鬼舞辻無惨の妹は魔法少女 作:029
雲が晴れ、天井に空いた穴から満月の光が差し込むのを眺めていると、グチャグチャ、ボリボリという耳を覆いたくなる音色が止んだ。
ややあって、無惨の声が呼びかける。
「……そこにいるのは、憐か?」
「兄様! 私がわかるんですね」
ほっと息をついて、兄の前にいざりよる。
相変わらず瞳孔は猫のように縦長で、口の周りは血まみれだが、理性を取り戻してくれただけで喜ばしい。
「ここはどこだ? いったい何があった?」
「えっと……」
口元を拭いながら、無惨は不審そうに周囲を見回す。さて、何から説明したものか。
「と、とりあえず、兄様はどこまで覚えてますか?」
「……役に立たん医者を始末しようとしたら、お前が邪魔をしたあたりまでだ」
「え……」
あの時点ですでに無惨はおかしくなっていたんだとばかり思っていたが、どうやらあれは正気での凶行だったらしい。
「始末って……どうしてそんなことを?」
問いかける私に、兄はこんな簡単なことがわからないのかと言わんばかりに顔を顰めた。
「言っただろう、役に立たないからだ。私の病状は悪化していくばかり、結果を出せない者に生かしておく価値など無い」
「そんな理由で!? あの者は、兄様が少しでも生き永らえるよう苦心していたじゃありませんか!」
思わず声が大きくなる。要するに、ただの癇癪、八つ当たりではないか。
「ーーお前は、私が言うことを否定するのか?」
すう、とこちらを見つめる人外の双眸が細められた。
兄が立ち上がるーーと思った瞬間、視界が反転し、胸と背中に重い衝撃が加わった。
目にも留まらぬ速度で蹴り倒されたらしい。
「お前はいつもそうだ。綺麗事を並べ立て、健康な身体を見せびらかし、私を否定する。不快極まりない」
月明かりを背にした無惨が、私の鳩尾を踏みつけながら冷ややかに続ける。囁くような口調に、怨嗟を滲ませて。
「お前とのささいな話で私は、腹立たしいことがいくつもあった。“不吉な子だと忌まれている”? 嫌悪されようと、お前は健康に生まれたのだからそれで充分だろう。“新年は一緒に祝おう”? 二十歳まで生きられぬと言われた私に、当たり前のことのように来年再来年の話をして、自分が生きている未来は絶対だと自慢して、楽しかったか?」
「……」
言い募りながらじわじわと体重をかけられ、胸骨が軋みを上げる。
今宵二度目の、兄による圧倒的な暴力に晒されながら、不思議と感情は凪いでいた。
ただ、そうか私は兄に嫌われていたのだな……と一抹の遣る瀬無さとともに事実として受け入れる。
この短時間で、それ以上に受け入れがたい出来事がほかにいくつもあったせいかもしれない。
もっとも、そんな私の反応の鈍さは無惨にとって面白味のないものだったらしい。
「……もういい。最後に何か言い残すことは?」
踏み潰すと決めた羽虫の死に際の動作を観察するのに似た、投げ遣りな好奇心。それは、私に投げられた唯一の命綱だ。
「わ、私は兄様の、お役に立てます……っ」
“そんな風に受け取られるとは思わなかった”とか、“兄様を否定したことなんてない”とか、言いたいことは色々あったが、そのどれも無惨の心には響かないと予想がついた。
なので、情ではなく実に訴える。
役に立たない者に生きている価値はない。ならば役に立つ者は、嫌いでも生かす価値があるはずだ。
「ーー具体的には? お前はどのような役に立てる?」
胸元を圧迫していた力が僅かに緩み、肺に空気が入ってくる。
その機を逃さず、一息に言った。
「この身体を差し上げます!」
「…………は?」
どこまでも冷淡だった兄の声が、虚を突かれたように揺らぐ。
縦に裂けていた瞳孔は楕円に拡がり、牙の生えた口が唖然として開かれている。
「? ーーあっ!」
何をそんなに驚いているのだろう、と首を傾げて、それから自分の発言を思い返して気づいた。
(間違えた。ものすごく言い方を間違えた)
違う、違うんです兄様。そういう意味で言ったんじゃないんです。
だからそんな別の生き物を見るような目はやめてください。
◇◆◇◆◇
「ただいま戻りました、兄様」
「遅い」
「すみません。人に見つからないように出入りするのに手間取って」
自分も無惨も着ているものが血だらけだったので、着替えを用意するために私だけ魔法で姿を隠して一旦屋敷に戻ったのだが、当然のごとく大騒ぎになっていた。
屋敷の周辺も急遽呼ばれたらしい検非違使や僧兵でごった返しており、廃寺に帰還したのは空が白み始める時分だった。
「おばあ様や使用人は、私達が物の怪に攫われたとか、神隠しにあったとか話してました」
「そうか」
「考えたんですが、やはり私も兄様も、屋敷に戻って今まで通りの暮らしをするのは難しいと思います」
「そうだな」
「……あの、兄様?」
流石に突っ込まずに会話を続けるのに限界を感じて私は問うた。
「なんで床に掘った穴に潜ってるんです?」
無惨は建物の隙間から差し込む朝日を避けるように、穴から半分だけ頭を出している。兄がモグラみたいになってしまった。
私の質問に、無惨はますます顔を顰めて答える。
「……日光に当たれば死ぬ」
「ええっ?」
屈辱と怒りの籠もった声色からして、冗談でもなんでもなく本当のことのようだ。しかし何故?
『……キュゥべえ、どういうこと?』
『だから前例のないことには答えられないよ。まあ、食人衝動と同じく、投与された薬の副作用じゃないかな』
『あっそ』
なれなれしく私の肩に飛び乗り、無惨を見下ろす地球外生命体を尻尾を掴んで放り投げる。
人類より遥かに進歩した文明を持つ星から来た存在の知見は有用だろうが、だからといって好意など持てるはずもない。そのまま床に激突でもすれば可愛げがあるものを、キュゥべえは危なげなく着地しーーそれを、兄の視線が追う。
「なんだ、その獣は?」
「……」
今度は頭を鷲掴みにして視線を合わせる。
『騙すという概念は無いなんて言ってたけど、その言葉自体が嘘だったわけ? あなたの姿は仙女の素質を持つ人間にしか見えないんじゃなかったの?』
『嘘なんかじゃないよ。仙女の肉体は、魔力で動いている。君の肉を食べ、魔力を取り込んだことで、彼も感覚を共有するようになったんだろう』
『ふーん……』
筋は通っている。とりあえず、コイツは真実を隠蔽はしても虚偽は騙らない、という前提は信じたままで良さそうだ。
「それにしても、昼間出歩けないとなると不便ですね。……そうだ、身体を小さくしたりできませんか?」
「小さくしてどうする」
「箱か何かに兄様を入れて、私が背負って運ぼうかと」
「……」
ちょいちょい、と指先を上に向けて手招きする。
「? 何ですかあにさ……いたたたたっ」
無言で頬を抓られた。嫌だ、ということらしい。
(はあ……嫌なら口で言えば良いのに)
胸中でぼやくも、自分の何気ない物言いがこれまで無惨を苛つかせていたとわかったのだから、注意しなければまた昨夜の二の舞である。
私のトンデモナイ言い間違いのせいで、兄の怒りは有耶無耶になり、無惨が強靭な肉体を得た代わりに人の血肉を欲するようになったこと、私は仙女となり魔法の力を手に入れたことなどをどうにか説明することができたのだ。思い返すと顔から火が出そうに恥ずかしいが、怪我の功名というやつだろう。……そう思わなくては羞恥で魂魄石が濁る。
(ん……? そういえば、兄様は月の光は浴びても平気だったよね)
『キュゥべえ、もう一つ質問。ーー月光と日光の違いって、何?』
キュゥべえの説明は、宇宙の寿命云々の話と比べれば、まだ理解しやすかった。
魂魄石を兄の眼前に掲げ、魔力を励起させる。
変身の際に魔力が全身を包む感覚を意識しながら、溢れ出す力に指向性を与える。
赤い光が無惨を取り巻き、やがて何もなかったかのように消えた。
「……!」
無惨が驚いたように己の身体を見下ろす。傍目には先程と一切変わっていない。けれども、不可視の魔力が兄の身体を覆っているのだ。
ゆっくりと無惨が穴から這い出る。
指先から手首、腕、そして全身が、淡い金色の陽光に照らされた。
「よかった……! 成功したみたいですね」
「お前……私に何をした?」
「魔力を薄い膜状にして障壁を作りました。日光と月光の違いは、光の発する“波”の違いだとキュゥべえが言うので、障壁によって、陽の光を満月の光と同程度の“波”に弱めています」
これで日中も無惨は自由に出歩ける。仮に自分が日の光を浴びたら魂魄石が真っ黒になるなんて仕様だったら怖すぎて正気でいられないし、せっかく病苦から解放された兄に、これ以上不自由な思いをしてほしくなかった。
「……」
「兄様? どうかしましたか?」
何故か睨まれている。日光を弾く以外、体感や動きに一切支障が出ないよう調整したつもりだったが、なにか不具合があったのだろうか。
「……別に、何でも無い」
「はあ」
けっこう大きい問題が解決したのだから、もっと喜んでもいい場面だろうに。やっぱり兄の頭の中はよくわからない。
(あとは、私の方の問題か……)
指輪形態から、金の台座に飾られた卵型に変じた魂魄石を見やる。
赤い宝石の内部に、墨汁を垂らしたような穢れが淀んでいた。日光障壁の構築はともかく、足一本失くして再生したことと、たぶん心労による消耗が大きいようだ。
不意に手元に影が差しーー男の手が無造作に魂魄石をつまみ上げた。
「これは、石か? 中身は水……?」
「あ、あわわわ」
生殺与奪の権を握られている。物理的に。
最終的に穢れきって慟哭果に変化させるのがキュゥべえの目的である以上、ちょっと落としたくらいで砕けることはあるまいが、どの程度の衝撃に耐えられるか試せるはずもなく、何より相手は鬼舞辻無惨である。
ソレが私の魂そのものであることなど知るよしもない彼が何をするか、わかったものではなかった。
「か、返してください、兄様、それ、ちょ、ほんとにダメだから」
どっと汗がふきだし、必死に懇願するも、兄はニヤリと底意地の悪い笑みを浮かべた。
「そら、返してほしいなら自分で取ればいいだろう」
「〜〜ッ! 兄様のバカぁっ!」
笑いながら、魂魄石を持った腕を高く掲げる。ほとんど寝付いている姿しか見たことが無いのでわからなかったが、無惨は結構背が高い。ぴょんぴょん飛び跳ねるも、まったく手が届かなかった。
ーーそんな風に、兄の悪ふざけに気を取られていたせいで、寺に近づいてくる複数の足音に気づくのが遅れた。
「なんだあ? 仕事から帰って来たら、オレたちの塒に客がいるぜ」
野卑な声に振り返ると、身なりも人相も悪い男が五、六人ほど、堂の入り口に立っていた。
『……キュゥべえ、この人達ってひょっとして、人を殺したり物を盗んだりするのが生業の人?』
『そうだね、夜盗とか山賊って呼ばれている者たちさ』
「ずいぶんいい着物着てやがるじゃねえか。まさかお貴族様がこんなところで逢引か?」
「あの女、まだガキだが高く売れそうだな」
私達を観察しながら、ならず者の下卑た会話が続く。
「あ、兄様。逃げ……」
「おい、そっちの
隣にいたはずの無惨の姿が消えた。
何かがぶつかる音が響いて、そちらに首を巡らせると、瞬時に移動した無惨の裏拳によって、賊の一人が殴り飛ばされていた。
「て、てめえ……ゲハァッ!」
さらに次の瞬間、もう一人の大柄な男が宙を舞う。
「兄様ぁ!」
「ふむ、蹴鞠というのは存外面白いものなのだな」
……蹴鞠はその名の通り鞠を蹴って遊ぶものです。断じて人間を蹴っ飛ばす遊戯ではありません。
もんどりうって地面に落下した大男の頭に向けて、無惨がさらに足を振り上げる。
「! や、やめ……」
男の頭蓋が踏み砕かれ、脳漿がぶち撒けられる様を想像して私は蒼白になったがーーそこで兄の動きが止まった。
「チッ、またお前の魔法とやらか」
「え……?」
不愉快そうに吐き捨てる兄の腕に、足に、細い鎖が絡みついている。
「相手の命を奪う行動を阻む鎖……まったく忌々しい」
言われて見れば、最初に殴られた者も、蹴飛ばされた者も、鬼となった無惨の力を考えれば一撃で即死しても不思議ではなかったが、生きている。……うん、なんか泡吹いてピクピク痙攣してるけど、生きている。
しかし、それは残りの賊たちに戦意を持続させることとなった。
「こ、こいつらは油断してたんだ! まとめてかかれば負けねえ!」
吶喊とともに、刀を抜き放ち殺到する。
その時ーー世界が一変した。
朽ちかけた建物が、冬枯れの木々が、黎明の空が、紙を剥がすように消え去り、迷路のような奇怪な空間が展開する。
「な、なんだ!? どこだここは?」
突然の出来事に戸惑う賊たち。その背後に、奇妙な姿の怪物が迫りくる。
『@#☆%△$^&■!』
「あれ、兄貴、俺の肩、なにか、ついて……?」
「う、うわああぁぁっ!」
「……こ、今度はいったい何なの!?」
怪物の群れに人が食い殺される地獄絵図。その断末魔を背中に聞きながら、兄の手を引っ張って異空間を走る。
『あれは使い魔だよ。ここは魔女の結界の中さ』
「……!」
一難去ってまた一難。いやもう昨日から三難か四難くらい体験してる気がするけども。
「憐、魔女とは何だ?」
「え、えーっと、仙女が戦って倒さなきゃいけない存在です。その使命と引き換えに、私は魔法の力を得ました」
真実はだいぶ異なるが、とりあえず手短に説明を済ませるために、表向きの事情を語った。
「では、その魔女とやらを倒せばこの妙な空間から出られるわけだな。ーーさっさと倒してこい」
「……はい。あ、だから魂魄石返してくださいよ!」
徘徊する使い魔を避けながら、結界の最深部に辿り着く。
通路の下方に大きく開いた空間に居座る、巨大な怪物がいた。
「あれが魔女……?」
思ったより大きい。軽く私の身長の数十倍はある。
鳥の羽根や、魚の鱗や、昆虫の触角ーーその他様々なものをでたらめにつなぎ合わせたような奇怪な姿。
あれがかつては自分と同じ仙女だったとは。
「……っ」
余計なことは考えるな。
今までの(無惨とか無惨とか無惨とかによる)厄介事と違って、これは仙女になった以上、避けて通れない道なのだ。
「じゃあ、行ってきます」
魂魄石を輝かせ、変身する。
赤と黒を基調に、彼岸花の装飾が散りばめられた衣装。それが私の仙女としての姿だった。
「……なんとも珍妙な格好だな」
「思っても言わないでください!」
腹立ち紛れに言い捨てて、魔女のいる場所まで飛び降りる。
『#%□*★#&%▼#ーー!!』
敵が精神を蹂躙するような耳障りな絶叫を轟かせて、翼状の器官を広げる。
そこから無数の羽が矢のように射出されたが……当たらない。
縦横に網のように展開させた鎖が、攻撃を全て受け止めた。
続けて極太の鎖によって、魔女の巨体を拘束する。
『◆+$%△#☆■&☆ーー!!』
魔女は苦しげに身悶えするが、鎖を引きちぎることはできないようだ。
(よ、よし、勝てる……!)
「やあぁーーっ!」
トドメを刺すために、渾身の力を込めて、拳を叩き込む。
ぽこん。
「…………あれ?」
効いてない。まったく効いてない。
「ちょっとキュゥべえ、どういうこと? ぜんぜん倒せる気がしないんだけど!」
『僕に文句を言ったって仕方ないよ。仙女の魔法や攻撃手段は個人差が激しいんだ。君はどうやら、攻撃力が極めて低いようだね』
そういうことは先に言え……いやうん私が訊かなかったから言わなかったんだよね知ってた!
しかし、このまま拘束し続けても埒が明かない。否、鎖が魔法で創られている以上、いずれ魔力の限界が来る。そうしたら私の負けだ。
(ああもう、どうしたら……!)
「どけ、邪魔だ」
背後から肩を掴んだ手が、乱暴に私を突き飛ばす。
血鬼術 黒血枳棘
ーー黒い、茨に似た棘の生えた鞭。
無惨の掌中から伸びたそれが、幾条も唸りを上げて魔女の体を貫いた。
『■■■■■■ーー!!』
陽炎のように空間が揺らぐ。
気づけば私も無惨も、数刻前と同じように廃寺の前に立っていた。
違うのは、盗賊らがいないことと、目の前の地面に黒い宝石ーー慟哭果が突き刺さっていることだ。
「魔女を……倒せたの……?」
「私が倒してやったのだ」
兄が尊大に腕組みをして言う。
「どうやって……あの鞭みたいなものはいったい……?」
「なにか出そうな気がしたから出した」
「そんないい加減な……」
「うるさい。お前こそあの鎖、どうやって出現させている?」
「ーーなにか出そうな気がして出してますハイ」
慟哭果を拾って、自分の魂魄石に近づける。
立ち昇った黒い靄が慟哭果に吸い込まれると、手の中の宝玉は曇りのない輝きを取り戻していた。
「ありがとうございます、兄様。兄様がいなければ、私は死んでいました」
「……そうか」
無惨のせいでヒドい目に遭った案件のほうが圧倒的に多い気がするが、それはそれこれはこれだ。
「私の手を煩わせたのだーー寄越せ」
「え? 何を……ぁうっ」
ずぶりと兄の手刀が腹にめり込んだ。とっさに痛覚を遮断したが、体内を鋭い爪で切り裂かれる違和感はなんとも言えない。
仙女だから我慢できたが、常人だったら我慢できなかった。
血管や組織を引きちぎって取り出した暗赤色の臓物に、兄は無造作にかぶりつく。
人肉を食べることへの躊躇とか葛藤とか……無いんだろうな、うん、鬼舞辻無惨には。
人の血肉を欲するなら、人を喰えば解決する。そういう実に単純明快な論理で動いているのだろう。ある意味羨ましい。
「それにしても……」
「?」
私の肝臓を咀嚼する口が、かすかに笑みを浮かべる。
「お前の魔法は、魔女にはなんの役にも立たなかったな。日光で灼かれないように障壁を作ったことだけは褒めてやるが、やはり私のほうがより完璧に近い生物ということだ」
「……どーも」
渋面を作りつつ短く返す。
無惨が不機嫌だった謎が解けた。鬼になった自分より、仙女である私の能力の方が優れているように感じて、心中穏やかでなかったということだ。そして先程の戦いで、攻撃力がまるで無いという明確な弱点ーー自分より劣っている点を知ったことで、自尊心が満たされたのだろう。
妹を見下しながら食べる妹の肉は美味いかコノヤロウ。やっぱりこの人に感謝の言葉なんて無意味だった。
(でも、まあ……)
明るい陽の下で、こんなに健康そうで、機嫌の良い兄は初めて見られたから、散々な目に遭ったけど、許してあげよう。
オリ主の魔法少女服は巴形薙刀を赤くしたような感じです。