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階段を下りてすぐのニ階の廊下を一人の青年とその後ろに十人の子供がアヒルの子のように前の青年を追いかけていた。青年は子供に配慮することなどなくその長い脚で鼻歌を歌いながら廊下を歩いていた。歩幅と歩く速度に差があるので青年と子供達との距離は離れていった。不意に青年が鼻歌をやめ立ち止まって後を振り向くと十人の子供があわただしい小さな足音をたてながら青年に近づいていた。それを見た青年は前を向いてまた鼻歌を歌いながら歩き始めた。
「ここだよ。さぁ、入って。」
そう言って青年、趙李は「風呂場」と書かれた暖簾をくぐって中に入っていった。子供達は「風呂場」という文字を何故か読むことができた
「よし、全員いるね。ここが何をするところかわかる?ここはね風呂といって身を清めるとこさ。」
趙李の「風呂」という単語が出てきて驚愕している者が一人いた。憑依者である彼だ。彼は今の時代の二千年以上未来で生きていた人物なので風呂について知っているし、毎日風呂に入っている。二千年以上未来ではボタンを押したり蛇口を回せば暖かいお湯が出てくるので何時でも入れた。しかし、この時代は彼が生きていた時代の生活水準と比べると天と地の差がある。未来では簡単に入れるが、ここではそうはいかない。風呂に必要なのは大量のきれいな水と、水を沸かす薪や水を入れる浴槽がいる。それらを集めたり作るのはそうとう人手がいるはずだ。そうしてやっとできる風呂をこれから奴隷となって生きていく俺達を風呂に入れる目的とはなんだ?もしかしてさっきの
馬鹿なことを考えているといつの間にか趙李の風呂に関する説明は終わっていた。
「はい、風呂に入るから説明した通り服を脱いでね。」
説明を聞いていなかった
「それじゃ風呂に入って。」
浴室は天井は高く床は石造りだった。外に水車のようなものが見える。あれで源泉からお湯を運んでいるのだろうと考え、ここ凄すぎないか?と
「これからこの人が君を洗ってくれるからさ。」
趙李が言うとそばにいた女がほんのり暖かいタオルみたいなもので
「風呂が終わったらこの子ら案内よろしく。」
趙李はそう言って浴室から出ていった。
風呂が終わり(風呂と言っても体を拭いただけなのだが)浴室から出ると庶民の子供が着るような服が人数分置かれていた。それを女の人に着せてもらい趙李がいる部屋に案内された。部屋では趙李が筆と木板を持っていた。
「お?来たねこれから君たちに名前を付けるから。ちなみに今名前があっても関係ないから。これからつけられる名前が君たちの名前だ分かった?」
突然そんなことを言われたので誰も反応できずにいると子供の一人を指さしてこっちに来るように言った。呼ばれた子は趙李に顔をまじまじと見られていた。何分か経つと筆で木板になにか書き込んでいる。完成したのか筆を置いてその子に木板を見せて名前を言った。言われた子は部屋の「外にいる人についていって」と言われ部屋を出た。次の子がまた指さされ名前をつけられた。
「さて次の子」
今何人目かわからないが早く行ってくれよ。色々ありすぎて体が疲れているんだ。
「ほら君だよ?君…つかれた顔した君だよ言葉も話せなければ耳も悪いかい?周りを見てみなよ。残っているの君だけだよ。」
周りを見回すと俺と趙李しかいないが俺のことを読んでいるのか?「俺のこと?」と指で自分をさすと「そう君だよ、早くおいで。」そう言われたので俺は趙李の前に近づいた。
「んん~君の名前どうしよ?口もきけず耳も悪い君に名前なんていらないか。でも、ここにくる子は名前をつけるしなあ。」
なんだか勘違いされているようなので俺は口がきけることと耳もちゃんと聞こえていることを伝えると、「あっそ」と、流された。そのことに少しイラッとしている趙李が立ち上がって「君の名前は考えるのめんどくさいからやっぱなしで。」と言われた。名前を考えなくていいのか聞くと「名無しが一人いても別にいいだろ。」と返された。「外に案内してくれる人がいるからそいつについていけ」と言われ部屋からつまみ出された。
部屋の外には一人の大柄の男がいた。「今すぐに来い」と腕を引っ張られて奥にある部屋に入れられた。その男は名前を
その1
●上の者からの呼び出しは絶対に遅れてはいけない。
複数から呼び出しがあった場合はより上位の者から優先しなければならない。
(例)
趙権←趙李←←←班長
その2
●上の者からの命令は絶対である。
命令を破ると重い罰が同室のメンバーにも及ぶ。
虚偽の報告を決してしてはいけない
その3
●脱走をしてはいけない。
計画を立てるのも協力するのも、知っておきながら班長といった自分より上の者に報告しないことも脱走者に準ずる罰が下る。
この三つを守れば平穏に暮らしていけるそうだ。
俺は興味本位で如春に首に入れ墨を入れている女の人がいるのでそのことについて聞くと顔を強張らせて「そのことについてもう二度と話すな」と小さいが力が籠もった声で言われた。
「彼」(憑依者)10歳 男
気が付くとキングダムの少年に憑依していた。本人は家に帰りたがっているが手がかりなし。キングダムという漫画は秦国の六将に王翦や桓騎が就任したどこまで知っている。しかし、自分がキングダムという漫画に出で来ない少年になったとは気づいていない。スゴい昔の中華風の異世界に転生したのではと思っている。一応主人公
如春(じょしゅん)18歳 男
憑依者である「彼」の同室の先輩兼育成係
新人の面倒をみるのってめんどくさいと感じている。
面倒見が良い。
趙権(ちょうけん)31 歳 男
ドス黒い。壁にかけてある宝刀は昔の仕事の戦利品
頭は悪くないが血が上りやすくキレると怖い
今現在は文字通り「色々」商売をやっている。
「彼」が連れてこられた建物は趙権が報告書を読んだり寛いだりする場所。趙李が居たのはたまたま。
武力(86)崇原並
趙李(ちょうり)29 歳 男
趙権の弟。優踏生的な雰囲気だが不思議ちゃん。
何処かにブラブラとしたり兵士として戦争に参加して小遣いを稼ぐ。仕事はしない。頭が凄く回る軍人タイプ。
相手の言葉にかぶせて話すときは結構切れている怖い。
毒舌家。連れてこられた人の名前を顔を見て考える。 主人公である「彼」に名前をつけないのは気分が乗らない顔だから。(タイプでない)
兄と同じように剣を使うが槍も弓も使える。前職の時は趙権が突撃、趙李がサポート(作戦を考える役)
有漢(うかん) 45歳 男
第一話では「彼」の心を絶望に落とすが趙李に絡まれるという事故に合う。逃げ出した美姫に暴行を加えて意識不明にしてしまったので趙権にブチギレられて宝刀で優しく斬られる。趙権と趙李の前職時代では世話になっていた。そのコネでいまの働いている。
連れて着た奴を追い詰めるのがストレス解消法。
蔡項(さいこう)30歳 男
趙兄弟とは幼馴染み。もちろん二人の前職について知っているし何度か参加していた。医者。噂に聞く美姫を触れてラッキーこの手絶対洗わないと思っていたらおじさんの体を触る羽目になってガックリとしている。
美姫(名前を不明)女 13歳
後宮に向かう時に土砂崩れで死んだと思われているらしいが生きてはいる。意識不明(暴行、栄養不良、疲労)
メチャクチャ美少女らしい。