天王寺湊は虹を駆ける   作:ジマリス

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48 完璧な作戦だこれ

 困りごと、というのは常に襲いかかってくるもので、今日も僕の頭を悩ませている。

 原因は、みんなの危機感がないことである。

 スクールアイドル活動の話か? いや違う。

 練習にはまじめに、かつ楽しく取り組んでくれているし、撮影はビシッと決まっている。

 なら、学生の本分である勉強か? それも違う。

 かすみや果林の成績は心配だが、まあなんとか進級・卒業に足る点数を採れるくらいには、同学年がスパルタ教育をしてくれている。

 であれば、体力や精神面に問題が? いや。

 日々のレッスンで鍛えられた彼女たちの成長は著しく、毎日元気だ。

 忙しいはずの彼方も、僕と侑、遥さんの監視あって無理のないようにスケジュールを調整できている。つまり、今はかなり安定している。各々のファンも着実に増え、飛ぶ鳥を落とす勢いの虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。順風満帆。絶好調。上り坂驀進中。

 さて、そんな中で何に悩んでるのかというと……

 

「みーくん、なーに見てんの?」

 

 肩に何かが乗っかるのと同時、耳元で愛の声が聞こえた。

 びくりと反応した僕に弾かれるようにして、僕の肩をアゴ置きにした彼女はケラケラと笑った。

 

「あはは、びっくりしすぎじゃない?」

「誰だってびっくりするよ……」

 

 止まりかけた心臓を抑えて振り向く。非難めいた目を向けても、愛はどこ吹く風だ。

 そう、問題はこれである。

 みんなの、距離が、近い。特に僕が正式に入部してから。

 おおよそ、接触を怖がっていた僕に慣れさせるためなんだろう。その厚意は嬉しい。だが、だがしかし年頃の女子が男子にベタベタとくっつくのはいかがなものだろうか。

 かすみや璃奈は所かまわず抱き着いてこようとする。しずく、侑、愛、果林はことあるごとにスキンシップを図ろうとしてくる。彼方とエマは膝枕(する・されるの以外はあるが)を、僕が拒否するのを分かってるくせに一日に一回は提案。こういうことに乗ってこなさそうな歩夢とせつ菜も、気づけば肩が触れ合うくらいに身を寄せてくることも少なくない。

 贅沢な悩みだというのは分かっている。美少女十人に囲まれて、それなりに慕われている状況は男の夢、ロマンであろう。

 しかし彼女らの相手が悪い。つまり、僕だ。控えめに言っても恋愛経験がほとんどない僕に、魅力的な女子が絡めばどうなるか。いつかは脳がオーバーヒートして、理性が飛んで……なんてこともあり得る。『万が一』よりは確率は大きいだろう。

 

「まーたムズかしいこと考えてるなー? たまには楽しないと、眉間にシワができちゃうぞ」

 

 愛が頬をつついてくる。この様子だと、僕が逃げても追っかけてくるだけのイタチごっこになるだけだ。

 そうなれば、これしかあるまい。

 

「決めた。やってやる」

 

 立ち上がり、決意する。

 僕が距離を置くのではない。彼女たちが僕から距離を取るように仕向けるのだ!

 

「お、よく分かんないけど、ガンバ!」

 

 

 

 

 まず、どうしようかと悩んで……その場にいた愛をターゲットにすることにした。

 大々的に何かをする必要はない。少し、気持ち悪いとでも思わせればいい。であれば、事は簡単。璃奈に対する僕の溺愛ぶりでも見せれば、引いてくれるだろう。

 

 休憩がてら飲み物でも買いに行く愛について行って、雑談混じりに近況を話し合う。勉強のことだとか練習のことだとか、この暑さにも関わらず彼女の家のもんじゃ屋が好調だとか。

 自販機で冷えたドリンクをゲットして戻る途中、そういえば、と訊きたいことを愛に問うた。

 

「自撮りのポイント?」

「そう。最近、璃奈と写真撮ることが多くて。せっかくなら良い写真を残しておきたいんだ」

「みーくんってほんと、りなりーのこと大好きだよね」

 

 にっこり笑顔でそう返してくる。

 ……作戦は失敗か? いやいや、きっと心の内では幻滅してるに違いない。ふふ、完璧だ。

 

「じゃあじゃあ、実際に撮ってみようよ」

 

 肩を掴んで、顔を寄せてくる。やだ、こんなことさっとできるなんて、この子イケメン……じゃなくて。

 構える暇もなく、一枚パシャリ。スマホでぱっと撮ったわりには、ちゃんと画角に収まっている。僕がやってたら、顔半分見切れてたことだろう。

 

「うーん、映えが足りないなあ」

「映え」

 

 アレだ。インフルエンサーが日々研究しているという、写りのいい物やポーズ。愛くらいだと、もう何もしなくても映えてると思うんですが。

 

「簡単にできるのだと、指ハートっていって、こうやって人差し指と親指で……」

「侑がよくやってるやつでしょ。僕がそういうのやると思う?」

「頼んだら一回ぐらいは」

 

 頼んだらって、そんなにチョロく見える?

 やんないよ。僕がやっても何も面白くないだろ。

 

「お、愛ー」

 

 あちら側から、女子生徒が手を振ってきた。だるっとした佇まいに、眠たそうな半目。俗っぽい言い方をすれば、ダウナー系というところか。

 ゆるふわウェーブの茶髪はこの湿気大国日本の中にあってもふわりとしている。制服も着崩していて、鎖骨まで見えるようなのはあまり褒められたものじゃない。暑いのは認めるけど、女子高じゃないんだし。

 背中にギターケースを背負っているところを見るに、軽音楽部だろう。

 

「スクールアイドルフェスティバルめちゃよかったよー」

「ありがと! 愛さんのほうからも見えてたよ。応援してくれてたんだよね」

 

 愛の友達であり、ファンのようだ。派手目ではない子だが、交友関係の広い愛の知り合いであることは驚くことでもない。

 

「紹介するよ。こっちが、スクールアイドル同好会のみーくん!」

「みーくん……あー、愛の言ってたピかぁ」

「ピ?」

 

 ピってなんだ。女子高生はよくわからない略語だったりをすぐ生み出すから、会話についていくのは困難だ。しかもヒントが一文字だけとあれば、推察もできない。

 

「ふんふん」

 

 彼女は僕を上から下まで、品定めするように視線を動かす。そうやって見られると、なんだか落ち着かないな。

 

「体の線は細いけど、イイ男じゃん。あの人でしょ、炎天下の中でも雨の中でも走り回って、この前のフェスティバル成功させた人って」

「そ。カッコイイでしょ」

「うむうむ。頑張ってる男の人ってマジ良き」

 

 こそこそ話してるつもりだろうが、丸聞こえだ。

 彼女は愛とその手元、そして僕を見比べると口の端をつり上げた。

 

「ツーショット?」

「じゃなくて、自撮りのやり方を教えてもらってたんだ。妹との写真撮るために」

 

 さりげなく、妹の話を出す。初対面の人にこんなことを言うなんて、シスコンぶりを見せつければ愛も度肝を抜かれるだろう。天才か?

 

「仲いいんすね。うちの兄は仕事一辺倒だから、ぜーんぜん構ってくれなかったす」

 

 あれ、引いてないぞ。

 

「それは酷い。君みたいな妹がいたら、僕ならなんでもしてあげたくなりそう」

「惜しげもなくそういうこと言えるの、マジ天然記念物級」

「それがみーくんの良いところだからね。悪いとこでもあるけど」

「愛も苦労ちゃんだぁ」

 

 見せる表情は……なんかあまり変わらないな。いやいやでも上手くいってる……はず。

 

「撮ったげるよ、ほらほら、みーくんさんも並んで並んで」

 

 みーくんさん……

 愛の手からスマホを奪うように取ると、僕をぐいぐいと押して、愛と密着させてくる。

 

「いやあの、自撮りのやり方を……」

「細かいことは言いっこなしすよ」

 

 結局押しに負けて、しばらく撮影会が始まってしまった。

 

 結局、ピってなんなんだ。わかんないッピ……

 

 

 

 

 第一の作戦は、おおむね上手くいったと言っていいだろう。

 

 だがそこで、僕の乏しい知識は底をついた。

 女子の嫌がることなんてわざわざ知ろうとしないんだから、当たり前だろう。リサーチ不足。なら調査して、やるのみ。幸い、ネットや雑誌にはその手の話は掃いて捨てるほどある。

 さて、その多くある情報の中で目についたのは、相手の話に頷かないということだ。

 なるほどたしかに、否定ばかりしてくるやつは好かれはしないだろう。

 

 次のターゲットはしずく。

 

「……というわけで、これは信頼し合えている男女の友情の話でもあるんだと思うんだよね。男と女が出てきたらすぐ恋愛に結び付けようとする人もいるけど、それはあまりにも短絡的すぎだと思うな」

「男女の間に友情はないと言う人もいますけど、それについては?」

「この作品だと友情を描いていて、それに対して『いや、そんなものないんですよ』なんて言うのは、見る側の姿勢が悪いんじゃないかな」

 

 しずくにオススメされた映画について、ネットでのレビューを見つつ、意見を交える。

 彼女の教えてくれるものは古いのばかりだが、よく知られていても自分からは見ようともしないものか、隠れた名作だから、きっかけになる。

 かすみも璃奈もそういうのにはあまり興味ないようで、こうやって作品についての話ができるのが楽しいようだ。目に見えてうきうきとしている。

 

 しずくには悪いが、チャンスだ。

 否定。否定ね。彼女の言うことに、いちいち反論してやればいいのか。

 

「ふふ、やっぱり、湊先輩のお話はためになります」

「いやいや、君の感想も、僕の視点からじゃたどり着けないから、はっとさせられるよ」

 

 他人の視点は、自分の偏見を吹き飛ばしてくれる。それはそのまま常識を見直すことに繋がり、曲作りにも役立つ。

 しずくは特に深い知見があるし、演劇部として鋭いものの見方をする。その所感にはいつも驚かされて、勉強にもなっている。

 

「じゃあ、これからもこうやって意見交換しましょう。まだまだ卵の私も、知見を広めないといけないですし」

「もう立派な女優だよ、しずく」

「そんなそんな。一流の演者は、もっと周りの空気を一変させるような実力を持ってるんです。それに比べたら、私は全然」

「そんなことはない。君の演じた姿……引き込まれたよ。演劇に関しては素人だけど、君の演技が凄いってことはわかる」

 

 見ろこの否定の連続を。言葉を途中で遮るというテクニックも合わせて使ってやったぞ。

 とりあえず反論することに重きを置いて、内容は自分の思ってることを素直に言っただけだけど、まあ話を切られていい気分の人なんていないからそこは問題ないだろう。

 

「湊さん、今日はなんだか……積極的ですね」

 

 そうだろうそうだろう。前のめりに嫌なことをしてくるアクティブさ……心は痛むが、まあ仕方あるまい。

 これでしずくも僕とは話す気が削がれたはずだ。

 

 

 

 

 さあ次だ。

 自分の話ばかりする人。

 これは確かにきつい。

 会話というのはキャッチボールのようなものによく例えられる。つまり双方向でこそ成り立つものなのに、一方的になってしまえばつまらないものになってしまう。

 

「うーん、うーん」

 

 部室の椅子に座って唸っているのは、侑だ。

 僕が貸している本に難しい顔を向けて、首をひねっている。

 

「楽譜読んでるの?」

「あ、はい。初見の楽譜はまだ理解するのに時間かかっちゃって」

 

 音楽科転科のための試験は終わった。今は合否を待っている身だが、待つだけの女じゃない。その先に向けて、自習もちゃんとやっているようだ。感心感心。

 

「僕も大変だったよ。最初は全然できなかった」

「へえ。なんだかあんまり想像できないなあ」

「誰でも最初はできないところから。僕も例に漏れずそうだったってだけ」

 

 懐かしいな。高校生になるころにはすんなり読めて弾けるようになったけど、始めたてのころはおんなじように楽譜を睨んで、必死に勉強したっけ。

 苦しそうに見えるけど、旋律を奏でられるようになるのは楽しい。それを今、侑は味わっているんだ。

 

「そういえば、僕が音楽をやるようになった理由って言ってなかったよね」

 

 彼女は頷く。

 せっかくだ。この機会に話しておこう。

 

「ほら僕は……小さいころから塞ぎこむことが多くてね。家族には見せなかったけど。そんな時、あるスクールアイドルが目に留まったんだ」

 

 当時、動画サイトでちらりとラブライブ予選を見ていた。その時は特に興味があったわけじゃないけど、世間的にも話題になっていて、話の種にでもなるかなと軽い気持ちで視聴した。

 

「有名なグループじゃなかったんだけど、僕はそのパフォーマンスに惹かれて、感動したんだ。悪い考えが少し吹き飛んでしまうくらいに」

 

 音楽のおの字も知らないようなガキでも、綺麗だとはっきり言えるほど。結局、結果は伴わなくて予選落ちしてしまったけど、あの時の衝撃は今でも忘れられない。

 こんな世界があるのかと、夢中になってしまった。

 

「僕は音楽で救われたんだ。だから、同じように良い音楽を生み出せたら、って、この道を選んだ」

 

 いつか誰かを、同じような苦しみを持つ誰かを一人でも救えたら、なんて夢を見た。それが僕の始まり。

 この間、捨ててしまおうかと思った夢だけど、捨てられなかった。捨てたくないと、彼女たちが思い出させてくれた。

 

「最初は諦めようとしたんだ。お金もかかるしね。だけどそういう本とかパンフレットとか集めているのが親にバレて……やらせてくれた」

 

 断る間もなく電子ピアノも買い与えてくれて、僕が理由を付けて諦めるなんて逃げ道を塞いできた。

 先生から連絡がいって、留学のことを知った時なんかは、行くようにやたらと勧めてきたっけ。

 親の遺産があるから、湊のやりたいことに使ってやりたいってお父さんは言ったけど、それがなくてもきっと買ってくれてたんだと思う。本当に遺産から出してるのかも怪しいし。

 

 そんなつまらない自分語りに対して、意外にも侑は頬を緩ませていた。

 

「自分から話しておいてなんだけど……そんなに笑う要素あった?」

「えへへ、湊さんの謎を、こうやって知れるのがなんだか嬉しくて」

「嬉しい?」

「だって、全然話さないんだもん。話したくないのかなって、遠慮しちゃってた」

 

 家族の話も知ってるみんなになら話してもいいことだったけど、面白い話でもないから黙っていただけだ。だからこんな、興味深そうにじっと見て聞いてくるなんて、予想外だった。

 

「どんな心境の変化ですか?」

「いやあ、それは言えないかな……」

 

 距離を置くためにぺらぺら喋ったなんて……言えるわけないよなあ。

 

 

 

 

 負けず嫌い。

 それだけ見れば問題ない。誰しもが持ってるものだ。

 しかし女の子に、意地でも張り合うような男はあまりにも情けなく映るだろう。負けたくない相手に教えを乞うなんていうのも、傍目から見てなんとプライドのないことか。これやでおい。

 

「ここに切れ込みを入れると……うさぎさんの完成~」

「ここを……こうか」

「そうそう。初めてなのに上手だねえ」

「僕だって何年も料理してきたからね。包丁扱いじゃ負けないよ」

 

 お弁当の見せ合い、そして遥さんと彼方を家に招いての料理会以降、時々僕の家でやっている彼方との料理教室。

 

 今日はキャラ弁の作り方をお互いに学んでいる。

 以前からやりはじめて、今日は三度目くらい。それまでは彼方もあまり作ったことはないらしいが、そこはさすがの特待生。参考写真を見ただけでぱぱっと出来上がりまで持っていった。

 僕も指導を受けながら、なんとか同じような可愛らしい造形のものを作っていく。にんじんでうさぎ。ご飯と海苔でパンダ。ハムで某なんでも吸い込む丸いキャラクター。

 材料は同じなのに、可愛らしさはまったく違う。それに楽しいな、これ。

 

「どうしていきなりこういうの、作る気になったの?」

「璃奈にもたくさん友達が出来たからね。色気のない弁当じゃ、見栄張れないだろ」

 

 ご飯とおかずが無機質的に並べられているより、こういうほうが見て楽しいし話のきっかけにもなる。璃奈だって、こっちのほうが堂々と弁当を開ける。

 あ、今、自然にシスコンの合わせ技までやってしまった。こっちの才能あるんじゃないか、僕。

 

「彼方ちゃんももっと、遥ちゃんに恥ずかしくないようなお弁当作るぞ~」

 

 ――

 ――――

 そして、朝から試行錯誤して、ようやく完成。出来上がった弁当は、相手に渡してお昼ご飯にすることにした。

 

「もったいないね」

 

 一通り眺めて楽しむ。彼方が作ったのは、僕と同じ物。だからこそ苦労も、完成形を崩したくない気持ちも分かる。

 しかしそうも言ってられない。これは結局、食べられるために作られたのだから。

 いただきます、と手を合わせて、二人同時に箸をつける。

 

「うんうん。うまうま」

 

 ……ぐぬぬ。

 

「あれ、美味しくなかった?」

「逆だよ。してやられたと思ってさ」

 

 ご飯に乗っけている海苔。パンダ模様にするため、普通に海苔を乗せるより面積は少なくなる。それを見越して、彼方はいつもより多めに醤油を漬けたようだ。

 僕は形を作るので精一杯で、そこまで頭が回らなかった。

 

「負けた……!」

「ふっふっふ、また彼方ちゃんの家庭的なところを見せてしまった」

「悔しいなあ、もうちょっと考えれば分かったことなのに」

 

 言ってこなかったあたり、彼方は無意識でやったのだろう。理論的に、そして食べる人のことを考えてそこまでできるのは、さすがフードデザイン専攻。

 

「湊くんのも美味しいよ。彼方ちゃんはこの味好きだなぁ」

 

 ぱくぱくとペースを落とすことなく口に詰め込んでいく彼方。

 そのおかず一つひとつにも、多分僕が無意識で工夫してる何かがあるのだろう。

 というわけで、今回は引き分け……ということにしておこう。

 

 

 

 

 さてさて、ここ数日で行ってきた、距離を置かせよう大作戦。

 言動に関しては、これ以上ないほど決まったはずだ。僕の振る舞いに彼女たちはきっと……

 

「みーくん、ほらこの前撮ったやつ。あの子が送ってくれたんだ。見て見て」

「湊先輩、この映画もおすすめで、見たら絶対感想ください」

「そういえば留学してたんですよね。その時の話も聞きたいなあ」

「キャラ弁、遥ちゃんも喜んでたよ~。また一緒に作ろうね、湊くん」

 

 嫌になってる……はず……なんだけど……

 

「えー、このお弁当すっごい可愛いじゃん! カナちゃんとみーくんが作ったの!?」

「そーなのだよ。妹への愛の結晶と呼びたまえ」

「湊先輩と侑先輩のお話、私も聞きたいです」

「私もしずくちゃんのおすすめ見たいな。教えてくれる?」

「もちろんです!」

 

 何故に、僕を囲んで話をしているのだろうか。

 ねえ、僕は上手くやったはずだよね。そうだよね?


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