ガシャァァァァァン!!!
ビルの壁が派手に抉られ、崩れ落ちた破片と埃があたりに舞い散っていた。
その中心に立っているのは──怪人、ブレイカー男爵。
「ハァーッハッハッハ!!脆いなぁ!!最高に気分がいいぜぇぇぇ!!」
その巨体、重厚な装甲。
右手には巨大なハンマー。左手には分厚いシールド。
見るからに厄介そうな相手だった。
「厄介だな!あのシールド!」
レッドさんが険しい声でそう叫ぶ。
「ならば先にシールドを集中的に狙うべきだな」
すかさず冷静に指示を出すブルーさん。
「レッドとイエローが前衛、私とグリーンでサポート。ホワイトは──援護に徹してくれ」
「了解!」
すぐに役割が決まる。
私のやるべきことは──援護。今の私にできる最大限の戦い方。
レッドさんが真っ先に動いた。
「フンッ!!!!」
燃え上がる拳が怪人のシールドに叩き込まれる。
だけど、やっぱり硬い。それでも、レッドさんは怯まない。むしろ……嬉しそうにすら見えた。
「イエロー!!」
「そ〜れそ〜れ〜♪ビリビリしちゃえ〜!」
イエローさんが高速で動きながら、電撃を浴びせる。
わずかでも動きを鈍らせるだけで、大きな意味がある。そういう戦い方だ。
「隙間を凍らせて動きを制限……決まればいいが」
ブルーさんは遠距離から氷の弾丸を撃ち、怪人の足元を狙う。
グリーンさんは──
「防御陣、展開……!」
風の壁で私たちを守ってくれていた。
その力があるから、私は安心して援護に専念できる。
「援護します!」
私は支援用の弾を込めたColorsSchottを構える。
狙うのはブレイカー男爵の装甲の隙間。少しでも動きを止められたら──!
「当たれっ……!」
バンッ! バンッ!
撃った弾が、ほんのわずかに怪人の動きを止める。
「チィ……地味に鬱陶しいぜ小娘ェ!」
でも、そのわずかな隙が──勝機を生む。
「今だッ!!」
レッドさんが燃え上がる拳でシールドに突撃する。
「Colorsコンビネーション!!」
ブルーさんの氷。イエローさんの電撃。グリーンさんの風。
そして私の支援射撃──。
「これが──オレたちの力だ!!」
レッドさんの拳が、紅蓮の炎を纏って炸裂する!
ドォォォォォン!!!
ブレイカー男爵のシールドが砕け散った。
「バ、バカなァァァァァァ!!!」
そこからは一気だった。
Colors全員の必殺コンボが叩き込まれ、ブレイカー男爵は膝をつく。
「グ、グオオオオオ……!!」
その身体から火花と煙が噴き出す。
──でも。
「ぐぅ……このオレ様が……!クソォォォ……!」
ブレイカー男爵は懐から小型の装置を取り出した。
カチッ──
ピピピピ……!
紫色の煙があたりに広がっていく。
「煙幕!? いや、これは……」
ブルーさんがすぐに見抜いた。
「転送装置か!」
「逃げる気か!」
レッドさんが悔しそうに歯を食いしばる。
「オレ様は……まだ終わらんぞォォォ……!」
怪人の姿は、煙と共に消えていった。
──撤退。
「あっ……」
私は、まだ肩で息をしながら、その消えた場所を見つめていた。
(でも……次は絶対に)
もっと強くなりたい。
もっと……皆と肩を並べられるように。
私の心に、静かに、でも確かに──新しい闘志が灯っていた。