トップギア〜紅き風の名はマルゼンスキー 作:ゆっくりカワウソ
鬼滅でも手を出しているのに…これは泥沼化間違い無しですね(白目)
夏頃から始めたウマ娘、それがこうやって書きたい衝動に駆られるとは……歴史は繰り返すものですね(Fateだったりアマガミに手を出した前科ありw)
さて、今回は自信はないけど実は有能な元神童が主人公の物語!
ウマ娘と恋したり、楽しんだり、勝ち進んだり…時々ダークになったりとカオスなハッピーエンドものにするつもりです^_^
楽しんで読んでいただければ幸いです^ - ^
〜現在より約7年前、とあるテレビの放送〜
「日本最難関と言われる中央トレセンのトレーナー資格を14歳の中学生が会得したと本日中央トレセン学園より発表がありました。」
「最年少記録を更新した
「トレセン学園はこのように未成年のトレーナーも就学しながらトレーナーができる体制をー。」
「突如中央トレセンのトレーナー資格会得最年少記録を更新した少年は中学校を卒業後、消息を断ちました。同級生や周囲の人間からの話によるとー。」
「あの人は今!かつて日本国内最難関資格会得の最年少記録を更新したー。」
少しだけ…遠回りをさせてくれ。何、心の傷が癒えるまでだけどな…。
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ウマ娘、古来より人間と共に歴史を歩んできたケモ耳と尻尾を持ち、走ることに命をかける乙女たちの総称である。ちなみに顔は美形で女の子ばかりと言うのも特徴であることも付け加えよう。
え?ざっくりしすぎだって?間違いじゃないでしょ?(・・?)
まぁ、おふざけはここまでとして。ウマ娘は現在の世界において我々の良き隣人であり、人間同様に美味しいものを食べ、喜び、泣き、共に幸せを分かち合う存在である。現代日本ではウマ娘たちが活躍するURAの舞台やばんえいウマ娘、モデルにアイドル、はたまたウマ娘をURAの舞台で活躍させるトレーナー職に付く変わり種のウマ娘もいる、いわば我々人類同等の存在であり、良きパートナーともいえよう。
抜きん出た身体能力や若干出てくる本能的な行動を除けば、人と変わらない生態の彼女達に惹かれ、ライブやレース、はたまた結婚し、子供と共にスローライフを送るなんてことも…ふざけんなマジでー、おっと失敬。…俺の病んだ過去が溢れてしまった。これについては追々話すので話を進めよう。
さて、こんなことを語る俺のことについて話そう。先ほども名前が出たが俺の名前は仙水寺櫻弥、21歳の独身で日本ウマ娘トレーニングセンター学園スクール、通称中央トレセンのトレーナー資格会得の最年少記録を持つ男である。とある一件で俺はトレセン学園に行かず、カナダトロント*1にて飛び級で大学に進学し、大学院で教育、健康、スポーツ医学などを学びながら、アメフト・ホッケー選手やバスケ選手、北米リーグのウマ娘たちのマネジメントやパーソナルトレーナーで銭を稼ぐ暮らしをしていた。…それなりに稼げているのはここだけの話。
そんなある日、俺がいつものように研究室でスポーツ工学のレポートを読み漁っていたところ教授から、中央トレセンのお偉いさんが俺にご用だと研究室を追い出されてしまう。お偉いさんがいる学内のカフェテリアに向かうとそこには…幼女と緑色のウマ娘(?)みたいな女性がいた。
「邂逅!!君が仙水寺櫻弥さんか?!」
「久々に日本語を聞きましたよ。えぇ、私が仙水寺ですが…、あなたは?」
とりあえず見た目は幼女だがお偉いさんなのでとりあえず下手に…。年齢相応であってもかなり出来そうだと言う印象を持つ。
「はじめまして!私はこの度日本ウマ娘トレーニングセンター学園スクール理事長に就任した秋川やよいだ!こっちにいるのが秘書の早川たづなだ!」
「はぁ、それは遠路はるばるここにお越しいただきお疲れ様です。…それで私に何か御用で?」
「理事長、私から。…早川です。7年ぶり…でしょうか?」
「そういえば会いましたね、ウマ娘みたいなお姉さん。」
「だからあれほど私はウマ娘ではないと、…ごほん。単刀直入に言います、私たちはあなたをスカウトしに来ました。」
簡潔かつわかりやすい提案がたづなさんの口から出てきた。
「…。」
「あなたの気持ちはわかります。7年前、我々大人があなたを好奇の目に晒してしまったこと…それを守れなかったこと…本当に申し訳ー。」
「早川さん。」
「!」
「私が日本から消えたのはそんな理由じゃない。…もっと子供っぽくて、惨めなものなんだ。…アマノリュウセイ*2ってウマ娘は覚えてますか?」
「!えぇ、覚えていますよ。ガラスの天の川の異名は今でも忘れません。」
「……幼馴染で私の…好きな人でした。」
「!!」
「驚愕!?…どうして日本から姿を消したのか説明を願おう。」
「私が子供だったからですよ。あのトレーナーが彼女の心を射止めた、それに私が耐えられなかっただけの話です。」
コーヒーを一口飲みながら話を続ける。
「あんな口約束を間に受けて、一方的に裏切られたと思ったままこっちで7年ほど過ごしてきました。…自由気ままにできる今の環境を作り上げ、多くの経験ができたので皮肉にも結果はあのままトレセンにいるよりは幾分かマシだとは思いますよ。まぁ、2度とあの2人には会いたくはないですけど。」
「そう…ですか。」
「ですが、先ほどの提案の話、引き受けます。」
「驚愕、疑問!何故引き受けてくれるのか教えてほしい!」
「まぁ、環境の変化を求めてですね。私がいなくても研究は誰かしら進めますし、…それに小さい頃から叶えたい夢があるのです。」
「質問。叶えたい夢とは?」
一息つけ、自分の本音を告げる
「中央トレセン学園の最強のトレーナーになることです。…かなり遠回りしましたが…、私はウマ娘が好きだから…またこの夢を叶えたいと思い、今回のスカウトを受けようと思いました。」
「…激熱!!私はあなたのような人材は大歓迎だ!あなたのその熱意に満ちた顔、経歴、全て私たちが中央トレセン学園に求めていた条件に当てはまっているのだ!」
「…良いのですか?今、スポーツ工学…特にウマ娘の蹄鉄の素材の研究が佳境に差し掛かっているとお聞きしましたが…。」
「先ほども述べましたが、私がいなくても彼らだけで研究は続けますし、私なんかがいなくてもさして問題はないと言うはずです。」
「そう…ですか。…ですがその前に発言を一つ訂正してください。」
「?なんでしょう?」
早川さんが真面目な顔で…なおかつ優しくこう述べた。
「あなたは自分を卑下しすぎです。…あなたがいなければここの研究室と論文が注目されなかったことを私たちは知っています。」
「同感。私たちはあなただからこそスカウトしたいのだ。」
「…そうですか。……そう言っていただけるとありがたいです。」
彼女たちは笑わず、俺の目を逸らさずに見つめる。その顔は熱意と俺の全てを認めてくれている……久方ぶりだ。……あの頃のまっさらな気持ちでこの思いに応えよう。夢と共に走り抜く乙女を支える最高の栄誉に!
「秋川さん、早川さん。約7年と遠回りをしましたが、よろしくお願いします。」
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「さて、あらかた荷物も送ったし、明日のフライト前にトロント観光しますか!」
季節は春前、まだ凍てつく寒さが続くトロントのダウンタウンを練り歩く。もうかれこれ観光のために出歩くなんてことはなかったので久々の感覚だ。…ハイスクールに在籍していた頃、当時飛び級で大学入学の前に行ったプチトロントツアーをしていたのを思い出す。コリアタウンやチャイナタウン・リトルイタリーでの食倒れツアー、教会巡りにトロントアイランド*3の探索…どれも日本にいた頃とは違う風景に心を躍らせていた。
「…あの頃は…荒んでいたな。……けど…この風景やこの街の人たちやウマ娘たちが……思い出させてくれたんだ。俺の……あの頃の夢を。」
幼い頃に描いたきっかけ、…レース場やステージで輝く彼女たちへの憧れが心に炎を灯す。一息つけ、タバコに火を灯し、ゆっくりと紫煙を吸い込み吐き出す。
「こいつともしばらくはお預けだな…、そうなるとあのカフェのピザ食わんとな。…久々に行ってみるか。」
あの頃から変わらないリトルイタリーの行きつけのカフェで、しばらく帰れないトロントでの最後の晩餐と気の知れた店員との雑談に花を咲かせるのであった。
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桜が咲き乱れる春、ここ東京都府中市にあるトレセン学園は入学と新学期の季節である。まだ初々しい学生たちや進級する未来のスターたちがトレセン学園の体育館に集まっている。…そんな中俺は…非常に緊張していた。
(あの理事長マジ泣かすぞ…、なんで新人トレーナー代表に俺を選んだんだよ!あぁぁああ、緊張で吐き気が…)
そんな様子を見たベテラン(?)トレーナーがこんな陰口を叩く。俺はそいつに鳴かず飛ばずな印象を持つ。(偏見)
「こんなのが中央に来たのかよ、上は何を考えてるんだか。」
……明らかに理事長たちに向けての不満も含んだ侮蔑に少しカチンと来た。俺に向けるのはいいが俺に期待してくれたあの人たちの悪口は頂けない。
「年食ったからって実績に繋がるわけじゃないんだな。担当されるウマ娘たちがかわいそうだ。」
少し声を大きめに言うと何やらフジコフジコしてるようだがスルーして舞台袖へと向かう。少し吹っ切れた…。自信はないが俺は……思いの丈を伝える。
「では新人トレーナー代表である仙水寺櫻弥さんより答辞をいただきます。登壇をお願いします。」
一歩ずつマイクの方へと向かう。7年前にここにいるはずだったのだと考えると少し感慨深くもようやくスタートラインに立ったといったような気持ちになる。
「新人トレーナー代表、仙水寺櫻弥です。カナダのトロントでスポーツ医学や工学の研究をしておりましたが、今回私はトレセン学園の新人トレーナーとしてご挨拶させていただきます。」
皆が静かにこちらに注目する中で俺の意志と口上を述べる。
「皆さん、ここの学校のモットーをご存知でしょうか?…Eclipse first, the rest nowhere. 和訳すると唯一抜きん出て並ぶ者なし。まさにここ中央トレセン学園を体現した言葉です。あなたたちは全国各地から集められた、いわば最強のウマ娘たちであり、この言葉の体現者なのだと私は思います。…ですが加えて2つほど別の意味もあるのではと私は思うのです。」
少しざわめく群衆に人差し指を口に当てるとすっと静かになる。流石日本だ。
「まず1つ、常に自分の夢の先を目指し、研鑽すること。恐らくこの先多くの困難が待ち受けるはずです。自分の描いた夢に届かない、夢が破れてしまうことが沢山あるかと思います。……けれども…その夢に進んだ道筋は消えない…無駄ではないのです。その研鑽は君たちの描いた夢のかけら、歩んだ道は誰にも並ぶこともできない景色があると私は思うのです。…そして夢の先に辿り着いた時、あなたたちが笑って後悔しない道を走り抜いてください。」
14歳の頃には出なかった思いを皆に伝える。
「そして2つ目、自分の得意を伸ばすこと。唯一抜きん出るとは1番になることでもありますが、オンリーワンであることもこれに当てはまります。唯一の自分の得意を見つけてください。…これら2つの意味も含めて唯一抜きん出て並ぶ者なし…だとおもうのです。」
少し間を開け、俺はこの学園と生徒に誓いを立てる。
「今ここで私たち新人トレーナーは生徒たちの夢を支え、どんな時も君たちの味方であり、人バ一体を体現することをここで誓います!また、本日お越しの皆様並びに在校生、新入生、そして先輩トレーナーの皆様、至らぬことがあると思いますがご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い致します。話が長くなりましたが、以上で答辞を締めさせていただきます。」
一礼し、頭を上げると生徒やお偉いさん方から拍手を受け、ビビりながらもステージ裾へと向かう。…ようやくスタートができる…。
さぁ、俺の夢はこれからだ!
…フラグじゃないからね、ね?
なんとなくそんなことを思いながら春風に吹かれながら、青空に舞う桜を見上げるのであった。
今日のトレーナー行動録
・14歳の神童現る〜日本最難関資格最年少記録
・神童の消息発見〜日本が産んだトロントの天才研究者(?)
・理事長とウマ娘疑惑秘書来訪
・7年越しのスカウト
・最後の晩餐と旅〜一時のお別れ、さらばトロント
・桜舞い散る入学式〜とある新人トレーナーの長話
・夢のスタートライン〜フラグじゃないよ?
メインヒロイン(担当ウマ娘)の希望を教えてください^o^
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マルゼンスキー
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