員、家庭では思春期の娘に邪険にされる、ごく普通の一般人である。休憩中に偶々巻き込まれた彼は娘と同じくらい、より小さい子どもまでもがこの事件に巻き込まれてるのを見て、勇気を出した一人だった。
「そうだ! 俺たちが希望を繋ぐんだ! もう一度、立ち上がる時が来たんだ!」
そう声を上げたのは政府の圧政に耐えかねて革命に参加したとある国の若者だった。
「あとは大人たちに任せなさい。 必ず、家族のもとに帰しましょう。」
そう不慣れな様子で泣いている子どもを慰めるのは嘗て学生運動に参加した老人だった。学生運動における女性の扱いに失望し、運動を去った一人であったが、未来のために必死に足掻く若者を嘗ての自身に重ねた彼女は再び立ち上がる決意を固めた。
若き日に演劇を志し挫折した男が、なけなしの勇気を出して立ち上がった英雄とは違い、諦念のまま階段に腰掛けるばかりの自分への皮肉を口ずさむ。
だが、そんな男の歌に応えるように誰かが続きを歌い出した。
それを聞いた人が一人、また一人と歌に加わる。
偶々巻き込まれた主婦が――
余命幾ばくもない老人が――
アストラム中に響き渡る大合唱。
其れは民衆の歌、怒れる市民が自由と尊厳を取り戻すことを高らかに宣言する歌だった。
「ってわけだ、大将。
「ああ…わかった…!」
どうせ、使い道なんて無いんだ。 これはお前さんにあげるよ。」
仲間と合流したユウキは最後の一人であるレイを待っていた。
「フィオ、レイに何かあったのか?」
「…レイは迷ってるみたい。」
フィオはユウキの質問に答えた。
「そうだよね…みんなそれぞれ事情があって… 普通は自分から危険には飛び込めないよね…。」
ヒヨリはレイの悩みに納得を示す。
「そうだな…なら仕方ないな… 行こうか…」
残された時間も少ない。ユウキは塔を登ろうことに決めた。
「待って!」
行こうとしたそのとき、ユウキたちはレイに呼び止められた。
「レイ!」
フィオはレイに抱きつき喜びを表現する。
「レイちゃんは本当に来てよかったの?」
ユイがレイに聞く。
「…さっき、父親からメッセージが送られてきたんだ。
『リアルのことは気にするな。 その代わり、アストルムは怜に任せる。』って。」
「私はずっと、父親に、一族に、自身の価値を証明したいと思っていたんだ。
でも、その必要はなかった。 家族は私に期待してくれている。
だから、私はその期待に答えたいんだ。」
最初の関門、ボスラッシュが始まった。
「ここはあたしたちに任せて、あんたたちは先に行きなさい!」
「そうですわ、咲恋さん! ここはわたくしたちで食い止めますわよ!」
咲恋と秋乃、いいや…後に続く、大勢のプレイヤーたちがユウキの道を切り開く。
「わかった…先に行く…!」
ユウキたちは覇瞳皇帝の野望を阻止するために先へと進む。
遠くに見える摩天楼から上がる煙、鳴り続けるサイレン、道路を走る戦車*1、柏崎初音は
「とうとう始まったんだ…! …しおりんは!」
初音は家族の安否を確認するために電話をかける。
『おかけになった電話番号にお繋ぎできませんでした。』
初音は教室の窓から飛び降り、妹の栞が居る自宅へと向かった。
「しおりんを助けなきゃ…!」
幾度となく事故を起こした自動車の上を通り過ぎながら、初音は人目すら気にせずに飛んでゆく。
ボスラッシュを突破したユウキたちは思わぬ敵に足止めを食らう。
「「「「「ここから先は通さないわ。」」」」」
「ご覧の通り…真那は私の分身能力をラーニングしたようです。」
「やるしかないか…!」
ユウキたちは戦おうとするが…
偽物の覇瞳皇帝がユニオンバーストによって纏めてなぎ倒された。
「その声は…
「はい、わたしの方から来ちゃいました♪」
偽物の覇瞳皇帝を倒したのはアストルムの出資者であるアストライア王国のお姫様だった。
「あのときの約束を守れなくて本当にごめん…」
「冒険なんて、やろうと思えばいつだって始めれるんですよ♪
やりましょう…冒険! みんなで真那さんを倒しにレッツゴーです☆」
それでも王女は嘗ての夢を追いかける。
ユウキたちは覇瞳皇帝の妨害を退け噴水ほどの大きさの円形の台座の前にたどり着いた。
「はい、最後のソルオーブ。
アタシたちはここから先には行けないから、後は頼んだよ。」
それはソルの塔の頂上へと向かう転移装置だった。装置に反応したソルオーブが微かに震える。
「やっぱり、晶は行けないのか?」
ユウキはふと疑問に思った。原作では頂上へのアクセスには幾つか抜け穴があった。ユウキはそれができないのかをラビリスタに聞いた。
「ありゃりゃ…アタシが頂上に直接行こうとしてたのバレてた?
でも、聖杯へのアクセスの部分は強固に設計されてて無理だった。
力になれなくて、ゴメン。」
聖杯戦争とは策謀と例外の歴史である。ありとあらゆる不正が試みられ、その対策もまた行なわれていた。
「それも想定の内だ。 晶でもできないんなら仕方がないさ…。」
それから、ユウキはユースティアナの方へ振り向き、数瞬の沈黙の後にユウキは別れを告げる。
「…ティアナともここでお別れだな。 …Morituri te salutant」「少年…」
「……はい!」
ユースティアナは一瞬ハッとした顔をしてから、ユウキたちを精一杯の笑顔で見送った。
ミネルヴァ 「それはあなたの本当の願いではありません!」
転送されたユウキたちは中央に大聖杯が安置されたプラネタリウムのような広場に着く。
そこには、ミネルヴァを痛めつける覇瞳皇帝がいた。
だが、ユウキの眼には、痛めつけられたミネルヴァではなく、その背後にある大聖杯…巨大な黄金のモノリスが映っていた。
「■■■がどうして…この世界に…! そうか… だから、ミネルヴァは
そうだよな…虚数の海を覗くにはこれ以上ない代物だ…」
「ユウキくん…?」 「ユウキさん…あなたは…」
「…千里真那はここで倒す! いいな…!」
そして、ユウキはミネルヴァを背後に庇い、剣を抜いた。
TIPS : ソルの塔
神話から名付けられた…というのは表向きの理由。
人類救済の手段を保全するために、第四魔法による情報改竄が行われており、
幻境竜后による思考誘導もあって、嚮導老君を除く七冠たちは真実を忘却している。
その実態は、蒼輝銀河における聖槍、ロンゴミニアドLRを構築するための基部であり、
建造完了までの間、人類の生存圏を確保するための、空想樹としての機能も備えている。
但し、塔の完成には最低でも138億年以上もの歳月が必要な失敗作であり、
たとえ建造が完了しても、人類救済の前提条件の一つが満たされるのみである。
なお、七冠はカルデアがFGO世界の人理を崩壊させた黒幕であると推測していた。
「ユイ!」
「わ、わたしの、願いは…みんなと、アストルムで、一緒に…ずっと一緒にいたい…」
ユイは硬直し、虚ろな目で『願い』を口に出す。そして、ユイは気を失い、地面に倒れ伏した。
「これは…ヒプノシス…ですか…! ごめん…なさい…ユウキさん…
真那は…自分の願いを、ユイの願いと…誤認させて…叶えてしまいました…
このままでは…、アストルムが特異点化して…、
覇瞳皇帝はユイを洗脳し、都合の良い願いを叶えさせた。
そして、アストライア大陸の歴史全てを演算しようと聖杯は
「もうやめようよ……! これ以上は世界がおかしくなっちゃうよ……!」
「
当初の予定とは異なれど、願いの成就に酔いしれ、覇瞳皇帝は譫言を垂れ流す。
ヒヨリの言葉は届かなかった。
「ふふ…まさか…アナタが
そうね…、私の邪魔をしていたのがアナタだとしたら、全て説明がつくわ…
アナタの正体は暴かれた… これで…もう、ラプラスの魔は成立しないわ!」
切り札は使い切った。覇瞳皇帝はユウキの秘密にたどり着き、優位は失われた。
「クソッ…! オレでは届かないのか……!」
「私はキミの10年の努力を知っている。 自分を信じるんだ。」
レイは弱音を吐くユウキを励ます。
「ああ…そうだな…!」
ユウキは気力を振り絞った。
「戯れはここまでよ!」
「ユイちゃん!」
ユイを突き飛ばしたヒヨリに極太のビームが直撃しロストする。
「ヒヨリ…!」
動けなかったミネルヴァは自身の不甲斐なさを恥じた。
「私が囮になる…! あとはキミに任せたよ…」
一か八かレイは形振り構わず、覇瞳皇帝に激しい剣戟を浴びせた。
「屈辱と共に散りなさい!」
「レイ…!」
ミネルヴァの叫びとともに、覇瞳皇帝の猛攻にレイはロストした。
直後、飛び出したフィオが覇瞳皇帝の視界を塞ぐ。
「あんたはここで終わりよ!」
ガイド妖精にダメージを与えられないと知っていた覇瞳皇帝は魔力の大半を注ぎ込み、フィオを何処かに転送した。
「この瞬間を待っていた!」
覇瞳皇帝をユウキの剣が抉る。覇瞳皇帝に負った傷に見合わない激痛が走った。あまりの痛みに覇瞳皇帝は苦悶の表情を浮かべ、身を捩らせる。霊子体には大きな罅が入り、光が漏れる。
「それは何よ…その摂理は… その
少なくとも…アナタは『ラプラスの匣』なんてくだらないモノじゃないわ…
むしろ、その性質は『
覇瞳皇帝は息も絶えだえにユウキを追及する。
ユウキの
「教えるもんか! だいたい…オレが
教えるも何も、一番知りたいのは
「そうね…全部そこに答えがあるじゃない。
恋に堕ち、神の…禁忌たる知識をヒトに授けし…
そして…
でも…運命力が足りないわ。 全て…終わらせてあげる…!」
そして、短剣を核に魔力が集まり巨大な槍を成してゆく。
此処に居るユウキは本物ではない。主人公補正がないのだ。あと一歩、遅かった。
「まだだ…!」
相打ちを覚悟でユウキは覇瞳皇帝に突撃する。
運命力のない自分は
その身を挺して覇瞳皇帝の攻撃から庇ったユウキは
覇瞳皇帝の懐に迫ったユウキは
嘘…魂が砕かれてる…! 私を庇って… どうして…あなたはそこまで…
イヤだよ…! まだ…君にスキって言ってないのに…!
漸く…わかりました… これが『恋』という感情だったんですね… どうして私はいままで…
ミネルヴァさん! 早くしないと…ユウキくんが…死んじゃうよ…!
ユイ… 一つだけ彼を助ける方法があります… ですが…
もしかして…助ける方法があるの…? わたしはどうなったっていいから…! お願い!
聖杯はまだ完成していません… 使用者が聖杯と融合することで…本来の性能を発揮します
そして…完成した聖杯の力で…願いを上書きすれば助かります…
…わたしと聖杯が融合すれば助かるの…? だったら…!
ですが…融合する側が七冠のように強い自我を持っていることが前提です
ユイ…あなたの場合は
それは…ミネルヴァさんも条件は同じだよね…? ミネルヴァさんは…本当にいいの…?
ええ、これが私のやりたいことですから… 好きな人を助けて死ねるのなら本望です…
そっか…ミネルヴァさんも…ユウキくんのことが好きなんだね… だったら…いいよ…
ミネルヴァさんなら…わたしが消えても、必ずユウキくんを助けてくれる…
TIPS : オーバーカウント
来るべき終焉を自覚した霊長はありとあらゆる手段を用いて抵抗した。
だが、宙に至ってなお終焉を回避できなかった霊長は、次の
この連綿と続く流れにおいて、
「私ね…魂を修復するときに、あなたの記憶を覗いてしまったの。
『プリンセスコネクト!』のことも、『Fate/Grand Order』のことも…全部知ったんだ…」
「ああ…オレは偽物なんだ… オレはユイを…シズルを…リノを…サレンを…
「ずっと…一人で頑張ってたんだね… 大丈夫、あなたは悪くないよ。
私は…あなたの努力も、愛情も、葛藤も、全部知ってるから…
みんなも、主人公だからじゃない…あなた自身の人柄を信頼してる。
たとえ、世界の全てに否定されたとしても、私がそれ以上に肯定するよ。」
「ユイ…?」
「愛してる。」
「やめてくれ…!」
「あなたを…他の誰でもない、
「お願いだから、やめてくれ…!
オレは人の立場を乗っ取って、本物のフリをしていただけなんだ!」
「あなたが自分を偽ってることくらい、知ってた。
でも、私はそんな不器用なあなたに恋をしたんだよ。」
「オレはユイを騙して、プリンセスにしたんだぞ…!」
「それでも、私はあなたのことが大好きです。 だから…自分を傷つけないで。」
「オレが最後まで演りきれば、みんな助かる。
それでいいじゃねぇかよ…!」
「自分らしく生きてもいいんだよ。」
「そんなことしたら…」 ――また、
「安心して、私がずっと側にいるから。」
「…オレはもう…誰も、喪いたくないんだ。
そのために、できることは全てやってきた…。
人を助けることの何が悪いんだよ!」
「でも…、あなたが救われない。 そんなの、イヤだ!
ワガママだっていい! 私は決めたの! いつか必ず、あなたの笑顔を見るって!」
「どうしてそこまで…オレに構うんだよ…」
「あなたに伝わるまで何度でも言うよ。
TIPS : ネガ・プリンセス:B
形而上の繋がりを無理矢理「切り離す」スキル。
このスキルは対象者との距離を無視して、その効果を及ぼす。
但し、時空間を超越すれば、世界の揺り戻しにより、相応の反動を受けることとなる。
あなたの精神も私が
それでも、伝えたいの。 もう…そんな機会はないから…
言うね… 私はあなたのことを愛しています。 ずっと大好きでした!
でもね、私は願いを叶えるシステムでもあるから、自害を禁じられているの…
私はここで待ってるから、いつか…私を殺しに来てね…
たとえ…記憶を失おうが… オレは必ず…オマエを迎えに行くからな!
オレを救った報いを受けさせてやる!
今後の展開の参考にします。 下に行くほど理解不能になるので注意!
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プリコネルート
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多重クロスルート
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闇鍋ルート(勝手に戦えルート)